2024年5月18日土曜日

相場雑感 2024年5月1日から5月18日まで


NY2024年4月30日(火)

S&P500 5035ー80(ー1.57%)NYダウ37815ー570(ー1.49%)

NASDAQ15657ー325(ー2.04%)

アメリカ国債10年利回り日足 雇用コスト指数が1月から3月にかけて過去1年間で最も上昇したことを受けて、 雇用コストの増加から来るインフレ再燃懸念から金利が上昇。 連邦準備制度理事会の最中と言うこともあって金利政策に影響与えるのではないか?と言う動きになっている。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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30日のアメリカ市場は1日の連邦準備制度理事会の結果発表を前に下落した。 相場終了前にぽんと下げる場面があり手じまい売りとみられる。

労働統計局が発表したデータによると 雇用コスト指数は12月から3月にかけて1.2%上昇し2023年末の0.9%上昇を上回り この1年で最大の数字となった。 3ヶ月間で賃金と給与は1.1%増加。福利厚生費用も1.1%増加したと言う。 パウエルは強い雇用にもかかわらず労働参加者が増える、 労働時間が長くなることなどによって労働コストは抑えられると言うような見方を以前示したことがある。 しかし今回の雇用こそ指数はこれを真っ向から否定するもので、 この数字を受けて明日の連邦準備制度理事会の結果発表で金利についてネガティブな 表現がされるのではないかと言う懸念から株価が下がったと言う。

注目のAmazonが ザラバ警戒感などもあって3.3%下落した後、時間外では2.3%ほどの上昇といったところ。行ってこいになっていてプラマイゼロに近いか。

手詰まりになっている中で、アメリカが大麻の分類について鎮痛剤なみに軽度への変更を行うと言うニュースが流れると、いわゆる合法大麻流通に対する期待感からキャノピーグロースが79%上昇するなど大麻株に人気が集まっている。

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労働コストが上昇する中で金利引き下げ後ろ倒し懸念が強まった。

昨日までのリバウンド場面で上昇していたマグニフィセントセブンが売られた。

エヌビディアが 1.5%の下落、テスラ5.5%下落、Amazonが3.3%の下落、Appleが1.8%の下落、Microsoftが3.2%の下落、メタが0.5%の下落。アルファベットも2%の下落となった。

テスラ日足


Apple日足


アルファベット日足 陰線が三本並ぶ


マグニフィセントセブン以外でもアドバンストマイクロデバイスが1.1%の下落。データセンターの構築のスーパーマイクロコンピューターが3.5%の下落。

その他今日は決算に絡んでMicroストラテジーが17%下落するなど仮想通貨関連株が大きく下げている。コインベース6.5%安。

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半導体も金利上昇を見て総崩れになった。上記エヌビディアとAdvanced Micro Devicesに加えて、ブロードコムが2.8%の下落、インテルが2.8%の下落、マイクロンが1.2%の下落、テキサスインストゥルメンツが1.6%の下落。半導体製造装置のASMLは受注減少が尾を引いていて4.1%の下落。

エヌビディア日足


AMD日足


ブロードコム日足


マイクロン日足


ASML日足


ソックス指数もほぼ安値で引けている。

SOX日足


ただNXPセミコンダクターズは逆行高。これは決算を受けたもので、車載半導体などパワー半導体が回復基調にあるとした事を受けている。

NXPセミコンダクターズ日足


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業績不振銘柄には売りが続く。キャタピラー4.3%安、ボーイング3.2%安。両方ともダウ採用銘柄なのでダウの下げに貢献してしまっている。

CAT日足


ボーイング日足


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AP通信によれば米国麻薬取り締まり局はマリファナをより危険性の低い薬物に再分類する準備を進めている、と。新しい分類はタイレノール(アセトミフェン由来の鎮痛剤)なみの依存性と分類するとされていて、合法的な大麻使用に近づくという。

この報道がザラ場中に流れると個人投資家の投機資金が大麻関連株に一気になだれ込んだ。

キャノピーグロース日足



このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場 2024年5月1日(水)

TOPIX2729ー13 (ー0.50%)NK22538274ー131(ー0.34%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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月替わりの1日の東京市場は下がって取引を終えた。前日ナスダックが2%を超えて下げたことから売り注文が集まり225指数は38,100円を下回る場面もあった。 ただ心理的な サポートとなった38,000円はキープ。その後10時を回ってからは押し目買いも入り225指数が小幅ながらプラスに転じる場面もあった。

国内事情としては、 決算が悪かったりあまり良くない材料が出た株には売りが出たのが特徴。 赤字転落の日揮やコンセンサスを下回った日本M&Aセンターが大きく売られたりしている。島根原発の運転再開延期報道が出た中国電力の下げもきつい。大塚商会や平和不動産、日本特殊陶業も決算がらみに売られている。その他原油市場や金属市場の値下がりを見て資源関連株が売られている。

一方で過去最高利益を更新したレーザーテックが出来高を伴って上昇(最新機種の受注や引き合いが底入れしたのも大きかった)。 九州電力や東北電力などコンセンサスを上回った銘柄を買う動きも出ていた。全体相場が下げる中で ハイテク株等から逃避した資金が小野薬品や中外製薬などに流れてフェンシブストックがつよい 1日でもあった。

昼過ぎにかけて持ち直した相場だったが13時からは再び先物に売り注文が出たと見られる。日経平均元TOPIXも時を同じくして下落しているからだ。(個別に売られたのなら構成銘柄が異なる二つの指数はもっと別々の動きをするから) 日本時間の明日未明でFOMCの結果発表とパウエルの会見があるためのリスク縮小の売りか。 今回FFレートについては当然変更の可能性は極めて低い。

注目点は今後について どんなことをパウエルが話すのか?と言うことになるだろう。最近はインフレ指標が下げ止まったりむしろ反転上昇している指標も多い。にもかかわらずインフレは抑制されていくと話すのか、このまま利下げをせずインフレを抑制する方針に移るのか。

くどいようだが 法定金利の操作はインフレ対策や景気コントロールの結果を出すために12ヶ月程度かかるとされる。 既にインフレが抑制されているのに金利を下げなければ、物価や景気を冷やしすぎてしまう。かといってインフレが抑制されていないにもかかわらず金利を下げてしまえば10数ヶ月後にも大きなインフレが再発する可能性がある。 見えないカーブを予測しながら10数ヶ月後に効果があるハンドルを切っているようなもの。 FRBはなんと言うか?だろう。

繰り返すけれど、 パウエルは従来、労働を参加人口の増加などを背景に今の強い労働需給の中でもインフレを抑制できると話している。 逆にサマーズ元財務長官などは デマンドプルインフレの観点から必要率を5%程度まで悪化させないとインフレは抑制できないのではないか?、としている (過去のFRBの金融政策はハト派過ぎるのでは無いか。もっと景気にブレーキを踏むべきと)

パウエルがこのような対立する2つの考えの間で、今どのようなスタンスにいるのか?これを表明するのが今回の記者会見になるだろう。 相変わらずハト派スタンスなのか? それとも 前回3月のFOMCの時よりは 重心をタカ派よりに変えるのか? これがもっとも注目される。

○ この程度のインフレは許容できる、許容できない。

○ 今の金利または年内利下げでもインフレは抑制できる、できない

○ 万が一ブレーキをかけたとして、景気に対する予測。

○ どの程度あるいはどのくらいの期間でインフレ指標が出たらインフレが抑制できると判断するのかの基準

などの発言に最大限注目したい

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相場全体が下げる中で、好業績銘柄には注文が来ている。

プライムで上昇率2位に入ったレーザーテックは 史上最高の利益と最新機種の引き合回復?を好感。

クイックのコンセンサスが売り上493億円予想に対して実績が622億円。営業利益のコンセンサスが192億円に対して264億円の実績となった。 通期にたいしては コンセンサスをわずかに下回る(会社計画では通期売上高1950億円、営業利益が670億円。コンセンサスでは1976億円、709億円) となったものの、 レーザーテックの場合は 検査装置の値段が大きいために、1個期中に検収できるかできないかで 売り上げ利益が大きく変わる。 前四半期が良かったと言うことは順調に検収は進んでおり、おそらく保守的に検収を見込んだとみられる。 会社側としては慎重に見計らったということだろう。もしも来期に回ると見られていた製品の売り上げが今年中に間に合えば計画を上回る結果になるんだろう。

相場は数字そのものもさることながら高い値段、高い利益率である最先端のEUV検査装置である「ACTIS」の受注と引き合いが強いとされたことをポジティブにとらえたと報道される。

レーザーテック日足


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電力株はまちまちの動きとなった。原発再開先送りとなった中国電力が7.8%下落。今期の業績非開示となった東京電力は不透明感もあって3.8%下落。一方、コンセンサスを上回った九州電力は8.6%と大きく上昇。先週までの「電力株なら何でもいいや」という相場ともことなった値動きになった。

中国電力


東京電力


九州電力(半導体工場効果か)


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業績を嫌われた銘柄では、日揮が 11%の下落、日本M&Aが 10.7%の下落。平和不動産も10.1%の下落と下落率が大きくなっている。

その他大塚商会が7.1%の下落、SANKYO の5.5%の下落。

先月まで相場を大きくリードしていたさくらインターネット 5.2%の下落、商船三井が5.2%下落するなど海運株も売りが目立った。

富士電機も4.3%下落

富士電機週足


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昨日のサムスン電子の決算については、4月5日の速報値に概ねそう内容と言う評価。 メモリーの売り上げについては大幅な増収増益。 メモリーを含めた半導体事業は2022年12月期以来の黒字となっている。ガイダンスでは今年後半からのPCの買い替え需要 を見込む一方で携帯電話などのモービル事業は流通在庫が未だ増加していることから年後半の伸びは限定的になるとしている。サーバー向けはAIは強い 引き合いがあり、一般向けは買い替え需要がようやく期待できる状態と会社側がコメントとしている。

特に、人工知能データサーバー向けと期待されるHBMやDDR5、 高速SSDについては PC向けやモービル向けの工場から生産を割り当てること、 8層HBM3Eの生産を5月から始めること、最先端の12層HBMについて4ー6に 量産を始めるとしたことが注目される。メモリについてはとにかく積層化競争が激しくなったと言えるだろう。当然積層化に関連する技術を持った銘柄が注目されていく。

サムスン電子日足(韓国は5月1日はおやすみ)

 


新天地注 HBMについては 今更ながら別に解説します。

積層化向けでは、ソシオネクストが北米のデータセンター向けの採用が近づいていると言う報道が昨日も日経新聞から出ている 。具体的な商談の獲得がいつ報道されるのかされないのかと言うところも注目を集めることになるだろう。この辺は物理設計だけではなく、フロントエンド(利用者と接するより幅の広い コンセプトや設計)も受注する可能性がありこうなると実績作りと言う面で非常に大きいことになるね。

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パワー半導体向けでは、業界としては未だボトム型にあるものの明るくなってきたと言う見方が増えてきたようだ。実際昨日と今日総合してみればパワー半導体を手がける銘柄はしっかりしている。

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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年5月1日(水)

S&P500 5018ー17(ー0.34%)NYダウ37903+87(+0.23%)

NASDAQ15605ー52(ー0.33%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 FOMCを受けて「量的縮小ペースを落とすこと」「利上げへの否定的見解」


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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1日のアメリカ市場は終わってみれば ダウはプラスだったものの 機関投資家がベンチマークとするS&P 500や ハイテク株が多いナスダック指数は小幅な下落になった。注目のFOMCを巡って株価は一時大きな上昇を見せた後急に下げ。なかなか波乱の1日を終えている。

○ パウエルが「 利上げ継続には否定的 」

○FRBの 量的縮小ペースを落とす ことを表明

○ スタグフレーション(物価上昇を伴う景気悪化)については否定 した事

で株価は一時的に大きく上げる場面があった。

○ しかし債券利回りが下げ渋ったことや「利下げするには指標がインフレ抑制を示さないとダメ」と声明が示した事などで「利下げの見切り発車はない」と判断した向きが利益確定の売りを出したことで上昇幅を失った。 加えて スーパーマイクロコンピュータとAMDが決算に絡んで下げた事 が半導体全般に売りを呼び込み、これも指数の足を大きく引っ張った。



なお原油が3.3%下落するなどコモディティー市場では大きな波乱となっている。 半導体に関しては昨日出ていた スーパーマイクロコンピューターの業績が市場の予想に届かなかったことから株価が大きく下げ、14%の急落となった。AMDも下げがきつく、これらに引きずられる形でエヌビディアが3.9%の下落、AI向けの高速メモリの期待感が高まっていたマイクロンも2.9%の下落。ブロードコムなど「AI関連」が軒並み売られた。 半導体ソックス指数は結局3.5%の大幅下落となっていて相場全般の足を引っ張っている。

SOX日足


注目の記者会見の中で パウエル議長は「 次の政策措置が利上げに なる可能性は低い」と発言。一部市場で警戒され始めていた「利上げが続くんじゃ無いか」 と言う懸念はほぼ解消された。少なくとも政策的には利下げ方向と言うことを示したことで株価は一時的に大きく上げる場面があった。

また、インフレ率が下がっていない場合でも 労働市場が予想外に弱まった場合は利下げを行う と言う趣旨の発言もしている。 スタグフレーションの懸念に対しても、これを軽視 した。従来パウエルは1970年代の例を挙げて過度な金融緩和がスタグフレーションをもたらしたことへの反省点を指摘している。しかしながら今回は スタグフレーションは見当たらない と発言。株式相場としては安心感が広がっている。

さらに、利下げと並んで注目されていた 量的縮小政策についてFRBのバランスシートの縮小(保有債券の満期償還が来ても買い直さず債券保有残高を減らす措置を行っている。ランオフという。)ペースを月額600億ドルから250億ドルに減速することを表明。 これも現金供給の減少を抑えるということで金融緩和方向への舵取りと受け止められ株価にはプラスのインパクトがあった。

しかしながら政策表明の中で「 ここ数ヶ月間2%のインフレ目標に向けたさらなる進展は見られない」とも書かれ、 利下げの前にインフレ抑制が指標によって示されることが必要 であると言う考えを改めて示したことが株価の「行ってこい」につながっている。 インフレ率が2%に向けて持続的に推移していると言う確信が高まるまでは利下げを行うことができない(そして今の指標ではそれには程遠いと)。

この辺をみて、債券価格が再び下落(利回りは上昇)。株も先物主導で上昇幅を失った

政策金利の操作の効果は12ヶ月ほどして現れる。すでに高い水準まで金利は上がっているので、その効果が出てくるのは数ヶ月後。だ からもうそろそろいいだろう(利下げを行うべき)と考えるのがハト派。 (多くのマーケットの期待感でもある) しかし今回の政策声明や パウエル議長の記者会見からは「 もっと持続的なインフレ抑制の指標が出ないと利下げは行えない」(見切り発車はしない) と言うスタンスを明確にしたと言える。

見切り発車を期待するハト派とはかなり距離を置いた。タカ派的とまではいえないが中立姿勢を示したと言える

市場の興味は FRBが「持続的なインフレ抑制を確信できる指標」はどの程度のものか? あるいはその上でそういう 指標がいつ出てくるのか? と言うところに移ったと言えるだろう。 またS&P 500指数が急落とまではいかなかったところは、市場はそこまで「インフレ抑制が失敗する」とまでは今のところは思っていないと言うところだろう。

とりあえずパウエルくんの言い分は分かったから興奮せずにいったん様子を見ましょうよと。 ただし、もう充分利上げ期間が続いたのだからそろそろ利下げをするだろうと言う夢のような期待感だけは剥落した と言える

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東京市場 2024年5月2日(木)

TOPIX2728ー0 (ー0.03%)NK225 38236ー37(ー0.10%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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2日の東京市場は終わってみればわずかに下落。 ただし朝方はアメリカで半導体株が売られたこと(具体的にはスーパーマイクロコンピューターとAMDが下げた事)、朝5時ごろから政府に日銀がおそらく5兆円規模で大規模なドル売り円買いの覆面市場介入を行ったことで円高が進んだことから日経平均が300円ほど売られて始まる場面もあった。

ドル円15分間足5日間 今朝のドル急落は直近二回目の覆面介入とみられる。一回の介入で4、5円落としてくること、介入そのものは1時間程度続く事。これが「神田暴威」(神田財務官)のやり口と言うわけ。彼の在任中はこの犯行手口をよく覚えておこう。

 


ただパウエル発言をめぐっては少なくともここからの 利上げの可能性を否定的 に捉えたこと、さらに政府日銀の大規模介入にもかかわらず、 介入が終わったところで再び円安ドル高方向に 向かったことが指数を押しもどしたと考える。

売買代金上位を見てくると、 海運株とか銀行株とかガラ土が下がってる。 逆に、 エレクトロンやレーザーテックが切り返したのに連動して半導体や225指数など全体を押し上げる動きにもなっている。

ただ半導体でも決算見通しがンセンサスを大きくして回ったイビデンが10%超えて売られるなど(イビデンのパッケージングは プロセッサやメモリを積層してなおかつGPUも一緒にパッケージするために必要なものが含まれる)半導体でも データセンター期待が先走りすぎた銘柄に売りが出た印象 。昨日まで上がっていたタムロンが利益確定で値段を下げるなど、上がっている銘柄を売っておこうと言う流れも目についた。銀行が弱いのも上がってた銘柄を利食っておこうと言うところだろうか

売買代金は4兆2000億円。やや低調といったところ。連休前と言うこともあって積極的にポジションを取る動きにはかけた。

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レーザーテックや東京エレクトロンが切り返したのに 連動する形で指数も盛り返した。

レーザーテック日中足


寄り付きやすかったところからいきなり出来高を伴って上昇していることから値下がりを待ち構えていた期間投資家がまとまった株数を買ったものと見られる

東京エレクトロン日中足


こちらも10時ごろにかけてまとまった株数を買った痕跡を 見て取ることができる。

ソシオネクストが0.5%の上昇、ディスコが0.8%の上昇。 一方で業績が悪かったイビデンが12%の下落。 アドバンテストは0.7%の下落。信越化学が1.4%の下落と半導体セクターの中でもややまちまち感はあった。

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買われたのは大手商社株。 決算と同時に急落した三菱商事は2.5%の下落だったが、住友商事が売買代金を伴って4.4%の上昇、三井物産が売買代金8位の出来高で1.6%の上昇。伊藤忠商事2.8%の上昇、丸紅1.8%の上昇と買われた。

決算が好調だったJフロントリテイリングが高く、円高メリット株とされるニトリが買われている。

その他第一三共が3.1%の上昇、出遅れていた薬品株の1部は変われている。その一方で新薬の開発大幅縮小が打ち出された住友ファーマは下落。経営の稚拙も問われた。

あとは関西電力と北海道電力が今日は買われる日だった。

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コーエイテクモは 連日の安値更新。ゲーム業界には逆風が吹いていると言う形。


上でも書いたけど半導体パッケージのイビデンは大幅安で年初来安値を大きく更新してしまった。

イビデン週足

 


イビデン日中足 大きな出来高と一直線に下がっていた特有の日中足から大規模なプログラム売りが出たと考えられる。


イビデンのパッケージのなかには、 CPUとHBM(広帯域メモリ)とGPUを 1つにまとめるものがある。これが欠かせないので人工知能向けプロセッサーには必ず搭載されるわけだが、 人工知能プロセッサは一個あたりの単価がとても大きくエヌビディアに多額の利益をもたらした一方で、 プロセッサーの個数自体は爆発的に増えたわけではない。その意味で期待感が先走りすぎて数量が追いつかなかったというのが今回の下げと言う形になるだろうか 。 この話は1年ほど前にみずほ証券のアナリストが 一般論として周辺の銘柄すべてにエヌビディアの恩恵があるわけではないと指摘していたのだが、 周辺銘柄の株価はそれを無視して数ヶ月以上上がり続けた。そして 1年経った後でみずほの警告が イビデンで的中してしまった と言う形になっている。

業績が嫌われた組ではヤーマンも安値引け。

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NY2024年5月2日(金)

S&P500 5064 +45(+0.91%)NYダウ38225+322(+0.85%)

NASDAQ15840+235(+1.51%)

アメリカ国債10年利回り日足  FOMCの結果解釈を巡って一日たって債券は買われた(金利は低下) これが株高に繋がった面はある。 パウエルは現在は利下げをする状況にない、 と発言したものの 利上げについては考えていないと発言したこと。量的金融縮小であるFRBのバランスシートの縮小ペースを大きく落とすことにしたこと。 これを債権マーケットは ハト派的と評価 したことになった。



アメリカ国債5年利回り日足  10年債(よりインフレ率に感応しやすい)よりも5年債(より政策金利に連動性が高い)の方が 金利が低下しているのはわかるだろうか。市場はわずかながら「利上げの可能性はある」と警戒していたが パウエルがこれを 否定したことで金利低下につながった面はある。 そのためにより政策金利に連動性が高い5年国債の方が金利が低下しやすい 。 ただし鳩派的な政策は将来におけるインフレ再燃を許容すると言う面があり長期国債の利回りは5年国債に比べれば相対的には下がりにくかった 。 結果的にブル スティープニングと言う形になっている。


S&P500日足 まだ25日移動平均線と50日移動平均線の下にはいる。しかし50日平均戦は何とか上向きを保っている。


NYダウ日足 ダウは50日移動平均線も下向いてしまっている。


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ株は上がっている。さらに取引終了後に発表されたAppleのガイダンスを見てApple株は時間外で上昇。一方日本株先物はやや円高方向に触れたことから大きく下がったわけだが、Appleの決算とガイダンスを見て下げ幅をやや縮小している。

Apple日中足(時間外取引含む)

 


○ パウエルが「懸念されていた再びの利上げについては否定的な見解」を示したことから 金利は長短で下落。 また予想されていたとは言え、 中央銀行の「資産ポートフォリオの縮小ペース減速」 が発表されたことで市場の流動性(ざっくり言えば市場に出回るお金の量。 この一定割合が株や債券を買うお金になるので、流動性が確保されれば株価が上がりやすいとも言えるし流動性が減れば株価は下がりやすいと言える)も確保できると考えた事は株価にはプラスになっている 。 市場は1日経って「昨日のFOMCは現時点ではハト派」 と解釈した。

(新天地注。 ただし、この政策(量的金融縮小の強度を弱めた)が間違っていれば後々でインフレの悪化と言う大きなしっぺ返しは喰らうんだけどね。 もし間違っていれば痛みを後倒しにして、その分のペナルティーを後でもらうことになる。 その場合はインフレの加速と抑制のための金融締め付け、同時にスタグフレーションがやってくるだろう。 なんでこんなふうに正解か 不正解か今の段階でわからないかと言うと、金融政策が実際の物価上昇や景気に実際に影響与えるのに12ヶ月程度かかるから。何ヶ月も先の経済状況を予測しながらアクセルやブレーキを踏んでいるのだから非常に難しいと言うことになる。 なんで12ヶ月もかかるのかと言うと簡単な話なんだが後で別に書きます。)

○ 失業保険申請件数が20.8万件と 強い雇用が示されたものの、上で書いた中央銀行の資産ポートフォリオの縮小ペースの減速解釈から金利が低下。これでリスクオン、株高の流れにもなった。

○ クアルコムは 「 AIを利用するために高性能、 早い通信速度を持つスマートフォンの回復見込み」 からスマホの向けのスナップドラゴンと呼ばれる半導体チップのうち高性能のものが売れたとして市場予想を上回る決算とガイダンスを発表。 自動車向けの復調 もアナウンス。 これでクアルコムが上がるとともに周辺半導体銘柄にもプラスの影響を与えた。

○ クアルコムの決算を見て(高性能のiPhoneの売り上げが伸びると言う期待感から) 通常取引時間中から 2.2%上がっていた Appleがガイダンスを発表すると時間外ではさらに今の時点で6%ほど上昇。 合わせて8%を超える上昇になっている。 連動して時間外の先物も上がっている。  

今までティム・クックは生成AIについて具体的なコメントをしてこなかったが、 満を持してAppleのハードウェアを使った独自の生成AI生態系を打ち出すことを表明。 これも期待感につながっている。

特にスマートフォンについてコロナ以降は明らかに在庫調整とか売り上げの伸びが言われていた。 それが「AIを利用するために高性能の商品が売れ出しているよ」と言うクアルコムのガイダンスはかなりインパクトがあった。 ひょっとするとこれでスマートフォンのサイクルが上向きに動き出すのではないか?あるいは人工知能投資がさらに進むのではないか?と言うコンセンサスができつつあるのは大きいだろう。 クアルコムとAppleが同時に同じ方向でポジティブなガイダンスを出してきたのはインパクトがあったと言える。

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まず クアルコムが決算とガイダンスを発表していたわけだが、これでクアルコムの株価がぶっ飛んだのが大きかった。

クアルコム日足 52週高値を更新


業績については利益が37%増加の23.3億ドル。 新しい今期の見込みについては会社見通しが92億ドル。コンセンサスは90.6億ドルだったのでかなり強気に見ていることになる。利益についてもEPSが2.25ドルになると(コンセンサスは2.18ドル)

これを見て人工知能に強みを持つエヌビディアが3.3%上昇。 クラウドサービスが伸びているアマゾンが3.2%続伸。スーパーマイクロコンピューターも3.3%の上昇と回復を見せた。さらにはアルファベットも1.7%の上昇。時価総額の大きなこれらの上昇が特にナスダックを大きく上昇させている。

半導体関連は上記エヌビディアに加えて、 メモリーのマイクロンが2.4%の上昇。人工知能関連を司るマーベルが4.4%の上昇と前日の下げを取り返す形になった。 

最も動いたのは半導体製造装置で、

また、高額のスマートフォンが売れていると言う 連想から中国のネット関連銘柄にも回注文が入っている。アリババは自社株買いと言う情報もあって6.4%の上昇。PDD 10.5%の上昇、JD11.5%上昇、バイドゥ7.1%など軒並み大幅高になった。

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Appleについては、Appleも採用する通信半導体(スナップドラゴン)を作るクアルコムの上昇で連想からザラバで 2.2%の上昇。さらにガイダンスを受けて時間外では6%程度上昇している。

調整EPSが1.53ドル。これは予想の1.50ドルを上回った。追加で自社株買いを1100億ドルと発表。これもサプライズになっている。 中身としてはサービス部門が過去最高を記録。 前年の209億ドルから238億ドルに伸びたのが大きいか。 マイナス面としては実績として前年同期の739億ドルから668億ドルにハードウェアの売り上げが大きく落ちている。これについても次のiPhoneでAI搭載へ 向かうことから回復期待が出ているようだ。 CEOのティム・クックは生成AIについても積極的な発言をしている。自社開発のAppleシリコンを搭載したスマートフォンやタブレットPCで独自の組み合わせによるAIの展開を表明。6月の臨時開発者カンファレンスで具体的な形を見せると思われる。

MicrosoftやGoogleが積極的なAIに対する発言を行ってきたのに対して ティム・クックは昨日までAIについて言及することはほとんどなかった。昨日の投資家向けのコメントでここまで 積極的に生成AIについて語ったのは初めてで、iPhoneのAI対応のめどがついたんだと受け止められている。 未だApple独自の生成AIサービスや製品は発表されていない。6月のカンファレンスが注目されるだろう。

個人的には音声入力についてもっと人工知能を活用してもらえると原稿書くのが助かるんだが笑

Apple向けの商品が多いスカイワークスはザラ場では先日の決算を嫌って続落し0.6%安になったものの、Appleのガイダンスを見て時間外では1.7%上昇とトータルではプラスに転じている。

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あとは利上げ無い、とのことで相対的に有利になるとされた仮想通貨が上昇(暗号資産を通貨と考えるならば、利息がつかない通貨とすることができる)、これで コインベースが8.9%の上昇、マイクロストラテジー9.8%の上昇。

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薬品株は業績等でくっきり明暗が分かれている。

イーライリリーは2.7%の下落、 ノボノルディスクが4%の下落と「やせ薬関連」が失望売り。ジョンソン&ジョンソンが0.8%の下落。 一方でファイザーが1.9%の上昇。モデルナは意外な業績の良さで12.7%の上昇。クッキリ明暗が分かれている。

またリジェネロンが3.8%上昇。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。


NY2024年5月3日(金)

S&P500 5127+63(+1.26%)NYダウ38675+450(+1.18%)

NASDAQ16156+315(+1.99%)

アメリカ国債10年利回り日足 金利が大きく低下。 3月以降ショートが溜まっていた時に国債にショートカバーが入って価格が上昇(利回りが低下) した形になった。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 50日移動平均線まで戻った形になっている。


NYダウ日足


NASDAQ日足 注目の50日移動平均線などを超えてきた。ここからが勝負の分かれ目になってくるんだろう。


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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金曜日のニューヨーク市場は上昇している。理由は2つ。

昨日の取引終了後に Appleが決算とガイダンスを発表。 確かにiPhoneの物理的な売り上げが落ちたもののソフト販売手数料等が絶好調。加えて6月に開発者向けに行われるカンファレンスで新しいiPhoneやMacなどについて生成AI対応の仕組みを発表するとティム・クックが初めて具体的に示唆し、なおかつアメリカ史上最大の1100 億ドルの自社株買いを発表したことが買い材料。

もう一つは 雇用統計が雇用が悪化する方向に数字が出たこと。いわゆる「悪いニュースは良いニュース」 と言うやつで雇用の需給が悪化することでデマンドプルインフレが抑制され利下げに向かう材料になるのではないかとポジティブに捉えられた。

4 月の雇用統計は非農業部門の雇用増加が17.5万人と出た。この数字はエコノミストが予想していた24万人を 大きく下回り、雇用の強さ弱さを示す分岐点とされる20万人も下回った。 さらに必要率も予想外に3.9%に悪化。 平均の時給の伸び額も0.3%前月比予想のところが0.2%にとどまりコストが抑えられると言う発想につながった(もちろん消費者の 消費可能額も減るので2重にインフレ抑制効果がある。)これがくどいけれどプラスの解釈をされている。

マーケットはこの二週間で利下げ開始を先送りする見方を強めていたのだが、CMEのフェドウォッチツールによれば最新のマーケット参加者の意見が9月に利下げが行われると言う見方が再び多くなっており、9月の利下げ確率予想が3分の2を占めるまでになっている

参考 フェドウォッチツール9月のFFレート予想。


なおザラ場中にでた4月ISMサービス指数は49.4(景気にはマイナスな見方)、仕入れ価格指数が59.2(サービス価格は上昇)と「スタグフレーション傾向」を示したものの 債券利回りの上昇は一時的に終わり 、株価には強い影響を与えなかった。(11時頃にS&P500が伸び悩んだのはISMサービス指数の影響はある程度有っただろう)

いわゆる マグニフィセントセブンを中心に時価総額が大きな銘柄に注文が集まっている 。 この辺は指数の上昇に負けないために機関投資家が時価総額が大きな銘柄を買いつく動き、個人投資家もリスクオンのために人気の高い銘柄に回注文が集まったと見られる。 一方でイーライリリーなど ディフェンシブ銘柄の1部が安く、コインベースなど仮想通貨関連の銘柄も利食い売りされている。金利が低下したことで銀行株はややまちまち。エクスペディアやスターバックスなど 決算がさえなかった銘柄には売りが出ている

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久しぶりにマグニフィセントセブンが全部高い。売買代金順にエヌビディアが3.4%上昇、決算で買われているAppleが5.9%の上昇。テスラは0.6%の上昇にとどまったものの、メタが2.3%上昇、 アマゾンが0.8%上昇、Microsoftが2.2%上昇、アルファベットが0.4%の上昇。

マグニフィセントセブンに続く人気銘柄のAMDが3.0%の大きな上昇。スーパーマイクロコンピューターも2.6%上昇。決算に絡んで売られていた2銘柄が自立反発とは言えそれなりの値幅で戻している。

半導体銘柄もブロードコム3.1%上昇、TSMC 3.9%上昇、マイクロ2.1%上昇、1.2%上昇など総じてしっかり。

クラウドストライク2.2%上昇、パランティアテクノロジーズ3.4%上昇、Adob 2%上昇など 人工知能で売買されることも多い銘柄たちがしっかりだった。

ただし、クラウド銘柄でもクラウドフレアは16%の急落。期待感にもかかわらず収益が伸び悩んだ。 サイバーセキュリティー部門での不確実性が 高まっていると言えるんだろう。

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アムジェンが肥満治療薬のテストに進展が見られたとして11.8%の上昇。 逆にライバルが現れたことでイーライリリーは2.7%の下落。 いわゆる「やせ薬」 だが マーケットが大きいだけに各社の競争が激しくなってもいる。おそらく日本でも近いうちに 痩せることを目的とした保険適用になる薬が出てくるんではないだろうか。 と言うのも薬にお金を払ったとしても、痩せることによって人々が健康になればかえって医療費の伸びが抑えられるので は?と言う考えもあるからだ。どちらにせよ北米だけでも巨大なマーケットがある。これからも注目を浴びるんだろうね。

ソニーによる買収提案報道があって前日大きく上昇していたパラマウントグローバルだが、金曜日は一転して7%の下落。まだ提案が具体的ではないと言う報道が大きかった。

個別ではマネーロンダリングの調査を受けたと報道されたトロントドミニオン銀行が5.8%の下落。木曜日から出ていた話なのだが、 金曜日にはアメリカの司法省も調査に出たと言う報道で株価が下げている。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年5月6日(月)

S&P500 5180 +52(+1.03%)NYダウ38852+176(+0.46%)

NASDAQ16349+192(+1.19%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 デッドクロスした移動平均をうわ抜け。ない事はないけど(去年9月もそうだった)チャートとしてはわりに珍しい。


NYダウ日足


NASDAQ日足こっちもデッドクロスを上に抜けた。チャートの常識とは逆の動きになっている。


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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6日のNYは上昇して引けている。

S&P500のこの三営業日の値上がり率は三営業日としては今年最大になる

参考S&P500指数日足(6ヶ月)


金曜日の「雇用需給が緩んだ方向」の雇用統計をみて過度のインフレ懸念が後退(悪いニュースは良いニュース)。 月初のFOMCでパウエルが「 (一部で懸念されていた)利上げには否定的 」としたことも相まって金融緩和政策への期待感が相場を支えた。 アルファベットやAppleが前向きなガイダンスを出した影響で再びAI関連、それに伴うデータセンター向けや半導体物色が続いた ことも相場全体を押し上げた。

以前からこのメルマガでは、短期的には「FRBが緩和的なのか縮小的なのか当てなければいけない」、それとは別に中期では「インフレが進むのか抑制できるのか当てなければいけない」と書いてきた。 市場は パウエルが1日に「今は利下げできる状況ではない」と発言したにもかかわらず 今後はFRBが緩和的な政策を行うと言う方向に賭けた事 になる。( くどいけど、まだFRBが緩和的政策をとると決まったわけではないし、緩和的政策を行ったとしてそれが正解かどうかは分からない。しかしマーケットはとりあえず金曜日の雇用統計を見て緩和的政策実行に賭けた)

いわゆる「適温相場」(ゴルディロックス相場)になった形でFEDウオッチが示す 9月の時点で利下げが行われていると予想する参加者は再び3分の2 を超えてきている

政策決定参加者も月曜はNY連銀総裁の Jウイリアムズが「データに基づいて『利下げ』 が行われるだろう」と言葉のあやながら利上げを否定。さらにリッチモンド連銀の バーキンは「 (今までの金利引き上げの効果は遅効性があるので)金利引き上げの効果は完全には出ていない(が 数ヶ月以内に物価低下の効果が出る) 」と楽観的な見方を出してきた。

二人の発言も相場を押し上げたとみられる。

なお火曜日はカシュカリの講演が予定されている。

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適温相場や先週のAppleの「人工知能について数週間以内(おそらく6月の開発者向けイベント)に発表」などのコメントを受けて半導体が買われた。SOX指数は丸坊主の値上がりで2.2%上昇となっている

SOX日足 いまはまだ「レンジ」の値上がりだが。


iPhoneの落ち込みを嫌ったスカイワークスが0.8%安、オンセミコン1%安を除いては全面高に近い。 エヌビディアには機関投資家と個人双方のお金が流れ込んで3.7%上昇。AI向け期待でブロードコム2.5%高、AMD3.4%高、マーベル1.9%高。高性能メモリが期待されるマイクロンが4.7%高。

NVDA日足

 

マーベル日足



さらに製造装置も高く、ASML1.7%高、AMAT2.3%高、テンコール3.1%高。パワー半導体を手がけるモノリシック3.6%高、テキサスインスツルメンツ1.5%高となっている

ASML日足


モノリシック日足


半導体ではないがスーパーマイクロコンピュータが6.1%の上昇。パランティア8%高などAIに絡んだ銘柄はとにかく強かった。

スーパーマイクロコンピュータ


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半導体に続いてはApple(金曜日の反動とバークシャーの売却ニュースのせい)を除いてマグニフィセントセブンなど時価総額が大きい銘柄に物色。

テスラ2%高、メタ3%高、マイクロソフト1.7%高、Amazon1.3%高。ビッグ7以外でもNetflix3%高、ディズニー2.5%高、ウーバー3.3%高、アドビ1.5%高、メルカドリブレ1.4%高などネット・ICT銘柄に高い銘柄が目立った。

また、相場のメインストリームではないが昨日の相場の良さを示したのが、サウンドハウンドAIの15.8%高、マラソンデジタル18%高、ルシード9.5%高。

サウンドハウンドAI日足


マラソンデジタル日足


ルシード日足


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Appleは0.9%の下落。大量にApple株を保有してきたバフェット率いるバークシャーがApple株の保有比率を落としてきたことがその理由。 バフェットは今までファンドとしては危険なくらい過度のApple保有比率を誇ってきたわけだが「出口戦略に出た」と受け止められれた。ガイダンスを好感して金曜日に6%上げた反動もあっただろう。SP500が年初来8.6%上昇しているのに対してAppleは年初来5.5%下落している。

Apple日足


ボーイングも逆行安。0.8%の下落。とにかく品質面で悪いニュースが続くボーイングだが、この日は連邦航空局が787ドリームライナーについてあらたに調査を開始したと言うニュースが売り材料。なおボーイングは安全に直ちにかかわる問題ではないとしたために下落率はある程度限られた。

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東京市場2024年5月7日(火)

TOPIX2746+17 (+0.65%)NK225 38835+599(+1.57%)

TOPIX日足


N225日足 俯瞰的に見れば先月半導体が売られた分 日経225指数の方が戻っていない。ただし今日に限っては 半導体が買われた分225の方が上昇率が高くなった結果になっている。


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足 日本国債の利回りは低下していた。このため銀行株は弱く、逆に高PER銘柄には 追い風になっていた。


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7日の東京市場は米国の金利低下とハイテク買いの影響を受けて大きく上昇して引けた。総じて言えばバリュー株売りハイテク株買いが起きる中でTOPIXがやや伸び悩んだのに対してハイテク上昇の恩恵を強く受ける225指数の上げ率が大きくなっている。

相場を象徴するのが業種別の上げ下げで、株価の大きな上昇を受けて証券が買われ、 半導体製造装置やFAに絡んで機械やその他製品が上昇。一方で医薬品が売られゴムなども下げている。この辺はディフェンシブ銘柄やバリュー銘柄からハイテク株へ資金が流れた動きを示している。

また三菱商事は保守的な業績ガイダンスに対してアナリストが目標株価をネガティブに見るなど失望売りが継続。逆に伊藤忠や丸紅は高値を更新。業種内でも業績によって跛行色が強い流れになった。また今日のところは金利が下がったこともあってきらぼしなど銀行株の一角が弱い。

アメリカの金利低下の動きはグロース銘柄や高PER銘柄には 追い風になっている。新NISA口座開設のシェアナンバーワンと報道された楽天証券に絡んで楽天が上昇。Jタワーなどグロース250指数の構成銘柄にも久々に資金が流れ込んだ形になっている。

楽天日足


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アメリカでデータセンターがらみの銘柄が上がったことを受けて、 電力供給に必要な電力ケーブルや通信に必要な光ファイバーを生産する古河電工やフジクラが年初来高値を更新。 関西電力、北陸電力、東北電力、四国電力と電力需要が増えることを期待した買い注文も入っている。

古河電工日足


フジクラ日足


関西電力日足


今日上昇が目立ったのは機械株で、ツガミ、 牧野フライス、 森精機、ファナックが年初来高値を更新。重電も強くて 三菱電機と明電舎も年初来高値を更新。FA商社のミスミも年初来の高値を更新している。

ツガミ日足


三菱電機日足 こっちは上値は売られてる



三菱商事がダメだった一方で丸紅、三井物産、 伊藤忠商事はさらに年初来高値を更新している。ただし商社株は高値をつけた後上値も重かったのは気になるところ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

イビデンには日興証券から投資評価2のアナリストレポートが出ている。PC向けの販売価格のダウンミックスの悪化による収益性悪化要素が指摘されるところが気になるところ。AIサーバー向けの見通しが上方修正されたもののその他の業績の大部分を占める部分での見通し悪化が指摘されている。連想で新光電気工業もダメだった。


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なお ドル円については、ドル高円安方向にふれている。これは相変わらず金利差があることと、 アメリカの家連財務長官が「介入は稀であるべきで競技が行われることが期待される」と日本政府日銀を牽制したことが背景にあり。1時154円65銭までドル高が進んでいる


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東京市場2024年5月7日(火)

TOPIX2746+17 (+0.65%)NK225 38835+599(+1.57%)

TOPIX日足


N225日足 俯瞰的に見れば先月半導体が売られた分 日経225指数の方が戻っていない。ただし今日に限っては 半導体が買われた分225の方が上昇率が高くなった結果になっている。


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足 日本国債の利回りは低下していた。このため銀行株は弱く、逆に高PER銘柄には 追い風になっていた。


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7日の東京市場は米国の金利低下とハイテク買いの影響を受けて大きく上昇して引けた。総じて言えばバリュー株売りハイテク株買いが起きる中でTOPIXがやや伸び悩んだのに対してハイテク上昇の恩恵を強く受ける225指数の上げ率が大きくなっている。

相場を象徴するのが業種別の上げ下げで、株価の大きな上昇を受けて証券が買われ、 半導体製造装置やFAに絡んで機械やその他製品が上昇。一方で医薬品が売られゴムなども下げている。この辺はディフェンシブ銘柄やバリュー銘柄からハイテク株へ資金が流れた動きを示している。

また三菱商事は保守的な業績ガイダンスに対してアナリストが目標株価をネガティブに見るなど失望売りが継続。逆に伊藤忠や丸紅は高値を更新。業種内でも業績によって跛行色が強い流れになった。また今日のところは金利が下がったこともあってきらぼしなど銀行株の一角が弱い。

アメリカの金利低下の動きはグロース銘柄や高PER銘柄には 追い風になっている。新NISA口座開設のシェアナンバーワンと報道された楽天証券に絡んで楽天が上昇。Jタワーなどグロース250指数の構成銘柄にも久々に資金が流れ込んだ形になっている。

楽天日足


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アメリカでデータセンターがらみの銘柄が上がったことを受けて、 電力供給に必要な電力ケーブルや通信に必要な光ファイバーを生産する古河電工やフジクラが年初来高値を更新。 関西電力、北陸電力、東北電力、四国電力と電力需要が増えることを期待した買い注文も入っている。

古河電工日足


フジクラ日足


関西電力日足


今日上昇が目立ったのは機械株で、ツガミ、 牧野フライス、 森精機、ファナックが年初来高値を更新。重電も強くて 三菱電機と明電舎も年初来高値を更新。FA商社のミスミも年初来の高値を更新している。

ツガミ日足


三菱電機日足 こっちは上値は売られてる



三菱商事がダメだった一方で丸紅、三井物産、 伊藤忠商事はさらに年初来高値を更新している。ただし商社株は高値をつけた後上値も重かったのは気になるところ。

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イビデンには日興証券から投資評価2のアナリストレポートが出ている。PC向けの販売価格のダウンミックスの悪化による収益性悪化要素が指摘されるところが気になるところ。AIサーバー向けの見通しが上方修正されたもののその他の業績の大部分を占める部分での見通し悪化が指摘されている。連想で新光電気工業もダメだった。


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なお ドル円については、ドル高円安方向にふれている。これは相変わらず金利差があることと、 アメリカの家連財務長官が「介入は稀であるべきで競技が行われることが期待される」と日本政府日銀を牽制したことが背景にあり。1時154円65銭までドル高が進んでいる


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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場2024年5月8日(水)

TOPIX2706ー39 (ー1.45%)NK225 38202ー632(ー1.63%)

TOPIX日足 


N225日足


TOPIX日中足  いつもながら、 2つの指数の値動きが日中ほとんど同じことから、 大口投資家が先物に売りを出してきたのが今日の値動きの主な原因だと推察される。( くどいけれど2つの指数は銘柄構成が大きく異なるので現物株主導で個別に売られたのなら2つの指数の日中足は大きく異なるはずなのだ。それが同じ値動きをしていると言う事は先物に大量に売りを出した大口投資家がいると言う話になる )

リスクパリティ戦略の売り と考える人間もいるし、昨日大きく上昇したこととや 為替の動きを考えて利益が減少する可能性を考えた利益確定の売り と見る人間もいる。


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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8日の東京市場は大きく反落となった。 昨日の上昇分を全て吐き出して「いってこい」の形になっている 。売買代金は4兆7000億円まである程度膨らんでおり、 「 売られた」 1日だった。

1つはアメリカで半導体関連株が売られたこと。もう一つは前日600円ほど上昇していたことからここで利益を確定しておこうと言う機関投資家の売りが出たこと、最後に中国を中心にアジア株が冴えなかったことが売り材料。 テクニカルには225指数は25日移動平均線が頭を抑えた形になった。 いわゆるグランビルの法則と言うやつですね。


さらに言うと若干円安方向に動いている為替相場について3度目のドル売り介入があるのではないかと言う警戒感も強かった。 またアメリカ人投資家から見ると、為替相場のボラティリティーが大きく上がることで 日本株のドル建てでのボラティリティーも上がる。ボラティリティーが上がった資産は比率を下げるべきだと言う考え方 からは日本株を減らすべきだと言うことになり、こういう投資家からの売りが出たと言う分析もある。(以前 リスクパリティー戦略というのを書いたけど、発想的にはその流れです。)

(リスクパリティ戦略とは

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ri/A02936.html

また報道でドラッケンミラー(上昇する前からエヌビディアを持っていた) がエヌビディアの持ち株を減らしてきたと伝わったことも半導体全体に換金売り材料となった。 

決算に絡んでは最終利益となったAGCが 1段安。増益でもコンセンサスに届かないとされた三菱重工も売られた。 減益見通し報道が伝わっている任天堂がさらに下げ幅を広げ新日本科学も結局マイナス引け。決算にはかなり厳しい目線が続く。

AGC日足

 


三菱重工日足

 


任天堂日足

 


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1部の銘柄を除いて、半導体はエヌビディア下落とソックス下落を見た売り注文が集まっていた。レーザーテックが1.5%の下落、ディスコが1.5%の下落、エレクトロン1.5%の下落。

信越化学が2.5%の下落と下落率が大きい。 これは朝のメルマガでも書いたようにアメリカで住宅向けに建材やソリューションを提供するビルダーズファーストソースが決算とガイダンスを受けて急落した影響もある。 信越と言えばシリコンウェハーが有名だが同時に アメリカなどに向けて 塩ビを供給するメーカーでもある。 アメリカが高金利とインフレによって住宅着工やリフォームが落ち込んでいると考えるならば 塩ビの販売と利益に影響が出ると見た向きが売ってきたと 見られる。 また生保などが政策保有する比率が高い銘柄と知られていることから、今後政策保有比率を引き下げるのではないか? と言う連想も働いたと言う指摘があった。

信越化学日足


その他 ソニーが4.9%の大きな下げ。 これはソニーがパラマウントグループに4兆円規模の買収提案を行っていると言う報道がなされているから。報道自体は先週から出ている話なのだが、ある程度話が進んでいるのではないか?と言う思惑から買収に伴う資金調達でエクイティファイナンスを行うのではないか?買収を行うことでのれん代が発生する懸念。これが株価を押し下げている。

SONY


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決算で一時大幅安したトヨタは結局0.5%の下落。 今期27.8%の減益が予想を切ったものの「成長領域に投資が膨らんだ」と見る向きが買いを 入れたことで下げ幅は限定された。 4億1000万株を上限とする自社株取得枠を設定したことも材料視されている。

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ロームは引け後に決算

前期はさておき今期(25年3月期)の 連結経常利益が 180億円に大きく落ち込む。これは四季報が予想していた 740億円を大幅に下回るもので、夜間取引では一時10%ほど下げる場面があった 。この辺は会社の言い訳を明日聞いてみないと何ともだね。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年5月8日(水)

S&P500 5187ー0(ー0.00%)NYダウ39056+172(+0.44%)

NASDAQ16302ー29(ー0.18%)

アメリカ国債10年利回り日足  コリンズ発言で利回りは上昇。ただし株価全体には大きな影響はなかった。銀行にはプラスになった。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足  銀行やディフェンシブの上昇を受けたダウ


NASDAQ日中足  ハイテク企業の決算やテスラの下げなどの悪影響を受けたナスダック


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8日のアメリカ市場はまちまちの終値で取引を終了している。 S&P 500はほとんど変動がない取引終了値。 詳しく調べたわけではないけれどおそらく過去数年で最も上下の変動がなかった1日になるんじゃないだろうか。終わってみて0.01%以下の変動なんてあんまり記憶にない。

なお 日経225先物夜間取引は200円近いリバウンド になっている。水曜日に600円下げた反動や為替介入が今週は行われていないことで 円安方向に進んでいる ことをプラスと捉えた。 植田総裁が円安の「これまでの物価への影響」について「控えめな見解」を示したことで 円安要因と受け止めた筋の円売りが続く。

参考225先物日中足


ドル円1時間足


ダウはプラス、ナスダックはマイナスで取引を終えた。 ダウがプラスで取引を終えたのはアムジェンとボーイング、 jpモルガンとシスコシステムズが指数を押し上げたため。 簡単に言えば ディフェンシブ、売られていた銘柄の買い戻し、オールドエコノミー、銀行株。この辺が好調だ ったと言うことになる。 逆にナスダックが下げたのは テスラとアルファベットとAmazonが利益確定の売りに押された のに加えて 決算にからんでUVERテクノロジーズとショッピファイ、ARMが 売られ たこと、さらに インテルがアメリカの中国制裁(ファーエイ制裁)の影響を受けるとして売られたこと。 この辺が足を引っ張っている。

テスラについて はテスラが「自動運転」 と称している技術について実際には完全な自動運転とは言えず 投資家に誤解を与えたのではないかと言う調査 が入っていると言う報道で下げている。

なおARMは慎重なガイダンスを受けて時間外で8%以上下落。ザラ場と併せて10%の下げになっている。

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JPモルガンはビザとの株式交換取引の1部として第二四半期に80億ドルの利益を計上することを好感された。 アメリカでは日本と会社法が異なり、議決権に制限を加えた「クラス株」がより幅広く取引される。

https://www.kimuroulab.com/entry/beikokukabu-class

JPモルガンは保有するビザのクラスB1株などのクラスを変更する権利を行使することで 株式の保有価値が上がる とする。この報道もあってJPモルガンには終日買いが入っていた。2%の上昇。 昨日に関しては 金利が上昇しハイテク株を売ったお金がこの辺に流入 したことも大きいんだろう。

JPモルガン日足


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アムジェンが昨日のダウ採用銘柄の上昇率1位で2.3%上昇。引きつづきいわゆる 「GLPー1」薬の試験結果の評価を買う動き。 (くどいけどもともと人体にあるGLPー1と言う血糖値を下げる働きの有るホルモンと同じ働きをする薬。もともとは糖尿病の薬として開発されているのだが、 血糖値を下げて食欲を抑制することから服用することで痩せる効果 があるために肥満治療薬として世界的に売り上げが爆発的に伸びつつある。)

アムジェン日足


逆に言えば、 それだけ世界的な競争が激しくなってきたと言う話でもある。 この薬で最も先行するメーカーの1つイーライリリーは0.3%の下落になった。

イーライリリー 株価はアムジェンが上がると売られる逆相関が数日続く。


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昨日の地雷はUberテクノロジーズとショッピファイ、ARMの三社。

UVERテクノロジーズは売買代金6位に入る出来高で5.7%の下落となった。 ショッピファイは売買代金10位で実に18%の下落。暴落とかクラッシュと言って良い。

Uber日足


ショッピファイ日足


ショッピファイは取引開始2時間前に業績予想を発表したのだが、(朝7時の業績発表っていうのは日本ではあまり考えられないよね) 今四半期の売上高は 成長率が20%を切ると予想。これが過去最低の 成長率となったことが嫌気 された。 さらには マーケティング費用の増加が利益率を低下 させるとしたことも失望を産んだ。 こういう ハイフライヤーと言われる 成長株は高い成長率を見込んで将来の売り上げや利益を織り込んで株価が形成される。そのため少しでも成長率が落ちると2年後や5年後の期待利益が大きく縮小してしまう。 このために成長率が鈍化するだけで株価が急落しやすいと言うわけ。 ショッピファイの急落がショッピファイだけでなく他の銘柄にもおもしになったのは間違いない。

さらには決算とガイダンスを警戒してザラ場1.6%下げていたARMが 時間外でさらに8.8%の下落になっている。合わせて10%近い下落。


前期決算はアナリスト予想を上回ったのだが、、。 ただ今後1年の通期の売り上げ見通しについて精彩を欠くと。なお大株主は日本のソフトバンクになる。しってるか。

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インテルについては中国への制裁について影響を受けた。 アメリカ政府はファーウェイがクアルコムとインテルから半導体を購入することについて1部ライセンスを取り消した。これが5億ドル程度インテルの収入を四半期だけで減らす可能性があると。今後1年で言えば20億ドル近い減収要因とも。ある程度は予測されたので下げは2%で済んだと言えるかもしれない。しかし現実に制裁が可視化した効果は大きかった。 一方クアルコムは0.2%の上昇となっている。

インテル日足


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その他、もう注目度は薄れてしまっているけれど ビヨンドミートが時間外で14%安。

世界的に代替肉(植物由来)の 需要が落ちていて業績が悪化したために売られている。この辺は健康よりもお金と言う最近の流れなのかもね。インフレがこういう食材の売り上げを落としている。

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東京市場 NY2024年5月9日(木)

TOPIX2713+7 (+0.26%)NK225 38073ー128(ー0.34%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足 日経225下落率が大きくなったのはエレクトロン1銘柄で100円指数を引き下げるなど半導体の下落の影響が大きいから。またファーストリテイリング1銘柄で50円指数を引き下げた影響もある。


日本国債10年利回り日足  金利の上昇も日本株にはマイナスの影響を与えている。 未だ実質賃金のマイナスが続くわけだが、3月以降は賃上げの影響で実質賃金がプラスに転じてくることも予想される。こうなると良いニュースは悪いニュースと言うことで日銀は「金融政策正常化」していくだろう。 株にどういう影響与えるだろうか。あくまで債券が主、株は従なのだから。


日本国債5年利回り週足

期限が短い債券はより 政策金利の影響を受けやすい。 このため政策金利の売り上げ観測が浮上した今日の東京市場では10年国債よりも5年国債の方が利回りの上昇が目立っている。 ここは見逃してはいけないだろう。

勿論順イールドではあるのだがいわゆる「ベアフラットニング」が発生していて景気にはマイナス効果がある


ベアフラットニング  全体に債券が売られ(利回りは上昇)するが、短期の方がより売られる。利ざや縮小効果で銀行には不利な面もある。景気にもマイナス効果が有る。


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東京市場は午前中はリバウンドしたものの午後に失速。TOPIXはかろうじてプラスを保ったものの 225指数はマイナスで取引を終えてしまった。 155円を超えて円安に戻ったことと、水曜日630円安した反動でリバウンド。午後の取引開始時には225指数が200円を超える上昇になったものの決算について今日はネガティブな銘柄が多かったことなどから戻り売りが分厚くなった。銘柄を見ると半導体関連の下げが目立っていて、225指数に影響度が大きい値嵩の半導体下落が指数下げに影響をもたらしたのは明らか。

また、 債券価格が下落(利回りは上昇)したことも株価の割高感につながった。 債券市場では 日銀が今年の早い段階でさらなる利上げに踏み切るのではないかと言う見方が出たこと、国債オペの 減額観測が出ている。 より政策金利に連動性が高い5年物の金利は13年ぶりの水準まで上昇している。

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決算はとにかく明暗がくっきり分かれる結果になっている。 自社株買いも含めて評価され機関投資家が買いに入ったオリックスが年初来高値を更新。昼休みに決算を出した川崎重工は結局ストップ高になった。オムロンも見かけは強くないがコンセンサスを上回ったことやリストラをプラスと捉えて 大きく株価を上げている。

一方で 利益減少が大きいロームが10%安。 レノバの下げもきつい。 決算発表延期とした(ちょっと考えられない) 千代田化工建設が急落。ライオン、太陽誘電も決算を嫌って下げが大きくなった。

ローム日足 出来高をともなった十字足を描いた

 


本体の決算ではないけれどARMが通期のガイダンスを嫌って10%ほど下げたことで 大株主であるソフトバンクグループの株価も下げている。

ソフトバンク日足


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相場全体を押し下げたのは半導体の 続落。ディスコこそ2.2%上昇になったものの、レーザーテックが1.7%の下落、 ソシオネクストが4.6%の下落、東京エレクトロンが2.9%の下落、ソニーが1.5%の下落。

レーザテック日足昨日はらみ足から下落


ソシオネクスト日足


東京エレクトロン日足 月足 先月包み足になっている


SONY日足


その他太陽誘電が8.8%の下落、さくらインターネットが 6.2%の下落、村田製作所が1.4%の下落。半導体ハイテック株には辛い1日となっている。

太陽誘電日足



さくらインターネット日足


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一方IHIは 日興証券の強気確認レポートもあってしっかり。三菱重工とは好対照で防衛関連は業種内でもかなり跛行色が出ている。

IHI日足




このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場 NY2024年5月日()

S&P500 5214+26(+0.51%)NYダウ39387+331(+0.85%)

NASDAQ16346+43(+0.27%)

アメリカ国債10年利回り日足

アメリカ国債5年利回り日足

S&P500日足

NYダウ日足

NASDAQ日足

NYダウ日中足

NASDAQ日中足

ナスダックとNYダウ比較1年


過去1年間で見ると、年初まではナスダックとニューヨークダウのパフォーマンスはかなり連動してきた。 しかし1月以降、半導体やビックテックの支援を受けたナスダックは常にニューヨークダウをアウトパフォーマンスしてきたと言える。

ただ 4月中旬以降はこの流れにも変化があって、半導体やICT銘柄に利益確定売りが出たことでナスダックはニューヨークダウをアンダーパフォームしている。 この辺はインフレ市況が強まったと見た向きがハイテク株やネット関連株を一時売ってきたことが 影響してるんだね。

比較過去一ヶ月。


木曜日も半導体やネット関連株の下落のせいで ナスダックの上昇率はSP 500や ニューヨークダウを下回っている。

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9日のアメリカ市場は上昇して終えた。雇用や物価の指標を見て猫の目のように変わる金融政策への期待感から上下が激しくなっているわけだが 木曜日は失業保険申請件数が予想を回った(23.1万)ことで、雇用が緩んでいると言う思惑から「悪いニュースは良いニュース」ということで再び年内複数回の利下げを期待する向きが株を買う動きに出た。

もともとはハト派で、一昨年からの金利上昇局面ではタカ派に転向してきた サンフランシスコ連邦銀行のデイリー総裁は 「(金融緩和は)インフレが低下する確信が持てるまで待つべき」 としながらも インフレについては2つのシナリオ(インフレが収まるシナリオと、続くシナリオ)がある、 そして必ずしもタカ派スタンスにこだわっているわけでは無いことを示した。 インフレについては「かなりの部分で」 不確実だとしながら 金融政策は機能している(つまりくどいけれど、金融引き締めの効果は12ヶ月ほど経って効果が出てくるはずなので今までの量的金融引き締めや利上げ効果で)、 「良い意味でのインフレ抑制が起きていると思う」 、と。これがアメリカの金利低下につながりややドル安方向に動いている。

ダウは7営業日連続上昇。S&P 500 は 心理的なめどとされてきた5200を回復。 半導体を除いた時価総額が大きな銘柄が買われているのが今月のアメリカの特徴と言えるだろう。 結構下落も起きている(半導体比率が高い)日本株とはやや流れが違う。 金利低下期待を裏付けに不動産が高く、インフレが抑制されるならということでディフェンシブセクターや生活必需品も一部で買われた。個人消費関連もそこそこしっかり。

午後に入っては30年超長期国債の入札が好調(応札率2.41、最高落札利回り4.635%で事前予想を0.7bpsも下回った)だったと言うことも出てきて終日買われる展開となった。

日経225指数はリバウンド。 上昇率がアメリカより大きいのはこのゴールデンウィーク中のアメリカの上昇に追いつくような形になったからと言える。 この辺はSQに絡んだ売買もあったのかもね。

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新しいM4半導体チップ(おそらく6月に発表されるAIをにらんで省電力化や性能強化が行われた)搭載を発表した新型iPad Proなどを評価してAppleが1%の上昇。Amazon 0.8%の上昇、Microsoftが0.4%の上昇、メタが0.6%の上昇。この辺が指数を押し上げた。

Apple日足


ダウ採用銘柄では、一時冴えなかったホームデポが2.5%の上昇、住宅着工の伸び悩みなどから売られていたキャタピラーが2.1%の上昇とインフレ懸念で売られていた銘柄に押し目買いが入ったことがダウを押し上げている。GLPー1(肥満薬)薬に期待が高まるアムジェンが連騰 したこともNYダウ株価を上げたし、ダウインクや ハネウェルといった「オールドエコノミー」も買われていてダウ指数の上昇につながった。

ホームデポ日足 4月からインフレ懸念で売られていた個人消費関連の押し目買い


キャタピラ日足  住宅の伸び悩みで売られた株の押し目買い


一方でAIに絡んで買われてきている半導体やネットインフラ銘柄には利益確定の売りが出ていて明暗を分けている。 水曜日の引け後に決算を出してきたアームホールディングスは時間外で大幅安していたところからは値段を戻したものの2.3%の下落。エヌビディアが1.8%の下落、AMDが0.8%の下落、スーパーマイクロコンピューターが2.8%の下落などAI関連株は軒並み値段を下げる結果になっている。 セールスフォースの1.3%の下落、 パランティアテクノロジーズ2%の下落。

SOX指数は0.6%下落、朝方1%を越えて下げる場面もあった。 これがナスダックの上昇率がダウなどに負けている原因でもある。

SOX日足 レンジ相場に入っている


ARM株の下落は マーケットが今までかなり高いハードルを設けて半導体株を買い上がってきたことを示している。22日にエヌビディアの決算があるわけだが、マーケットは本当にこのハードルを超えられるのか疑心暗鬼になっていると言っても良いだろう。 何せ、年初来S&P500が9.3%上昇したのに対してNVDAは80%近く上昇していた。その分の上昇を正当化できる利益が上がるのかどうかと言う所。

NVDAとダウ比較チャート(半年)


半導体以外でもサウンドハウンドAIが1.3%の下落、仮想通貨に絡んでマラソンデジタルが2.2%の下落と今年前半の上昇を支えてきた銘柄に売り注文が多かったのも目立つ。

さらに昨日は中堅以下のICT銘柄に地雷が多かった。 Robloxが22%の暴落。エアB&Bが 6.9%下落。それぞれ売買代金14位と13位でかなり売りたたかれた形になっている。 ソフトウェアハウス(AIも利用する)のEPAMが 27%とこちらも強烈な 下落になっている。インフレは抑制傾向なわけだが、所々でインフレによる成長率の鈍化がグロース株に見られるのは注意点だろう。

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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場2024年5月10日(金)

TOPIX2728+14 (+0.54%)NK225 38229+155(+0.41%)

TOPIX日足


N225日足 陰線が3本並ぶ「三羽烏」になっている


TOPIX日中足 日中足が今日もまったく同じで、先物に仕掛け的な売りが入った事を示唆する。


N225日中足


日本国債10年利回り日足 債券利回りが高止まりしているのも株価の頭を抑えることになった


日本国債3年利回り より 日銀の政策金利と連動性が高くなる3年もの利回りの上昇トレンドが明確。 終値としての今年の最高の利回りとなった。(価格は下落) 債券市場では日に日に日銀の「利上げ」観測が高まる結果になっていてこれが株価の足をひっぱている面は否めない。景気にマイナスである「ベアフラットニング」が進んでいることと 債券利回りと配当利回りの差の縮小によって株価に割高感が強まってしまう からだ。グロース株(半導体含む)や業績不振株には向かい風の動きといえるだろう



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SQの10日、朝方は700円近く高い場面があったものの10時前から上げ幅を急速に失って引けている。

水曜木曜で700円下げた分を取り返すように上げたものの、 そこからは先物にまとまった売りが断続的に出て垂れていった。 戻り待ちの売りと解釈することもできるし、仕掛けの売りが入ったと解釈することもできる。 戻り待ちだったとしたらもっと早い段階で売られてたはずで、 一方的に下がっていった下がり方からは短期の債券利回りの上昇を見て売りの仕掛けが入ったと考える方が素直だとは思う。

一見「好決算」に見えて高く始まった日産にたいして「世界的に目立った新車投入もないのにそんな好業績実現できないだろ」という冷静な突っ込みが入った日産が結局下落。 トヨタ自動車やスクリーン、日本製鉄、 パナソニックといったあたりがアナリストたちの予想に届かなかったとして売られたことも指数の上値を押さえ込んだ形。

もちろん川重とか 決算が 良かった銘柄には継続して買いは入っているし、 最高益更新が伝わった住友不動産が買われるなど決算によっては高い銘柄も多い。しかし思ったよりは良くないなぁと言う今日の決算だった。

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インフォコムはストップ高。ソニーなど 複数が買収に興味を示していると言う報道で大きく上昇している。 電子コミックの配信サービスで知られる会社ではあるが、コンテンツを売りたいソニーなどは興味を示したと言うわけ。この辺は大きな生態系を築いているAppleに対抗したいソニーの思惑も見えてくる。

それにしてもソニーはずいぶんM&Aに積極的に見えるね。映画会社を買いに行こうと言う流れと配信サービスを買いに行こうと言う流れは1つにつながっているんだろう。それが正しいか間違いかは今はわからないけれど。

僕は知らなかったんだけど、帝人が親会社だったんだね。帝人も 株の含み益増加を好感して買われている。

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一見、良い決算と 強気のガイダンスを示した日産だったが朝方高くより付いた後は終日断続的な売り注文を浴びた。 今期は5.5%の増益! と言うガイダンスはかなり良いわけだが、中身を見ていくと販売計画は7.5%増加の370万台を見込んだ上での数字だと言う。 前期は半導体不足の解消などで売り上げ増加要因があったにもかかわらず 344万台しか売れなかったのに、 まともな新車投入もなしに370万台販売前提は無理だろ(しかも80万台を目指す中国ではシェア低下が著しいのに) と言うツッコミが機関投資家側から上がった模様。 トヨタが新車投入順調でさえ今期販売台数を慎重に見てるのに新車がない日産の販売台数目標は無理があると。

ガイダンスも迂闊には信用できないと言うところになった。

日産日中足


日産日足


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注目のエレクの決算はやや好意的な受け止め。 時間外プラス。

一方でスクリーンホールディングスは 決算を切って断続的に売られ続けほぼ安値引きの12.2%下落で取引終えた。


半導体についてはAIの恩恵を受ける銘柄とそうでない銘柄の格差がくっきりつき始めている。何でもいいから半導体を買い上がった1ー3月。 あれおかしくないかなぁと思い始めた4月。そこでソックスは一旦天井をつけた。そして5月に答え合わせが行われている。

SOX日足


後は NTTの3.3%下落が目立つ。ソニーも1.3%下落と下落が止まらない。

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鉄鋼株は明暗を開けた。日本製鉄が大幅下落 2.9%の下げ、一方で 神戸製鋼所は7.6%の上昇。

オリエンタルランドには大和証券からレポートが出ていて、目標株価を6000円から5700円に引き下げたことを嫌う声も出ていた。その大和証券には東海東京が1350円目標のレポートを出していた。

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決算で買われたのは東洋水産の14%上昇、メルカリの9.1%上昇、住友不動産の2.1%上昇といったところ。

今日は海運も買われていて 商船三井が3.2%の上昇、日本郵船が4.9%の上昇。 商社も軒並みしっかりで決算を切って下がっていた三菱商事が1.6%の上昇、丸紅が4.3%の上昇。

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NY2024年5月10日(金)

S&P500 5222 +8(+0.16%)NYダウ39512+125(+0.32%)

NASDAQ16340ー5(ー0.03%)

チャート省略します

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すいません、所用により(府中の馬しかいない動物園に行くため) 朝4時ぐらいから原稿書いてます。そのため大引けの値段とは異なる内容があるかもしれません。

10日のアメリカ市場はまちまちの動きとなった。 週末を控えた持ち高調整もあった。

ミシガン大学消費者心理調査では、エコノミスト予想の76.2を大きく下回る67.4。 これは 4月の77.2から悪化。6ヶ月ぶりの低水準で消費者はインフレや雇用への心配感からセンチメントが悪化したことがわかった。

参考 センチメントの推移。公共と不況の分かれ目とされる70あたりを下回ってきた。


一方では 消費者のインフレ予想は悪化。


「 スタグフレーション」 を示すあまり良くない調査結果となった。

さらに冷水をかけたのは ダラス連邦銀行のロリー総裁。 「 インフレに対する 深刻な上ぶれリスクは念頭にある。 インフレ率を2%に戻すには今の政策が十分に制限的(景気を冷やして物価を下げる水準) であるのか 不実な面がある」 と発言。「今は利下げを考えるのは早すぎる。私たちはこの不確実性が解決されるのを確認する必要がある」「政策決定には非常に柔軟であり続ける必要がある (市場が要求する利下げにこだわる必要は無い)」と言う発言を行った。ただし今後の金利目標については明言しなかった。

またミネアポリス連邦銀行の ニールカシュカリ総裁は 「 もしも 利上げを行うには非常に高いハードルがある」として 利上げ論には慎重な姿勢を見せた一方で 、金融政策については「様子見モードだ」として早期の 利下げ期待を牽制する姿勢を見せた。 相次いだFed関係者の発言で長期金利は高めに推移。相場には重荷だった。

10年国債利回り日中足 ロリー総裁の発言などで利回りは上昇(債券価格は低下)した

 


これらのデータなら株価は下がる方向だったのだが、 相場を支えたのが根強い利下げ期待と台湾TSMCの動き。4月の売り上げが前年同月比で60%急増したと発表。これはスマートフォンなどの売り上げ回復によるものとされる。これを受けてブロードコムやエヌビディア、マイクロンが上昇。相場全体を支える結果となった。

ただし朝方2%近く上昇したソックス指数は30分もしないうちに戻り売りを浴びた。ソックス指数は伸び率を失って取引終える形になっている。

参考ソックス 日中足


参考ソックス日足


原稿執筆時点ではTSMCが4.3%上昇、マイクロンが2.7%上昇、ブロードコムが2%上昇、エヌビディアが1.2%上昇。半導体製造装置のASMLが 2%上昇、アプライドマテリアルズが1.4%の上昇。

TSMC日足


マイクロン日足


ブロードコム日足



ソックス指数採用銘柄ではないもののイギリスの ARMは 4.2%上昇と決算、ガイダンスで売られた分を取り返す動きになっている。

ARM日足


しかしながら全面高とはいかず。AMDは小幅ながらマイナスだしインテルもマイナスに転じた。 パワー 半導体関連のモノリシックとオンセミコンダクターはともに1%を超えて売られている。Apple向けについスカイワークスも0.5%下げた。

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政府からの調査が伝わってから 下落が続くテスラは今日も1.8%の下落。Appleが0.9%の下落、Amazonが0.8%の下落、アルファベットが0.7%の下落と冴えない動きが続く。ただTSMCの発表を見て 人工知能の期待が高まるMicrosoftは0.6%の上昇。サウンドハウンドAIは四半期売り上げがアナリスト予想を上回って11%上昇。

あとはゴールドマンサックスは連日の上昇なのが目につく。金利高もプラスと捉えられた。

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ノババックスが株価倍増。フランスのサノフィとのライセンス契約を好感。逆にモデルナはRSVワクチンに関して失望売りを浴びて4%下落。遺伝子検査会社のナテラは好業績好感で10%上昇と薬品分野で結構値動きがあった一日だった。

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東京市場2024年5月13日(月)

TOPIX2724ー4 (ー0.15%)NK225 38179ー49(ー0.13%)

TOPIX日足


N225日足  移動平均線と比べると、TOPIXより225指数の方が戻っていないことがわかる 。この辺は 値段が高い半導体株が 4月に冴えず、 5月に戻りが鈍かったことが影響している。 比較的値段の戻りが良いアメリカの半導体株 に比べると、 日本の場合は半導体製造装置(特に微細化得意) が多く、その戻りが限定されている影響 も受けている。


TOPIX日中足


N225日中足  日中足の動きは今日もほぼ同じ。最近の東京市場が先物主導で動いている証拠になる。


日本国債10年利回り日足 

長期国債、短期国債ともに利回りが上昇しているが、より政策金利の影響を受ける3年国債の方が10年国債よりも利回り上昇が大きいことがわかると思う。(いわゆるベアーフラットニング、債券が売られながら長短金利が縮小する)


短期国債の利回り上昇は債券市場では「年内にも再び政策金利が上がるのではないか?」と言う見方が強まっていることにもなる。この辺が225指数などを 押し下げる要因になっている。くどいけれど債券が主、株は従と。


日本国債3年利回り日足


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13日の東京市場は安く引けた。225は4日連続の陰線。

日本株は決算のいくつかが期待はずれに終わったこと、 3年国債など政策金利に比較的連動しやすい短い期間の国債が上昇し「債券市場で年内の日銀の金融政策正常化(利上げや国債買い入れのさらなる減額)観測」などもあり 小幅ながら下げて終了した 。ただし225は心理的な節目である38,000円まで下げる場面があったものの押し目では買い注文が入り下げ幅を縮小した形。

特に 債券は日銀が買い入れオペの減額を行ったことで 利回りが上昇(債券価格は下落)。 ハイテク銘柄や高値圏まで買われた銘柄、 半導体銘柄に利益確定の売りが出やすかった。 債券利回りが上昇したことで 金利上昇で利益が押し下げられやすいと言われる不動産や建設株等が下落 したのも目についた。

日本国債3年日中足


また今日は 主要銘柄で決算に対して失望売りが出たのも特徴 。帝人やスバル、日清食品などがアナリスト予想を下振れ。

ただし アシックスがストップ高 するなど全面的に決算が悪いわけでもない。東レも8%と大きく切り替えした。

アシックス日足 ストップ高比例配分


半導体は明暗が完全に分かれている。特に 広帯域メモリーの恩恵を受けたと報道されたTOWAやSCREENが上昇した一方 、去年先んじて上がった 微細化技術に強いレーザーテックが冴えず。

微細化技術よりも積層化技術がもてはやされた相場付きになっている。

売買代金は4兆6000億円とそこそこの高水準。手じまい売りと押し目買いが交錯したとはいえる。

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TOWAが結局20.8%高。人工知能向けサーバーで使用される「広帯域メモリ」(積層化で作られる)の恩恵をフルに受けている


SCREENも上げているが自律反発の範囲内


半導体以外ではブリヂストンがザラ場で一時上場来高値を更新。


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一方で円安で差益が期待されていた帝人5.3%安


SUBARU



などの下げが目立った。

絶好調の決算が続くアメリカに比べると、まちまちの決算が続く日本株の収益面の不安定さを指摘する声が聞こえている。

なお「日経平均のPER」は依然として17倍を超えている模様。半導体は業績回復を見越して前倒しで株価が上がっただけに高いPERの状態が続いているといえる

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アナリストレポートが報じられて いくつか動いている。

日興証券が目標株価を3300円としたと報道されたナカニシは一時2547円まで急騰する場面があった。

この銘柄はマイナーなんだけれど、 歯医者さんなら絶対知っている銘柄。

同じくアナリストレポートが出た四国化成が高い。

四国化成日足


ここはハイエンドサーバーに使う基板向けの 材料「も」つくっているメーカー。建材関係で知ってる人も多いかも。

思惑的にはAIサーバー関連と言うことで 目標株価を2500円から2900円に引き上げたと報道された。プリント基盤の銅線保護材料とかエポキシ硬化剤なんかを作っている会社。 AI向けのサーバーは高性能でなければならないし、発熱も大きい。なおかつ故障が許されないと言う。そういう意味で高性能の材料を作っているところに注目が集まっている。

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NY2024年5月13日(月)

S&P500 5222 ー0(ー0.00%)NYダウ39431ー81(ー0.21%)

NASDAQ16388+47(+0.29%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足 やや見づらいけど、 再び逆イールド傾向(短期金利の方が長期よりも大きくなる)なのは気になるところ


S&P500日足 上放れ並び黒になる


NYダウ日足 包み足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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株価はまちまちの動きとなった。先日「こんなに値動きがなかったのはあまり記憶にない」と書いたS&P 500だが、再びこんなに値動きがない1日となった。 短期間にこんなに値動きがない取引が複数回続くのもやはりあまり記憶にない。それだけ相場参加者が手がかりを欠いていると言う動きになる。あくまで一般論だが、「3点同時」を警戒する値動きとも言えるかもね。明日全く値動きがない取引が続くなら…。

機関投資家がベンチマークとするS&P500はプラスマイナス0を挟んで小幅な値動き。 一方で金利の高止まりで先週下げていた小型株指数のラッセル2000がやや強含み。

一方でエヌビディアやApple、テスラなどに押し目買いが入ったことでナスダックはやや強含みで終えた。逆にダウがマイナスで取引を終えたのはホームデポやアメリカンエクスプレス、マクドナルドといった個人消費に関わる銘柄がインフレ警戒で下落したから。薬品株のメルクやアムジェンといったディフェンシブもインフレ懸念の中で弱含みとなった。

インフレ懸念を呼んだのは要人発言とNY連銀調査。 ジェファーソンFRB副議長が「政策金利はインフレが2%に低下する追加の証拠がでてくるまで据え置くことが適切」 として見切り発車での利下げを否定するタカ派的コメント。 FRBが依然としてインフレを警戒している表れ としてインフレに弱いとされる個人消費関連やディフェンシブ銘柄にとくに影響があったと感じられる

さらに11時発表の NY連銀調査の4月の消費者調査による1年後のインフレ期待が3.3%に上昇。 これもインフレ懸念に繋がっていた。

なおインフレに関してはブルームバーグから面白い記事が出ているので是非読んでほしい

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-13/SDEOJHT0AFB400

手詰まり感の中で 個人投資家は後で書くようにミーム株や中華系のADRに資金を集めている。

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Appleは1.7%の上昇。 一方で メタは1.7%の下落。特に大きな材料が出たわけではないが移動平均線を意識してテクニカルな売買が行われたと言う見方が1部で出た。

テスラについては170ドルが心理的な支持線になったと言う指摘があり押し目買いが入っている。

人工知能に絡んだ半導体関連も上下まちまち。ARMが 7.7%の上昇になったのに対してスーパーマイクロコンピューターは2%の下落。インテルが2.2%上昇、マイクロン1.5%上昇した一方でAMDは0.9%の下落。方向性のない1日となった。これも全体相場の模様眺め感につながっている。

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相場が揉み合う中で個人投資家はゲームストップ株に足の速い資金を流し込んだ。68%の急上昇。売買代金はアマゾンやAMDを上回る 全体7位の大商い。最近徐々に上昇傾向にはあったのだが…。

3年前の急上昇の局面で上昇前からゲームストップ株に飛び乗るようにツイートしていたRoaring Kittyを名乗る アカウントが絵を投稿。

https://twitter.com/TheRoaringKitty/status/1789807772542067105


ご覧のように絵自体は テレビゲームをしている人間が前のめりになった、と言うことを示しているのだが、投稿した人間が人間だけに人々は 「ロアリングキティーがゲームストップ株をあおった」 ように解釈した。 ゲームストップ株はここのところ上昇傾向にあったのだが、この絵をきっかけに月曜日にさらに急上昇。完全にマネーゲームとなっている。

アメリカでは日本と違い個別株のオプションの売買が結構大きい。このため理屈よりも上昇していた ゲームストップのプットオプションを売っていたプレイヤーが、いわゆるデルタヘッジの現物株買い・踏み上げ相場を余儀なくされたものと見られる。 この値動きは3年前にヘッジファンドが喰らった値動きと同じになるね。

3年前は「割高なミーム株を売って通常の銘柄を買う」ロングショートを行っていたヘッジファンドがミーム株の買い戻しを迫られて踏み上げられるとともに、ロングしていた普通の株をぶん投げて相場全体が急落するあれた展開になった。 今回はそういう反省もあってヘッジファンドがこの手のロングショートを行っていないことが幸い。全体相場への影響は限定されている。

ゲームストップ株日足


ゲームストップ角が急上昇した連想ゲームでAMCも69%の上昇になっている。

AMC日足


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また、ノババックスが47%の急上昇が続く。 金曜日にサノフィとの 新しい契約で急上昇していたノババックスだが、月曜日もこれを好感する流れになっている。 長い間技術は評価されながらもそれを現金化する具体的な手法に欠けていたノババックスだが 製造上の問題によりブームの中でのコロナワクチンの投入に出遅れた。(そのためにモデルナなどと比べて過去2年ほど収益性に欠けていた) 後ろ盾となる大型契約を結んだことで安定した現金収入が見込まれることが株価急上昇の要因となっている。 コロナによる収益が少なかったことがパイプライン強化につながらない結果になっていた。現金を得たことで今後のパイプライン強化につながることが期待されている。

ノババックス日足


アリババが売買代金13位で5.7%の上昇。こちらも全体相場の手詰まり感の中で、テンセントミュージックのリリースなどを囃して中華系のICT関連を買う動きとなった。JD4.9%上昇、PDD3.1%上昇。

アリババ日足


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東京市場2024年5月14日(火)

TOPIX2730+6(+0.25%)NK225 38356+176(+0.46%)

TOPIX日足


N225日足

225とTOPIX比較過去3ヶ月。特に4月以降は TOPIXが225をアウトパフォームしている。これは金利上昇によって(利ざや拡大期待で)金融株が押し上げられた一方で、 金利上昇に弱いとされるハイテク株などは値嵩が多く 225の下落に寄与が大きくなっているため


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足

10年国債利回りと225日足 過去3ヶ月  完全な逆相関では無いけれど、利回りが低下すると株価が上がりやすく、利回りが上昇することで株価が抑えられているのがわかるだろうか。 こうやって見るとかなり無視できないファクターになっているのがわかる


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14日の東京市場は最終的にはプラスで取引を終えたもののやや方向感を欠いた。225こそ176円高だが、 ソフトバンクが68円、アドバンテストが34円相場を仕上げ2銘柄で100円以上押し上げた形。 利益確定売に押された昼頃にはマイナスになる場面もあった。

前日のアメリカ市場では半導体指数が上がったり、為替市場では日銀の介入が途切れていることから金利差に注目して156円台に円安に動く状況。このため一時は225指数が300円近くも上昇したのだが、買い注文が一巡すると 利益確定の売りも重くトピックスがマイナスになっていく時間帯もあった。

引き続き債券市場では3年など短い国債の利回り(短い国債ほど政策金利に連動性が高いとされる)が上昇(債券価格は下落)していて、早期の日銀の利上げを予想する動きになっている。このため債券利回りの上昇に相対的に弱いとされるハイテク株やICT関連株は上値を抑えられる結果になった。不動産株も金利の上昇を嫌っているし五洋建設が年初来安値を更新するなど今年に入って業種としては上昇していた建設の一部にも金利上昇の影が落ちた。

一方 で大株主として株を保有する英ARM株が上昇したことでソフトバンクがしっかり。225への寄与率が高いアドバンテストやレーザーテックも押し目の買いが入って225指数を押し上げている。

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一転して増益見込みとなった大林組が13.4%の上昇。

また、業績の大幅上振れを好感して古河電工が18.6%高。


報道によれば車載ハーネスが牽引したという。電線株はデータセンター拡大による送電線や光ファイバー、放熱機器拡大の思惑があるところに(光関連製品の利益が改善していない中で)それ以外で利益を出してきたことでインパクトが大きくなった模様。

その他、データセンター向けにエポキシ樹脂等が伸びると報道されている四国化成が連日の上昇で1.7%高となった。

四国化成


業績好調の上に日経でポジティブな報道がされたTOPPANや業績好感でメルカリやスズキなども値段を上げている。

凸版には日興証券から4200円目標のレポートが出ていた。日興証券のアナリスト予想よりも下れた数字ではあるが自社株が1000億円がポジティブなサプライズだと言う。

なおソニーが 業績を発表するとともに9月30日の時点で株式を5分割することを発表。さらに上限2500億円の自社株買いを発表している。

ソニーは時間外で1.9%ほど株価が上昇して取引されている。

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アナリストレポートが報道された中では、武蔵精密工業が業績発表を受けた日興証券のアナリストレポートもあって大幅高。 報道によれば中国の減産時期においても四半期で50億円水準の利益。配当成功30%目標なども好意的に捉えられたと言う。なお会社説明会が明日予定されている。

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半導体は高い銘柄と安い銘柄かなりバラバラな値動きが続いている。レーザーテックが2.8%上昇、ソフトバンクグループは4.3%と大きく上げた。一方で昨日急上昇したTOWAが 7.6%と急反落。広帯域メモリー増産の思惑から 買われてきたディスコが1.4%の反落。ソシオネクスト2.3%下落、東京エレクトロン0.1%下落となっている。スクリーンも2.6%と売られた。マイクロニクスも10.1%の下落、信越は0.2%安で5800円に値段を下げた。

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個別では業績不安でスクエアエニックスが16%の下落。ゲーム株はコウエイテクモなども下げていて、逆風を感じる業績発表となった。

同じく業績不調では鹿島建設が8.9%と大きく下げ。

そのほか金利上昇をきらって三井不動産が1.2%下落。 住友不動産も0.9%の下落となった。

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このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄、及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年5月14日(火)

S&P500 5246 +25(+0.48%)NYダウ39558+126(+0.32%)

NASDAQ16511+122(+0.75%)

アメリカ国債10年利回り日足 パウエル発言を消化するなかで金利が低下。株価を支えた格好になった。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ株はやや小幅ながら上昇。 ナスダックは16,511と4月11日の高値を抜いてきた 。 15日には消費者物価指数の発表があるが、マーケットはこれの低下に期待し、政策当局者がより金融緩和的な政策を取る(具体的には政策金利の利下げ) と予想していることになる。 一部のタカ派のFed 関係者の警告にもかかわらず、マーケットはまるでインフレ率が下がるのは規定路線と。

4月の卸売物価は前月比で0.5%上昇とコンセンサスの0.3%を回った。 しかしながら3月について当初発表された0.2%上昇から0.1% 下落に下方修正。 それがマーケットにインフレの抑制期待 をもたらしている。

またパウエル議長は、インフレについては 「ホット」ではなく「mixed」(まちまち) だ 、と発言。 これはインフレに対してはタカ派的ではなく中立的と受け止められるもので、さらには4月に 一部で警戒されていたもう一回の利上げを否定するような発言になる。

パウエルは一方でアメリカ経済は非常に好調で、家計は良好な状態にある。労働市場は良いバランスを取り戻しつつあり、労働市場が徐々に冷え込みつつあることでバランスは改善の兆しがあると。インフレに関するさらなる進展が1ー3月期には 見られなかったと認めた上で「忍耐強く政策の効果を持つ必要がある」とした。

つまり 労働市場が引き締まっているためにインフレ率の低下が限られていることを認めた上で 、しかし金融政策の効果は遅効性があるので 労働市場はだんだん「改善」していく(失業率は上昇していき、雇用コストは伸びなくなっていくこと、これがインフレ改善に寄与すること) 、今はさらなる利上げではなくこの数ヶ月間維持している利上げの効果が出てくるのを忍耐強く待つ必要があると。

「まちまち」発言は明らかに市場にプラスだった。 物価上昇への警戒感が薄れたこと、待っていればいずれ金利が低下傾向にあるという期待感で相場は午後に上昇率を高めて取引を終えている。 なお今日はCPIの発表がある。大きなインパクトがあるのかないのか。

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金利低下でエヌビディアやテスラを筆頭にハイテク株などに買い注文が入った。

NVDA日足


テスラ日足


まずは半導体のエヌビディアがいつものように売買代金トップで1.0%の上昇、AMDが1.7%の上昇。テスラが押し目買いで 3.3%の上昇。 Appleの0.6%上昇やMicrosoftの0.7%上昇、メタの0.8%上昇などがこれに続く。アルファベットも0.7%の上昇だった。

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半導体指数ソックスは1.7%の大きめな上昇。日中足を見てもらえれば分かるように 上下にヒゲが無いほぼ大陽線で取引を終えた。

SOX日中足


SOX日足


インフレ抑制期待(金利低下期待)に加えて、 SOX銘柄ではないもののオラクルがイーロンマスクのxAIと巨額契約(10Bドル?)が近いと報道されたことで3.8%上昇。 連想でスーパーマイクロコンピュータが売買代金をともなって5.0%上昇。半導体は半導体メーカー中心に連想買いとなっている。

オラクル日足


スーパーマイクロコンピュータ日足


特に台湾TSMCが3.8%の上昇、ブロードコムが3.2%の上昇、クアルコムが2.6%の上昇となるなど「AIのバックボーンとしてのインフラ」に加えて「スマホの需要回復」 も期待するような銘柄の上昇となっている。これにつられる形でインテルが1.8%の上昇、マイクロンが1.5%の上昇、マイクロチップテクノロジーが1.4%の上昇と続く。半導体製造装置もASMLこそ冴えなかったものの、AMAT1.5%上昇、テンコール2.2%上昇と総じて買われている。

TSMC日足


クアルコム日足


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しかしながらこれらを押しのけてある意味では「主役」になったのが ゲームストップとAMC。 ゲームストップは昨日に引き続いて「大物プレーヤ」参戦思惑からプットオプションや空売りを巻き込んだ踏み上げ相場になり一時は株価が前日の2倍以上になる急上昇。上値ではさらなる空売りや利益確定がでて60%高で取引を終えるマネーゲームとなった。

ゲームストップ日足 陰線で取引を終えた。


この辺は数年前にヘッジファンドの破綻さえ呼び起こそうとした暴力的なマネーゲームに似ている。当時と違いヘッジファンドの大規模なロングショート(割高になったミーム株を売って、そうではない普通の株を買う)こそないものの あまりにも急上昇だったために個人投資家などがミーム株にショートを出していたと見られこれを巻き込んだ踏み上げ相場だった。売買代金は3位(1.5兆円)に膨らんでいて通常ならありえない規模になる。

ゲームストップの急上昇の連想から映画館運営のAMCも32%上昇で 取引を終了している。寄り付きが踏み上げですっ高値になっている

AMC日足


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その他、水素と燃料電池の会社であるプラグパワーが荒れた取引。エネルギー賞から最大16.6億ドルの融資の約束を受けたことが契安定につながると評価された。バイデン政権が依然として水素に重きを置いていることが示されたことが株価上昇の背景にあった。

PlugPower日足


一方、 SONYによる買収交渉不調 と報道されたパラマウントは5.2%の下落になっている

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このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場2024年5月15日(水)

TOPIX2730ー 0(ー0.00%)NK22538385+29(+0.08%)

TOPIX日足 出会い線になっている


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


日本国債3年利回り日足


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東京市場は朝方は アメリカの金利低下や株価の上昇を受けて日経平均が400円以上上昇する場面 があったものの、今晩の アメリカの消費者物価指数の発表を前にポジションを縮小 する動きが出て「行ってこい」で取引を終了している。 TOPIXはほとんど変わらずながらマイナスで終わってしまった。

昨日の決算では ソニーがコンセンサスよりは良い数字を出した上に株式分割を発表。さらにのれん代の発生などが懸念されていたアメリカの映画会社(パラマウント)買収の話がなくなるのではないか?と言う観測で今日は朝から上昇。 これに引っ張られる形で相場は強く始まった。 さらにコンセンサスを上回った上にさらに上を目指していきたいと言う積極的なコメントが出た 三越伊勢丹が13%の上昇 。営業利益見通しがコンセンサスを上回った上に、今日は金利も上昇したと言うことで りそなが高い 。アメリカ軍の日本での整備拡大報道を受けて 三菱重工やIHIなど防衛関連株も買われた。 アメリカのソックス指数の上昇を受けてエレクトロンやアドバンテスト、ディスコなども今日は高い日だった。

しかしながら 特損のシャープが売られ、カシオやサンリオなどアナリスト予想に届かない決算を出してきた銘柄は下落がきつかった。 MSCIの銘柄入れ替えに絡んでは東武や小田急電鉄が下げ ている。

売買代金は5兆円越え。MSCIをにらんだリバランスの先回り的な売買もあったわけだが、買われた後量をうられたと言う事で 「売り買いが交錯した」 一日ではあった。

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決算組ではソニーや三越伊勢丹が目立った。

SONY日足


三越伊勢丹日足


ソニーは結局8.2%の上昇、三越伊勢丹は上昇率8位で13.6%の上昇になっている。その他ライフドリンクカンパニーや総合警備保障、戸田建設、オイシックスなどが決算好調。HOYAも 6.9%の上昇となった。

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ユニチカが買われ、月足でも3本連続の陽線になってきている。 いわゆる オールドエコノミーの中でも決算の良し悪しがかなりばらついてきているのが今の日本経済の状況なんだろう。

ユニチカ月足




その他ガイダンスで強気(社長曰く「大胆プラスα」と)を示したテルモが買われている。

テルモ週足


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NY2024年5月15日(水)

S&P500 5308+61(+1.17%)NYダウ39908+349(+0.88%)

NASDAQ16742+231(+1.40%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 高値更新


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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15日のアメリカ市場は上昇した。S&P 500、ニューヨークダウ、ナスダックの3指数は揃って史上最高値を更新。S&P 500は3月28日以来の高値更新で史上初めて5300ポイントを超えた。ナスダックの上昇率は5月に入ってからは2番目の記録になる。

注目されたCPI (消費者物価指数)は 事前の予想の数値と一致、前年比で3.4%の上昇。これは3月の伸びから鈍化しインフレの沈静化期待が高まった。ガソリン価格が下落する事は予想されていたのだが加えてコア部分も冷え込んだことがマーケットに安心感をもたらした。

さらに同時発表の4月の小売売上高が前月比で変わらず。エンパイヤ(ニューヨーク) 製造業指数がマイナス15.6。

CPI推移  https://jp.investing.com/economic-calendar/cpi-733


これらの指標を受けて10年国債の利回りが4.35%に低下(債券の価格は上昇)、1ヵ月ぶりの低水準。

10年国債の利回り 日中足


マーケットは現金なもので、 早ければ9月にも政策金利を利下げするのではないかと言う見方が再び強まった。 CMEフェドウォッチによれば参加者の70%が9月の会合までに1回以上利下げがあると予想していて、1週間前と比べても顕著に増加していると言える。

参考フェドウォッチ9月FOMC終了時点のFFレート予想


金利の低下を反映してビットコインが7%を超える大きな上昇となったことも市場参加者の心理に明るさを増し、 リスクテイクの動き(ゴルディロックス期待の相場)が強まった。 

業種というか業態というか、エヌビディアが3.6%の上昇、スーパーマイクロコンピューターに至っては16%の上昇となったことが人工知能に絡んだデータセンター関連の銘柄に資金を流入させる結果になっている。サーバーも手がけるデルコンピューターはモルガンスタンレーの強気レポートもあって11%の急上昇となっている。

一方、「 まともな銘柄」 が上昇したことで、幕あいつなぎ的に変われていた ミーム株は大きく反落。ゲームストップとAMCは 20%ほどの下落となった。

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なんといっても 売買代金6位で15.8%上昇したスーパーマイクロコンピューター のインパクトは大きかった。 個別に大きな材料が出たわけではないが利下げ期待でリスクオンの動きの中で、個人と機関投資家双方のお金を集める全員参加の上昇となっている。

スーパーマイクロコンピューター日足


デルが11%の上昇。この日はモルガンスタンレーが「人工知能のインフラ構築に絡んだ銘柄として最適な銘柄(最優先の銘柄)」と言うレポートを発表。 目標株価を128から152に引き上げたと報道された。一時は150.28を記録し上場高値を更新している。 モルガンスタンレーによればAI向けサーバーの販売、さらにハードディスクやSSD等のストレージ需要拡大、 PC販売の回復から恩恵を受けていると。レポートの中でEPSを2025年に8.06ドル、26年には 10.12ドルになるとかなり強気の予想をしている。DELLには月曜日にもOTRグローバルから強気の予想が出ていて相次いだアナリストレポートで上昇した形になっている。

DELL日足


データセンター構築企業やサーバーメーカーの上昇を受けて、ソックス指数はほぼ丸坊主の陽線となった。

SOX日足


エヌビディアが3.6%の上昇。 台湾TSMCが2.4%の上昇、ブロードコムが4%の上昇、AMDが4.2%の上昇、クアルコムが2.9%の上昇、インテルが0.7%の上昇、テキサスインスツルメンツが2.3%の上昇、 マイクロンが2.4%の上昇。ついでと言うわけではないがモノリシックが3.9%の上昇。

NVDA日足


ブロードコム日足


クアルコム日足


マイクロン日足


データセンター需要を期待して、ロジックもメモリーも通信半導体もパワー半導体もすべての半導体が上昇する形になっている。

半導体メーカーの上昇を受けて製造装置も買われている。ASML 2.4%の上昇、アプライドマテリアルズ3.6%の上昇、ラムリサーチ3.9%の上昇、KLA Cは4.1%の上昇と製造装置も全面高といった感じになった。

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半導体やデータセンター周りに資金が集中したことでミーム株は急速に勢いを失っている。 終値ではゲームストップが18.8%の下落、AMCは 20%の下落となった。AMCは 株価上昇を見てすかさず株式発行を発表。希薄化につながる動きでこれも嫌われている。

その他充電関連のリストラでゴタゴタが報道されたテスラが2%の下落。エンパイヤ製造業指数が低下したこともあって、ウォルトディズニーが2.5%の下落、ナイキが1.2%の下落と消費の一部が冴えない。

後はアメリカの司法省が墜落事項をめぐる和解事項に違反すると判断したと報道されたボーイングが売られている。

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このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場2024年5月16日(木)

TOPIX2737+6 (+0.24%)NK225 38920+534(+1.39%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足 金利が低下した事は半導体にはプラス、銀行株にはマイナスに働いたとみられる


日本国債3年利回り日足

 

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15日の東京市場は 半導体などが牽引して225は大きな上昇 となった。ただし 銀行株の一部や鉄鋼株など大型株の一部が売られ たことでTOPIXの上昇率は限定されている。

前日発表されたアメリカの消費者物価指数が予想通りの数字。ただ予想通りとは言え前月よりも伸び率が低下したことで「インフレは抑制傾向なのではないか」と言う楽観的な見方が強まりアメリカの金利が低下。CMEフェドウォッチが示す相場参加者の9月の利下げ見通しも10ポイントほど高まった。

これを受けて日本でも半導体などにリスクオンの動きが強まった。日本でもデータセンターの建設が千葉県印西市などで続くと言う報道が出たこともあって、データセンター建設に絡む半導体銘柄やデータセンターに必要なサーバー周りの銘柄、莫大な電力消費に応えるために日本製鋼所のように原子力発電に関する銘柄などが上昇している。

ここのところ、朝は高くても寄り付きを高値に利益確定の売りが続く相場が続いていた。今日も9時半ごろまで利益確定の売りに押された。

しかし午後には再び買い注文が力を増した。終値はトレンドの一つのメドとなる25日移動平均線を上回って取引を終えている。

一方でアメリカが金利が低下したことや決算、期待されていた自社株買いの規模を巡って 銀行株は上げ下げまちまち。三菱UFJが4.3%と大きな下落になったのにたいして三井住友は2.2%と上昇。 日本郵政やゆうちょ銀は売られるなど出尽くしと判断するのか?好決算と判断するのか?それぞれ別れる結果となっている。業種別では鉄鋼が下げていて、日本製鉄の期待はずれだった業績がこの1週間影を落としている。石油価格がやや低下していることで石油石炭もさえない。

その他相変わらず業績に反応する動きは敏感でリクルートが9.1%の上昇など大きな値動きも目に付いた。

半導体はアメリカのデータセンター周りの上昇に引っ張られて値上がり目立つ。今日は ローツェが上場来高値を更新 。

相場全体としては売買代金が5兆円越え。225の値上がり幅と合わせて「買われた」1日だったと言うことができるだろう。(もっとも銀行は売られた訳だが)

ただし225の絶好調と正反対に、 東証グロース250指数は3日続落。年初来安値を更新している 。買われる銘柄と売られる銘柄、 明暗がくっきり分かれているのが今の相場と言えるのかもしれない。

参考東証グロース250指数日足


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半導体は今日は高い日だった。 レーザーテックは売買代金1位を三菱UFJに譲ったものの1.4%の上昇。ディスコも4.2%の上昇となっている。売買代金5位でエレクトロンが4.5%の上昇。ARM株を 保有するソフトバンクが2.1%の上昇、アドバンテストも3%の上昇。TOWAも 2.3%の上昇と、今日は「半導体と言えば上がる」ような相場だった。

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日本製鋼所は年初来高値更新。

背景には 日米欧で大型データセンターの建設が相次ぐことによる急速な電力需要の高まりがある。データセンターは去年の始めの段階で世界の電力の4%を超える電力を使用していると言われていたが、ここに 至って人工知能向けのデータセンターがどんどん建設されていることが挙げられる。従来のデータセンターに比べて人工知能向けデータセンターはマシンパワーが数倍必要と言われ電力需要も数倍に近く必要となってくる。世界的には脱炭素社会が求められている中で発電で二酸化炭素が発生しない原子力発電所の需要が高まるのではないか?と言う期待感がある。(データセンターを運用する企業も、二酸化炭素排出量削減の義務を負っている。火力発電による電気を使うならば、当然二酸化炭素排出と言うコストを払わなければいけなくなってしまうのだ)

さらに、日本製鋼所は証券業界では武器を意味する「アーム」 と言う2つ名がつく銘柄(甚だ余談だが、立ち会い所では左手で力こぶを作るのが日本製鋼所の手サインだった。 腕だからアームと言うわけ)。 自衛隊が世界に先駆けてレールガン(電磁砲)の 研究に乗り出すなど防衛関連の売り上げが期待できると言う声もあった。

何年も抜けなかった4000円の所の高値を抜けてくる値動きになった。

日本製鋼所月足


日本製鋼所日足


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三菱UFJは売買代金首位の大商いで 4.3%の下落となった。アメリカの金利低下が売り材料と言えなくもないが、三井住友は2.1%上昇しているわけで、やや個別の事情と言えるだろうか。 前期の決算は文句ないものの中期計画や自社株買いの規模に「 物足りない」 と感じた向きが利益確定の売りをぶつけてきたと見られる。1時は5%を超す下落率になった。

この日は日本郵政も下落で1.5%の下げ。ゆうちょ銀行も5.6%と 下落がきつくかんぽ生命も3.9%の下落だった。 日本郵政は3億2000万株の上限の自社株買いを発表したものの郵便物流事業の前期営業赤字が嫌われたか。ゆうちょ銀行は材料でつくしの売りが出たと見られる。 三井住友を除いては 金融系の大型銘柄に向かい風の1日であった。

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このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年5月16日(木)

S&P500 5297ー11(ー0.21%)NYダウ39869ー38(ー0.10%)

NASDAQ16698ー44(ー0.26%)

アメリカ国債10年利回り日足 金利は朝から上昇傾向だったわけだがメスター発言などで日中も金利が上昇している。これが株の利益確定の売りを呼び込んでもいる


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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16日のアメリカ市場は、初めてニューヨークダウが40,000ドルの大台に乗せた。ただ市場は心理的な達成感もあって利益確定の売りを浴びて小幅ながらマイナスで引けている。移動平均線からは上方乖離していて相場の一時的過熱感を指摘する声も聞かれた。

一時は昨日発表されたCPIがインフレの抑制傾向を示したことが40,000ドル達成の原動力になった。

しかしながら。

4月の製造業工業生産が0.3%低下とマイナスになったことについてはインフレ抑制効果も期待できるものの景気のブレーキ懸念として受け止められた面がある。一戸建て着工件数が0.4%減少と(ローン)金利上昇の影響を見せたことも「スタグフレーション」懸念として現れている。

また昨日は クリーブランド連邦銀行総裁メスターが「金利の維持が物価目標達成につながる」 として早期の利下げ期待を牽制する発言を行った。 さらに リッチモンド連邦銀行総裁バーキンも「インフレ率は政策当局が望んでいる水準に達していない」 、として現在依然としてインフレ率が高いことを懸念する発言を行っている。 タカ派スタンスをとる二人の発言によって金利は上昇傾向に、株価は高値圏での利益確定の売り につながった。

業績発表ではウォルマートが増収増益となり今後の見通しも上方修正。インフレ懸念の中で業績が良くなった事は市場参加者にプラスのマインドをもたらしている。チャート面ではAMATが いったんは高値を更新。この辺の半導体の 上昇も一時指数が高値をとってくることに貢献しているが…。

昼からは Dellが反動安、スーパーマイクロコンピュータも売られる など水曜日の相場を牽引したサーバー銘柄が下落。これをみて結局SOX指数も下げていて、これも指数のマイナス転落に力を貸した。

ミームラリーはゲームストップが30%安。 この辺の下げも個人投資家に売りを迫った面もあるだろう。

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水曜日の利下げ期待ラリーの後だけに、一部ICT銘柄やサーバー関連、半導体関連に利益確定の利が出ている。

メタが1.7%下落Amazonが1.3%下落。上でも書いたけど水曜日の相場上昇のきっかけにもなったスーパーマイクロコンピューターが5%の下落、デルも 2%の反落。

スーパーマイクロコンピュータ日足


Dell日足


半導体SOX指数は 0.55%と下落。 1時は5085ポイントに達しようかと言う場面があったが昼からは半導体全体に利益確定の売りが出ていた。

SOX日中足


SOX日足


台湾TSMCが2.1%の反落。 ブロードコム1.6%の下落、クアルコム0.7%の下落。 ただしマーベルは4%上昇していたしAMDは1.8%の上昇。インテルは2.4%上昇。 あくまで水曜日に大きく上昇した銘柄に 利益確定売りが出たものの、全部が全部売られたわけでもない。

TSMC日足


ブロードコム日足



半導体製造装置は下落して終えた。AMATは 高い場面があったものの結局1.6%の下落。ASML1.9%下落、テンコール1.3%下落。

パワー半導体も下落した。モノリシック1.8%下落、オンセミコン2.3%下落。

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今週の相場の裏の主役、ミーム株は 急落で木曜日の取引を終えている。 ゲームストップは30%の下落。


また水曜日に大きく上昇した仮想通貨につられて買われていた コインベースは9.4%の下落で取引を終了している。 マイクロストラテジーも4.2%の下落と下げはきつめ。

コインベース


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後は上下道が激しいアリババが昨日は上昇する日だった。7.0%の上昇となっている。

このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場2024年5月17日(金)

TOPIX2745+8 (+0.30%)NK225 38787ー132(ー0.34%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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17日の東京市場はまちまちの値動きとなった。 16日のアメリカ市場が下落となったこと、さらにザラ場1.6%下げたアプライドマテリアルズが時間外でも1%以上の下落となったことから日本でも同業態とみなされる東京エレクトロンなど半導体製造装置や半導体メーカーなどに売り注文が集まった。

参考AMAT(アプライドマテリアルズ)


金利上昇と相まって10時前には400円弱安、38,550円まで下げる場面があったものの、 その後債券市場で日銀が定例の国債の買いオペ(いわゆる公開市場操作)で購入予定額を据え置いたと伝わり、近い将来の政策金利引き上げ観測が後退。これを手がかりに短期ファンドが株先物に買い注文を入れたと見られる。


また昨日は利益確定売りをされた大手金融株などに押し目買いが入ったこと、やや円安にぶれたことからトヨタや本田、スバルなどに買い注文が入ったことも相場の下げしぶりに寄与している。

トヨタ日足



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昨日、昼に防衛関連に受注高が拡大傾向にあると伝わった日本製鋼所は大幅高が続いた。また日本製鋼所は原子力発電所関連でもあるわけだが、半導体製造やデータセンターに「安定した電力供給」が必要となるとして北海道電力や九州電力が再び買い注文を集めている。

日本製鋼所日足


円安傾向を受けて豊田に見直しの買い注文。 輸出比率が高い鈴木や スバルなどもしっかりだった。

決算を受けて、今期以降の計画が控えめかつ自社株買いの規模が期待に届かないとされていた三菱UFJフィナンシャルやみずほフィナンシャルには見直しの買い注文が入っている。

三菱UFJ日足


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個人投資家は値動きの大きな銘柄に足の速い資金を集めている。

思惑先行で住石HDが25%上昇。低位株物色も続いていて、システムソフトやペッパーなど業績不安銘柄をマネーゲーム的に扱う動き(米国のミーム物色と似た動きともいえ)

住石HD日足


決算好感では15日に好決算を出してきた日本電子材料が8%高。この辺も値動きが軽い銘柄に個人投資家が資金を集める動きになっている。

そのほかアサヒが連日の年初来高値更新。クラボウも高い。

アサヒGHD


宮地エンジが3月以来の一ヶ月半ぶりの高値更新。ラサ工、保土ケ谷といった半導体関連の化学株も連日高値を更新している。

ラサ工業


保土谷化学


そのほか、第一三共、ステラファーマ、資生堂、フマキラーといったディフェンシブ銘柄の一角が物色されたのも目についた。それぞれ年初来高値を更新している。

第一三共


資生堂 週足



このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年5月17日(金)

S&P500 5303 +6(+0.12%)NYダウ40003+134(+0.34%)

NASDAQ16685ー12(ー0.07%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足

NYダウ日中足

NASDAQ日中足

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17日のアメリカ市場は ニューヨークダウが史上初めて終値で40,000ドル を超えて取引を終えた。

一方でFRBのボウマン理事が「 昨年はインフレ鈍化に関してかなりの成果が見られたが、今年は今までのところインフレ抑制で進展がない」「インフレ率は高止まりする見通し」「金融政策スタンスは制限的な水準にある(のでインフレを抑えるために現在の金利水準を続けるべき)と考えているが、 指標によってインフレが停滞もしくは反転していると示された場合には 将来の利上げを排除しない」 とインフレ楽観論を牽制したことでナスダックなどの成長銘柄には利益確定売りが出た。(ただしこの「刺激的」な意見は以前からボウマン理事が主張している話なのでそこまでドラスティックな影響はなかった。今のところ ここまでのタカ派意見は少数派 とは言える)このためナスダックは午後に下げる場面があり結果的にはほぼ変わらずで取引を終えている。

10年国債利回り。 ECB理事の6月7月の連続利下げには否定的、との報道で朝から債券は売られ、ボウマンのインフレ楽観論牽制発言でさらに金利は上げている。


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もう少し読んでいくと こんなふうにボウマンは述べている

まとめると

○いまの 金利水準は「制限的」 だとは思ってる

○ 去年はインフレ抑制は上手くいってた。 今年は上手くいってない

○というのも 去年はサプライチェーンの混乱によるインフレ だった。(これは金利以外の政策もあって解決された面がある。)

○ 今年のインフレは堅調な雇用から くる雇用コストの増大と消費者の可処分所得増加によるもの。

○ 雇用は徐々に減っていて改善傾向にあるもののその スピードは鈍化 している。

○いまのインフレが抑制できないなら雇用悪化のスピードを増すためにも 利上げは排除しない 。

去年のインフレ率が低下したのはサプライチェーンの混乱の解決 によるもの。一方で 最近の財とサービスのカテゴリー価格が上昇している事は、去年のインフレの低下が一時的なものだった可能性がある。

雇用市場のバランスは改善されつつあるものの、その進歩は鈍化している。失業率は4%未満にとどまり求人数が依然として(金融政策が制限的ではなかった)パンデミック前の水準を上回っている。

(ので 雇用面でのインフレと、消費者の所得の増加という意味で インフレ圧力につながっている)

つまり 彼によれば、 去年インフレ率がある程度低下したのは必ずしも金融政策によってではなく、 コロナによって生じたサプライチェーンが回復したことによるものであって、 依然として高い雇用の需要が今年のインフレの高止まり をおこしていると。 彼は今の金利が 雇用に対しても制限的(雇用増加を抑える)な水準であるとは考えているものの このままサービスや財価格が 上昇するならば、さらに利上げを 行わなければならないと。

去年までのインフレ(サプライチェーンの混乱によるコストプッシュインフレ、これは抑制できた)と今起こっているインフレ(雇用増加によるコストプッシュかつディマンドプルインフレ、これがまだ抑制し切れていない)を分けて考えていること。だから 今の金利水準が今起こっているインフレを抑制できていない可能性はある のではないかと考えていること。 これがタカ派の理論的支柱 である事がよく分かる話ではあった。

とてもよくできた話だが、 くどいけれど彼の意見が正解なのか不正解なのか、彼の意見が政策決定で採用されるかされないか、それぞれが別の問題。 僕らはこの2つの点について見ていかなくてはならない。短期的にタカ派なのかハト派なのか。中長期的には どっちの意見が正解なのか。

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CPIや雇用統計といったみんなが注目する経済指標の発表がないために 小さめの値動きとなった。その中では朝10時発表の4月の定期選考指標がマイナス0.6%。 これが株価には足かせになった。

加えて上記ボウマン理事の「利上げを排除しない」発言や シュナーベルECB理事が「(欧州中央銀行の) 6月と7月の連続利下げには 慎重になるべきだ」 、との発言でヨーロッパの国債利回りも上昇傾向に。つられてアメリカ国債の利回りも上昇したことが株価にはマイナス要因として働いている。

ただし、逆に言えばインフレ化を示す材料がない中で押し目買いも入った。これがナスダックを含めて大きなマイナスになれなかった 要因とも言える。

長々と書いてきたけど、要するに昨日は 「新しい材料はなく小動き」でした(こら

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ロビンフッドは今週20%上昇して取引を終えた。金曜は12.2%高。

このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。


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