2024年5月18日土曜日

相場雑感2024年4月1日から4月30日まで


東京市場 NY2024年2024年4月1日(月)

今月もご購読くださりありがとうございます。新しい年度も少しでも読者の方の利益につながるようがんばりますので、今月もよろしくお願いします。

TOPIX2721ー47 (ー1.71%)NK225 39803ー566 (ー1.40%)

TOPIX日足  高値圏での 丸坊主の陰線の包み足 。嫌な足が出た。ただし25日線で下げ止まっている。


N225日足 包み足 になったものの25日移動平均線はまだ上を向いていてここで一旦下げ止まった形になっている。


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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名実ともに新しい年度に入った東京市場は、波乱の幕開けになった。 結局40,000円の大台をわれて取引を終えている。

西野七瀬が結婚したショックで株価は下がった。

って言う話は楽なんだが…(違いますね)

朝方は、新年度入りの資金流入やインフレ指標がアメリカで落ち着いた事から日経平均が300円以上上昇する場面があった。しかしながら、 以前から指摘されている通り、日本の機関投資家は4月の最初の1日目に利益確定の売りを出して「益出し」し 心理的な優位感を得たいと言う日本特有の動きに出る。去年は それほど大きく影響及ぼさなかったわけだが、今年は本来なら3月末にアセットアロケーション(資産配分) に伴う売りも出るはずだったところを今日に先延ばしした影響があったと見られ、ダブルショックで売りが重なる形になった。

つまり

■ 年度替わりの4月1日に現実利益を持っておきたい機関投資家の益出し売り(日本特有、ジャパニーズルール)。

■ 株式が上昇したために、 年金資金等が資産配分を見直すために3月末に売るべきだった部分を、 マーケットインパクトを減らすために4月1日以降に一部を先延ばししたと見られることの売り。

■ 加えてイースター休暇でアメリカ人投資家がお休みだったこと。

この辺が重なり合って下落の加速につながったと見られる。

売買代金は4兆6400億円。 4月1日で新しい資金分配があったこと、さらに値動きが大きくなった割には売買代金の増加は少なめで、 イースター休暇の影響でアメリカ人投資家の動きが鈍かったことも売買代金から見て取ることができるだろう。

ここまで来ると、3月の権利付き最終日が前の日から上昇する特異日だとすれば、4月の第一営業日は終値が寄り値から下落する

もっと言うと、何か原因があって不特定多数のプレイヤーが売ってきたんなら、日中足がもっとぶれるはずなんだよね。一定速度で一定のペースで下がっていくところを見ると、少数の大口投資家がプログラムを使って淡々と売ってきたことが見て取れる。 多数の投資家が売ってきたんなら、寄り付きから安いはずだしね。少数の投資たちは高くなるのを待って一旦寄らせてからプログラムを使って 大量の株を売ってきたということができるだろう。 前の日に飲み会かなんかで示し合わせてるんじゃねーか?って言う位。

さらに。今日は香港市場が上昇するなどアジアは強かった。これが今日の下落が日本特有のテクニカルなものだった可能性を示している面が1つ。 ただしもう一つ、日本株を売って景気回復期待で中国を買う動きが出たと言う言い方もできるだろう。どこまで続くかはよく見ていかなければならない。昨年度は明らかに中国株を売ったお金が日本に流れてきていた。 この逆回転の動きは考えられるだろう。

参考 香港日中足


くどいけど、これを見ると今日は日本だけがアジアで下がったように見える。 4月1日と言う特殊な1日の影響だった可能性がある。 一方で日本を売って 香港や上海を買ったようにも見える。 明日以降もこの逆相関が続くかどうか見ていかなくてはならない

なお、この原稿を書いている 17時40分現在では先物は 200円近く上昇している。 先物のプレーヤーは4月1日特有の利益確定の売りの行き過ぎだったと判断している模様。 まぁ明日にならないと分かんないけどね。

 


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売買代金の上位銘柄を見ても売られた銘柄が多かった。 そして昨年以降あるいは 今年に入ってから挙げた銘柄が売られていて、いかに今の売りが利益確定の売りだったかを示していると思う。

まずは半導体。

レーザーテックが1.9%の下落、ディスコが2.4%の下落、エレクトロンが3.2%の下落、アドバンテストが4.9%の下落、ソシオネクストが3.5%の下落、スクリーンが6.0%の下落。 売買代金10位までに6銘柄が入って全部下落。今日の下げが大きく上がっていた銘柄を利益確定する動きだったことを如実に示していると言っていいと思う。

その他にも、トヨタが4%の下落、三菱重工が4.6%の下落、三菱UFJが4%の下落、東京電力が4.5%の下落。いわゆるバリュー株で作られる銘柄にも上がっていたやつをうっておこうと言う動きが出たと言えるだろう。

その他、紅麹問題が 台湾にも拡大した小林製薬が2.5%の下落。原料として他社に供給されていたことから、回収の規模が底なしになってきたことが嫌気されている。

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巻き込まれる形で、IOWNも下げた

ACCESSが6.6%安、サムコ3.3%安。

なおOpenAIが日本に拠点を設けるというニュースが流れたものの、相場全面安の流れでまったく反応なしだった。

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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年4月1日(月)

S&P500 5243ー10(ー0.20%)NYダウ39566ー240  (ー0.60%)

NASDAQ16396+17(+0.11%)

アメリカ国債10年利回り日足 かなり金利は上がっている。ただ「経済の強さの反映」でもあり株価は月曜日はものすごく大きくは売られなかった。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 包み足にはなっている


NYダウ日足


NASDAQ日足 こっちは「気迷い十字足」


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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1日のアメリカ市場はまちまちの展開となった。 ざっくり言うとマイクロンとアルファベットやマイクロソフト、スーパーマイクロコンピュータなどAI関連が株価を持ち上げる動きをしたものの、 appleや仮想通貨関連、イーライリリーやホームデポが株価の足を引っ張っている。銀行株もさえなかった。

相場全体としては、長期金利が4.33%程度まで上昇したことが重荷 になっている。 原因は製造業PMIの22年9月以来の拡大。3月のISM製造業PMIは50.3、 ブルームバーグの集計した予想データの 48.3 を上回り 2月の47.8からもかなり上昇している。あるいは仕入れ価格指数が55.8と予想以上に。 なおドル高が進行したことから225先物は堅調だった。ただドル高によってグローバル展開する銘柄には売り上げのドル建て換算が減少する懸念もでている。

市場ではこれが金利の低下の先送りになると言う判断につながった。 さらには原油価格が10月以来の高値 で取引されたことから石油株がアウトパフォームしたものの相場全体としてはインフレを気にする動きになっている。 インフレを睨んで金価格もドル建てで新高値を更新。 (石油と金の価格上昇が大きいのはイスラエルのシリアのイラン大使館を含む空爆でイランの軍司令官1人が死亡したことが地政学上のリスク拡大を呼び込んだため https://finance.yahoo.com/news/oil-steadies-quarterly-surge-chinese-232337307.html )

原油WTI


今週は 金曜日に雇用統計 があり、またこれを選んだ神経質な展開が続くんだろう。

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なんといってもマイクロンが 5.4%の上昇。1時は127ドルまで上昇し8%近い上昇と言うことになった。これはもちろん52周の高値。

マイクロン日足


ソックス指数も 1時は3%ほどの上昇、。ただしソックスは1.16%上昇まで押しかえされた。

SOX日足 上ひげになっている



くどいけれど、 マイクロンが上昇しているのは HBM(広帯域メモリー)と呼ばれる データ転送速度が高速な(バス幅が大きいなんて言われる) 高性能のメモリ、積層化によって作られるメモリーの 需要がAI向けデータセンターなどに 出荷が増え ていることによる。 高性能なだけに高価格で利益も大きい。 これが半導体のテーマになっている。(シュリンク、回線幅の微細化から半導体回路の積層化へ)

ただ、SOXの日中足を見れば分かるように午前中の早い段階で利益確定の売りでSOXは伸び悩んだ。


Apple向けの需要が大きいスカイワークスが1.2%の下落に転じたほか、パワー半導体のモノリシックが1.3%の下落。大きく上昇していたASMLやAMAT、テンコールと言った半導体製造装置が 高根からは伸び悩んだことが半導体が伸びきれなかった理由だろうか。

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マイクロンの上昇を見て、人工知能関連は高かった。エヌビディアだけでなく、周辺の銘柄にも恩恵はあると言う期待感が株価を支えた。

売買代金8位のスーパーマイクロコンピューターが2.7%の上昇、Microsoftが0.9%の上昇、アルファベットが2.9%の上昇、メタが1.2%の上昇。この辺は完全に人工知能人気と言っていい。 1時ほどの爆発的な人気は無いものの、相場全体から見ればホットなコーナーだった。

スーパーマイクロコンピュータ日足


アルファベット日足


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下げたのは仮想通貨関連。

1つには先週の マイクロストラテジーに 出された投資判断の格下げと目標株価の引き下げが効いている。マイクロストラテジーは売買代金13位の出来高の多さで4%の下落。アナリストはマイクロストラテジーの株価は仮想通貨の現在の価格よりもかなり上昇した価格まで織り込んでしまっていると書いた。ETFの 上昇がMicro ストラテジーの価格も上げてきたわけだが、逆に言えばETFで ビットコインを売買できるようになったのだから、ビットコインを代替する手段としてのマイクロストラテジーの価値は下がったと言う判断なんだろう。

Microストラテジーに移られる形でコインベースグローバルも4.9%の下落。

なお昨日はフィンテック銘柄全体が冴えなかった。金利が上昇したことも悪影響与えたセクターの1つ。ロビンフッドが3.6%の下落、ブロックが3.7%の下落。Robloxも0.9%の下落につながっている。 その他相場には影響は少ないが、ナスダック株式会社が1.3%の下落、CMEグループが1.5%の下落、MSCが1%の下落。金融商品取引会社の下落も少し目立っただろうか。

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個別では、痩せ薬で相場を作っているイーライリリーが2.2%の下落。個人消費関連株のホームデポが4.0%の下落。インフレには弱いとされるユナイテッドヘルスが1%の下落。 消費関連ではNikeが1.5%の下落、ウォルトディズニーが0.7%の下落、Uberテクノロジーが0.8%の下落。

大手銀行株が揃って下げたのも目についた。バンクオブアメリカ1%の下落

後はトランプの銘柄として知られるデジタルワールドアクイジションが 21%の下落。 個別ではパロアルトネットワークの下落も気になるところか。1.66%の下落になっている。

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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。


東京市場2024年4月2日(火)

TOPIX2714ー6 (ー0.25%)NK225 39838+35(+0.09%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足  日中足の波形はほぼ同じ。 今日の相場が少数の機関投資家により換金売りが出たことを強く示唆する日中足になる。 多くの投資家がバラバラに売ってきたなら、波形は全く異なることになるからだ。 引きつけたところでまとまった売りを先物主導で出してきた、そんなチャートになる。


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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日本株は朝方買われたものの伸び悩んだ。 新年度入りで今年の運用利益をあらかじめ先に出してしまおうと言う運用会社の売りが頭を抑えたと見られる。何せ 金額が大きいだけに昨日1日だけでは売りたい分を売り切れなかったか。 一方で下げてくると買い注文も入ってきていて、大きくマイナスになるには至らず。25日移動平均線も強く意識されたと言う。

(あくまで一般論だがこの後新たに大きく上げる株がおそらく春のテーマになるだろう。 師匠の口癖だが、株は安い時に1番良いやつを買うんだと)

昨日売られた反動で半導体の1部の銘柄が強い。特にエレクトロンやレーザテックは寄与率も大きいだけに225を支えた。

ただ 三井E&Sなど個人に人気の銘柄の値崩れが多く個人投資家の心理にはややマイナス影響が出ている。海運株がアメリカの物流大手ユナイテッドパーセルの決算が悪かった先週以来ズルズルと下げているのも個人投資家の資金力を奪って しまっている。

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米国市場でのマイクロンの大幅上昇の流れを受けて、 今日は日本市場でも半導体関連株は買いが優勢 だった。

参考マイクロン日足


日本電子が11.2%上昇で値上がり率のトップ。値上がり率2位にはKOKUSAIが入って 8.7%の上昇。SUMCO 4.4%の上昇。

主力クラスでも、 昨日売られていたレーザーテックが1.9%の反発。東京エレクトロンが3.4%の上昇、ディスコが2.1%の上昇とトップスリーを半導体製造関連の3銘柄が占めた。ただアドバンテストが0.66%の下落。完全に全面高と言うわけにはいかなかった。

野村マイクロ2.1%の下落など個人に人気が大きい銘柄には手じまい売りもでてた。

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2月3月と個人投資家の人気を集めた株の下げが止まらなくなっている。もちろんやりすぎた反動と言う面はあるのだが…

三井E&Sが 8.7%の下落、さくらインターネットが 8.5%の下落。個人投資家が信用取引で大きな値動きを取りに行った銘柄だけに、この辺が下がってくると他に個人投資家が持ってる銘柄にも悪影響与えてしまう。

さくらインターネット

 


上でも書いたがユナイテッドパーセルの決算を見てから海運大手は冴えず。 日本郵船は2.1%の下落、商船三井も2.0%の下落。川崎汽船は2.4%の下落になっている。

川崎汽船


その他しまむらが7.2%の下落と下げが止まらず。楽天も材料でつくしで3.8%の下落。昨日あげていたファナックが3%の下落になっている。為替相場と、中国がらみの銘柄は毎日一喜一憂と言う感じだね。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年4月2日(火)

S&P500 5205ー37(ー0.72%)NYダウ39170ー396  (ー1.00%)

NASDAQ16240−156(ー0.95%)

アメリカ国債10年利回り日足 2024年に入って最も高い利回りになっている(債券価格は下落。)


アメリカ国債5年利回り日足 長期債に比べると、やや短期債の方が利回りの上昇は少なめ。ベアスティープニング(債券全体が売られながら、金利差は拡大)になる


S&P500日足 25MAに接近して止まった


NYダウ日足 こっちは25MAで何とか踏みとどまった。


NASDAQ日足 同じく25MAで止まっている。


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ株は下げたが、1番大きく下げたとこからは3分の1位戻した感じ。むしろ影響が大きかったのは日本の先物で、1時300円を超えて大きく下げたものの原稿執筆時点では150円安程度まで戻している。

下げてる理由は大きく4つ。

インテルのファウンドリー事業の営業損失 が2022年の52億ドルから2023年は70億ドルに拡大したと報告されたこと。

テスラの売り上げが落ちて 株価が下げ、電気自動車への逆風が明らかになったこと。(パワー半導体にも売りが出た)

ウクライナがロシアの製油所を攻撃して石油価格が上がったこと(厳密に言えば 民間への攻撃は ご法度だが、ロシアもやってるからなあ)加えてイスラエルがイランの大使館近くをミサイル攻撃した事による 地政学リスクの増大

パウエル発言などにより、 今年の利下げは2回以下なのではないかと言う利下げ先送り観測 。

が 足かせになっている。 相場全体への影響は限定的だったものの、 社会保険への支出を抑える発表 がなされたことでユナイテッドヘルスやヒューマナといった関連銘柄が下げたのも見逃せないところ。 下げ幅は縮小したものの、仮想通貨関連株が下げていることも心理的な悪影響になった。 後は利下げ先送り観測で個人消費関連株が安いか。 PVH(カルバンクラインなど)のガイダンスが予想以下だったことがあって22%の暴落。 連想でコストコやホームデポといった小売り銘柄が下げている。

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インテルは結局1.3%の下落。1時は2%を超えて大きく 下落する場面があった。 確かに去年の話ではあるのだが、力を入れているファウンダリー事業(他者からの委託によって生産する、台湾TSMCが主力にしているような事業)の赤字が予想外に昨年拡大していたことが 売りの材料。例えば台湾TSMCは同じ業態で大きな利益を上げていたわけで、インテルの技術力がTSMCに比べて劣っているのではないかと言う市場の懸念を拡大してしまう結果になった。

インテルの下げもあって、SOXは反落。 1.5%下げている。 こちらも一時は3%近く下げる など午前中はかなり悲観的な値動きになっていた。(逆に言えばソックスが下げ渋ったことで 相場全体の下落率が縮小した面はある)

SOX日中足


日足 三角持ち合いが継続した形。トレンドLINEがまたサポートLINEになっている。


月足  今月はまだ始まったばかりなのだが、 毛抜きの形 になっているのはとても気になるところ。


オンセミコンが4.5%の下げ。モノリシックが2.9%下げ。 業態では製造装置の下げが目立ってて、ASML2.6%安、AMAT1.2%安、テンコール2.4%安。モノリシックが安いのはテスラの下げの影響も有ると思う。

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テスラも4.9%安で取引を終えた。昨日の取引が始まる前の時間外では7%も下げる場面がありかなりの値幅が出る1日だった。

ドイツ銀のアナリストは「テスラの全てがうまくいっていない」とかなり強めの口調で悲観的な見通しを示し、売りを呼び込んだ形になっている。

テスラ日足


ガイダンスで下げた中ではなんといってもPVH。日本でもカルバンクラインなどを展開して知られるアパレルブランドだが、 2024年の売上高は6%から7%減少するとガイダンス。マーケットはプラス成長を予測していただけにかなり大きな失望となった。会社側はデジタルプラットフォームでの売り上げを選択集中する影響があるとしているが、要するに アマゾンなどの大きなプラットフォームでは利益が出ているがそれ以外の中小のeコマース窓口では儲かってないと言うことなんだろうね。 販売窓口を選択し売り上げを絞ってでも利益を獲得する方針なのだろうが、市場は売り上げが落ちることを嫌った。

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後は地政学リスク。 ウクライナは戦力差から来る劣性を挽回するためにロシアの石油関連施設への無人機攻撃を強めており(本来ならこれは戦争犯罪だ)石油価格が上がっていることが株価にはマイナス。

さらにイラン政府は軍の高位が殺害されたことに対して復讐をちかっておりイスラエルとイランの関係は新たな段階に入ったと見られる。 最高指導者ハメネイ氏とライシ大統領は「攻撃に対応する」と「やや異例と思われる強い口調での声明」を出しており引くに引けない形になりつつある。 ダマスカスへの攻撃についてイスラエル軍自身「非常に高い敷居を超えた」と発言。 イスラエルはイランのこれ以上の中東での影響力拡大を下げるためにルビコン川を渡ったと言う認識がある。 イスラエルから見れば殺害されたイラン人はテロ攻撃などに関係した人間であろうが、イランから見れば「外交特権を持つ外交官」が殺害されたことになる。お互い引くに引けないのだ。

今のところ可能性は低いが、イランが公然とイスラエルの領土内にミサイル攻撃などを加える可能性。ここは頭に入れておこう。

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東京市場2024年4月3日(水)

TOPIX2706ー7 (ー0.29%)NK225 39451ー387 (ー0.97%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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3日の東京市場はなかなか荒れた展開になった。アメリカ株の下落と台湾の地震を嫌い、 9時に先物売りが集中すると225指数は一時は600円を超える大きな下落になった。 その後売りが一巡したと見て 押し目買いが入ったものの、半導体銘柄に継続売りが出たことで相場を下げて終えている。 TOPIXには押し目買いが入った一方で、やはり半導体が下げた影響で日経平均の戻りが鈍い。 グロース250も1.9%と下げがきつく、個人投資家の信用口座が痛んでいる様子が手に取るように分かる。


半導体には複数の売ファクターが重なった。アメリカでは金利が上昇し半導体株が下落。特にインテルのファウンダリー部門の赤字拡大

https://finance.yahoo.com/news/intel-financial-shows-losses-factories-202427554.html

は 2023年の話とは言え相場にはそこそこショックだった。 委託生産の製造事業に関して数年間損益分岐点に達しないのではないかと言う深刻な報道。(24年から30年の間の中間地点で営業レベルで黒字になると予想しているらしい)

報道が広がるにつれて、インテルの取引は時間外で下げ幅を拡大(ザラ場1.3%安のあと時間外でさらに4.7%安)。ここに台湾の地震が重なった。 台湾はご存知の通り半導体立国で、 もしもTSMCに一大事があればTSMCが買う半導体製造装置の量が減る可能性があること、さらにTSMCが半導体出荷に齟齬をきたすようなことがあればここ数年あったような半導体不足からのサプライチェーンの混乱=生産の縮小が世界的に広がるのではないかと言う恐れから、ヘッジの意味も込めてまず相場が開いている日本の半導体株や225先物に売りが来たものと思われる。

9時半以降に半導体がある程度戻すことになったのは、とりあえずTSMCが生産を再開する見込みと言う報道がいろんな場所で流れたことが原因。Yahoo!の掲示板などでも台湾の知り合いに連絡を取ったって話がちらほら見えてたね。

一方で、先週からの地政学リスクの上昇から原油株が上昇。伊藤忠の株主還元方針も好感されて資源を保有する大手商社株の株価が上昇。地政学リスクで運賃が上昇するのではないかと言う期待感から大手海運株に買い注文が入っていた。

また静岡県知事の辞職に絡んで、リニアモーターカーの開業が早まると言う思惑からJR東海は上昇。ただしそれで恩恵を受けると思われる電線株までは物色は広がらず。影響は限定的だった。

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SOX指数がまたもトレンドラインにつっかけたことで半導体に警戒感が広がったところに台湾の地震のニュース。これが売りを呼び込んだ。

参考 SOX日足


レーザーテックは 9時17分に40,450円まで下げる局面があって、400円安の41,390円まで値段を戻した。0.96%安い。 1番安い局面では3.2%安まであったことになる。

レーザー日中足  地震報道を受け朝売られた後、とりあえずTSMCは大丈夫そうと言うところから値段が戻っていったのがわかるだろうか?


レーザーテック日足  25日移動平均にタッチしたことも戻った原因の1つだろう。 問題は25日線が下向いたときにどうなるかと言う。


一方、 東京エレクトロンは何とかプラスに戻した。銘柄の間でも強弱はあったか。

エレク日中足


エレク日足 ただし、包み足のあとのはらみ足が続く


それでも半導体全体としては売られた形。

ディスコが 1.4%の下落、アドバンテストが2.1%の下落、信越が1.1%の下落、ソシオネクスト2.6%の下落、ルネサスが2.6%の下落。半導体製造装置からパワー半導体までアメリカと同じような下落率になった。ルネサスの下落などは電気自動車の減速に連動している形にはなっている。

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伊藤忠商事が6.3%の上昇。原油高などの 上昇で資産価値の上昇が見込まれることが1つの海材料、さらに株主向けの利益配分策が評価されて大きな上昇になった。 配当性向30%か、1株配当200円のいずれか高い方へと言う。 最近の株価上昇局面で三菱商事に大差をつけられただけに、伊藤忠の巻き返しと言うところだろうか。

原油価格の上昇を見て富士石油が10.8%の上昇で値上がり率のトップ。INPEXも 3.2%の上昇。後はディフェンシブ物色の流れもあって北海道電力が7.6%の上昇、北陸電力が4.7%の上昇、 東京電力が2.2%の上昇。東京ガスが4.2%の上昇、北海道ガスが3.3%の上昇。 銀行株も買われていて、 三井住友が1.9%の上昇、北洋銀行が3.0%の上昇、七十七銀行が3.2%の上昇、いよぎんホールディングスが2.6%の上昇となっている。

個別ではゼネコンの一角が強い。

JR東海は2.4%の上昇。静岡県知事の辞任報道を好感している。

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個別では、個人にも人気のある霞ヶ関キャピタルが乱高下した後5.6%の下落。

参考霞ヶ関日足


高値圏で上ひげを引いた後だけ 嫌な陰線になってしまった。

重工は月曜の包み足に続いて三日連続陰線の三羽烏。

重工日足


任天堂はレンジを下放れた


ソシオも月曜の包み足の下限を抜けた

ソシオ日足


キーエンスの週足ははらみ足が続く

キーエンス週足


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NY2024年4月3日(水)

S&P500 5211+5(+0.11%)NYダウ39127ー 43(ー0.11%)

NASDAQ16277+37(+0.23%)

アメリカ国債10年利回り日足 民間雇用統計を見て4.4%を超える高い金利があったものの、ISMサービスPMIの予想外の低下を見て金利は低下(債券価格は上昇)している。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ市場は 全体としては プラスで推移していたのだが、取引終了前にじりじりとダレる結果になった。主要3指数は高安まちまち。ただ 円安ドル高が進んだ結果日本株先物が夜間で大きく上昇しているが今日の特徴。

パウエル議長はスタンフォード大学で講演。インフレ率は2%に向かって凸凹した道を下っているが、(2%に乗らない段階でも)年内のある時点に利下げを開始すると予想していると話した。またこの日はサービス部門の支払い価格が2020年3月以来最低水準に低下。これがインフレ低下の手がかりとしてマーケットにはプラスと捉えられた。月曜日の製造業部門のデータはインフレ傾向だったために逆のデータと言うことになる。

ただし取引開始前には アトランタ連邦銀行の総裁ボスティックは「FRBが第4四半期には利下げを行う」と発言。これはどちらかと言えば保守的(年1回の利下げと受け取れる)な発言。 政策当局の中で意見が分かれていることを示している。

朝発表のADP雇用統計が 予想の15万人を上回る18.4万人の雇用増加になったことが 金利を上昇させてこれが株価の下落要因になった。しかしながら10時に出た3月ISMサービスPMIが 51.4。 これは予想の52.8を大きく下回っていて、さらに支払い価格指数が53.4と予想の58.4をこれも大きく下回った。10年国債の利回りはこの2つの指数を見て 大きく低下。午前中からの株価上昇を支える結果になった。

昨日明らかになったようにインテルが「ファウンダリー部門(委託生産部門)で昨年1兆円の赤字を計上」。さらにあと数年は同部門が黒字化しない見通しを示したことでインテル自身は7%の下落。朝方はこれを見て半導体全体がマイナスだったのだが、マーケットはインテル独自の競争力低下によるものと判断。半導体製造装置やメモリーのマイクロンに買い注文が入ったことでソックス指数はプラスに転じた。 またデルの株価が大きく上昇したことも注目されている。 サーバーの売り上げやPC部門が回復に入ったと言う判断も半導体全体の後押しになっている。(今日のところはだが)

参考SOX 日中足  インテルを 嫌って下げ たが、トレンドLINEで支えられるように上昇。 Dellの上昇もあって プラスで終えている。


参考SOX日足 SOXは またしてもトレンドLINEが株価を支えている。


さらに明るい材料になったのは フォードの第一四半期の売り上げ。 電気自動車のテスラがかなり逆風を受けているのに対し、従来からのガソリン自動車も併売するフォードは売り上げが好調 だったと判断され2%を大きく超えて上昇したことから消費関連株にプラスの影響を与えてもいる。

で、 相場はしっかりだったと書こうと思って原稿を書き始めたら(今朝の4時半) 先物が売られた形で指数は小幅な上昇幅を失いマイナスに 動き始めた。委任状争奪戦で会社側が勝った ディズニーが下げたりインテル下落の影響でダウはマイナス圏に沈んでいる。 プラスだったソックス指数もダレた。(結果としてトレンドLINEの上に留まることになり・・・)

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半導体株には、Dellの動きが少なからぬプラスの影響与えた。 変わらず水準で始まったDell だったがサーバー売り上げが上昇に転じていると見られて 売買代金14位の大商いで8.5%上昇。 これを見てインテルショックで下げていた半導体全体が切り返す形になった。Dellはアメリカのインベスターズビジネスデイリーの「今日のIBD銘柄(テクニカルなポイントから選ばれる)」に選定されたことも話題になった。 やや後出しだが、 先週にバンクオブアメリカが130ドル目標で強気のレポートを出していることを蒸し返す動きも。

DELL日中足


日足


上でも書いたようにマイナススタートだったソックスが10時半の段階ではこの日のピークまで上げた。 日足はトレンドLINEにほぼタッチしたところで何とか踏みとどまっている。三角持ち合いは継続した形。

半導体製造装置のASMLやAMATが 揃って1.5%ほどのリバウンド。ラムリサーチも同じく1.4%の上昇、コールが1%の上昇といったところ。また今日はマイクロンが1時4%ほどの上昇になるなど相場全体を盛り上げている。 マイクロンの上昇はしつこいけれど 積層化で作られるメモリーの売り上げが人工知能向けのデータセンターで必要になるため。

Dellの株価上昇がパソコン向けにもメモリーの需要回復が起きるのではないかと言う期待感がさらにマイクロンの株価を押し上げている。 この辺、ほぼ変わらずで動いたエヌビディアや 7%を超える下げになったインテルとは対照的な値動き。3月まではロジック 半導体がメモリを大きく アウトパフォームしてきたわけだが、ここに来てロジックが頭打ちになる一方でメモリー(ただし積層化による高性能のメモリー)が逆襲する形になっているのが面白い。今までは半導体と一振りにしたけれどこれからは半導体の中でも独自の値動きをするグループが分かれてくるんだろう。

参考 エヌビディア(ロジック勝ち組)


参考インテル(ロジック 負け組)


参考マイクロン(メモリ 高性能得意)


参考AMAT(半導体 製造装置)

 

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テスラは1%ほどの上昇。Appleも0.5%の上昇。先週まで下げていた2つの銘柄が下げ止まっていることも指数が下げなかった理由の1つ

メタが1.8%上昇したのも目についた。 株式を3社に分割したジェネラルエレクトロニックは本体部分は理論価値に比べて6.7%の上昇になっている。

後はイーライリリーの1.6%上昇が気になるところか。業種ではコインベースが2.3%上昇するなど昨日までの仮想通貨の下落の反動 が見られる。

景気は しっかりしているとの見方から 先日大きく売られたユナイテッドパーセルに買い戻しの動き。2.1%の上昇で取引を終えている。今度はこれが海運の後押しになるか。 マースクもあげてるね。 ここは中東問題がプラスに働いたセクターになる。

一方で委任状争奪戦(プロキシファイト)で会社側が勝利したディズニーは株価の上では失望感から3%の下落。 マクドナルドが0.8%下落するなど小売りの一角が冴えず、 コストコも0.9%下げている。 ジョンソン&ジョンソンが2.2%下落するなどディフェンシブもやや弱かった。

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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場2024年4月4日(木)

TOPIX2732+25 (+0.94%)NK225 39773+321 (+0.81%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足 二つの指数が似たような動き。金利をにらんで指数(先物)を売ってきた形になっている。


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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東京市場は大きく上昇したものの、伸び悩んでもいる。 結局40,000円を割り込んでしまった。 また大きな上昇にもかかわらず結構下げた銘柄もあって、銘柄の格差も大きい1日だった。 1つには、中期債の金利上昇の流れが長期債にも波及。これを見て株式の割高感を 感じた向きが先物を打ってきた面もあるだろう。 (技術的なことを言うと30年国債の入札があり、この前にヘッジ売りで10年などを売ってきた部分もある ) 下で書いたアクセスのように、配当のないような銘柄には割高感が増す展開となってしまった。

明日の 金曜日はやはり注目のアメリカの雇用統計 があるところで動きにくいとする声もあった。 日銀のさくらリポートで景況の悪化も示されたことから日本国内の(景気の悪化と物価の上昇)つまりスタグフレーション的な動きを警戒する動きもあった。

金利上昇を材料にメガバンクが買われ、原発再開の動きで東京電力が個人投資家と金融機関の全員参加の形で上昇。 後で書くけどユニチカが水素の利用に貢献すると見られる合金技術を開発と発表しストップ高。その水素を原子力を利用して製造すると言う実証実験の報道で岩谷産業も上場来高値を更新している 。 モルガンスタンレー証券は岩谷産業の目標株価を9120円から12,830円に値上げしている。

一方で金利警戒からアクセスや霞ヶ関キャピタルなどが売られている。 川崎重工や三菱重工など3月に大きく買われた防衛関連株にも手じまい売りが出ていた。原油高は石油株の上昇をもたらしたものの、アメリカで空運株が売られた流れでJALやANAが売られている。

新興市場でもマイクロ波や、上場したばかりのトライアルホールディングスが下げている。 この辺は金利上昇を嫌った流れや、個人投資家に人気のあった株がまとめて下げていることで信用口座が痛んでいることが引き続き悪影響を与えていると見られる。

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半導体は明暗が分かれている。 ソシオネクストが売買代金トップに立って700円高。上昇率も2位になった。

モルガンスタンレー証券が中立をオーバーウェイトに格上げ。目標株価も3100円を5200円に一気に上げてきた。これをよしとしてのストップ高。他の半導体銘柄からソシオネクストにお金が流れ込むような形になった。

ソシオネクスト日足


対照的に、これだけ225が上がった中で エレクトロンが0.3%の下落、レーザーテックが0.8%の下落。 今まで相場を引っ張ってきた ツートップが売られる形になった。資金が移動したと言う見方もあるし、 製造装置からデータセンター向けのメモリー(あるいはカスタムチップ)へ資金が移動したと言う形もあるだろう。(くどいけれど、ここのところメモリのマイクロンが半導体を先導してきた)

エレクトロン日足


レーザーテック日足 三角持ち合いになっている



さて問題は 今夜以降のソックス指数 と言うことになるだろうか。ちょうどトレンドLINEのところまで降りてきているだけに世界中の半導体投資家が注目している。


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ユニチカがストップ高。会社によれば世界最高レベルのハイエントロピー合金 を合成する技術を開発したと言う。

詳しい事は新聞を読んでいただくとして、笑、要するに 電気分解で水素を発生させる電極や、逆に水素と酸素から電気を発生させる燃料電池の触媒になる合金の創出に有望であるとしている。


まぁどこまで近いうちに実際に利益に貢献するかはわからない話だが、もともと株価が低位に放置されていて個人投資家が手がけやすいだけに一気に人気が集中した形になっている。

上でも書いたけど水素に絡んでは国が原子力を利用して水から水素を取り出す 実証実験を行うとの報道。水素の研究に力を入れている岩谷にはモルガンスタンレーの目標株価引き上げも相まって機関投資家と個人投資家双方からの資金流入があった 。国が 自動車での水素利用をやや諦めたように見える中で、別途エネルギーの貯蓄(風力エネルギーや 太陽発電は好きなときに電力が生み出せないので、余った電力を別の仕組みにエネルギーとして貯める方法が必要になる)手段として生かしていこうと言う道筋が出てきた事は関連銘柄には追い風になるだろう。

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金利上昇を受けてメガバンクが高かった。 東海東京証券は三菱UFJ銀行 1410円目標から 1800円目標に値上げ。ニュートラルをアウトパフォームに格上げしている。三菱UFJは 2.5%上昇して1549円で取引を終了している。 東海東京証券では国際的な比較として、1株純資産まで株価が上がる可能性があると。1株当たり自己資本1590円に1.14倍をかけて約1800円を目標株価としている。マイナス金利の解除で国内業務での利益拡大が見込めると。

三菱UFJ日足


レイティング関連では、 日興証券が住友 ゴムの目標株価を2200円から2400円に値上げ。ダンロップの買収が今までのリスクから機会に変わっていくと評価している。

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NY2024年4月4日(木)

S&P500 5147ー64(ー1.23%)NYダウ38596ー530  (ー1.35%)

NASDAQ16049ー228(ー1.40%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足  より 政策金利に近い短い金利が上昇し、インフレ抑制効果が働く長期金利は上がらなかった。 結果として「ツイストフラットニング」が発生している。景気には悪影響を与えるだろう


金利は、政策金利に影響受ける短期金利が上昇。しかしながらインフレ抑制効果が働くと見て長期金利はそれほど上昇しなかった。これによって円高が進んだと言う見方ができるだろう。長短の金利差が縮小することでフラットニングも起きていて平均にはマイナス影響と言える。


S&P500日足 なかなか嫌な足が出た。

 


NYダウ日足


NASDAQ日足 豪快な包み足が出た


NYダウ日中足 なかなかここまで綺麗なつるべ落としは出てこないよね。


NASDAQ日中足


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アメリカ市場は取引終了前に下落に転じた。水曜日はパウエル議長が年内3回の利下げを擁護するような発言をしていたために市場は強気だった。

しかしながら木曜日は ミネソタ連邦銀行のカシュカリ総裁が 「インフレ抑制の進行が停滞した場合」と言う条件付きながら今年利下げを行わない可能性があると言う 、かなり強いタカ派発言を行いこれが金利の上昇と株価の下落につながっている。

https://finance.yahoo.com/news/feds-kashkari-says-2024-rate-190401682.html

別に、リッチモンド連邦銀行総裁のバーキンが 利下げを行うためには時間をかけて対応するのが賢明だと述べた。

バーキンは年初からのデータはインフレが抑制されていると言うにはやや心もとないと発言。上げ下げがあるのは天候とか季節要因の可能性はあるとしながらも、本当に真の変化が起こっているのか、一時的な上げ下げなのか疑問が湧いているとも。全員がインフレの再任を望んでいない、労働市場は好調であるので(雇用を確保する ために) 雲を払拭し利下げを判断する時間が我々にはある。と(要するに年内に利下げを急ぐ必要は今のところないのではないかと) バーキンはさらに、企業が従業員の確保に苦戦している中で景気が多少減速したとしても(雇用が失われるような)痛みを伴うものにはならないとも発言。要するに多少景気が悪くなったとしても雇用は急速には悪化しないはずなので 無理に利下げを急ぐ必要もないと。これは株式市場にとってはかなり痛い発言だろうね。景気が悪くなったとしても 雇用は急速には悪化しないと予想していて、さらに雇用が急速に悪化しなければ利下げはしないと受け止められるからだ。

景気が悪くなっても、雇用は強いのでその面で痛くない(利下げをしない時間的余裕がある)、のはいいけれど企業業績は確実に悪くなる。株式市場にとってはそうなっても利下げがないと言う事は悪夢だろう。

(この場合はスタグフレーションと言うことになるね。 景気の減速と物価の上昇が併存してしまう。 米国金利が上昇しているのに円高が進んでいるのは この辺に理由が求められるんじゃないだろうか)

市場は金曜日に発表される3月の雇用統計に注目している。かなりハト派のスタンスに戻ったと見られるパウエルと、今日のカシュカリやバーキンに代表されるタカ派との スタンスの間には実に年内3回分の利下げ(0.75%)の差が できてしまっている。 ここまでメンバーの間に考えの差が広がると今後どういう風な政策をとられるのかどうしても不透明になってしまうんだろう。 雇用統計の数字次第で、マーケットのコンセンサスも大きく変わってしまうと言う不安感が午後の株価下落につながったと言えるだろう。

なおインフレ懸念を煽るようにWTI原油価格が 86.6ドル程度まで上昇。中東の緊張が高まることが原油先物を上げている。これも株価下落の要因の1つとなった。 中東情勢の悪化による心理的な経済不安定化の懸念も株価にはマイナスだろう。

WTI日足


アメリカよりも日本の先物の方がこの発言のマイナスインパクト(あるいは中東情勢の悪化も)を受けた形になっている。 225先物市場は日本の取引終了時点よりも100円以上高い推移をしていたのだが、 円高もあってこの2人の発言を受けて 一時650円以上下げる形になっている。

市場では、産油国であるアメリカよりも、完全にエネルギーを海外に依存している日本経済の方が石油価格の上昇には弱いと言う指摘がされていた。

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カシュカリ 発言を受けて半導体が崩れた。SOXは3.01%となかなか出ない下げ率。

SOX日中足


SOX日足


SOX月足 このまま行くと 毛抜きの包み足になってしまう。


ソックス構成銘柄は前銘柄がマイナス。特にAMDの下落率が8%を超えた。メモリーのマイクロンの下落が2.7%、ロジックのNVディアの下落が3%、 通信のクアルコムの下げが2.3%、半導体製造装置のASMLの下落が2.4%などほぼ全面安の展開。ソックスの採用銘柄では無いけれどARMは 2.6%の下落になっている。

まだ終わってはいないけれど、ソックス指数は週足も月足も 包み足になってしまっている。

AMD日足 包み足になってる


NVDA日足 こちらも 包み足


マイクロン日足 かぶせ線


ASML日足 包み足


ARM日足


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東京市場2024年4月5日(金)

TOPIX2702ー29 (ー1.08%)NK225 38992ー781 (ー1.96%)

TOPIX日足


N225日足 50日移動平均線が株価を支えた


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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5日の東京市場は大きく下落。 特に半導体関連株の影響が大きくなる225の下落率が大きい 。アメリカでAMDやエヌビディアが大幅安になった影響で日本でも 売買代金上位に半導体関連株が並び大きく下げた。 500円安で始まった日経225は 1時は1000円安に迫る場面もあった。午後に入って押し目を買う動きから下げ幅を縮小したものの3週間ぶりの安値で取引を終えている。

ただ半導体が軒並み安、ファーストリテイリングやソフトバンクグループなど日経平均に寄与率が高い銘柄が売られたものの、 値上がり銘柄が566銘柄を数えるなど完全な売りだけの1日でもなかった。繊維やエネルギー関連株、食品株などが買われている。

不動産には モルガンスタンレー証券からまとめて目標株価の値上げレポートが出たことも話題。なおモルガンSは損保株にも強気見通しを出してきている。 (ちょっと営業の方を向いてるかなぁと言う気がするけどね)

一方で進行市場が大幅するなど個人投資家の特に信用取引の口座が痛んでいることが引き続き特徴の1つ。グロース250 は5日連続安、 ソラコム、インテグラルなど直近上場の銘柄が下げているのも目立つ。

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半導体は総崩れ。昨日 三菱UFJモルガンスタンレーの有名アナリスト吉川さんが(今日本で5本の指に入る半導体関連のアナリストだと思う) 3100円目標を5200円に値上げしたことでストップ高していたソシオネクストもさすがに今日はマイナス。

なお吉川さんによれば、新しいカスタムチップの商談を獲得することにより従来考えていた強気ケースが基本のケースになったと考えると言う。

さておき、売買代金上位には半導体に関連する銘柄がずらりと並んで下げた。


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一方で、モルガンスタンレーが損保株と不動産株の目標株価を軒並み大きく上げてきたことが話題になっていた。

東京海上は3900円目標を6200円に、T&Dホールディングスは2500円目標を3040円。

不動産株については、三井不動産を1500円から1950円に、三菱地所は2450円から3700円に、住友不動産は5200円から6600円に値上げ。 これもあって不動産株はこれだけ相場が崩れた中でも値段を保っていた。不動産株は金利上昇に弱いわけだが、一方で日本国内では地下の上昇が続く。不動産を保有している(特に東京で)銘柄ほど資産価値の上昇が大きいと言う見方なのだろう

不動産株には日興証券からも強気の見通しが出ていて、例えば三井不動産を1433円目標から1800円目標、三菱地所2300円目標から3100円目標に値上げしている。こちらもやはり地価の上昇をプラスと捉えている模様。

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アパレル、繊維株が強い日でもあった。ゴールドマンが3600円目標を3800円目標に値上げして買い判断を継続したアダストリアが上昇。 増配と値上げを示している。オンワードも15%の上昇。

その他、やはり株価が下落する局面でディフェンシブ銘柄にも注文が入っていた。キリンやキューピーなどが買われている。後は原油が高いためにENEOSに買い注文が入った。

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NY2024年4月5日(金)

S&P500 5204+57(+1.11%)NYダウ38904+307  (+0.80%)

NASDAQ16248+199(+1.24%)

アメリカ国債10年利回り日足

アメリカ国債5年利回り日足

S&P500日足

NYダウ日足

NASDAQ日足

NYダウ日中足

NASDAQ日中足

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アメリカ株は大きく上昇して取引を終了している。

今月、世界で最も注目された経済指標と言って良いアメリカ雇用統計は3月の非農業部門の雇用者数が30.3万人と 予想の21.4万を 大きく 上回ってしまった。 失業率も予想の3.9% (2月の実績も3.9%だった)から3.8%へわずかながら改善してしまった。

本来ならこれで金利の引き下げ先送りが確実と見られて株価が下がるところだったのだが(実際一瞬だけ先物は下げる気配を見せた)、 市場は労働参加率の上昇と平均労働時間の増加に注目した。

パウエル議長が 以前から指摘しているように、 雇用の増加には実際に雇用の供給が含まれないと行われない。今回は時給の伸びが予想通りで、労働参加率が62.5%から62.7%に上昇。さらに労働時間が34.3時間から34.4時間に増加するなど労働の供給増加が目に見えて現れた。 (労働力供給が強化されたために、雇用が増えた にもかかわらず時間あたりの給料は増えなかった)


このため現在の雇用の増加が ディマンドプルインフレにつながりにくく、懸念されたスタグフレーションも起こりにくい状態だと市場はいいとこ取りで解釈した。

(= 強い雇用でありながら、インフレ懸念はそれほど悪化しないと言うふうに受け止められた。 強いとディスインフレが併存し、たとえ金利の低下が先送りされても企業業績が悪化しにくいと。) 結果として金融政策の緩和を妨げるものではないと。 さらに言えば、 雇用の増加が最も多かったのがヘルスケア部門。 景気加熱による雇用増加ではないと見られたことも大きかった。(ヘルスケア部門だけで72,000人 雇用増加)

金曜日も、ダラス連邦銀行総裁が「 利下げ開始時期を考えるのは時期尚早」、 毎年投票権があるために影響力が大きいボウマンFRB理事も 「インフレ改善が停滞すれば利上げする可能性もゼロではない」 強めの牽制球を投げたものの 市場は昨日強めの警告を受けて下げていただけに、今日は忠告を聞き流す結果となった。

例えばアポロマネジメントのトーステンスロックエコノミストなどは2024年に利下げがない可能性を指摘するものの、株式市場には大きな影響を与えず。トーステン氏は株式市場が5カ月間で10兆ドルの時価総額の増加を見せたことを指摘、これが家計のバランスシートに大きな増加をもたらし 消費を拡大しているとも指摘。確かに株高が景気を支えている面はあるんだろうけれど…。木曜日にカシュカリの コメントがあまりにも強くインパクトを与えすぎたために、タカ派的な意見は金曜日は重視されなかった。

前日スタグフレーション(金利の高止まりによる景気の悪化と物価の上昇の同時進行)を恐れて 株価が下がっていた反動もあって株価は大きく上昇する結果になった。

取引終了にかけては、さすがに週末を控えて地政学リスクが頭に残ることもありやや利益確定に押された。 市場は来週発表のCPIに注目点を移していくことになる。

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原油価格の上昇を受けてオクシデンタルペトロリアムが2.4%の上昇。やはり中東情勢の問題は気になるようだ。シェブロンも0.5%の上昇。このフィリップス1.3%上昇、エクソンモービル1.4%上昇となっている。

売られていた人工知能関連が買われる結果になった。エヌビディアが2.4%と反発、前日急落していたAMDも2.7%と半分ほど値段を戻した。メタが3.2%の上昇、アマゾンが2.8%の上昇、Microsoftが1.8%の上昇とICT関連にも お金は戻った。

一方で、低価格車の開発中4が伝わったテスラは競争激化と見られて3.6%と下落。データセンター関連銘柄のスーパーマイクロコンピューターも1.0%と下げが続く。ドッキング問題を抱えるAppleも反発が0.4%にとどまっている。 後は仮想通貨関連株のMicroストラテジーが勢いを取り戻せず10%安。マイクロンも0.4%下落と続落。

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個別では、サーバーとPCの復調続くDellが4.3%高。インテュイットなど新興のICT銘柄の上昇も目立った。リスクオン(いつまで続くかは分からんが)の動きといえる。

ディフェンシブではイーライリリーが2%高と上昇続く。インフレ懸念が残る中で純粋なディフェンシブには手を出しにくく成長性を兼ね備えた銘柄を追う動きだろう。

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東京市場2024年4月8日(月)

TOPIX2728+25 (+0.95%)NK225 39347+354 (+0.91%)

TOPIX日足


N225日足




TOPIX日中足  225とTOPIX、全く同じ波形の日中足が、今日の相場が先物主動で動いていたことの証明。 くどいけれど、現物が主導していれば異なる構成銘柄の2つの先物も別々の動きをするからだ。

 



N225日中足


日本国債10年利回り日足


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8日の東京市場は、雇用統計を受けて週末のアメリカ株が上昇したことで 大きく反発して取引を終えている。 ただし225は600円以上高い場面があったが、 約半分の上昇幅を失って取引を終えたとも言える。

金曜日のアメリカの雇用統計は雇用が予想外に増えた結果となったが、平均時給は予想通り。これは人々がより働きに出た結果で、 労働力の供給増加により「賃金」インフレ圧力にはつながりにくいと言う判断がなされた。 労働市場に人がたくさん出てきたから雇うことができたと言えるし、人がたくさん出てきているので賃金は上昇しなかったと。 。 (もしこれが、労働市場は加熱していてなおかつ労働供給がなければ、むしろ雇用は増加せず賃金だけが上がったと) これでアメリカ株が上昇したことで(逆に言えば利下げが遅くなったとしても、景気減速が限定されると評価されたため) 日本株にも見直し買いが入った。金曜日はややヒステリックに売りすぎたと言う反省もあった。

加えて、 円相場が弱ぶくんだこと、イスラエル軍がガザの南部から撤退したと言う観測報道も地政学リスクへの警戒後退に繋がった。

エレクトロンやレーザーテック、ソシオネクストなど指数に寄与率が高い半導体銘柄が買われたほか花王や美津濃などファンドやアナリストが高評価を出している銘柄に注文が集まった。

ただ、ガイダンスは良かった安川電機が朝上昇した後下落に転じたり、大幅増益の三光合成が売られるなど、全面楽観と言うわけでもない。実際600円以上高かった225だが午後は利益確定の売りに押されたと言える。

市場は10日に発表になる3月のアメリカの消費者物価(CPI)の数字がどうなるかと言うことに注目が移る。雇用統計は物価に対して間接的な指標だが、 CPIは物価そのものなのでより影響力が大きいだろうと言う見方だ。

一時600円上がった割には 売買代金は4兆600億円。ここ最近としては低水準で、 本格的に買いが入ったと言うよりは金曜日の自立反発と言うところもあるんだろうか。

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象徴的なのは売買代金だろうか。 先週の三菱UFJモルガンスタンレーの吉川アナリストの5200円目標が引き続き蒸し返されるソシオネクストがダントツの1位で7.2%の上昇。これは先週出たアナリストレポートを好感する動き。 さらにディスコが売買代金2位で2.8%の上昇。 こちらはメモリーに期待する動きか。 逆に今までツートップだったレーザーテック売買代金代金3位に落ちて 1.6%の上昇、4位に落ちた東京エレクトロンが1.0%の上昇。今まで微細化で買われていたレーザーとエレクが、カスタム導体や積層化技術に強みを持つ2銘柄に売買代金1位2位を明け渡したと言う形になっている。

ソシオネクスト日足

 

ディスコ日足

 

レーザーテック日足

 

エレクトロン日足

 


その他東京電力が3.9%の上昇、トヨタが2.2%の上昇、三菱UFJが1.4%の上昇と売買ができる大型株が動いたのが特徴。

一方で、個人投資家に人気の三井E&Sが 6%の上昇、 グロース市場のQPSが 大幅反発で21%の上昇。ソラコムも16%上昇。

しかしさくらインターネットは マイナス 0.1%とやや明暗を別れた。

やや相場の本筋から離れるところだが、愛知FGが17.8%の上昇、千葉興業銀行が8.5%の上昇。 楽天銀行も4.4%上昇。

1部アナリストが高評価を出していたマネックスが5.9%の上昇。 マネックスには1020円目標の強き継続レポートが出ていてこれが材料になっている。いわゆるクリプトアセット事業(coincheckが手掛ける仮想通貨の事業) の収益が本格化してきたことによる。

マネックス日足


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こちらもアナリストの高評価が続く美津濃が 6.9%の上昇、 アシックスが3%の上昇。美津濃には 日興証券が8600円目標とかなり高い強気を出してきている。成長ドライバーであるランニングとサッカーの競技人口の伸びを読み込むと。その2つの分野で水野のプレゼンスが高まることを焦点としている。今まで同行打診に比べて低い利益率が課題だった。総合スポーツメーカーとして競技人口が少ないスポーツ用品も多く取り扱って いた結果としている。ここに来て世界的に人気が高い競技にエネルギーを注ぎ込んでいることで利益率が上昇し、海外売り上げ構成率の向上が目前に迫っている中で利益率がさらに上がっていくだろうと。(アシックスが80%の海外売り上げに対して美津濃は40%) 高単価のランニングシューズの売り上げが伸びること、世界的にブランドイメージが高くなっていることも追い風になるよう。

美津濃日足


日興証券はヨネックスにも1600目標で強気の買いのアナリストリポートを出している。

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前期の決算は悪く、しかし今期以降は強気のガイダンスを出してきて注目を集めた安川だったが、朝方高かったものの結局マイナスで取引を終えた。市場はガイダンスに関しては評価したものの、 やはり収益の伸びが期待かと言う判断になった


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NY2024年月日()

S&P500 5202ー1(ー0.04%)NYダウ38892ー11  (ー0.03%)

NASDAQ16253+5(+03%)

アメリカ国債10年利回り日足 先週の雇用統計などを受けて4.46%まで金利は上昇した。 しかしシカゴ連邦銀行のグーズビー総裁が、政策金利の高金利が長期化する(利下げを先送りする)ことによって失業率も上昇するだろうと述べたことで、短期金利が下げ止まった一方で長期金利は取引時間中に下げている。


アメリカ国債10年利回り日中足  取引時間前に4.46%までに達した利回りが、取引時間中は低下していたのがわかるだろうか。いわゆるツイストフラットニング的な動きになった。

 

アメリカ国債5年利回り日足

 


S&P500日足 株式相場は下落が一服して取引を終えている。CPIを見極めたいと言う動きになっている。


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ株はどちらかというと小幅プラス圏で動いた末最後はまちまちの引け値になった。

先週の雇用統計でプラスになった流れから引き続き強気の注文が入ったり 、あるいはウェルズファーゴのクリストファー・ハーベイ ストラテジスト(有名ストラテジスト)がS&P 500の今年の年末目標株価を4625ポイントから5535ポイントに思い切って引き上げる超強気の見通しを出すなど ストラテジストの強気なレポートが複数出たことが上昇要因。

(ただ彼も、S&P 500指数が調整なく推移していることから、上昇があったとしても年末になるだろうとも書いているのだが…。)

一方で4月に入って決算シーズンが近づいていることや6月の利下げ先送り観測、 さらにはそれを決める可能性があるCPIを明日に控えて上値を追うエネルギーを欠いた。 取引の最終盤に手じまいが来たのは、明らかにCPIを意識した動きか。 テスラなどを除いて時価総額上位銘柄がさえなかったのも来週から本格化する決算を前にポジションを減らしておこうと言う動きだろう。

なおCPIは、予想が前年同月比3.4%の上昇。コア部分が前年度比3.7%の上昇予想となっている。

アメリカでも半導体相場が指数全体に大きな影響与えているわけだが、 台湾TSMCがアリゾナに3つ目の工場を建設するに伴いバイデン政権から66億ドルの補助金を得ると発表。これで TSMCは1時4%以上上昇した。この建設計画に伴って追い風を受けると見られたASML にもプラスの影響を与えた。 しかしながら先週買われていたDellが反落したり、エヌビディアが冴えないなど半導体全体には普及せず。これも主要な指数がまちまちで動く結果につながっている。

また金曜日はポジティブに捉えられた雇用統計だが、10年債利回りは上昇。 やはり多すぎる雇用の増加が金利上昇につながった。良いニュースは悪いニュースと言う話で、相場の頭を抑えたのは否めない。11時に発表になった 3月のニューヨーク連銀消費者期待調査では、1年先のインフレ期待が3.00%。3年先の北インフレ率も2.9% (前月は2.7%だった)。このインフレ期待の下げしぶりも 将来のインフレ継続につながるとしてマイナス材料とされた。

今日はシカゴ連邦銀行のグーズビー総裁が「雇用統計はかなり好調だった」と発言。これも短期金利上昇につながった面がある。一方で政策金利の高金利が長期化すれば失業率は上昇する。とも。これは短期金利が高止まりする一方で、将来的には景気が 減速すると言うことで長期金利を抑える効果があった。(いわゆるツイストフラットニング、短期が上昇し長期が下落する)。本来は景気がマイナスの効果を受ける現象なのだが、長期金利が低下したことを市場はややプラスと捉えている。

なお日本株先物は しっかりだった。アメリカ株は動かなかったものの、円相場がやや円安に触れたことで小幅上昇で取引を終えている。

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ざっくり言えば、ずっと安かったテスラが反発。アルファベットにも 金曜を下げたリバウンド狙いの買いが入った。しかしそれを除けば半導体もICT銘柄も時価総額上位の銘柄は下げている。

エヌビディアが1%の下落、メタが1.5%の下落、Appleが0.6%の下落、スーパーマイクロコンピューターは2%の下落。

かろうじて、金曜日に下げたアルファベットが1.5%の上昇といったところ。

それを補うようにマイクロストラテジーやコインベースなど仮想通貨の関連株が上昇。仮想通貨はアメリカに続いて欧州の国々がETFの 承認に動いていることが強き材料。 ビットコインは7.2万ドルを突破。ほぼ1ヵ月ぶりに高値を更新している。香港でもETF申請が伝えられている。

ここのところ高水準の取引が続くマイクロストラテジーが5.1%の上昇。同じく出来高の多いコインベースグローバルが6.7%の上昇となっている。

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金利上昇傾向を受けてバンクオブアメリカなどの金融株がやや強気だったり、 強い雇用統計を受けてNikeなどの銘柄が買われている。日本でもミズノが高値を更新しているけど、ナイキがこういう流れに続けるかどうか。

中東の地政学リスク問題はまだ熱を残していて、ノースロップグラマンが小幅に買われるなど防衛銘柄はそこそこしっかりだった。 ここのところの金属相場の上昇を受けてフリーポートマクモランもしっかり。

その他海運コングロマリットの マースクは1.6%の下落。 中東情勢がやや落ち着いたとの見方から開運運賃の値下がり懸念が出た。 同様に原油先物も本当に小幅ながら下落傾向だった。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場2024年4月9日(火)

TOPIX2754+2637 (+0.97%)NK225 39773+426 (+1.08%)

TOPIX日足


N225日足



TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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東京市場は値段は大きく上げた。 ただし売買代金が4兆円割れ。 アメリカのCPIを控えて 売買が乏しく売り板が薄い中をアメリカ勢(商品顧問業者)と見られる先物業者がどんどん上を買い上がって 値段を上げて取引を終えた。

朝方、ウォーレンバフェットのバークシャーハサウェイが円建てで社債を発行することが報道された。 バークシャーハサウェイは過去に金利が安い日本円でお金を借りて、そのお金で比較的利回りが高いとされる5大商社株を買った経緯があり今回も商社を買うのではないか?あるいは他に有望と思われる株を買ってくるのではないかと言う思惑があり市場にはプラスの影響与えている。アメリカでフリーポートマクモランの株価が上げるなど海外で資源株の株が上がっていることも相場にはプラスになっている。(この辺も商社株の上昇には追い風)

その他台湾TSMCがアメリカに建設する半導体工場について1兆円の補助金が下りると報道されたことからエレクトロンやスクリーン、レーザーテックに注文が入った。 ただしこの辺は前からわかってた話でやや手垢がついた材料かなぁと言う気がする。メモリーについてエスケーやサムスン電子が新しく設備同士を行ってくると言う思惑も半導体製造装置に注文にはつながっている。

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任天堂が結局プラスに転じた。 市場ではラマダン明けでオイルマネーが買いやすくなるなどと言うやや眉唾の話も出ていた。 ただラマダンが開けると言うのは意識されるところなんだろうね。

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野村マイクロが14%の上昇、信越化学が4%の上昇、 オルガノ(主要顧客がTSMCで米国に拠点設立)が3.8%上昇。この辺は明らかにTSMCのアメリカ工場の新設やサムスン電子やエスケーが韓国で半導体工場への(特にメモリ)設備投資を大規模に行ってくると言う予想が影響を与えている。そんなの前からわかってた話じゃん、とも思うのだが今更ながら 先月のマイクロンの決算の内容から、設備投資を行わないと間に合わなくなると言う意味が市場に広がっていることが挙げられるのだろう。

ニュースは昨日の中央日報の経済ニュース。

https://japanese.joins.com/JArticle/317129?sectcode=300&servcode=300

あくまで一般論だが、半導体投資は熱しやすく冷めやすいところがある。おそらく半導体投資がピークになる前に半導体設備関連の銘柄は天井をつける。この辺をどう読んでいくかだろうね。

特 に今後は記事の中にもあるように「次世代」HBM(広帯域メモリ) が設備投資の中心になる。今までの設備投資の会社とは異なる会社がオーダーの中心になる可能性があるだろう。

何にせよ、レーザーテックが3.4%の上昇、エレクトロンが3.5%の上昇、ディスコが0.9%の上昇。

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データセンター銘柄が今日は高かった。ずっと下落が続いていたさくらインターネットが 11.7%の上昇。 データセンターには欠かせない光ファイバーや電力ケーブル、放熱装置を収める電線株に物色が集まっている。藤倉が5.1%上昇、SWCCが4.1%上昇。 古電工が3.4%上昇、 住友電工が3.1%上昇で上場来高値を伺う動きになっている。

データセンターは電力を大量に消費するわけだが、 電力株の強さも際立つ。東京電力4.9%上昇、北海道電力2.8%上昇、。北海道電力に絡んでは北海電気工業が4.3%の上昇。

後は、非鉄金属の商品価格上昇などもあって三菱マテリアルが5.8%の上昇。電線を手がけるJESCOが 11.3%の上昇となっている。

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配信が、アニメなどからスポーツ中継などに移っていくとされる中で注目されている メディアリンクスは大きく上昇した後5%下落。 ワラントの思惑がある銘柄だが、引け後にワラント大量講師のニュースが出ていた。(大きく下げたのはワラントを権利行使して得た株を大量に売り払ったものと思われる) 本来 権利行使されれば株権が増えてじゃぶじゃぶになるので下がりやすいとされるが、思惑がある銘柄なので上下は激しくなるだろう。

メディアリンクス日足



最近は特に2桁の銘柄で大きく上昇する銘柄が増えた。指数が高値にあるだけに買いづらいと思ったら個人投資家はこういう値動きの激しい銘柄にお金を集める傾向があるようだ。

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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年4月9日(火)

S&P500 5209+7(+0.14%)NYダウ38883ー9  (ー0.02%)

NASDAQ16306+52(+0.32%)

アメリカ国債10年利回り日足 利回りは低下(債券価格は上昇)新しい材料が出出たと言うよりはCPIを前に売っていた向きがポジション調整の買いのショートカバーに入ったというところか


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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火曜日のアメリカ株は結局まちまちで終えた

(余談ながら、アメリカ人は「まちまちで終えた」って言う事を「closed mixed」って言います。 なんとなく印象に残る言い回しです。)

要するにCPIを 控えて様子見で取引が終了した。経済の強さが何度も何度も示されることによって、3月時点で市場が考えていた今年3回の利下げの確信はかなり下がっていると言っていい。 このためCPIによって人々は「相変わらず3回の利下げがあるのか、逆に最悪今年は利下げがないんじゃないか」と言う結構上下に幅がある判断を改めて考えさせることになるだろう。

株価にほとんど変動がなかった一方で、月曜日は10年長期国債は利回りが5ヶ月ぶりの高い水準まで上昇。つまりマーケットは利下げが先送りされると考えている。 一方で株価が下がらないのは経済が好調なので利下げが先送りされても 企業の利益は減少しぬくいのではないかと考えていると言えるだろう。 あるいはたとえ利下げが先送りされてもそれは一時的で、いずれ利下げが行われるのだからあえて株を売り込むこともないと言う考えもあるんだろう。一方で インフレ圧力が強まることで金の価格は上昇を強めている。

また明日がCPI、金曜日からはシティやJPモルガン、Wells Fargoを皮切りに決算が本格化する。これも株価を大きく上下させる要因で様子見の良い口実になっている。

ここのところ注目されることが多いアトランタ 連邦銀行の ボスティック総裁が火曜日(取引終了の1時間ほど前、3時過ぎ)にまた発言記事。 Yahoo!ファイナンスとのインタビューで CPIがコンセンサス 一致すればそれは大きく歓迎すべきと発言する一方で「多少の波乱」が予想されていてボスティックとしては年間を通じて非常に遅いペースで(マーケットが予想するよりは遅いペースで)減速していくのではないかと考えていると。ボスティック自身 は年後半に1度の利下げを行うと 予想を明らかにしているわけだが、 「さらに先送りする必要がある可能性がある」として今年はデータによっては利下げを行わないべきだ、と発言した。 いずれにしよ最終的にはデータ次第だと。経済は減速するものの、 ボスティックが1月に予想していたことではないというのが今の彼の見通しだと言う。 昨日に関しては、あまり大きなインパクトは与えなかったとは言えるのだが…。

一方で、前夜セントルイス連邦銀行の前の総裁、 ブラードが今年は3回の利下げが基本シナリオだと予想すると発言。もうすでにやめた人間とは言え元大物の発言だけにそれなりに影響あったと思われる。

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半導体もまちまちの動きだった。相変わらず売買代金がダントツトップ(テスラの楽に2倍以上)のエヌビディアが2%の下落。半導体そのものではないけれどデータセンターを出かけるスーパーマイクロコンピューターが相変わらず売買代金10位の出来高の多さで2.6%の下落。 アームホールディングス1.9%の下落。

じゃあ半導体全体が下がったかと言うとAMDは0.5%の上昇、インテルが今日は売買代金12と出来高を増やして0.9%の上昇、1兆円の補助金を 材料に買われている台湾TSMC が売買代金13位で1.8%の上昇。 アナログデバイスが3.8%の上昇を目につくね。銘柄によって強弱が分かれる1日になった。

後で書くけどシスコが上がったり、パロアルトが3.9%上昇するなどネットワーク関連も強弱まちまちといったところ。 その他テキサスインスツルメンツが2.3%の上昇、STマイクロエレクトロニクスが2.8%の上昇、マイクロチップテクノロジーも2.8%の上昇。出遅れていた銘柄が買われているとは言えるのだが、方向性が見えにくい1日だった。

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その他コインベースが5.4%下落するなど火曜日は仮想通貨関連株の下げた日。イーライリリーが2.6%下げたのも目につくか。

ボーイングが、内部告発に基づいて連邦航空局が調査を開始したと報道されて1.9%の下落。アナリストのレポートによってアメリカンエクスプレスの株価が同じく1.9%下落。

一方で、モデルナのガンワクチンが臨床試験で結果良好と言う発表で6.2%の上昇。 シスコシステムズには投資判断の引き上げ(中立から強気)が報道されて3.7%の上昇だった。

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とにかく今日はCPI。今月世界で最も注目される経済指標だと言って良い。ポジションには細心の注意を払っておきたい。コンセンサスから外れた場合、相場は上下どちらにも大きく動く可能性がある。


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東京市場2024年4月10日(水)

TOPIX2742ー11 (ー0.43%)NK225 39581ー191 (ー0.48%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足  14時から下落していて明らかに今晩のCPI警戒のポジション調整の売りといえる。


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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魔の水曜日(SQがある週の水曜日は、SQに先んじて裁定取引のポジションを解消することが多く、上下に値幅が多く出ることで知られる)でもあった10日の東京市場は、 今晩9時半に発表されるアメリカのCPI (消費者物価指数)を気にしてポジション調整の売りに押された。

くどいけれど、現在アメリカは今年いっぱい最大で年内3回の利下げを行うと言われているが FRBのタカ派の間では物価のデータによっては今年利下げを行うのを見送るべきと言う意見も根強い 。したがってCPIそのものが「今後の利下げ回数を占う」として注目を集めている。 今のところ前年同月比で 3.4%の物価上昇というのがコンセンサス。しかしこれを上回るようだと急激に今年の利下げ見送りが力を増す 。これを警戒して日本国内でもポジション調整の売りが優勢になったとみられる。

加えて、イランがホルムズ海峡を封鎖する可能性があると伝わるとこれもリスク回避への動きにつながったと見られる。

参考ホルムズ 海峡。


https://www.nikkei.com/article/DGXKZO46145120U9A610C1EA2000/

過去イランイラク戦争においてイランが海峡を封鎖したことがある。 中東(サウジ、イラク、クェート、UAE)からのタンカーは この海峡を通らざるを得ないわけで、ここを封鎖すると世界の原油価格が急上昇する。

一方で アメリカ企業が日本にデータセンターを建設する、もしくは借りると言う行動が流れることで電力株や電線株、原子力発電株に買い注文が 集まった。 データセンターは去年の段階で世界の電力の4%を使用すると言われている。さらに 人工知能向けデータセンターは従来のデータセンターの4倍近い電力を消費する とも言われている。単純に日本にデータセンターが集まれば、日本全体の電力の1割とかそれ以上の電力消費になることも考えられ、当然電力会社に注目が集まり、電力を供給するための 発電設備や送電設備に注目が集まるというところだろう。

TOPIXは3日ぶりの反落。ただプライムの売買代金は3兆8000億円とかなり低水準。 売られたと言うよりは見送られた、様子見されたと言う感じの1日だった。 SQにからむ売買も今日に限ってはそれほど多く出なかったと見られる。売買代金の水準は1月30日以来の低さだった。

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レーザーテックこそ1.7%上昇したものの、ディスコが1.9%下落、ルネサスが0.8%下落、アドバンテストが1%下落、格下げの情報も出た野村マイクロが 3.5%下落するなど半導体関連は利益確定の売りに押された。TOWAも1.8%下落。もちろんこの辺は明らかに今日のCPIをにらんで ポジションを落としておこうと言う売りも多かったのだろう。

昨日は上昇した大手商社株も利益確定の売りが勝った。三菱商事1.4%下落、三井物産2.4%下落など。

ホルムズ海峡の封鎖の恐れから コンテナ関連は上昇。(遠回りになる分船の数が足りなくなり運賃も上昇すると見られるから)川舟は0.6%の上昇。ただ全体相場も強くないために上げ幅は限定された。

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アメリカのICT企業が日本でデータセンターを拡充すると言う報道で関連銘柄が動いた。 去年から米ICT企業トップが総理大臣を訪問していること、日米首脳会談が近いことなどからあらかじめ日本政府と話を通してあったということなんだろう。つまり国策だと言う話。データセンターを拡充するには大量の電力が必要なわけで、これをある程度の値段で調達できると言う見込みがついたからこそ中国や韓国ではなく、シンガポールやインドネシアではなく日本にデータセンターを置くことに決めたんだと思われる。

相場はとにかく国策と言う発想に敏感だからこれだけ 値動きが大きいのだろう。

さくらインターネットが14.5%上昇。 北海道電力6.9%上昇、九州電力5%上昇、北陸電力が3.6%上昇するなど電力株が軒並み高。 東京電力も3.5%上昇している。 さらに設備投資も増えるだろうと言うことで、電源開発が3.5%の上昇、富士電機が3.6%の上昇、明治電気工業3.9%の上昇、明電舎が5.2%の上昇、きんでんが5.9%の上昇。 電力の増大には原子力発電所の再開が欠かせないと言うことで、日本製鋼所が4%の上昇 。原子力関連では岡野バルブが4.3%の上昇、日本ギア 3.5%の上昇。

データセンターは大量の電気を使う一方で、電気を使えば当然発熱もする。 新日本空調が4.3%の上昇、空調設備工事のダイダンが 3.8%の上昇、九電工が 3.6%の上昇になっている。

その他、何度も書いているように データセンターを支える光ファイバーや電力線、 熱排出交換機などを手がける電線株が高い。フジクラが2.3%の上昇、 古河電工0.9%の上昇、SWCC1.1%上昇。

この辺は実際にどれぐらい利益があるかまだわからないけど、とりあえず連想ゲームで買ってみたと言うところだろうか。

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昨日ワラントの大量行使が 明らかになったメディアリンクスはストップ高。思惑で大きく値段が動いた。

、が面白い現象も起きている。14時59分に大量に売りが出たのだ。比例配分を狙って並んだ買いに 売りをぶつけたものと見られる。これを見ちゃうと比例配分狙いのスケベ買いは怖いと思うね。 その後わずかながら買いが入って 引けだけはストップ高で終わった。明日の値動きも注目されるだろう。1年に1回あるかないかの大騒ぎになった。

日中足


2000年の時のITバブルで、ストップ高回気配になっていたIT銘柄で売り屋の江副さんと言われる空売り注文が大量に約定して話題になったことがあったが、規模はあれより全然小さいとは言え少し彷彿とされる注文であった。

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昨年人工知能が話題になった時、電力消費が大きすぎるからこそ新しく電力消費が少ないチップを作るために半導体製造装置銘柄が買われると言う話になった。今実際にデータセンターが作られることによって、今度は増える電力を供給するための会社が買われると言う流れになっている。 「データセンターや人工知能は大量の電気を消費する」と言う知識がこれだけたくさんのキャピタルゲインを狙うチャンスになると言う話。知識をどうやってお金に変えていくか?こういう作業をサポートしていきたいと思っています。

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NY2024年4月10日(水)

S&P500 5160ー49(ー0.95%)NYダウ38461ー422  (ー1.09%)

NASDAQ16170ー136(ー0.84%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足 1日の下げ率はそこまで大きくはないが、俯瞰してみると…


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ株は下げて取引を終了した。 株価下落の原因はなんといっても日本時間の夜9時半に出てきたCPI(消費者物価指数)。昨日メルマガで速報したように 予想の 3.4%を上回って前年同月比で3.5%の上昇率。2月から加速するとともにエネルギーと食品を除くコア指数も 3.8%。コアは先月と同じ数字でなおかつ予想の3.7%を上回った。 グラフを見てもらえばわかるように前年同月比で3%程度をそこに下げ止まりの傾向を示してしまっているのだ。

参考CPI推移(前年同月比)


債券市場ではこれを見て長期金利が4.5%台まで上昇。さらに水曜日に行われた10年再入札は予想よりも入札が少なかったと言う見方から金利先高観測に拍車をかける結果になった。

FED WATCHツールによる市場参加者のFFレート予想コンセンサスグラフ 一ヶ月前の4回利下げ中心値から現在は1.5回の利下げ予想が中心値に減ってきている。利下げ無しを予想する参加者も出てきている。


さらにさらに、 午後に公表された3月のFOMCの要旨公開の中で参加者の1部がここ数ヶ月の景気の強さや物価指標に注目してインフレ率が持続的に2%に下がっていると言う確信が出てくるまでは利下げをするべきではない、とのタカ派発言を 行っていたことがわかった。

これは、ある程度指標が減少していくようなら物価指標の2%到達を待たずに利下げを行っても良いと言うパウエル議長のハト派発言とはやや相容れない。加えてCPIがインフレ抑制確信をもたらすとは言えない数字だっただけにより慎重論をもたらす事になった。

ただし、予想よりも強いインフレ指標だったとは言え、コンセンサスを上回ったのは0.1ポイントだけだったこと。インフレが下げ止まっているとは言え、今の段階では経済の強さを示している面があり企業業績が悪化したとは言えないこと。この辺から株価が急落と言うほどまでは下げてはいない。

日本株先物は400円以上下げる結果になった。アメリカの金利上昇観測から円安ドル高が進んで本来ならショックを和らげる効果があるわけだが、 金利上昇でアメリカの半導体関連株の下落が強めだったことから日本株もその影響をより強く受けると判断された。さらには円安ドル高が進んだ事は逆に日銀の為替介入につながるのではないかと言う警戒感も市場には出てきている。

参考 225先物1時間足


参考ドル円 日足 ドル円は実に34年ぶりと言う円安水準まで動いた。


参考SOX日足


続く

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NY2024年4月10日(水)つづき

コア財価格は前月比-0.2%と低下した一方、スーパーコア(家賃を除くコアサービス価格)は前月比+0.6%となり上振れ要因となった。 最近ではパウエルなどはスーパーコアの部分を特に重視していて、ここを株式市場が切った面はかなり大きいと思う。

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ブルームバーグが、イランがイスラエルの政府施設に向かってミサイル攻撃を検討していると言う報道を行ったことが株価にも下げ圧力になっている。逆に原油先物が強くなる結果になった

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-04-10/us-sees-missile-strike-on-israel-by-iran-proxies-as-imminent?utm_source=google&utm_medium=bd&cmpId=google

参考WTI日足


なお、株式強気派が指摘するのは、 インフレのかなりの部分がサービス部門によって起きていると言う事 。物(医療品や薬食料品、ガソリン、ペット製品、アルコール、家庭用エネルギー)のインフレ率は収入の伸びを下回っていて、これは好意的に捉えるべきだと言う。 つまり給料の伸びがサービス部門の価格上昇を起こしている一方で、サプライチェーンなどは改善していて物の値段は上昇が抑えられていると。コロナで起きていたような悪質なインフレではないと言う主張。


https://finance.yahoo.com/news/heres-the-good-news-in-a-troubling-inflation-report-171250324.html

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孤軍奮闘したのはエヌビディアとスーパーマイクロコンピューター、マイクロストラテジー。エヌビディアは2%の上昇、スーパーマイクロコンピューターは0.5%の上昇、マイクロストラテジーは8.7%の上昇。

逆にテスラは2.9%の下落。ローン金利が高止まりしたままでは比較的価格が高い電気自動車に向かい風になると言うアナリストの指摘があった。

エヌビディアが上げたい方でAMDは2.1%の下落、半導体は全体として下落がきつかったセクターと言える。インテルが3%の下落。

さらには内部告発などが相次ぐボーイングが2%の下落。ホームデポが3%の下落、デルタエアが2.3%の下落など消費に関わるところが売られているか。決算が週末以降に出てくる銀行株はバンクオブアメリカが2.9%の下落、 シティが2.4%の下落、 ウェルスファーゴが1.1%の下落。物価上昇が抑制されていないところで収支悪化記念が銀行株に出ている。

今週末の銀行決算の結果によっては、相場全体のトレンドが決定する可能性が非常に高い。注意深く見守りたい。

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さて、CPIの数字が悪化したのは間違いない。問題はいくつかの対立軸が存在すると言う点。


○ パウエルが言うように、蓋然的に インフレが低下傾向にあるのなら 完全に2%に向かうことが明らかでなくても売り下げを開始すべきと言う考え。 (なぜなら利下げは十数ヶ月ほど効果が出るのに時間がかかる。このまま何もしないで 物価上昇ペースが下がっていくと、物価上昇のダウンが行き過ぎてしまう可能性があるから。 その場合は景気減速を起こしてしまい、利下げしたとしても10数ヶ月景気減速を止めるのに時間がかかってしまう。) それに 対してカシュカリ などのタカ派は 物価上昇が確実に2%に向かうと言う確信がなければ利下げをするべきではないと考えている。 ここが1つの 対立軸。 今のデータを見てそれでも利下げをしていくべきかと言う考え方と今のデータなら利下げを先送りすべきだと言う考え方の対立軸。実際にどういう風な政策が取られるかの 対立軸だと言っても良い。

○ もう一つは、パウエルが 主導権を握っているので(議長だから) どちらかと言うとハト派は まだ優位なわけだが、 実際に複数回利下げするとしてその政策が本当に正しいか と言う対立点。 年内に2回もしくは3回利下げがあるとするなら株価を下支えするわけだが、それをあくまで短期的な事象。実際に 政策金利を下げた後で物価が下がらないならばインフレーションにつながり株価が下がっていく可能性がある。利下げをしたとしてその判断が正しいのかどうか?と言う対立点がもう一つ出てくるだろう。

つまり僕たちは4つの未来を考えないといけない。


利下げを年内に複数回(2回か3回)するかどうか。そして年内に複数回 利下げを行ったとしてその政策判断が正しいかどうか。

あるいは1回だけもしくは利下げをしなかったとしてその政策判断が正しいのかどうか。 この4つの枝について機動的に考えていく必要があると言うことになる。

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東京市場 2024年4月11日(木)

TOPIX2746+4 (+0.15%)NK225 39442ー 139(ー0.35%)

TOPIX日足


N225日足 225の方がTOPIXより弱いのは、今の電力関係(時価総額が比較的大きい) の影響が大きいのと、値嵩の半導体が弱い分だろうか。


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足

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11日の東京市場は大幅安で寄りついた後下げ幅を縮小、安い水準でのもみ合いとなった。ただ電力や電気工事、原発関連などへの物色意欲が強く、TOPIXはプラスへ。半導体に利益確定売りがでた225はマイナスで取引を終えている。

前日に発表されたアメリカのCPIがわずかとは言え予想より悪く「インフレ抑制率が悪化した」ことからカシュカリなどFOMCのタカ派と言われる会議参加者の意見が強まる(= 利下げが先送りされる)のではないかと言う見込みからアメリカ株がハイテクや半導体銘柄を中心に下落。

日本市場でもこれを受けてソフトバンクや半導体製造装置、ファーストリテイリングに売りが来て株価は下落することになった。 下げ幅は500円を超える場面もあった。

ただ寄り付きはパニック的な売りで大きく下げる場面があったものの、 午後にかけてはデータセンター関連銘柄(電力株や電線株、電気工事に関する銘柄、原子力発電所銘柄)などに内外の機関投資家が買い注文を入れたために相場は下げ渋る形になった。

CPIに引き続いてアメリカでは大手銀行株を鏑矢に決算があいつぐ。このため決算を見極めたい向きが取引を控えていて4月の頭に比べると売買代金は明らかに減少している。様子見気分と言ってもいいかもしれない。

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ソシオネクストが4.1%上昇したものの、半導体は製造装置を中心にやや 下落といったところ。レーザーテックが0.6%の下落、エレクトロンが0.9%の下落。スクリーン2.0%の下落、ルネサスが0.5%の下落、メガネの問題も抱えているHOYAは 1.6%の下落になっている。

ソシオネクスト日足


レーザーテック日足


東京エレクトロン日足



SCREEN日足


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日米の大手ICT企業が 日本にアジア分のデータセンターを集中させるならば、当然電力、電線、原発、電気工事。 データセンターが現状でも世界の電力の4%から5%を消費すると言われている以上、日本で電力を自給自足するこの4つのセクターに恩恵 が集まるだろうと言う思惑で内外の機関投資家から買い注文が入った。

 寄り付きは先物に500円安の圧力がかかったわけだが、その中でもこれら4つのセクターはほとんど売られることがなく上がっていった形。またそもそも外国人投資家は東京電力などトップセクターしか買わないわけだが、かなり裾野が広く買われていたことから国内の投資家や個人投資家が連想ゲームで買いに入ったと見られる。 この辺機関投資家が買ってくる銘柄は息が長いわけだが、どこまで見極めるか?プレイヤーの腕が問われることになる。

ただ、さすがに大きく上昇してきたことから東京電力は0.4%の下落。一方で半導体工場の新設が予定されている北海道地盤の北海道電力が7.3%の上昇。 電気設備、電気工事等に関連しては、明電舎が7.5%の上昇、関電工が5.9%の上昇、きんでんが5.5%の上昇、泉州電業が 5.1%の上昇、新日本空調4.3%の上昇。電力ネットワークを手がける東光高岳が8%高

東京電力日足


北海道電力日足




きんでん日足


新日本空調日足



もはや「大喜利」の域に入ってきた感じがする。みんなが四季報の中で「電力」で検索をかけて片っ端から買うような展開。

原子力発電銘柄である日本製鋼所が4.5%の上昇。重工関連では三菱重工が3.6%の上昇、日立が 2.9%の上昇、 三菱電機が3.3%の上昇。 この辺 は明らかに機関投資家と見られる注文がプログラムで入っていて狙いすました大量注文だったと思われる。 共通するのはとにかく発電、発電、発電。データセンターとはまさに電力そのものなのだ。

一方で例えば 日本製鋼所等は3回窓を開ける三空。短期には 過熱感が指摘され る上昇になっている。


おまけWSJ記事

ARMのCEO、人工知能が消費する電力、持続可能では無い

https://jp.wsj.com/articles/artificial-intelligences-insatiable-energy-needs-not-sustainable-arm-ceo-says-472cd339

以下一部引用

>> 【東京】英半導体設計大手アームは、スマートフォンの消費電力を最小限に抑え、バッテリー寿命を延ばす方法を開発したことで名を成した。レネ・ハース最高経営責任者(CEO)は、 人工知能(AI)アプリケーションにおいてもエネルギー効率の追求が必要不可欠だと指摘する。

 ハース氏は9日、インタビューに応じ、米オープンAIのチャットボット(自動会話プログラム)「チャットGPT」などのAIモデルについて、電力への「飽くなき需要がある」とし、「情報を収集すればするほど賢くなるが、賢くなるために情報を収集するほど、より多くの電力が必要になる」と語った。

 また、 エネルギー効率が改善しなければ「2029年末までにAIデータセンターは全米の電力需要の20~25%を占める可能性がある。 現在はおそらく4%かそれ以下だ」とし、「正直なところ、とても持続可能とは言えない」と述べた。

 日米両政府は1億1000万ドル(約170億円)規模のAI共同研究プログラムを公表する予定だ。アームと親会社のソフトバンクグループ(SBG)は、このプログラムに2500万ドルを拠出する。

 ハース氏は、この日米共同研究が電力問題の解決に取り組むことに期待を示した。アームの提供する資金はカーネギーメロン大学と慶應義塾大学の共同研究に振り向けられる。そのほか、米アマゾン・ドット・コムと米半導体大手エヌビディアはそれぞれ2500万ドルを拠出し、ワシントン大学と筑波大学のAI研究を支援する見通しだ。

引用終わり

ざっくり言えば、 何もせずにデータセンターを増やしていけば、 あと5年で 人工知能によって電力需要は今より15%から20%、増える可能性があると言う話。 こうなってくると原油を燃やしている場合ではなくなってくるよね 。原子力発電所を使うか。あるいは逆にAIデータセンターの電力を抑えるか。

一つは当然、電力関係には追い風になる

もう一方で「省電力」例えば光電デバイスなどへの追い風になるんだろうね。

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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年4月11日(木)

S&P500 5199 +38(+0.74%)NYダウ38459ー2(ー0.01%)

NASDAQ16442+271(+1.68%)

アメリカ国債10年利回り日足 金利は上昇したのだが、今のところは株式には結果的には大きな影響与えていない。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足 ディフェンシブ安のせいでNYダウは陰線


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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11日のアメリカ市場は、ナスダックが牽引する1日になった。 もっと言い換えれば、 マグニフィセントセブンが相場を引っ張る展開となった。

ただしNYダウはユナイテッドヘルスとJohnson & Johnson、プロクター&ギャンブル と言ったディフェンシブ銘柄の下落、ウォルマートとホームデポと行った個人消費関連株の下げ、トラベラーズの下落に足を引っ張られてほとんど変わらずで 取引を終えた。決算を控えて銀行株であるモルガンスタンレーも政府の調査を受けていると言う報道で大きく下げている。

前日、金利はCPIをうけて次回のFOMCでの利下げ期待が剥落。 ドイツ銀行やバンクオブアメリカのストラテジストは新たに労働市場悪化の指標が出ない限り利下げ開始は12月(したがって今年の利下げは1回だけ)と言うリポートを出してきている。

またドイツ銀行は、レポートの中で大統領選挙が近づくことで選挙近くに利下げを行うと言う可能性がある一方で、選挙を意識した景気刺激策が出ることで逆に利下げが難しくなるのではないかとも指摘。選挙によって利下げの回数が増減する可能性も指摘している。

しかしながら 木曜日発表の生産者物価指数PPIが 前日比0.2%の上昇。これはエコノミストの予想を下回った。さらにヨーロッパ中央銀行は金利を据え置いたものの、次回は利下げを行うと言うことを示唆。

この結果、水曜日までに下げていた半導体株やICT関連株に「下がったから買ってしまおう」と言う資金が流れ込み時価総額が大きな銘柄を中心にリバウンドタイムになった。ちょうどナスダックが50日移動平均戦の近くまで下がったこともありテクニカルにリバウンドしやすい場所でもあった。

ここに、AppleとAmazon、テスラとNVDAに人工知能に関する良い材料が出て相場全体を大きく引き上げた。

Appleとエヌビディアはそれぞれ4%以上の上昇。マグニフィセントセブンの他の5銘柄も2%以上上昇 した。これら時価総額上位銘柄の上昇が株価指数を引き上げている。まるで昨年までの株式市場上昇を彷仏とさせるものになった。マグニフィセントセブンに資金を集中するマグニフィセントセブンETFは2.5%の上昇。

AppleはAIに焦点を当てた自社開発のM4チップを搭載しMac製品ラインアップ全体を刷新する計画と報道された。(ブルームバーグ)

さらに今年の秋にはAI昨日搭載のiPhoneを発表するとされ、 インベースターズビジネスデイリーによればアナリストはこれを評価し目標株価を引き上げるのではないかと言う。株価は これに反応、Appleが大幅高になって相場全体を引き上げた。AIあるいは新しい半導体と言うキーワードに反応して半導体全体やAI銘柄全体にも良い影響与えている。

AmazonのCEOが株主に宛てた年次書簡の中で 生成AIに本格的に取り組む姿勢を見せた こともプラスの材料。 Amazonは2021年7月に付けた日中高値188.65ドルをついに上回った。

アマゾンはこのテクノロジー(生成AI)がAmazonウェブサービスにつづくAmazonの次の主要な機会であると高らかに宣言。人工知能ソリューションがアマゾンのAWSの上に築かれるだろうと楽観的に表明している。 アマゾンは今までMicrosoftやGoogleに比べると生成AIに関しては比較的目立たない会社だった。しかしアマゾンはスタートアップに40億ドルを注ぎ込むなど以前から投資を続けてきたのは間違いない。自社開発のCPUチップのほかトレーニングのためのチップモデル、推論のためのチップなども自社開発。 先行するMicrosoftやGoogleに対して強い宣戦布告となっている。

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AppleについてJPモルガンの有名エレキアナリスト・サミチャタジーが 「ファンドの投資家はApple株についてポジティブに捉えている」 とレポート。 ファンダメンタルズは短期的に悪化しているが 今年の秋に行われるiPhoneの大型アップグレードによってより魅力的なバリエーションが生まれると評価している。 これについて、5Gが 導入されたときのiPhoneのアップグレードサイクルと同じような効果があるのではないかと。(2020年後半のiPhone 12は5Gの搭載で買い替えサイクルの更新を後押しした) Apple株はアメリカ株の上昇にもかかわらず年初から11%近く下落していた。 jpモルガンは目標株価を215から210に引き下げたもののオーバーウェイトを再確認。 マーケットはこのレポートを好意的に捉えている。なおJPモルガンでは本当に本格的なメジャーアップグレードは来年後半のiPhone 17とも指摘している。

またバンクオブアメリカもAppleの目標株価を225ドル、投資評価のバイを再確認。 Appleの長期的な粗利益の可能性を市場は過小評価をしているとレポートしている。Appleは結局4.3%上昇の175.04ドル。

この辺はApple関連株には追い風になるんだろうね。

上で書いたように 自社開発半導体の発表と生成AI分野に本格的に参入することを株主に報告したAmazon が大きく上昇。1.67%の上昇となった。

このニュースを受けてSOX指数はほぼ大陽線で2.4%の大幅高。三角持ち合いが続く。

エヌビディア4.1%高、アドバンスドマイクロデバイス2.0%高、インテル1.1%高とロジック半導体銘柄が上昇。ARMも4.7%高い。この辺の時価総額の高い銘柄が相場を牽引している。半導体では台湾の地震の影響は限定的と発表したマイクロンが、AIデータセンター期待で 4.3%の大幅上昇。Apple向けの製品が多いスカイワークスが1.5%の上昇。パワー半導体もモノリシックが2.7%上昇するなど、ここのところ電気自動車の 不振で売られていた分自立反発の上げが大きくなった。

人工知能関連ではブロードコムのリバウンドが大きく4.5%の上昇。人工知能搭載の携帯電話の普及で需要が活発になるのではないかと見られたクアルコムが2.5%の上昇。

半導体製造装置も軒並み上がっていて、ASML 1.8%の上昇、AMAT 1.7%の上昇、テンコール 1.9%の上昇となっている。1部を除いてみんな大きくあげたと言ったところ。

再びAI人気が高まるともにデータセンターを作るスーパーマイクロコンピューターも上昇。 問題はこれが去年までのようにさらに続くのか、自立反発にとどまるのかどうか?になってくるわけだが…。

また、 モルガンスタンレーは テスラがエヌビディアの最大の顧客になる可能性 があるとも。 これによってテスラもエヌビディアも双方が恩恵があり市場価値が数兆ドルに達する可能性があると言う強気なレポートを出してきた。 テスラはもはや自動車株を志向せず、ロボット工学や自動運転技術の会社になっていくだろうと 。 このレポートが エヌビディアとテスラ双方の株価を押し上げたのは間違いない。

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個別では中古車販売のカーマックスの決算が悲観的で10%ほどを下げた。数字上はインフレの進展によって中古車販売が頭打ちと言う形になっている。 従来は新車販売の遅れから中古車にも人気が集まっていたわけだが、サプライチェーンの回復によって中古車人気がやや低下したと言うこともあるだろう。にもかかわらず高金利や中古車価格の高騰が続いていたことから、中古車の任期は今後不安があると。

自動車では電気自動車スタートアップのリビアンが5.8%の下落。かなりの売買代金を集めた下落になっている。 フォードとGMが電気ピックアップトラックの値下げ競争を開始との報道からリビアンにも販売価格値下げ圧力がかかるとの懸念が広まった。実際にはスタートアップだけに値下げに対する資金負担は大きく…。連想でルシードも下落。

リスクオンと言う事でディフェンシブからはお金が流出している。ディフェンシブはインフレには弱いと言う判断もあるだろう。

ユナイテッドヘルスが1.8%の下落、ジョンソン&ジョンソンが0.9%の下落。インフレを懸念して売り上げが落ちるのではないかと言うことでホームデポが0.9%の下落。

そして業種では銀行が弱かった。悪玉になったのはモルガンスタンレー。複数の連邦規制当局によってマネーロンダリングの管理をきちんと行っていなかったのではないかと言うことで調査を受けている模様。株価は5.2%の下落。

その他ゴールドマン0.8%の下落、ジェフリーズが1.6%の下落、Wells Fargo 0.4%の下落となっている。銀行株は 金曜日以降決算が出てくるだけに警戒感も強かった。

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東京市場2024年4月12日(金)

TOPIX2759+12 (+0.46%)NK225 39523+80(+0.21%)

TOPIX日足


N225日足 25日線が上値抵抗になっている


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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東京市場は小幅ながら上昇。 ただし先物に売り向かう動きが出たり、寄与度が高い銘柄(要するにファーストリテ)を売ってくるなど売り方の抵抗も見られた。

売買代金は4兆5700億円とそこそこ高水準。33業種のうち26業種が上昇するなどそれなりに強い1日ではあった。一方でここまで石油価格の上昇を背景に買われてきた石油石炭が下げたり、 半導体製造やデータセンターの消費電力に期待して買われてきた 電力株が下げるなど週前半に強かった銘柄には利益確定の売りも出た。

米国のマグニフィセントセブンの上昇を受けて、特に先物にアメリカの商品顧問業者と思われる短期筋が断続的に買いを入れてきた。一方で週末の手じまい売りや利益確定うりが重かった。

現物株ではAppleや エヌビディアの上昇を受けて 半導体関連株や電子部品関連株に強気の注文が入ってきた。 しかしながら25日移動平均線が上値抵抗になり、 これを見た売り方がファーストリテイリングを売ってくるなど寄与度が高い銘柄の1部に明確に仕掛けの売りが入った。 このため指数は伸び悩んで引けている。金曜日と言うこともあってポジション調整の売りが出たこと、特に今日はJPモルガンなどアメリカの銀行株の決算が控えていて様子見の気持ちも強かった。

全体としては長期経営方針を示してきた三井不動産を中心に地価の上昇期待から不動産株が買われた。半導体ではエレクトロンやレーザーテックといった機関投資家が売買する銘柄が強い。

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日米首脳会談で、IOWNについて協議されたと報道された。このため関連銘柄が人気。 ACCESSは7.7%高と切り返した。

 


また amazonが人工知能に積極的に進出すると報道されたことで、データセンター関連の銘柄も全体に上昇。さくらインターネットが 9.8%の上昇。TOWA7.2%高、AGS16%でストップ高、IPEX5%高。電線のフジクラ3.8%高SWCC2.3%高、後工程のレゾナック3.4%高。

さくらインターネット


半導体製造装置も概してしっかり。

レーザテック2.9%高、エレク1.5%高、ディスコ1.3%高、アドバンテスト0.9%高

一方データセンターに絡んで買われてきた原子力はやや一服。日本製鋼所はほぼ変わらずで取引を終えた。いわゆる出会い線のようになってしまっているね。

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年初から高額なスマートフォンの不調をきっかけにApple関連の銘柄は下げてきたわけだが、昨日Appleの投資格付けが複数+になったことなどを受けて関連株が買われている。 村田製作所、TDK、太陽誘電が揃って高いのは3ヶ月ぶり位だろうか。

村田

 


不動産が高い。とくに都内に優良物件を抱える銘柄は地下の上昇期待と株主還元期待で買われている。

経営計画を出してきた三井不動産が7.8%高、地所6.9%高、住友不動産5.8%高。 今日はみずほ証券が三菱地所と住友不動産の投資判断を引き上げてきている。

住友不動産 月足


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美津濃が高い。NIKEなどが業績を 落とす中で、メジャースポーツに焦点を絞った経営が業績向上につながったと評価されている。スポーツジャンルは 半導体や不動産のような本当のメイントレンドではないが、今の影の裏のメイントレンドと言えるのかもしれないね。


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他方で、アメリカの金利上昇などを受けてグロース株を売る動きは出ている。新興市場のエニーカラーやGMOペイメントなど 下げが身に付いた。シリコンスタジオやハンモックなど比較的上場の日が浅い銘柄も弱い感じ。

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東京市場 NY2024年4月12日(金)

S&P500 5123ー75(ー1.46%)NYダウ37983ー475(ー1.24%)

NASDAQ16715ー267(ー1.62%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足  なんとか50日線で踏みとどまった


NYダウ日足 


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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12日の米国市場は反落。木曜日の上昇が大きかっただけに逆に下げも大きくなった。 下落の原因は主に5つ。JPモルガンと中国とイラン、 ミシガン州立大学調査、 そして相次いだ金融当局の関係者の発言 。。大きな下落を主導したのはその jpモルガンと半導体株、素材や一般消費財 と言う形になる。

大手銀行を皮切りに決算シーズンが本格化する中で、JPモルガンのガイダンスやウェルズファーゴの決算が期待に届かず。 JPモルガンが6%下げるなど企業決算への不安を煽る形になってしまった。JPMの決算は収益、利益ともに市場予想を上回ったものの 金利収益は期待に届かず。、 今後については成長が鈍化するとガイダンス。これが失望を誘っている。

さらには 1部報道で中国が 国内の通信網において 海外の半導体特にインテルやアドバンストマイクロシステムズの半導体の輸入に規制をかけるのではないかと言う話が出てエヌビディアを含めた半導体メーカーの株価が下落。

イスラエルはイランが48時間以内に(ミサイル) 攻撃を加えてくる恐れ があると。 週末だけに取引所が空いていない時間帯に 地政学リスクが高まることを嫌った売り注文も相場下落に拍車をかける結果になった。

またザラ場中には(10時) ミシガン大学消費者センチメント速報が出た。速報値は77.9%と予想を下回った。さらには1年先の期待インフレが3.1%、5年から10年の長期のインフレ期待率が3.0%とこっちは予想を上回った。つまり 景気は悪化しながらのインフレ期待が上昇すると言うスタグフレーションを予想する数字 になっているために株式市場にはさらに売りが広がる結果になった。  

何度書いているが、「インフレ期待」と言うのは実際に数ヶ月遅れてインフレの数字を動かすことが知られている。5年から10年の長期インフレ期待が3%をわらない事は今後インフレ退治が長期化する可能性を示しているとも言える。(つまり利下げは遠のくと言うことだ)

トドメが 4人相次いだ高官のタカ派発言

シカゴ連邦銀行の グールズビー総裁の 「インフレ指標が高すぎる(ので利下げには慎重)」 と言う発言。追い打ちをかけるようにカンザスシティ連邦銀行の シュミット総裁 も「物価データから見ると利下げには慎重であるべき」と。 先週から高派的な発言を続けているアトランタ連邦銀行の ボースティック も利下げを急がないと繰り返し発言。この三人のタカ派に続いて、 もともとはハト派で、タカ派に転じた後現在は中立よりと思われている サンフランシスコ連邦銀行の デイリー総裁 も「インフレ抑制への十分な自信が利下げには必要」「 利下げに緊急の必要性は無い」として6月の利下げにはかなり否定的と取れる発言をしたことも売り優勢に拍車をかけた。

個人的にはバリバリのタカ派であるボーティックの発言には もはや全く驚かないわけだが、 サンフランシスコ連邦銀行のデイリー総裁は比較的パウエル議長(最近は再びハト派的だ)に近い考え方を示すことも多く 昨日の発言はやや驚きがあるかなぁと思う。 1月以降の経済指標を見て、鳩派に傾きつつあった 金融政策当局内部の考えがインフレ抑制に重心を移し直していることがよくわかる発言だと思う。

景気刺激への否定的な発言が続いた中で 景気に敏感と見られる 素材セクターの下げが1.77%、金利上昇に弱いとされる情報技術が1.6%、インフレには弱いと見られる一般消費財が1.6% この辺の下げが目立った1日だった。

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イスラエルは、イランによる政府目標への ミサイル攻撃に備えていると報道。1部ではレバノンの領土から約40発のミサイルやロケット団の発射が確認されたとされその1部は現役されたとイスラエルの国防軍がエックスに投稿。これが中東のエスカレーションにつながるのではと言う発想で株価の下げ要因になった。 いわゆる恐怖指数はこの行動を受けて昨年10月水準まで上昇している。

ストラテジストたちは最近の金価格と石油価格の上昇が地政学リスクを盛り込んだものに対し、株価は地政学リスクを織り込んで下げていないと指摘。これ以上中東の地政学リスクが高まるならば株価がもう1段下げる可能性があると言う見方もあった。

金価格 確かに3月以降の中東の エスカレーションに対応してゴールドも油も大きく値上がりしていることがチャートから見て取れる。

 

WTI

 

一方でダウも上昇を続けてきた。 ここ最近の値下がりはようやく中東情勢を盛り込んだと言う面もあるんだろうね。

NYダウ


ナスダック こうやって見比べると、ナスダックの方が下がっていないのは意外か。半導体やICTが指数をなんとかささえたナスダック、銀行やボーイング、消費財が足を引っ張るNYダウの差が出ている。


ナスダックとダウの半年間の比較チャート


比較チャートで見てみると、 年明け以降終始ナスダックがダウをアウトパフォームしてきた 上に、 3月末からは先んじてNYダウが下げに転じた ことがよく分かる。ボーイングの影響も大きいし、 インフレに弱い消費関連とディフェンシブが影響を受けてるのも大きいんだろうね。 逆にナスダックはいままで人工知能バブルの恩恵を最大限受けてきているので下げていない


なお過去半年の長期金利とNYダウの比較チャート


明確に 市場金利が下がるとダウが上昇傾向 にあり、逆に特に物価指標の影響で 3月以降に長期金利が上昇する場面でNYダウが下げた事 がよく分かる

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半導体株は下げている。もちろん1つにはここのところアメリカ長期国債の金利が利回り上昇になっていることもあるのだが、 インテルが結局5.1%下げるなど「中国問題」が強く影を落とした1日だった。ウォールストリートジャーナルによれば中国は通信システムに入っている外国製チップの段階的廃止を目指すと言う。2027年までにネットワークから外国製チップを排除すると言うので、特にインテルやアドバンストマイクロ、マイクロンへの影響が大きいとされた。 シスコなども売られている。

AMDが4.2%の下落、エヌビディアが2.7%の下落、マイクロンが3.9%の下落、アームホールディングスが3.6%の下落、IBMが1.9%の下落、シスコシステムズが2.1%の下落と排除される可能性のある銘柄が下げがきつくなっている。

AMD日足


NVDA日足


マイクロン日足


シスコ日足


これらのせいでSOX指数は3.3%の大幅下落。下げが止まらなかった。

SOX日足 三角持ち合いの後


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JPMは決算は予想中心を上回ったものの今後について減速をガイダンスしたことが売り材料。6.5%の下げになった。かなり嫌な足が出た。


第一四半期は6%増加の134億ドルの収益となったしかしながら今後については減少をガイダンス。 高金利は3月までに高い収益をもたらしたものの今後はこれ以上の収益を増加させないと言うようになる。さらに 商業用不動産が銀行システムにとってストレスであることが明らかになった。JPモルガンの財務責任者のバーナーは

「不動産ローンのバランスシートはそれほど悪化していないが、依然として課題に直面している」 「トンネルの終わりにはまだ光がない」(There’s no light at the end of the tunnel yet) と言う詩的な表現を用いて 今後不動産関連で問題が起きる可能性を示唆している。

Jpモルガンの決算に引きずられる形で銀行株は弱い銘柄が多かった。バンクオブアメリカが1.5%の下落、シティが1.7%の下落、トロントドミニオンが1%の下落、ロイヤルワンコープカナダが1.1%の下落。 後はゴールドマン・サックスが2%の逆。 木曜日に政府の調査が入っていると報道されたモルガンスタンレーも0.7%と続落している。

その他チャールズシュワブが0.8%の下落、 ロビンフッドが5.4%の下落。仮想通貨関連でマラソンデジタルが8.5%の下落。

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東京市場2024年4月15日(月)

TOPIX2753ー6 (ー0.23%)NK225 39232ー290(ー0.74%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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東京市場は225こそ290円安と下げたものの、TOPIXの下落率はたったの0.23%と限定されたものにとどまった。

金曜日の夜の段階でアメリカ市場は中国の通信網への海外半導体締め出しの動きで半導体銘柄が下げたこと、さらにイランがイスラエルへの報復措置を行うとの見方が強まったことで225先物は700円下げていた。さらに土曜日に実際にイランがクローンと弾道ミサイル、巡航ミサイル200発を使ってイスラエルに攻撃を行ったことでサンデーダウがさらに300ドルほど下げる場面があった。 これを見れば東京市場が今朝は225で1000円近く下げる可能性は十分に考えられた。

しかしながら、 イランは無人機を発射してからイスラエルに着弾する前に発射を宣言。まるで「時間をかけて打ち落としてくれ」と言わんばかりの行動に出た。 イランとしても保守派の強行意見をなだめるために攻撃を行わざるを得ないが、かといって 過度のエスカレーションは望まないと言う無言の意思表示に見えた。 結果的にイスラエルは万全の体制で多くのドローンとミサイルを撃墜、 被害は最小限にとどまったものと見られる。

イスラエルは反撃の権利を有するとしながらも、 大統領選挙を控えてこれ以上の中東のエスカレーションを避けたいアメリカの圧力や、あるいはサウジアラビアなどの他のアラブ中東諸国と関係を強めたいイスラエルとしてはこれ以上の反撃は得策ではないと判断したと見られエスカレーションが止まったと市場は判断した。 イスラエルとしてはここで矛を収めてイランを悪者にすることでイランの影響力を弱めたいと言う思惑もあったろう。

湾岸諸国も外交を通して本格的な戦争阻止に動いており、 とりあえずはエスカレーションは小康状態。結果的に下がったところを買っていこうと言う注文が入り下げ幅が縮小した。

今の所はNYtimesの「イスラエルは米国の要求をのんだ、代わりにガザに文句つけるな」といったというのが有力か。余震の可能性はあるがひとまず中東は落ち着いたか。


ただし中東が無くても中国問題はまだ解決はしていない。今晩のSOX指数が注目される。

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中東のエスカレーションは抑えられたものの、もう一つ中国による通信設備からの外国半導体締め出しの動きは日本勢にもダイレクトのマイナスインパクトを与えた。

レーザーテックは2.6%下げ。ソシオネクスト3.9%安。ディスコ1.9%安アドバンテスト1.3%安。

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最先端の半導体を作るための電力、あるいは大量の電力を消費する(このままではデータセンターは 先進国の20%以上の電力を消費することになるのではないかと言う見方もある) との見方で、電力会社や電線株、原子力発電所関連 に物色が引き続き入っている。

相場の下落にもかかわらず売買代金2位に入った東京電力が5.8%の上昇。北海道電力は7.9%の上昇。 1時2700円を割り込んだ藤倉だが21円高2790円まで戻して0.76%の上昇。原子力発電所関係の日本製鋼所も 74円下げる場面があったところから切り替えして6円高0.1%上昇で引けた。この辺、今のところは相場のメインストリームになっていて、下がったら積極的に拾っておこうと言う動きが強まった。

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日本製鋼所と同じく三菱重工が買い直されて1.6%高。造船括りで三井E&Sが高いのも防衛に絡んでだろう。2.6%高。

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NY2024年4月15日(月)

S&P500 5061ー61(ー1.20%)NYダウ37735ー248(ー0.65%)

NASDAQ15885ー20(ー1.79%)

アメリカ国債10年利回り日足 昨年11月以来の高い水準まで利回りが上昇。今年に関しての利下げ期待はかなり 先送りになっていると言っていい。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 重要なサポートである50日移動平均線を明確に割り込んだ1日になった。


NYダウ日足 ダウの方が先行して下げているとは言えるだろうね。


NASDAQ日足


NYダウ日中足  ニューヨークダウとナスダックの日中足の形がここまで似ているのは比較的珍しい。昨日の値動きが両者とも先物主導であったことを伺わせる。


NASDAQ日中足


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15日の米国市場は半導体やApple、テスラが先導する形で下げ幅を広げた。SP500もナスダックも50日移動平均線を下回り調整色の強い値動きになった。


その日が来ちゃったかもと言う値動きだね。

三月の小売り売上高はコンセンサスを上回り、2月分も遡って上方修正。さらにゴールドマンサックスの業績が予想を上回ったために朝方は株価が上昇する場面があった。中東情勢も「イスラエルは米国とサウジなどの説得に折れて再反撃をしない」との楽観論が広がった。

しかしながら

○小売り売上高を見て 米国の長期債利回りが上昇 。債権市場では銀行各社が今週決算発表後に債券を売ってくる(価格が低下すると利回りが上昇)との見方も強かった。

○ テスラ が大幅リストラ(10%以上)を発表して株価が下落。 Apple はiPhoneの1ー3月期の売り上げが10%downか?というニュースで下げ幅を広げる

○いったんは反撃しないと報道された イスラエルの軍高官が反撃オプションを放棄していない ことを繰返し表明。攻撃に応じる以外の選択肢はイスラエルにはないと。(もちろん口だけの可能性も高いが。。。)

https://grandfleet.info/middle-east-afria-related/israel-chooses-retaliation-rather-than-restraint-launching-a-clear-and-powerful-counterattack/

などの理由で株価話は下落。

さらに アメリカのテクニカルアナリストが比較的重視する50日移動平均線をS&P500が 割り込んだこと、ソックス指数をずっと支えてきたトレンドLINEを下に割り込んでしまったこと。 ソックスが月足が毛抜きと包み足になってしまっている。さらには先物オプションではいわゆる恐怖指数、 VIXが去年の秋以来の高い水準 に上昇したこと。これらが見切り売りを誘う形になって相場は終日下落幅を広げる結果になった。 特に時価総額が大きいテスラとAppleの下げがナスダックの下げを大きくしている。

SP500日足 金曜日は何とか株価の下落を抑えた50日移動平均線だったが、月曜日はこれを割り込んでしまった。


SOX日足


SOX月足 月曜の下げで「 上ひげが二本並ぶ毛抜き」かつ「陰線の包み足」になってしまっている。チャートの形の悪さも売り手掛かりになった。


VIX日足 数字は依然として20を割っていて小さいものの、それでも 今まで記録的な低さの数字だっただけに みんながプットを買い出したことがよくわかる。


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続く

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年4月15日(月)つづき

イスラエルがイランの事前警告に 対応する形で大部分のミサイルとドローンを迎撃に成功。 これでイスラエルの反撃は見送られるのではないかと言う楽観論が強まった。

しかしイスラエルの戦時内閣のガラント国防大臣がアメリカのオースティン国防長官に対して電話会談で「報復以外の選択肢は無い」 と発言したと報道されたことが下げ要因になった。さらに10年債の利回りがやはり株価を圧迫している。

参考10年国債の利回りとSP 500指数の過去半年の比較チャート。 債券 利回りが上昇するとともに株価が下落してきたことがよくわかる。


個別では決算が良かったゴールドマン・サックスは2.9%の上昇。

しかしながら人員を10%削減すると報道されたテスラが5.6%の下落。ダウ採用銘柄のセールスフォースはインフォマティカを大型買収すると報道。 これで7.2%の下落。ダウの足を引っ張る形になった。

Appleも1ー3月期のiPhoneの売り上げが 10%減少と言う報道で下げた。アナリストは次回のiPhoneからAI機能を搭載、さらに来年発表の次の次のiPhoneから本格的にAI機能を搭載すると考えている。このため足元のiPhoneの売り上げ低下を読むのか、今年後半以降の販売上昇を見込むのか意見が分かれるところになっている。

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イスラエルの行動には2つの解釈ができて、まさにここはミドルイーストだから、僕らの常識が通用しないと言う点。もう1個はすんなり矛をおさめるよりも やるぞやるぞやるぞ、と言い続けることでアメリカや他の中東諸国からの譲歩を手に入れやすくなること。

孫子の兵法には確かやると見せかけてやらない、やらないと見せかけてやると言うのは上策と言うような書き方があったと思う。 やるやる詐欺の可能性はもちろん残す。

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まぁこの辺は話半分に聞いてほしいところだが、あまりにも強い経済指標を見てUBSのストラテジストは利下げではなく利上げの可能性さえ残っているとレポート。この辺も金利上昇につながっている事は頭に入れておきたい。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-15/SBZT8ODWLU6800?srnd=cojp-v2

腐ってもUBSは大手銀行なので(怒られるな)こういう見方が大手銀行にある事は注意しておくべきだろう。 UBSによればこのまま利上げが実施されるようならベンチマークの利回りは上昇し比較間から株式は10%以上下落するとしている。

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東京市場2024年4月4月16日(火)

TOPIX2697ー56 (ー2.04%)NK225 38471ー761(ー1.94%)

TOPIX日足 ちょうど50日線で止まっている。50日線を割り込んだ米国の主要三指数よりは 下げが遅行しているといえる。円安のサポートもあったからか。


N225日足 こちらは50日線を割り込んだ。先に下げている半導体の影響が大きいからだろう。3月の「ネックライン」を試しに来ていると。


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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16日の東京市場は 1時900円を超える値下 がりになった。中東における地政学リスクが「 イスラエルがやはりイランに反撃するのではないか?」と言う懸念 から高まったこと、もう一つは アメリカの長期金利が去年の年末以来 最高水準まで上昇 したこと。これが大きく相場が下げる原因になった。今まではアメリカ金利上昇が円安になりこれが指数を上昇させている面があった。(朝書いたように)

安易にイスラエルはもうこれで手を引くと反応して昨日下げ渋ったために イスラエルが「いやいや反撃のオプションは捨てていない」と主張したところに狼狽の売りが出たとも言える。

参考225とS&P 500の値動き。 特に2月以降、円安が進行したことで為替を考えない 場合は225指数の方がS&P 500をアウトパフォームしてきた。 しかしここに来て円安が進んでも22号も一緒に下がっている。 原油値上がりによるコストプッシュインフレの恐れや、 過度の円安に対応するためには 円も長期金利が上昇せざるを得ないのではないか? と言う考えが株式の割高感につながっていると思われる。


参考ドル円値動き。


225 は為替を考えなければ円安が進んでいるおかげでS&P 500をアウトパフォームしてきた。つまりアメリカの金利上昇が間接的に相対的な日本株の優位性をもたらしてきた。 しかしながらここまで円安が進みなおかつ原油高がインフレをもたらすとなると日本の金利も上昇せざるを得ない。これが円安にもかかわらず株が急落したメカニズムの1つになる。実際日本の金利も10年金利が上昇傾向を強めている。

株先物はここはさらに アメリカの商品投資顧問などの短期的なヘッジファンドの売りを巻き込んだと見られる。売買代金は4兆7800億円とそこそこ高い水準。ただし1時900円下げたことを考えればそこまでの売り込みでは今日のところはなかった。様子を見ようと思って手控えられたところに売りが出て値段を下げたと感じられるところか。

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半導体は、アメリカの半導体株安につられて大きく下げた。 また昨日はAppleのiPhoneの売り上げが 13月期に10%減少したと言う報道が出たこともあってTDKなどApple関連銘柄と言われる銘柄に売り注文が出た。 さらにはテスラが人員の10%を削減する大きなリストラを発表。これによってEVに使われるパワー半導体なども売られている。 藤倉などのデータセンター関連銘柄にも売り注文が来た。データセンターに絡んで買われてきた原発関連銘柄の日本製鋼所も利益確定の売りに押されている。

参考TDK日足

 


参考レーザーテック日足


参考 ソシオネクスト日足 いわゆる三羽烏


参考エレクトロン日足


参考ディスコ日足 ここも三羽烏


参考アドバンテスト日足 ここは先行して下げている



やはりSOX指数の下げの影響は大きかった。

データセンター需要で買われてきた東京電力も5%下落

参考東京電力日足 はらみ足


原発銘柄の日本製鋼所も下げた

日本製鋼所日足 三点童子(三日間同じような値段で終わること)からの下げになっている


三菱重工の下げも目立った。

三菱重工日足 行き違い線



日立も安い

日立日足 こっちも行き違い線


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個別ではニデックが液冷のデータセンター冷却システムを手がかりに6.8%高

ニデック日足


ベイカレントは岩井コスモの格上げもあって4.5%上昇。

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NY2024年4月16日(火)

S&P500  5051ー10(ー0.21%)NYダウ37798+63(+0.17%)

NASDAQ15865ー19(ー0.12%)

アメリカ国債10年利回り日足 利回りは今年1番の水準を更新。去年11月以来の高い水準になっている。 これだけ高い水準なのにまだ株価がある程度高値を保っているのは、パウエルが 労働需給は緩んでいる(金利下げは先延ばししてもインフレが加速しているわけでも無い)と発言していることも大きいか 。 年内の利下げが例えなかったとしても、来年になれば利下げ環境が整うだろうと言う。 ただしそれはあくまでも「パウエルの個人的感想です」。 これまで散々インフレ見通しを外してきたパウエルだけに、どこかではしごを外される可能性は考えておこう。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足 今の所、 インフレに弱いとされるセクターを抱えるニューヨークダウの下げが先行している。

NASDAQ日足  ナスダックは下落が他の二つの指数に比べると限定的。 これは2つの理由があると思う。ナスダックに上場しているビックセブンと言われるような 大きな銘柄に資金が集中する傾向 が強いこと、さらに 人工知能関連は金利の上昇にもかかわらず成長性が期待され ていてお金を集めていること。この2点からナスダックの下落が今のところは限定的。 昨日も スーパーマイクロコンピューターが相場全体を牽引する形となっている。 逆に言えば人工知能バブルが弾けた時は下落が遅れた反動が怖いか


NYダウ日中足 二つの指数がパウエル発言などに振り回されたのが見て取れる。 二時頃ポーンと上がってるのはパウエルがソフトランディング的な事を言ったから。


NASDAQ日中足


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16日のアメリカ株はまちまちの展開となった。 相場は相次いだタカ派発言と、 スーパーマイクロコンピューターへの超強気アナリストレポート(とAMDへの投資判断格上げレポート) で釣り合いが取れる形で取引を終えている。 もちろんここのところタカ派的な発言があいついたことで、ある程度マイナスインパクトを織り込んでいた面はあるんだろうけれども…。

まずは朝ジェファーソンFRB副議長が 「 インフレが長期化しているならば高金利の長期化が必要となる」 と発言。 1時には リッチモンド連邦銀行のバーキン総裁が「 CPIはソフトランディングの見通しをサポートしていない」「景気が加熱するなら連邦銀行は対応できる」(解釈の仕方によっては、まだ利上げの可能性が残っている) とタカ派的発言。

さらには市場は「今までハト派だと思ってきた」 パウエル議長が発した「(中央銀行が利下げについて自信を持てるためには)予想よりも時間がかかるだろう」と言うタカ派な言葉を消化するために思考を強いられることになった。 パウエルは「最近のデータはインフレ改善を示していない」とも断言。引き締め策が実際に効果を出すのにさらに時間が必要なのだろう、1月から3月の四半期のデータにより利下げがいつになるのか、あるいは今年後半に利下げが可能かどうか複雑になった とも。 今年は利下げがない可能性があると言うタカ派トーンは 明らかに悪材料でもあった。

ただしパウエルは 「経済は予想よりも順調で、賃金の上昇圧力は緩和されつつある」とも。

つまり 確かにインフレが続いていて年内に利下げができないかもしれないけれども スタグフレーションの状態にはなく経済は安定していて、利下げが遅れたとしても将来的には利下げをしていく(できる)楽観的見通しを示した。 市場をなだめるような発言でもあり、過度にヒステリックに売られはせず、押し目を買う動きにつながったとも言えるだろう。

結果的にはあいつぐタカ派発言にも かかわらず相場全体としては変わらず水準で終えた。もちろん後で書いたようにスーパーマイクロコンピューターへの目標株価引き上げが大きかった面があるんだが…。

債券は一時利回りが上昇(価格は低下)。11月以来の水準になっている。

10年債利回り日中足。 相次ぐ発言で債券は売られている。にもかかわらず株が売られなかったのはインフレが続いても利下げが無くても経済はしっかりと言う希望的観測による。


経済指標も3月の高工業生産が前月比+0.4%と予想と一致。しかしながら前月分が上方修正、3月の製造業生産が+0.5%と予想上回ったために再建利回りが上昇することに拍車をかけた。これが相場全体の重しになったのは間違いない。 金利上昇に弱い不動産や公益セクターは 明確に弱かった。

結局、市場は今までのように今年3回の利下げがあると言う甘い考えは消えつつある。ただ株価は値を保っているのは、 利下げがなかったとしても経済が順調なので企業業績はある程度確保されるし、来年になれば労働需給の緩みもあってインフレは沈静化に向かうだろうと言う いいとこ取りの考えがある。 今後の株価の上下は このノーランディングシナリオが正しいのかどうかと言うことになっていくんだろうね。

業績に対する反応はそこそこ過敏で、リストラ報道のテスラが2.7%の続落、iPhoneの売り上げが落ちていると報道されているAppleは1.9%の下落。

バンクオブアメリカが3.5%下げるなど銀行業態全体としてあまり利益が上がっていないと判断されて大手銀行がさえない。 さらには仮想通貨下落に伴いコインベースが2%下げるなどフィンテック系の銘柄も売られた。

ただ、データセンターを手がける スーパーマイクロコンピューターについて、 従来600ドル目標としていたループキャピタルのアナリストのアナンダバルアが1500ドルと大幅に目標株価を値上げ。 これがスーパーマイクロコンピュータを大幅上昇させ、人工知能関連の半導体株も高くなった。

これで相場全体はまちまちになったという所。(ループキャピタルは去年から積極的にスーパーマイクロコンピュータを押してきた相場の言い出しっぺでもある。Appleをみんなが強気の時にいち早く中立にした「当たり屋」) さらにはAMDにもアナリストの 投資判断引き上げ報道が出てこれが半導体指数を押し上げることになった。 半導体セクターは本来金利上昇に弱いわけだが、それを押し返すほどデータセンターに期待が続いていると言うことになる。

ダウは6連敗を止めるもこれだけ下がってきた割には反発は鈍い。月曜と金曜2日の下落率 2.6%はここ52週間で最大だっただけにもう少し戻ってもと言うところなのだが…。最も過去10年程度を見れば二日間で2.6%下がる事はそこそこある話。今のところはまだ単なる定期的な反落の 域を出ていない。これ以上の下げがあるかどうかがポイントになってくるだろう。

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ユナイテッドヘルスは業績を好感して5.2%の上昇。 ここまで売られ続けてきただけに ポジティブなサプライズとなった。


ダウ採用銘柄ではセールスフォース.comも1.6%の上昇。業績がプラスと捉えられたモルガンスタンレーも銀行株全体は冴えない中で2.5%の上昇となった。 金融株ではチャールズシュワブが2.6%と上昇していて気を吐いている。

上でも書いたようにスーパーマイクロコンピューターが10.6%の急上昇。スーパーマイクロコンピューターの目標株価上げに反応して半導体銘柄もパワー半導体などを除くデータセンター関連銘柄が上昇している。

スーパーマイクロコンピューター日足


スーパーマイクロコンピューターの急上昇に反応する形でソックス指数は0.89%の上昇となった最後に手じまい前売りが出たものの終日強い展開ではあった。 ただこちらもトレンドを大きく引き上げることには戻してはいない。ここのところの下げがきつかったからね。

SOX日足


NVDAが1.6%の上昇、AMDが1.9%の上昇、と logic二強が 買われた。ASML 2.3%の上昇、アプライドマテリアルズが1.8%の上昇、ラムリサーチ1.8%の上昇、テンコール2.2%の上昇と半導体製造装置が強いのを昨日の特徴。半導体はかなり高かったわけだが、 appleのiPhoneの売り上げが落ちていると言う行動は半導体銘柄にも影響与えていて、Apple向けに強いスカイワークスは1.2%の下落。高級スマートフォンの売り上げが落ちていると言う発想から通信半導体を手がけるクアルコムは0.7%の下落に落ち込んでいる オンセミコンダクターも1.4%の下落とさえなかった。

他方でJ&Jが決算を嫌って 2.1%の下落。話題のトランプメディアは株式の売り出しなども噂され14%の急落。バブルは弾けた感じ。

リストラ報道を比較的嫌気されているテスラが今日も2.7%の下落。Gサックスが 1%下げ、 バンクオブアメリカが決算で3.5%下げるなど大手銀行株は総じて下げている。

テスラ日足


バンクオブアメリカ日足 


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ユナイテッド航空はザラ場1.1%上昇の後、 時間外で5%の上昇

一株当たり0.57ドルの損失予想だったところに0.15ドルの損失にとどめた

会社によれば737マックスの3週間運航停止にもかかわらずその損失を最小限に抑えることができたという。

この辺は航空会社の対応策の善し悪しで大きく業績に差が出そうな話ではあるね。

AMCは10.1%の上昇。 特に材料は無いけど10週移動平均線を下回って下げてきただけにリバウンド狙いの買いが個人から入っている。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場 NY2024年4月17日(水)

TOPIX2663ー33 (ー1.26%)NK225 37961ー509(ー1.32%)

TOPIX日足


N225日足  いわゆるネックラインを割り込んでしまっている。 50日線も明確に割り込んだ。


TOPIX日中足 14時からの下げがASMLショック。 どさくさに紛れて先物を売り仕掛けてきた人間もいたんだと思う。


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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17日の東京市場はやや荒れた展開になった。 アメリカの債権利回りの上昇に釣れる形で、日本でも10年国債の利回りが 今年の最高水準に。水準的には去年の11月レベルまで到達。これで株式の割高間が ますことになり売り先行で始まった。 ただここまでの下げのスピードが早いこともあって買い戻しが入りお昼ごろにはプラスに転じる場面もあった。 その後やや売りが勢いを取り戻していたところにニュースが出た。 このオランダのASMLの決算(と受注)失望売りで38000円の心理的大台を割り込んで終えている。

ASMLの ガイダンスが市場予想を下回り、受注残も期待をした回った。これをきっかけに比較的ASMLと 売り上げが連動しやすいと考えられているレーザーテックが急落。 (ASMLは 半導体の回路をシリコンに書き込む露光装置を製造。レーザーテックはその露光装置で使うマスクと言われる部分を検査する装置を作っている。) レーザーテックのみならず半導体製造装置や半導体メーカー諸々を巻き込んで下げると先物も売りが売りを呼び込んで裁定売りを巻き込んで相場全体が下げることになった。

テクニカルなことを言えば、先週の金曜日にSQを通過したことで オプションのポジションが消滅し、特に大口投資家がプロテクティブプットと呼ばれる現物買いポジションを守るためのヘッジのプットが少なくなっている状態だった。このために慌てて先物を売ったりプットを買ったりする動きに出たことが下げを増幅したと見られる。 何十年も昔からあるSQ通過直後のしかけが見事に決まったと言う言い方もできるだろう。

売買代金は4兆5000億円とそこそこ。そこまでむちゃくちゃに売り込まれたと言うわけではないが、それなりに売られたという感じだろうか。 33業種のうち海運とその他製品以外の31業種がマイナス。 幅広く売られた1日であったとは言える。

かなり乱暴に言えば、半導体については 前工程と 後工程、 微細化と 積層化。 従来の陰と陽が逆転した 歴史的な1日だったと僕は思っている。 下に書きます。

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最先端の半導体露光装置を手がける オランダのASML(世界の半導体メーカーの8割がASMLの露光装置を使っているとされる)は 3月末までの3ヶ月間の受注額が前年同期の37.5億ユーロから36.1億ユーロに 減ったと発表 。


アナリストのコンセンサスは51億ユーロとなっていて実に15億ユーロの下ぶれになった。 これでは株式相場は大混乱に陥らざるを得なかった。売上高は52.9億ユーロと会社の従前のガイダンスと一致したが これもアナリストの予想に届かず。粗利益率は51%とアナリストの予想を上回っているものの肝心の売り上げ高と将来の売り上げ高である受注額が大きく減少したことで日本の半導体製造装置メーカーにも とんでもない嵐を巻き起こした。

なお アムステルダム市場ではASMLは 6.4% 下落している。


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最も影響受けたのが、 露光の時に使うマスクを検査する装置を作るレーザーテック、 7.9%の下落。露光装置の売り上げとマスクの売り上げ。特に最先端のものはASMLと レーザーテックの寡占率が高いために受注の連動性が高いとされる。

日中足 ASMLのガイダンスや受注が発表された瞬間に暴落の様相を呈した。これはコンピューターにあらかじめ注文がセットされてるんだろね。どうゆう数字が出たら売るか買うか。


日足


数字がマーケットに伝わった14時から恐ろしいほどの急落になった。おそらくこれほどの下落はプログラムなどでニュースを読み込んだヘッジファンドなどが売ってきたり、大口機関投資家がこの機械に利益確定の売りを出してきたことがあるんだと思われる。そこに個人投資家等の投げ売りが重なって下落が加速する結果になった。

半導体製造装置ではアドバンテストが4.5%の下落、スクリーンが1.3%の下落、ローツェが2%の下落。

後付け解説になるが、確かに最先端の装置が必要となるデータセンター向きのCPUは売り上げ金額が高いものの、 1個1個の単価が高い値が大きく、必ずしも大量の製造装置が必要となっていない ということが背景にあるだろうか。 また今年は 高性能なメモリーの需要が高まりその製造装置が必要となるわけだが、 必ずしも微細化が必要ではなくバス幅の拡大が必要で露光装置等よりも後工程の装置の高度化が必要となっている面も あり、データセンター需要が必ずしも最先端の露光装置には追い風にならなかった面があるのかもしれない。

ASMLと明暗をクッキリ分けたのがレゾナック(旧昭和電工。 数年前の黒鉛電極相場で稼いだお金で旧日立化成を買収して半導体製造の後工程の会社に変貌している)の急上昇と言えるだろうか。

フォトレジストなど 従来は花形とはいえなかった後工程のが 高性能のメモリを作るための積層化技術では重要に なってきており、 半導体の高度化に果たす 役割が、前工程の 微細化から、後工程の 積層化に移ってきたことを示した歴史的な1日だったと今日は後々振り返られることがあるかもしれない。 それぐらい画期的な今日の上下だったと僕は思っている。

レゾナックは 12%の上昇で取引を得ている。 つられる形で信越化学が0.7%の上昇。 連想で東京桜、大阪有機なども高い。住友ベークライト1.8%高(これは昔から日立化成に連動する株としてしられている)

レゾナック日足


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半導体製造装置の下げにもかかわらず、データセンター等への期待感から製造装置と半導体メーカーの一角は上昇している。必ずしも露光装置と連動性が高くないと言う判断だろう。

この辺は昨日のスーパーマイクロコンピューターの上昇の連想もある。TOWAが6.9%上昇。KOKUSAIは一時は 4480円まであって終値が4310円、0.7%高。

これで焦点は明日の台湾TSMCの決算に移る。

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4月の上旬まで大きく上げていた電力株、住友金属鉱山や三菱マテリアルなど非鉄株、インペックスなどのエネルギーも下げた。 特に材料が出たわけではなく、手仕舞いの売りを巻き込んだという所だろうか

個別ではジェフリーズの投資判断引き下げを食らったオムロンが年初来安値をさらに更新している。3%の下落。(チャートをさかのぼって 見てみると4年ぶりの安値になるね)

一方でコンテナ大手3社はIMFがコンテナ運賃上昇の可能性を 打ち出したレポートを好感してあげている。

川崎重工業についてはモルガンスタンレーMU FG証券が投資判断を引き上げたことが開材料だった。

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NY2024年4月17日(水)

S&P500 5022ー29(ー0.58%)NYダウ37753ー45(ー0.12%)

NASDAQ15683ー181(ー1.15%)

アメリカ国債10年利回り日足 押し目買いが入って金利は低下した。しかしながら業績への懸念や 今後も高い金利が継続することへの懸念から株価はマイナスで取引を終了している。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 ラウンドトップ状の値動きとなっている。


NYダウ日足 ディフェンシブなどインフレに比較的弱いセクターも指数の計算に影響力があるニューヨークダウが1番先に下げている形になっている。 移動平均線は25日と50日がデッド クロスしそう。 一方で株価が移動平均からかなり大きく乖離している。


NASDAQ日足 逆に最後まで強かった半導体とビッグテックの 影響力が大きいナスダックは下げが遅行したと言える


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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17日のアメリカ市場はプラスでスタートしたものの結局は 金利への先行き懸念と半導体の業績への懸念 が大きくマイナスで取引を終えることになった。 機関投資家がベンチマークとするS&P 500の下落は0.58にとどまった一方で、半導体やビックテックの影響が大きい ナスダックは1.15%と下落率が大きく なっている。

やはりASMLの予想外に悪い受注を受けて半導体やハイテク株の比率が高いナスダック指数が下落を牽引。

また 比較的現金の保有比率が少なく変動金利でお金を借りていることが多いとされる中小型株のラッセル2000はS&P500に比べて下落率が高くなっている。

下落はいわゆるビッグテックと半導体が牽引する形。 ハイテクセクターはS&P500の中で最もパフォーマンスが悪く、1.5%近い下落。それを先導したのが半導体で エヌビディアがほぼ4%の下落、 ブロードコムが3.5%の下落、AMDが5.8%下落と 人工知能関連の半導体が壊滅状態の下げ 。半導体製造装置もガイダンスが極めて悪かった『露光装置の世界最大手ASMLが 結局7%の下落』と相場全体に大きな影響を与えている。ソックス構成銘柄は全てが下落。ソックス指数も 3.2%の下げで上下にほとんどヒゲがない丸坊主の大陰線となった。 半導体の引け味はかなり悪い。

半導体以外でも メタが1.1%の下落、アマゾンが1.1%の下落、テスラが1%の下落。 この辺の時価総額の大きな銘柄の下落がナスダックの下落を加速させていた。 とにかく半導体やテック株など見てる銘柄によっては ダウ大幅安の錯覚を覚えたと思う。 これほど下がったにもかかわらず ダウの下げ幅が限定的なのは ディフェンシブのユナイテッドヘルスが2%上昇したことや決算が比較的良いとされたゴールドマンが1.8%上昇したこと、マクドナルドやNikeコカコーラといった個人消費関連が見直されて上昇したことがある。 本当に見ている銘柄によって全然体感温度が違う、そんな相場だった。ダウは トラベラーズの7.4%下落がなければ下手すればプラスで 取引を終了したかも。

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何といっても半導体の下落は大きいだろう。金利が上昇していて売られやすい環境だったところに、 ASMLの 予想外の受注減がマーケットの動揺 を呼んだ。

ソックス指数の日中足を見ればわかるように それほど朝方は売られなかった。 しかし 機関投資家は待ってましたとばかりに継続したプログラム売り を出してきた。 昼過ぎまでズルズルと下げ続け、1時以降はリバウンドを狙いの自立反発の買いが入ったものの 3時前からは再び売り直す動きが出てほぼ17日の安値で取引を終えている。

SOX日中足


SOX日足 三角持ち合いからトレンドLINEを割り込んでくる形になっている。


SOX月足 今月はまだ10営業日ほど残しているわけだが、今のところ毛抜きの包み足になってしまっている。


なんといっても決算で売られたASMLが 7.1%の下落。これに呼応するかたちで 半導体製造装置が全滅といった感じ。アプライドマテリアルズが4.6%の下落、ラムリサーチ5.3%の下落、テンコールが5%の下落。

ASML日足 横ばいを下に放れた


アプライドマテリアルズ


NVDA日足 また包み足が出ている



メモリーのマイクロンも 4.5%と下落率が大きくなっている。エヌビディアとAMD以外にもマーベルが2.6%下落。アームは12%と強烈な下げになった。とにかく半導体と言うだけで売られた1日だった。

マイクロン日足 包み足で引けた


アーム日足 


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個別ではトラベラーズが7.4%の下落。 第一四半期の利益が予想し下回ったことで失望を利用浴びた。 調整EPSが4.75ドルの予想だったところを4.69ドル。災害などの損失増加が原因となった模様。 特に個人保険の保険料収入が39億ドルのコンセンサスだったところ 36億ドルの収入にとどまったことが失望につながったと見られる。 この辺は個人がインフレ環境の中で 保険料支出を減らして 生活防衛に動いたのではないかと見られている。

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一方でユナイテッド航空が17%高まで買われたのは明るい話題。ここの所ずっと売られていただけにポジティブサプライズでの上昇となった。

完全に仕手株になっているトランプメディアが16%上昇。 トランプの支持者がお金を突っ込んでいることもあって、個人のマネーゲームの様相を呈している。 マネーゲームではAMCも 9.5%の上昇。

水曜日は景気循環や個人消費の一角に「資金が逃避」する格好になった。 金利上昇に弱いテック株を売ったお金が、景気の強さの反映で景気循環などに流れたとみられる。銀行株も総じて見直し買いが入った。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。


東京市場2024年4月18日(木)

TOPIX2677+14 (+0.54%)NK225 38079+117(+0.31%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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18日の東京市場はリバウンドの一日。 日経平均のローソク足の形状はネックラインを割り込み、 これ以上下げると相場が崩れてしまうと言うギリギリのところで一旦救済 のような注文が入った。

朝大きく下げてから、午後に戻したことから値幅は600円ほどの大きなものになっている。

地政学リスク、アメリカの金利上昇、ASMLの予想外の受注の悪さに端を発した米国株の下落を受けて、今日も東京市場の朝は大幅安で始まった。

しかしながら下落のピッチが急だったことから 自律反発狙いで半導体などに押し目買いが入って相場が戻し始めたところに、2時半からは台湾のTSMCの決算は悪くないと言う判断から一時はさらに値上がり幅を広げた。225の安値が37,644円まであったところから、 高値は38,200円を超えてきた。

ウォーレンバフェットのバークシャーハサウェイが日本株を買うために円建て債券を起債。 この金額が大きいことから利益確定の売りを押し返してもらえるのではないかと言う期待感も高まった。 冷静になって考えればアメリカ株下落の原因のASMLの決算は 昨日の東京市場のざら場に出ているのである程度織り込んでいたと言う面もあるだろう。

ただしあくまで自律反発的な動きであって 上昇が再開したとまでは言い切れない。 取引終了にかけては台湾TSMCの好決算も材料が出尽くしたのではないかと言う見方で利益確定の売りを浴びている。

イスラエルはアメリカ大統領との電話会談で、報復を放棄していない、と語ったとされることがここのところの株価下落の要因でもあったわけだが、 今日の報道では実はその段階で大規模な報復行動を予定していたものの、アメリカ大統領との電話会談を機会にその報復行動が一旦中止されていたということが伝わった。 このため市場ではイスラエルは米国の説得を受けて大規模な行動を諦めて、政治的な意味があるような小規模の反撃にとどまるのではないかと言う見方が強まり地政学リスクが後退したと受け止められた。

14時半に速報で流れた注目の台湾のTSMCの決算速報は、連結売上高が前年同期比で16.5 %増。純利益も前年同期比で8.9 %増となかなか好調な数字。これを見て指数もしばし上昇することになった。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-04-18/SC4I1IMRXLVO00?srnd=cojp-v2

ただしその後出てきた4月から6月の売り上げ見通しはアナリスト予想を下回っているのではないかと言う指摘がある。

今のところは前工程の半導体露光装置が思っているほど売れてはいないが半導体自体は売れている、そんな感じか。くどいけれど露光装置を高度化してもコストの割に半導体が高性能化しにくい。その分露光装置の売り上げが落ちているか。あるいは中国への規制のおかげで 最先端の露光装置の売り上げ(受注)が落ちている。

そんなところに対して、人工知能の恩恵で半導体自体の売り上げはメモリーも含めて底入れしつつある。これが昨日と今日の株価の上下に大きな影響与えたと思われる メモリーが好調なのはある程度わかってたことで、そのメモリーは広帯域(データのやりとりが高速大容量)化≒積層化に進んでるってことなんだろうね。今までみたいに超高性能の露光装置を使って回線を細くするよりは、回路を積層化してデータのやりとりを高速にできる半導体が指向されていると。。(あくまでざっくりです)

1日を振り返ってみれば、何とか土俵際で踏みとどまり戻したもののネックラインを一度割り込んだことから、 ネックライン近辺まで戻ったところにはやれやれの売りが出た、そんなところだろうか。

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今日の象徴はレーザーテックかもしれないね。朝方は 実に36,370円、1000円以上売られる場面があった。しかしながらさすがに2日間で4000円以上下げたことから押し目買いがまとまって入ったと見られる。2時半ごろまで一定速度で上昇していて期間投資家がプログラムの買いを入れてきていたんだろう。ASMLの 決算は昨日出ていた話なのである程度織り込んだと考えた投資家がいたか。

ただし38,200円まで戻し台湾TSMCの高決算が出たところでまるで材料が出尽くしたとばかりに換金売りもでて 0.2%上昇まで値段を急速に下げることになった。値幅は1800円近く出ておりかなりボラティリティーが高い値動きが続く。

レーザーテック 日中足。寄り付きに売られた年動き、9時10分から継続して機関投資家が2時半まで買った値動き、2時半からはまとまった売りが出て上昇幅を失った値動き。この3つの値動きがわかるだろうか。


レーザテック日足 ギリギリレンジの下限で踏みとどまった


さらに言えばレーザーテックが0.2%の上昇にとどまったのに対してディスコが1.6%の上昇、アドバンテストが5.0%の上昇、TOWAが 5.6%の上昇と 戻りが大きいのは、 前工程と後工程の差かもしれないね。微細化から積層化あるいは複数のチップをまとめてパッケージングする技術。この辺に半導体メーカーの投資の行く先が変わっている、そんな値動きになっている。

なおソフトバンクグループは1.5%の下落。さすがに昨日ARM株が 10%以上値下がりした影響が大きかった。

ソフトバンク日足


英ARM株日足


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富士フイルムは大きく下げる場面があった。 終値でも3.1%の下落。


営業利益予想の下方修正が売られた原因で、ただしワクチンの原薬を製造する際の キャンセル料金の受け取りが想定を下回ったことが原因。あくまで一時的とするアナリストの見解も出ている。(下げしぶったのはそういうところだろう)

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金利上昇を受けて、今日の値上がり率上位に地方銀行が多く出てきた。八十二銀行が6.4%の上昇、名古屋銀行が6.2%の上昇、千葉興銀が6.1%の上昇、滋賀銀行が5.9%の上昇、西日本フィナンシャルが 5.9%の上昇。

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日興証券(山口アナリスト、凄腕)からは光ファイバーについて強気のレポート。24年半ばにアメリカの光ファイバー市場が回復軌道に入り25年に向けて大幅な拡大に向かうと。アメリカに製造拠点がある銘柄にチャンスか。(米国の法律で米国の工場に補助金が出るため)。一貫製造できるのは古河電工とフジクラか。

古河電工月足 陽線が並んでるね


フジクラ月足 こっちは上場来高値圏


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あくまで自立反発なのか、何とか踏ん張ってレンジ相場に戻せるのか?ここ数日が勝負どころになるんだろう。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。


NY2024年4月18日(木)

S&P500 5011ー11(ー0.22%)NYダウ37725+22(+0.06%)

NASDAQ15601ー81(ー0.52%)

アメリカ国債10年利回り日足 利回りは上昇(価格は下落)。相次ぐ強い経済指標と、今日もタカ派発言があいついだことで金利は長短ともに上昇している。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足  ザラ場中、メタにつられて戻す場面があったのだが 金利の上昇と半導体安とテスラ安、マイクロソフト安 にあらがえず


NYダウ日中足

NASDAQ日中足

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ダウはプラスになったが機関投資家がベンチマークとするS&P 500は下落、ナスダックも下げた。


ものすごくざっくり言うと、 メタが新しい人工知能を出してきたこと、 台湾TSMCの人工知能向けの売り上げは良かったこと、これで持ち直す場面があったものの 、金利が上昇したこととTSMCの「人工知能向け以外の売り上げが低調になるだろう」と言うガイダンス、テスラの投資判断格下げ、ライバル出現によってMicrosoftが売られたこと、これで相場全体としては結局下げて終わっている。 銘柄の戦犯は台湾TSMCとテスラ。 TSMCのスマホとPC向けは第二四半期もダメだよと言うガイダンス(2024年について半導体市場全体の見通しを引き下げ)、テスラの2025年に投入予定だった廉価版 モデルの開発から自動運転タクシーの開発へ経営の舵を切る 判断がアナリストに酷評されたことが下落の原因。 ただ結構深刻なこの2つの悪い材料と後述するタカ派発言にもかかわらず相場全体としては下落が限定された。

新規失業保険申請件数は21.2万件、継続受給者も 181.2万人とそれぞれ予想を下回っていて依然として雇用が堅調なことを示す。フィラデルフィア連邦銀行景況指数も15.5と予想大幅に上回った。新規受注も出荷も上昇。仕入れ価格も販売価格も上昇していて景気は依然として強いことが示された。

これで10年国債の利回りが上昇(債券価格下落)。さらには ニューヨーク連邦銀行のウィリアムズ総裁 (ニューヨーク連邦銀行の総裁は毎年投票権があるために影響力が大きい)が 「利下げが緊急性があるとは考えていない、メインシナリオではないけれどもデータ次第では利上げの可能性もある」、とタカ派発言。 これも長短の金利を上昇させる結果になった。 発言のとどめは毎度お馴染み、 今はタカ派の代表と言えるアトランタ連邦銀行の ボスティックで「アメリカのインフレは高すぎて年末まで利下げはできないのではないだろうか」と発言 。利下げができたとして12月、あるいは今年は利下げできないと言う趣旨の発言でマーケットの利下げ期待にバケツで水をぶっかけている。

ただ エヌビディアを除く半導体全体とテスラ、マイクロソフトがズルズル下がった割に はS&P 500の下落は限られた。 (225先物の下げがS&Pに比べれば大きいのは、半導体が指数に与える影響が大きいからだろう)。 メタが新しいAIモデルを発表、これがコミュニケーションサービス全体に波及して値段を支える形。 お昼過ぎに出たボスティックの発言がなければ情報セクターはプラスだったと思うんだが…。

なお取引終了後に発表された決算を受けてネットフリックスの下げがきつくなっている。

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昨日決算を発表した 台湾TSMCの株価が4.8%下落 したのは相場全体に重石になった。前期の業績は良いと解釈されたのだが、スマートフォンとPC市場が今期もまだ低迷する、との 慎重な経営見通しを会社がガイダンス、 2024年については半導体市場全体の売り上げの見通しを引き下げた。

3nmや5nmの高性能のデータセンター向けやサーバー向けの製品については好調を保つものの、汎用製品と言えるスマートフォンとPC向けについては低迷が第二四半期も続くだろうと。 市場は最先端以外の商品も含めて半導体市況は底打ちしたのではないかと見ていた。(実際マイクロンのこの前の決算はそういう趣旨の決算だった)。このためTSMCの決算が出した弱気のガイダンスには意外感があったと言う感想が聞かれる。半導体全体もこれが嫌われた。

TSMC(ADR)日足


エヌビディアはプラスだったわけで、人工知能 プロセッサは好調だと言う市場の判断と言える。

NVDA日足


しかしそれ以外の汎用の半導体の回復が遅れることを嫌った。

これに引きずられるようにしてSOX指数は、 1.66%の下落。今週半ばまで調整が続いていたことで 押し目買いが入ってほとんど変わらずまで戻す場面があったのだが、結局売り直されてしまった。

SOX日足


SOX月足  包み足と「毛抜き」が象徴的 月足陰線は22年5月以来の大きさになってきている


これがナスダックの 下落につながっている。 スマートフォンの回復が鈍いと言うガイダンスを受けて、 通信系の半導体と半導体製造装置の下げが目立った。 ブロードコムが1.8%の下落、通信チップが主力のクアルコムが1.7%の下落、iPhone向けに強いスカイワークスが0.8%の下落。製造装置は総崩れでASMLが さらに2%の下落、アプライドマテリアルズ2.8%の下落、ラムリサーチが2.5%の下落、テンコールが2.2%の下落。メモリーのマイクロンも3.8%の下落と下落率が大きくなっている。

ASML日足


アプライドマテリアルズ日足 ネックライン割れ


マイクロン日足


ブロードコム日足  3月以降4回もの包み足が出てるのが分かるだろうか?


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テスラは3.5%の下落、52週安値をつけてきている。。 リストラをめぐって混乱が広がる中、

マスクが自動運転タクシーに力を入れるとした事を巡って寄り付きから下げて始まると、終日安い場所で取引が行われた。

テスラ日足


イーロンマスクは安価な 次世代モデルの開発よりも、いわゆる無人タクシー(ロボットタクシー)プログラムを優先すると言う経営方針を打ち出した。これを見てドイツ銀行のアナリストは投資格付けを強気からホールドに引き下げ。目標株価は189ドルから一気に123ドル まで引き下げた。 ドイツ銀行によれば今まで189ドルと言う高い目標株価を設定してきたのは2025年に発売されるとされてきた廉価モデル のモデル2に期待したものであり、これが25年に発売されないなら 販売量やフリーキャッシュフローは再加速されないのではないか と。 昨日のイーロンマスクの方針は「完全無人自動運転の追及」であって 技術上、規制上、運用上の重大な課題を抱えてしまう と(つまり株主が求める近いうちの利益拡大が難しくなると)。

一方でテスラの最大の理解者と言ういるアークファンドのキャシーウッドは火曜日に20,683株、水曜日に66,504株を購入したと報道。

自動運転に対する評価が2つに分かれる結果になった。こと木曜日については 自動車会社から自動運転タクシーメーカーに変わろうとする大きなチェンジを市場が一旦はきらったことになる。

なお電気自動車に関連してはリチウムアメリカズの株価が大幅下落。30%近い暴落になった。1株5ドルで株式を販売、2.7 5億ドルの資金調達を行った。さすがにこれだけの規模のエクイティファイナンスを行うと売られてしまうね。

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メタは1.5%の上昇。新しいAIモデルを発表したことが マーケットに受け入れられた。一方で競合が激しくなることを嫌ってMicrosoftは1.8%の下落。ビックテックではAmazonが1.1%の下落、Appleが0.5%の下落とされなかった。半導体下落に釣られる形でスーパーマイクロコンピューターも3.3%と下げがきつい。

なお連日上下動が大きい仮想通貨関連株だが、今日は仮想通貨が高かったこともあってしっかり。マイクロストラテジーが1.7%の上昇、コインベースグローバルが2%の上昇で取引を得ている。

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半導体の下落にもかかわらず相場全体がまずまず耐えたのはディフェンシブや個人消費関連が強かったから。ユナイテッドヘルスが3%の上昇。Nikeが0.9%上昇し、コカコーラも0.7%の上昇。Johnson & Johnson、J.P. Morganも0.7% 上昇と下げていた分押し目買いが入ったことが指数を下支えしている。

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Netflixはザラバ0.5%下落した後、時間外で4%下げている。 1行で言うならば、加入者目標を出したが利益は満たせ。4月から6月期はアナリスト見通しを下回った。9,330,000人の顧客を獲得したものの利益の伸びは鈍化していると。第二四半期については完全に期待はずれだったと言えるだろう。 サービス間で競争が強まっている結果 思うように利益が伸びていない結果になっている。 AmazonやAppleなどに比べれば競争を勝ち抜いたと言えるが それでもなおアナリスト予想に届かない。

時間外取引ではインテュイティブサージカルが 時間外で3.3%の上昇。 3月14日に新しいダヴィンチ5を 発売。これが第一四半期の業績を上昇させたとして時間外で買われている。売り上げはわずかに減少したものの、これは新しいダヴィンチ5 発表を控えて買い控えが起こったものと見られる。 痩せ薬の普及で、胃を小さくする手術の 減少だと言われて売られてきたわけだが、ようやく息をついたと言うところか。

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東京市場2024年4月19日(金)

TOPIX2626ー51 (1.91%)NK225 37068ー1011(ー2.66%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足  まず半導体が売られた後イスラエルがイランを攻撃したと言う報道で下げが加速した 。 しかしながらここのところの下落率が大きかったと言うことと、 イランでは被害が出ていないと言う報道が流れて昼から下げ幅を縮小している。


日本国債10年利回り日足 中東情勢の緊迫化に伴って債券が買われて利回りは低下している。


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東京市場は大波乱の1日だった。

午前の終値は1260円安、一時は1300円下げた。どこまで下げるんだろうと言う恐怖感さえあった。

昨日決算とガイダンスを発表した台湾のTSMCのADRがアメリカで急落。 TSMCが今年の半導体市場の規模市場を市場予想よりも小さく見積もったと報道されたことが下げの原因。 東京は350円安で寄りつくと先物にまとまった売りが断続的に出た。

プットオプションを売っている向きが損失を限定するためにさらに先物を売り、その下げがまたプットオプションを売っている向きの先物売りを呼ぶと言うスパイラルの下落になってしまった。いわゆるデルタヘッジを巻き込む下落になる。

10時過ぎたところではイスラエルがイランの軍事拠点あるいは核関連施設がある地方を攻撃と言う報道が伝わりさらに下落を加速させた。 (ただし本当にどこまで攻撃があったのかいまだによくわかっていない。イスラエルが本当にやる気ならば F35のステルス機能を最大限に生かして大量に空対地精密爆撃を行うはずだ。イランもミサイル防衛システムを持っているわけだが、これが対応できる限界を超えて大量にミサイルや滑空爆弾を打ち込んで(飽和攻撃という) 相手に守り切らせないようにするべきだがこの痕跡が無い。と言う事はそもそも攻撃があったのか?と言う位の茶番のドローン攻撃のみだったのだろう)。 昼から下げ幅が減少したのは、これ以上の軍事的エスカレーションは無いのではないかと言う見方が広がったからだと言えるだろう。

余談ながら、こうなってくると 怖いのは イランの支援を受けた武装グループがイランの指揮ではなく自発的にテロ攻撃的な事件を起こすこと だろうか。その可能性は頭に入れておこう。

結局ソックス指数がトレンドLINEをわっていたこと、225がネックラインを終わっていたこと。テクニカルなところでサポートLINEが切れていたことが投げられる原因だったか。そこにオプションに絡んだ売りが出ることで下落スピードが大きくなってしまった。もちろんこれに絡んで売り仕掛けをするCTA、商品投資顧問業者の売りも大きかったのだろう。

電気製品や機械セクター、精密セクターの下落が目立った。要するに半導体製造装置や半導体そのものの詐欺だったと言える。

ただし、同じ半導体製造装置でも結構下落率は違う。今後のリバウンドシーンで何が上がるのか下がるのか、見極める助けになってくれるはず。今日の下落率は必ずチェックしておきたい。

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TSMCショックで半導体に売りが膨らんだ。

レーザーテックが8.4%安、エレクトロン8.7%の下落、ディスコが8%の下落、ソシオネクスト6.6%の下落、アドバンテスト4.4%の下落、ソフトバンクグループ2.9%の下落、TOWA 13%の下落、スクリーン6.9%下落、ルネサス6.0%下落、信越4.2%下落、ローツェ7.4%下落、SUMCO6.9%下落などなど。

十把一絡げに売られた感じがあるわけだが、 特に前工程の下げがきついか。どちらかというと後工程の会社の戻りが良かった。

この辺はおそらくリバウンドがあったときにどれぐらい差が出るかで風景が変わってくる。

半導体だけでなく主力株に売りが出た。 トヨタが2.2%の下落、三菱UFJが1.1%下落、 ソニーが1.8%下落、日立が3.1%下落、NTTが1.1%の下落。今日に限っては出来高も膨らんでいて外人も日本の機関投資家も売りに回ったことがわかる。

また期間投資家は現金比率を一定以上に高めることができないので、売った分はディフェンシブなどの銘柄に資金が流入している。

第一三共が2.2%の上昇、エーザイが1.3%高、花王が1.6%の上昇。 この辺がいわゆるディフェンシブ物色。日本郵船が1.5%上昇するなど運賃の上昇期待でコンテナ船の大手3銘柄が買われた。 補助金受領報道で桜インターネットが1000円高。ミズノの上昇に続く形で

中東の緊迫を見て悪ふざけという感じはするがインペックスなどの原油関連株や住友金属鉱山などの金関連が上昇。戦争で開運運賃が上がるのではないか?と言う思惑で日本郵船や商船三井などにも会が入った。後は経済産業省から補助金を受領と言うニュースが流れたさくらインターネットが買われる場面があった。

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NY2024年4月19日(金)

S&P500  4967ー43(ー0.88%)NYダウ37986+211(+0.56%)

NASDAQ15282ー319(ー2.05%)

アメリカ国債10年利回り日足 中東問題を受けて一旦債券は買われたものの、その後の高官発言もあって再び金利は上昇している(債券価格は下落)


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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19日のアメリカ市場はぱっと見た目はまちまち。

ダウは0.5%上がったし小型株指数のラッセル2000も0.2%上昇した。

しかしながら期間投資家がベンチマークとするS&P 500が0.88%の下落。 さらに日本のあるいは世界中の投資家が最も注目しているであろうナスダック指数が2.05%の下落。もっともっと注目しているかもわからない半導体指数SOXは4.12%の下落と壊滅的な下げになった。 なおS&P 500の今日の 下落率はそれほど大したことないが、1週間で見てみれば今週は1年間でも最も悪い1週間だったと言える。


とにかく スーパーマイクロコンピューター(データセンター構築を手がける)の急落。これがエヌビディアを筆頭に半導体を巻き込んだ 「クラッシュ」をよんだ。具体的に決算やガイダンスの数字が出たわけではないのだが、第3クオーターの決算発表予定日を発表したものの、前回1月のように決算速報を行わなかったことから「数字が悪いのではないか」と言う見方が広がり売りが売りを呼ぶ展開に。実に23%と言う暴落 と言って良い下落になった。悪材料で下げたと言うよりは、何か背中を押されれば崩れやすいほど急上昇していたと言う反動ではあるんだろう。 ここのところの シンボルストックだったスーパーマイクロコンピューターの下げは 参加者に大きな動揺をもたらした と言っていい。

スーパーマイクロコンピュータがクラッシュしたのを見て相場の下落を大きく先導したのが ロジック半導体で、 エヌビディアの株価は見事な位きれいに10.00%丁度の下落 になった。これだけ数字がきれいに下げたこと、日中足がほぼ一直線に下げていったことからある程度少数の超大口顧客が10%下までプログラム売りを出した、というのが最も考えられるシナリオだろう。

NVDA日中足  乱高下ではなく幾化学的に一直線に下げていったことが、この大きな下げが大口投資家によるプログラムの売りによるものであることを示している。 10%ちょうどの下げ率と言う数字も示唆的で、おそらくかなりの大口投資家が 最悪10%下まで 出来高の何%売るよ、と言うプログラムを出したことを暗示している。


それぐらい覚悟を決めて売りに来た大口がいたんだと思われる。 スーパーマイクロコンピュータが23%の下落、アームホールディングスが16.9%の下落、アドバンストマイクロメディアが5.4%の下落など 関連銘柄が軒並み下落。 データセンター関連の半導体を見ている人間は今日はまるでリーマンショックだったんじゃないかと思っただろう。(下手すれば銘柄によってはリーマンショックよりもひどかったかもね)

半導体に先導されるようにいわゆるマグニフィセントセブンが軟調。 時価総額が大きな銘柄が下落したことでナスダックはもちろんS&P 500も下げ幅を広げていった。

にもかかわらずダウ指数がプラスになったのは、半導体やビックテックを持っている人間がこの辺りを売った一方で、現金保有比率の縛りもあるので(くどいけれど投資信託などは現金保有比率を一定以下にしなくてはいけない。こういう風に社内ルールで決めている。でないとお客さんからお金を預かって手数料もらっておきながら何もしないと言うパターンが起こりえてしまうからだ)

決算が良かったアメリカンエクスプレスが6.2%上昇したのもダウ平均を救った形。jpモルガンに押し目買いが入って2.5%の上昇、アムジェンコカコーラユナイテッドヘルスJohnson & Johnsonといったディフェンシブ銘柄に資金が流入し、中東情勢の悪化で シェブロンといったエネルギー銘柄が強かった。

余談ながら、日本でも有名な投資家ジムクレーマーが安易な押し目買いは間違った行為、と発言したことが少しだけ話題に。ちょっと流れは変わっているのかもね。

https://moneyworld.jp//news/05_00125962_news

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とにかく スーパーマイクロコンピューターのクラッシュ。 これが相場に大きな影響を与えた。この銘柄の規模としては考えられない取引量を伴って売買代金2位。大商いで23.1%の急落になった。

スーパーマイクロコンピュータ日中足 一旦売られ出すと不安感が勝ったか。とにかく下まで機関投資家と個人の投げが下落幅を拡大させた。


スーパーマイクロコンピュータ日足 900ドルの心理的下限を割り込んだことで 下げが加速した感じもある


会社側は今日、4月30日の取引終了後に第3四半期の決算を発表すると述べた。1月の決算時は第二四半期の決算報告を発表する日を決めるとともに暫定の結果速報を発表し36%株価が急上昇した経緯がある。にもかかわらず 今回速報を出さなかったことで「速報で発表するほど良い決算の数字では無いんだろう」 と言う見方 が急速に広まった。もっともそれだけで急落するのは理屈に合わない。 ある程度高い数字だったということなんだろう。

これに大きな影響受けたのがエヌビディア及びアドバンスドマイクロシステムズ。 エヌビディアには断続的に大きな塊の売りが降ってくる感じでプログラム売りが継続していたのだと思われる。 上でも書いたけど終値がぴったり10%安だったことも「10%下限にして大きなプログラム売りを出す」と言う設定の機関投資家がいたことを推測させる 。幾何学的に 一直線で下がっていた日中足もプログラム売りの存在をうかがわせる。(不特定多数の人間がバラバラにパニックで売ってきたのならこんなにきれいに一直線には下がらない。大きく下がった後上下道を繰り返すだろう)

エヌビディア日足 SQがあったとは言え、 売買代金は過去2番目の水準。何回も包み足を出した後の先だけに引け味はかなり悪い


半導体は総崩れの様相を呈した。 ソックス採用銘柄ではないけれどアームが 売買代金17位の商いで16.9%の下落。 Logic半導体のAMDが5.4%の下落、 インテルが2.4%の下落。人工知能向け半導体に力を入れるマーベルの下落が4.7%、 ブロードコム4.3%の下落、 さらにマイクロン(メモリー半導体、最近は人工知能向けが好調だと伝わる)の下落が4.6%と大きくなった。続いて、半導体製造装置の下げもきつい。マイクロンは売買代金13位に入ってかなり出来高を伴って下げたと言えるだろう。

露光装置の受注ガイダンスが悪かったことから半導体下落のきっかけを作ったとも言えるASMLが 今日も売られて3.3%の下落。アプライドマテリアルズが2.3%の下落、ラムリサーチ2.1%の下落、テンコールが 2.5%の下落。後はパワー半導体も手がけるモノリシックが4.6%下落したのが目立つ。

振り返ってみればソックス指数はトレンドLINEを切ってしまったところから下げが加速 してしまっている。放物線を描いていてセリングクライマックスぽい値動きではあるのだが、それぞれの銘柄は金曜日がSQだったことを考えるとまだ出来高がむちゃくちゃ多いわけでもないところか。

SOX 日中足


SOX日足


SOX月足 毛抜きの包み足になっている。よほど大きく戻さないとこの形は崩れない。


その他スーパーマイクロコンピューター下落の連想でバーティブホールディングス(VRT)(デジタル インフラの構築に欠かせないソリューション提供の会社)が7.4%下落などデータセンター銘柄の下げがきつかった。

特に悪いニュースが具体的に出ていない中で、スーパーマイクロコンピューターやアームというAIと連動性が強い銘柄が年初からこれほど下げているのはとにかく象徴的と言えるんだろうね。

ARM日足


さらにここまで値段を保ってきたバーティブホールディングスの下落はもっと意味があるのかもしれない。AIが感動体セクターを引きつぐには 明らか勢いが失われている。 それはスマートフォンやPCなどの末端のデバイスが未だ需要が低迷していることに起因するのかもしれない。

バーティブ日足


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半導体が売られたことから、AIにも絡むマグニフィセントセブンも売られている。

前日目標株価の大きな下げをくらったテスラが今日も売られて1.9%の下落。メタが4.1%の下落、アマゾンが2.5%の下落、Microsoft 1.3%の下落、apple 1.2%の下落、アルファベットも同じく1.2%の下落となった。

昨日引き後に 決算を発表した netflixは視聴者数は増えたものの利益がコンセンサスを下回る結果に。今後の競争激化も不安視されて売買代金9位の売り物を浴びて9.1%の下落になっている。

Netflix日足


Netflixほどでもないものの比較的若いICT銘柄に安い銘柄が多かった。UVERテクノロジーズ3%の下落、

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ビックテックと半導体を売ったお金はディフェンシブに逃避した形。ユナイテッドヘルス1.6%上昇、エクソンモービル1.1%上昇。

さらに銀行株も高かった。番号アメリカ3.3%上昇、Wells Fargo 2.7%上昇。決算が良かったアメリカンエクスプレスなどカード銘柄もしっかり。アメリカンエクスプレスは6.2%の上昇だった。

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



東京市場 NY2024年4月22日(月)

TOPIX2662+36 (+1.38%)NK225 37438+370(+1.00%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足 金利上昇で、バリュー株や銀行株に買い注文が入っている。


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22日の東京市場は指数としてはリバウンドして引けている。週末、アメリカ市場では半導体が下げるなど結構波乱だったわけだが、地政学リスクが落ち着いたと考えられたこと、 4月上旬の40,000円から11営業日で37,000円割れまで3000円以上の値幅を出して下げたこと、 アメリカのナスダック夜間先物が小幅ながら上昇したこと、 これらがハイテク株以外の業種に買い注文を呼ぶ ことになった。 一方で半導体は今日も下げがきつかった。半導体銘柄を見ていた人間は225指数が500円以上、下手すれば1000円下げたような感覚にとらわれると思う。

エヌビディアが10%下落したことで半導体にはなかなか厳しい売りも出ていて、エレクトロンやディスコには目標株価引き下げなどの観測も出ていて下げきつい。ハイテクの売りが広がった午前には指数が小幅ながらマイナスになる局面もあった。

しかしながらファーストリテイリングを買って指数を釣り上げようとする動きが出たり銀行株、保険、証券、電力株、総合商社株、海運等大型株(しかもオールドエコノミー)にお金が入ったことがトピックスを中心に値上がりを大きくしている。 (この辺は本当に新人類相場の時の動きに似ている。 でかい株にはお金が投入できるからみんなが参加しやすいって言う面もある ) 先週は半導体に引きずられて他の主力株も下げたわけだが、 悪材料が出たのは今のところは半導体なだけと判断した投資家が 一緒に引きずられて下げたオールドエコノミーを買い に行ったんだと思われる。 言い方を変えれば出遅れ株物色と言う。

売買代金は4兆3000億円。 売り買いが交錯した割には少ない とは言える。 まだみんな腰が引けていて様子見気分 といったところ。 下落が急速だっただけにどんどん下値を叩く動きは無いものの、かといって1月からの上昇局面でこんなに下げた 1週間ははなかったわけで、上を買うには材料が不足している。

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日米の金利上昇を見て、金融株には買い注文が入っている。 ハイテク株が下げる中で比較的「業績にプラスになる」 見られる金利上昇を手がかりに買っていく動きが出た。機関投資家の一部は現金の保有比率を制限されているため、 ハイテク株を売った資金の 逃げ場として銀行が(保険や証券も)選ばれた面はあるだろう。 3月に付けた高値からは下がっていて、あくまでも戻りの範疇にしかないんだけれど。

三菱UFJ 3.0%上昇、三井住友1.9%上昇、みずほ2.6%上昇。東京海上2.2%上昇、野村証券2.4%上昇。

三菱UFJ日足


野村證券日足


電力株への資金の流入も続いたが。。。。。。こちらも上昇の勢い自体は削がれてきている。先週までの上昇があまりにも強かったんだね。

東京電力は1.7%の上昇、北海道電力が6.9%の上昇。 電力株は比較的発行株数が多いので、 お金をいっぺんに放り込みやすいディーリング相場的な動きになっていると言え る。機関投資家は小型株にはお金を投入しにくい。自分の買いで値段を跳ね上げてしまい、後に売るときには自分の売りで値段を下げてしまう。ある程度大きいということが今の相場では大事な点になってるんだね。ただ。。。。

東京電力日足


北海道電力日足


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資金回避という意味ではディフェンシブ銘柄も強かった。花王、日清食品、中外製薬などいわゆる国内の機関投資家が好むディフェンシブ銘柄にお金が入っている。 さらにいわゆるバリュー株も強かった。 日本郵船や日本製鉄が高いのはこの流れだと思われる。

花王日足



 

中外製薬日足

 


日本郵船日足

 


日本製鉄日足

 


また 売られすぎ銘柄を買う動きは新興市場で顕著。 東京グロース250指数は2%の上昇。HENNGEなどが高い。

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金曜日のスーパーマイクロコンピューターの20%安、エヌビディアの10%安の影響はやはりまだ日本の半導体にもマイナスの影響与えた。 急落していたレーザーテックこそ自律反発もあって0.5%上昇したものの、 エレクトロンが3.2%の下げディスコも4.3%の下げと下げ止まらない。 ディスコとエレクトロンについてはUBS証券がバイを ニュートラルに引き下げてきたことも今日の話題。

レーザテック日足

 

東京エレクトロン


ディスコ



下落率上位には半導体関連が並んでいてKOKUSAI 6%の下落。KOKUSAIは一時下げ幅が10%を越える波乱になっている。

KOKUSAI


野村マイクロ4.9%の下落、スクリーン4.6%の下落、TOWA 4.1%の下落、マイクロニクス3.9%の下落、ルネサス3.3%の下落、ソシオネクスト2.5%の下落など。

SCREEN日足


TOWA日足


マイクロニクス日足


ソシオネクスト日足


下落が急速なだけに自律反発も起こったりしてなかなか激しい値動きが続いているが。。。

半導体だけではなくて、データセンターがらみもやや売られた感じになっている


金曜日大幅高だったさくらインターネットが朝高のあと急速に売られて6.8%の下落。 フジクラや古電工も利益確定売りにおされた。

さくらインターネット日足


フジクラ日足


古電工日足




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個別ではこれだけの円安にかかわらず連結業績予想下方修正した日産自動車が 2%の下落。

中東情勢が落ち着いたことで インペックスなど石油株が下落。三菱重工など国防関連も下げている。


このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。



NY2024年4月4月22日(月)

S&P500 5010+43(+0.87%)NYダウ38239+253(+0.67%)

NASDAQ15451+169(+1.11%)

アメリカ国債10年利回り日足


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足 月曜日はダウとナスダックの値動きがとても似ていることがわかると思う。明らかに自律反発狙いで先物にプログラムの買い注文を11時ぐらいから入れてきたんだ。だから指数の構成銘柄が全く異なる2つの指数がとてもよく似た動きをしていると言える。


NASDAQ日中足




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22日のアメリカ市場は自立反発の動きとなった。先週までの下落が大きく25日移動平均や 50日移動平均から大きく下方乖離 していた事から いわゆるグランビルの法則で移動平均に近づくように反発したと言っていい。

参考グランビルの法則

https://www.daiwa.jp/glossary/YST0443.html


ナスダックで言えば、ちょうど25週移動平均線まで下がってきたこともテクニカルなリバウンドの理由になったと思われる。週足で言うならば赤の2と言うことはできるかもね。

ナスダック週足


後付けで言うならばイランとイスラエル双方がさらなる攻撃を自制している中で、中東問題への警戒感が後退したと言うことになるが、 それはアメリカ市場が開く前からわかっていたこと。理由をこれに結びつけるのはちょっと無理がある。 確かに原油が下がることでインフレ懸念は後退するわけだが。

 先週までの大きな下落に比べれば月曜の上昇は限定的。 取引終了間際には やれやれと言う売りも出た。 火曜は テスラ、水曜はメタ、木曜はMicrosoftとアルファベットが決算を予定。これだけに一方的に上を買っていくのもやりづらいと言うところだろう。午前中はマイナスに転じる場合もあった。

他方、金利の上昇を受けてゴールドマンやJPモルガンなど金融株が上がっているのは日本と同じ。 逆に 決算と ガイダンスがナリスト予想に届かなかったベライゾンの下げがきつい。企業業績にはかなり敏感になっている。金利が上昇しているだけに…。 ベライゾンは4.6%の下落になっている。

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最も自律反発で上がったのは半導体だったと言える。

エヌビディアが金曜日10%下がったのに対して月曜日は4.35%の上昇。メモリーのマイクロンが2.2%の上昇。半導体製造装置のASML 1.4%の上昇。ただしアプライドマテリアルは0.1%の下落と全面高とまではいかなかった。

それでも エヌビディアが牽引する形で ソックス指数は1.74%の上昇と切り替えしている。ソックス指数も移動平均線を気にしたところはあるんだろうね。

SOX日足


NVDA日足


アプライドマテリアル日足


ソックス採用銘柄では無いけれどARMも さすがにリバウンドしていて6.8%の上昇になっている。ただしここまでの下落が大きかったからね…。

ARM日足


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決算を控えるテスラは3.4%の下落。ドイツと中国で主力車種を値下げしたことが収益に与える影響と、値下げしないと商売にならないと言う今の販売環境の悪さが嫌われた 。補助金の減額が世界的に広がる中で、リセールバリューが悪いとされるEVの人気が落ちていることが背景にある。 この辺は耐久性の向上とか電池交換コストの引き下げ、故障したときの無料補償等の拡充がないと厳しいのかもね。

テスラ日足


何せアメリカでは20年300,000キロ走るのが当たり前だから。

逆にフォードモーターは6%の上昇。EVと旧来からのエンジンとの明暗が分かれた形になっている。


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人工知能への期待もあって、Amazonは1.5%の上昇、アルファベットは1.4%の上昇と気を吐いている。

仮想通貨が上昇したことでMicroストラテジーは12%の上昇、 コインベースが7.0%の上昇。。買収案件が頓挫したということで逆にセールスフォース.comは1.3%の上昇。

昨日は上でも書いたけど銀行株のリバウンドが目立った 。素直に金利の上昇を利ザヤ拡大期待と捉えた。 ゴールドマン・サックスが3.3%の上昇、jpモルガンが1.9%の上昇、Wells Fargoが1.2%の上昇。 金融株は既に決算を終えたことで、決算に対する不安感がないことを指摘する声もあった。

ゴールドマン・サックス日足 金融株は全然下がってないんだよね。


なお、高値を更新していた金相場だが 中東での地政学リスクのエスカレーションが1段落したと見てさすがに一旦反落している。 上ひげ2本とたすき足でてるね


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東京市場2024年4月23日(火)

TOPIX2666+3 (+0.14%)NK225 37552+113(+0.30%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足  指数はほとんど同じ動き。今日は先物主導で値動きが起きたことがはっきりわかる。


N225日中足


日本国債10年利回り日足 週末の、追加利上げの可能性も示唆していた植田日銀総裁の発言もあって利回りは上昇している。


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23日の 東京市場は続伸したものの 上げ幅を縮小し伸び悩んだ。 先週大きく下げたことから自立反発狙いの買い注文も入って幅広い銘柄が買われて始まったものの一巡後はやれやれの売りに押される展開になった。 今日以降ハイテク企業の決算が相次ぐこと、 通貨当局が利上げをちらつかせなおかつ円買い介入を行う可能性があること、 アメリカの金利が上昇していて半導体株が引き続き売られていることから注文が引っ込んだ形。物色意欲の低減は一時300円高しながら 売買代金が3兆7000億円にとどまったことからも読み取れる。

物色の中心は比較的業績に追い風を受けると見られる保険や証券、銀行、 不動産価格の上昇傾向から建設株。 一方で昨日はバリュー物色で買われていた海運が下落。物色の継続性が欠けている面はある。北海道電力など電力需要の拡大を期待して買われてきた電力株もさすがに利益確定の売りが厚かった。

なお引き後にガイダンスと決算を発表したニデックは時間外で下落している。四季報の今期の売り上げ予想が2兆6000億円に対して、会社側のガイダンスが2兆4000億円。もちろん保守的に見ていると言うところはあるんだろうが大幅に届かなかったことから 失望売りが出ていると見られる。

レゾナックが エクイティファイナンスを発表。1年半前と比べ株価は2000円から3700円まで上昇している。株価上昇を受けて(さらには金利上昇の予想もあり)有利子負債を抱えているところはエクイティファイナンスを行う蓋然性が高まっているとも言える。今後は有利子負債が多い株が敬遠される可能性も考えておこう。

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ファーストリテイリングが1.7%の上昇。この辺は指数を持ち上げたい人間が買ってきた? と言うところ。

半導体が動かないせいで資金は金利上昇で恩恵を受けるメガバンクや損保、バリューと言う面で大手商社株、 ディフェンシブということで医薬品などに 入っている。しかしながら上昇幅はそれほど大きくなく出来高も限られていることからメインストリームとまでは言えないのかもしれないね。

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相場にバケツで水をぶっかけたのが半導体の下落。昨日は1人上昇していたレーザーテックだが2%近い下落。ソシオネクストが3.7%の下落、ディスコが2.5%の下落、アドバンテストが0.4%の下落。 ソックス指数が戻しただけに、寄ってからガサガサと売りが来たのはやや予想外のところだった。

また投資家心理に悪影響を与えたのかさくら インターネットの下落。6.7%の下げ、個人投資家が信用を使って買っているだけにこの辺が下がると他の銘柄にも心理的な悪影響を与えてしまう。

ただKOKUSAIが 2%上昇するなど必ずしも半導体全面安と言うわけでもなかった。今後は半導体の中でも強い銘柄と弱い銘柄、跛行色が 強まっていくのだろう。

パワー半導体向けSiCウエハーを手がけるロームは22日SiCrystalとSTマイクロエレクトロニクスとの間でSiC ウェハの供給契約を拡大することを発表。これを受けて 日興証券が3875円の目標株価、投資評価1を出してきた。これで寄り付きから上昇したものの、全体相場や半導体全体が崩れる中でほとんど変わらずまで落ちてしまった。半導体は極端紫外線を使う超高性能のステッパーの受注落ち込みが嫌われて全体として下げているわけだが、最先端半導体とは関係ないパワー半導体まで売られている 流れが続く。

この辺は電気自動車の落ち込みがパワー半導体に悪影響と言う意味なのだろうが、 パワー半導体は必ずしも電気自動車だけに使われるものではなく、空調機器や地上で使うモーターなどにも必要になってくるもの。内燃エンジンや 燃焼系を廃して行く流れの中で パワー半導体がどれぐらい伸びていくのかと言う読みになっていくのだろうね。

ロームについてはCBでリファイナンスしたことが株式マーケットには悪い印象として付きまとってしまう。決算においてどういうコメントを出してくるのかこれも注目されるんだろう。

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また 急上昇が続いて個人投資家に人気が出ていた北海道電力がさすがに下落。週足は毛抜きになっている。赤三兵先つまりっぽい。


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NY2024年4月23日(火)

S&P500  5070+59(+1.20%)NYダウ38503+263(+0.69%)

NASDAQ15696+245(+1.59%)

アメリカ国債10年利回り日足  S&Pグローバル製造業PMIの速報値が49.9と前月から悪化したことから債券にショートカバーが入った。金利は低下している。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 移動平均線に近づく形で株価を戻している。


NYダウ日足


NASDAQ日足 こちらも短期的な売られすぎ感から値段を戻している。


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ市場は戻している。とにかく 決算が良かったことから 業績が良い銘柄を買うことから市場全体に業績期待が広がる形 になった。25日や50日の移動平均線から乖離率が大きくなったことから自律反発狙いの買いも引き続き入っている。

また9時45分に出てきたS&Pグローバル製造業PMI 速報値が49.9、サービスPMIも50.9と前月から悪化。これを受けて 10年の債権利回りが低下。本来なら景気の減速を 嫌うところだが債権利回りの低下による株式 の割高感解消の方が強く株高要因 となった。 特に GEやGMダナハーの決算が良かったことから今週これから出てくるビックテックの決算も悪くないのではないかと言う参加者の意見が強まり マグニフィセント7全体がしっかり。コミュニケーションサービス全体にも買いが入った。 リスクオンになった一方でインフレが抑制されると見た向きが一部のディフェンシブにも買いを入れたために全体的に上昇。出遅れ感からラッセル2000に所属するような中小型株も久々に値上がりしている。

こんな中弱かったの素材株。ニューコアの決算が予想をし下回ったことで素材株を全般に下落が起きている。

業種別で見ればコミュニケーションサービスが1.86%の上昇情報技術が1.71%の上昇。ただし素材は0.8%の下落となっている。

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決算の最も大きな動きは ゼネラルエレクトロニックエアロスペース 。8.2%の上昇になった 。 3者分割によってできた中でメインの事業体の会社のわけだが初めての四半期決算報告書で売り上げ高、利益両方でアナリスト予想を大きく上回る好調な船出となった。注目すべきは航空機用エンジンだろうか。 三分割した後なので単純には比較できないが、 単純に比較すると7年ぶりの高値と言うことになる。 これだけのドル高の中で利益を積み上げているのは恐ろしいと言えるかもしれないね。

会社全体としてはフリーキャッシュフローが17億ドルと高水準になったことが注目される。 2024年全体のフリーキャッシュフローが50億ドルを超えると会社側は予想。これはアナリスト予想をかなり上回っている。営業利益見通しも60億ドルから65億ドルの間としていた従来の見通しを上方修正、62億ドルから66億ドルの間になると。これだけドル高が進んでいる中で製造業が利益を上方修正してくると言うのは力強い話だろう。さらには25年の売上高見通しを2桁台前半の成長になると強気に。 株価は高値を更新している。かなり上昇のスピードは早いね。

参考GE日足


日本の類似銘柄にも影響与える決算だろうね。というか日本企業をもっと頑張れよ

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決算、予想通り悪かったテスラだが悪材料で尽くしということで1.8%の上昇。マグニフィセントセブンは決算を控えているわけだが、GEの決算が良かったことなどから決算前に下手にショートするのも危険ということで注文が入っている。エヌビディアが3.6%の上昇、 appleは0.6%の上昇、メタが3%の上昇、Amazon 1.3%の上昇、Microsoftは1.6%の上昇になった。

急落していた銘柄の中では、売買代金9位のスーパーマイクロコンピューターが1時10%を大きく超える上昇となった。ただし上値では戻り売り圧力も強く、結局6.2%の上昇で上ヒゲを引いている。結果だけ見れば大きな上昇なのだが上値の重さも感じさせる値動きとなった。

その他決算を交換してSpotifyが売買代金10位に入って11%の上昇。ICT銘柄全体が高くネットフリックスが4.1%の上昇、中国のPDDホールディングスが3.1%の上昇、 アリババが2.6%の上昇。。 仮想通貨関連も強い。コインベース4.7%の上昇、マイクロストラテジー1.1%の上昇、 マラソンパテントグループが10.7%の上昇。

その他パロアルトネットワークス4.2%の上昇。

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銀行株も高かった。昨日は景気指標も悪かったし金利も低下したわけだが適温相場と言うことになるのだろうか。ウィルスファーゴは変わらず位だったものの jpモルガン1.4%の上昇。シティが2.8%の上昇、ゴールドマンが1.6%の上昇。 銀行株は既に決算が終わっているのでリスクを取りやすいと言う声が聞かれていた。金利が高止まりしていることも今のところは銀行株に有利だろうと。(これがさらに金利上昇したり長期化してくるとマイナスに働くんだろうけどね)

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決算でペプシが下落。 アナリスト予想を上回る利益と収益を出してきたのだが、寄り付きから売られた。

なんで下がったかと言うとクエーカー食品事業のリコール問題。

https://www.aloha-street.com/local_news/2023/12/18/396113/

去年の年末に発覚したサルモネラ菌の汚染問題による収益 ダウンを改めてきらった向きがうってきたのだと思われる。イメージダウンっていうのは怖いもんだね。(実際には汚染で被害者はほとんど発生しなかった模様なのだが。 ちょっと小林製薬の話を思い出させるね)

決算自体が期待外れで下がったのがニューコア8.8%下落。昨日の引け後には出ていた決算なので日本には織り込み済みだとは思うが市場の反応は思いのほか冷たかった。鉄鋼にはマイナスインパクト有ると思う。クリーブランドクリフスも下げている。


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東京市場2024年4月24日(水)

TOPIX2710+44 (+1.67%)NK22538460+907(+2.42%)

TOPIX日足 TOPIXは半導体による下げの影響が少なかった分早期に50日移動平均線まで戻している。


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足 長期債利回りは再び0.9%に接近したが、株式市場には影響与えていない。


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東京市場は900円の上昇、ほぼ高値引け。大幅高になった。

悪いニュースは良いニュース、 アメリカ市場がPMI(購買担当者景況指数)の低迷を材料に長期金利が低下したことをプラスに捉えて半導体中心にICT銘柄が上昇。これを見て日本市場でも東京エレクトロンなど半導体銘柄を押し目買いする動きが強まった。 225の寄与率を見ると東京エレクトロン1銘柄で226円、アドバンテストが49円、ソフトバンクが46円、信越化学が44円。半導体に関連する4銘柄で365円225指数を引き上げた。 さらにおそらく225指数を釣り上げたい人間がファーストリテイリングに買い注文を入れた。ファーストリテイリング1銘柄で88円。 これら5銘柄で225指数上昇の半分を占めた形になる。

参考日経平均寄与度ランキング


一夜にして半導体製造装置や半導体指標が大きく変わるはずは無いわけだが、 さすがに週初まで売りすぎたんでは無いか? と言う反省からパニック売りの反動の上昇になったとも言える。 また明日明後日行われる 日銀の政策金融決定会合を前にショートに傾けていたプレイヤーがポジションをニュートラルに戻す 方向に買い戻しに入ったのではないかと見られる。

また、テスラについては廉価版モデルの導入について2025年の早い時期に行うと計画を発表。市場ではこの計画は先送りされたと見られていただけに(テスラは廉価版モデルに投入するリソースを自動タクシーに振り向けると見られていた。これを理由に目標を株価を下げる動きもあった) 時間外取引でテスラ株が大きく上昇。これを見てパワー半導体のロームに買い注文が入るなど 日本市場に追い風になった面もある。

https://finance.yahoo.com/news/tesla-earnings-q1-175358835.html

テスラ株価 時間外13%高

https://finance.yahoo.com/quote/TSLA

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ロームが4.4%の上昇。 22日に明らかになったSTマイクロエレクトロニクスとのSiCウエハーの 供給拡大契約や、これを受けて日興証券が目標株価を引き上げたこと、これで買われる掃除があったわけだがテスラが廉価版のモデルを2025年に投入すると伝わったことで電気自動車のさらなる需要拡大が見込まれると言う楽観的な見方から株価の上昇につながった。 ( ただし 日中足を見る限りみんなが買いに来たと言うよりは1人の大口顧客が2250円程度まで出来高の何割買うよと言う大口注文を出したんだと思われる )

ローム日中足


ローム日足


ローム月足


若い人は知らないと思うけど、 ロームと言えば昔は外国人人気ナンバーワンに近い優良株扱いだった。 当然今でも外国人知名度は抜群に高い株。 成長性を伴えばと言うところだろう。

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ASMLの期待外れの受注や台湾TSMCの従来より半導体市場の見通しを後退させたガイダンスなどで半導体株は総崩れの週初だったわけだが、 ここに来てさすがにパニック的に売りすぎたとみた買い戻しが入った。

ルネサスが10.5%の上昇、半導体製造装置も手がけるニコンが10.3%の上昇、マイクロニクス7.3%の上昇、今日225最も上げた銘柄である東京エレクトロンが7.1%の上昇、システムの回復が伝えられたHOYAが 6.5%の上昇、半導体の冷却ファンで知られる山洋電機が 5.8%の上昇、東京精密5.5%の上昇、KOKUSAI5.5%上昇。

ニコン日足


エレクトロン日足


KOKUSAI日足


売買代金上位でも レーザーテックが2.2%の上昇、ディスコが4.4%の上昇、ソシオネクスト4.3%の上昇、アドバンテスト3.6%の上昇、ソフトバンクグループ3.1%の上昇、信越4.4%の上昇、 スクリーン4.6%の上昇ととにかく半導体製造装置から半導体メーカー、半導体関連素材すべてひっくるめて大きく上昇した銘柄が多かった。

レーザーテック日足


SCREEN日足


信越化学日足


問題はこれが単なる「デッドキャットバウンス」(死んだ猫でも高いところから落とせば跳ねると言うアメリカの株式業界の言い回し)なのかそれとも?と言うところだが。

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大幅高の中で電力株は利益確定の売りに押された。 北海道電力続落で6.6%の下落。 東京電力も1.5%ほど下げた後結局6円安で取引を終えている。

北海道電力


半導体でも、エクイティファイナンスを発表したレゾナックが大幅安。


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NY2024年4月24日(水)

S&P500 5071 +1(+0.02%)NYダウ38460ー42(ー0.11%)

NASDAQ15712+16(+0.10%)

アメリカ国債10年利回り日足 日中に株の値段が上昇幅を失ったのは債券の利回りが上昇したから。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足  移動平均に向かって戻る 「グランビルの法則」だったのだが、国債の利回りが上昇したことで結局伸び悩んでしまった。


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ市場はテスラの急上昇などと 債権に対する割高感などが釣り合う形で結局プラマイゼロといったところで終わった。決算に対する警戒感も強かった。

ただ先ほど日本時間の朝5時過ぎに発表されたメタの決算は、市場の失望を生んでいてメタが時間外で10%の下落。 

ナスダックは先物が下げていて1%ほど下落だろうか。 もっともメタの 急落はメタ単独の理由だろうと言う冷静な見方もあって、 メタが下げている割には先物は冷静と言う見方もある。

要するに、

○先週までの急落の反動継続で上げて始まった。 テスラの新型車両投入やリストラもプラス要因。

○ただし インフレ懸念から債券利回りが上昇したので株は売られた。決算や26日のPCEデフレーターへの警戒感も強かった。

○ 引け後にメタの決算が出てみたらかなり悪かったので相場全体を巻き込む先物売りになっている

終わり(こら

参考ナスダック先物夜間日中足


225先物も下げ幅を縮小していたのだが、メタの決算を見て再び400円程度の下げに変わっている。


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なんといっても今日の最大の注目はメタの決算だった。

原稿を執筆している朝6時の時点で11.3%の下落。一時は13%ほど下げる場面もあった。

売り上げ高は前年同期費で27.3%の減少となる364.6億ドル。これはアナリスト予想の数字と同じ。しかしながら大幅回復と見られていた今期のガイダンスについて377.5億ドルとアナリスト予想 1.5%下回ることになった。

たった1.5%と思いがちだが、 アナリストたちは年ペースで15%程度の売り上げ高成長を見込んでいたところに対して11%ほどしか改善していないことになる。メタのような高い成長銘柄は将来の売り上げと利益をもとに株価が決まる。成長率が落ちると将来の見込み売り上げや見込みEPSが大きく毀損してしまう。このため株価の下落率が大きくなってしまう。 特に売り上げ予想がアナリスト予想に届かなかった(AIサービスを展開しても売り上げが伸びていないと言うことになる)とともに、営業費用、設備投資の両方が予想が余ったのがアナリストの失望を読んだと見られる。(AI実現の為のランニングコストもイニシャルコストも思ったより高いということ) さらには社名にもなっているメタ部門が第一半期に38.5億ドルの損失を出したことも不評を買っている。(要するに 「伸び悩んでる」AIがなければさらにとんでもないことになっていたということだろう)

今後はこの決算が半導体各社にどのような影響を与えるか?と言うことになるだろう。 AIをやっても思ったより儲からないなら、各社の半導体への投資額が落ちるんじゃないかと言うマイナス意見。 一方で今回のガイダンスで示されたのは半導体へ予想以上にお金を使っていると言う事。設備投資の額を見れば半導体についてはプラスだと言う見方 もできる。どちらの影響が強く出るんだろうか。

なおバイデン大統領がティックトックに対する規制法案に署名したのはプラス材料。しかしながらTikTokが動画を見た人間に対してポイントを与えるようなサービスについてEUが規制を強化している事は、同じようなサービスを手がけようとしているメタにマイナスの影響があるのではないかと言う指摘もあった。 EUはインターネットサービスが1秒でも顧客を引き止めようとする施策についてとても強く規制を始めている。背景にはネットの中毒性、 特に若年層への悪影響、に対するEUの危機感があり、この辺はあらゆるインターネット系の会社について今後は見えない壁になっていくんだろうね。

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続く

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NY2024年4月24日(水)つづき

3月の耐久財受注の速報値が前月に比べて2.6% プラスになったことが債券利回りの上昇につながったと見られる。 ただ朝方はそれほどは株式市場に影響はなかったのだ。

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今いろんなリリースを見ていると、いわゆるメタバース、リアリティーラボ部門の営業損失の増加が嫌われている面もあるみたい。株価的には年初来40%上昇してきただけに、失望売りがかさんだと言うことだろう。(ライバルのアルファベットは年初来は13%しか上昇していない)

メタ日足


メタ、時間外


アルファベット日足


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テスラは12%の上昇。相場全体を支える動きにはなった。 また、テスラの上昇に加えてテキサスインスツルメンツの決算が好感されてパワー半導体銘柄は上がっている。

テスラ日足


テスラが上昇したのは、この前格下げを食ったときに理由となった 廉価版のモデルの2025年度早期の投入見通しによるもの。 テスラはモデルツーと言われる安い車の開発を諦めてAIタクシーにリソースを振り向けると言う報道から、目標株価を大きく下げられると言うことがあった。これに対してテスラは モデルツーと言う 新規開発は諦めたものの従来のプラットフォームを使って新しい安いモデルを2025年の早い時期に投入することを表明した。

さらに大規模なリストラも発表したわけだが、これで営業利益率が上がると見たアナリストの評価も高かった。この2つの理由で株価は今年最大の上昇率になっている。

なお、半導体を主力商品とするTexas Instrumentsの決算が予想上回ったこと。中でも車載向け、産業向けはシクリカルな回復を見せていることを示したことがパワー半導体には追い風。

テスラの廉価版の投入によって、車載用のパワー半導体の売り上げにもさらにプラスにつながると見た向きや関連銘柄に買い注文を入れている。

テキサスインスツルメンツは5.6%の上昇。同じくパワー半導体を手がけるモノリシックパワーシステムズは5.0%の上昇となった。

TI日足 テキサスインストゥルメンツが5%以上上下動するっていうのは本当に珍しいね。


モノリシック日足


Texas Instrumentsの1株当たり調整後EPSは1.2ドルにとどまった。これは前年同期比35%の下落。しかしながらアナリストは1.07ドルのEPSを予想していたため ポジティブに捉えられた。モルガン・スタンレーを始め多くのアナリストが目標株価を引き上げている。 決算で読み取れるのは過剰なパワー半導体在庫がようやく処理が終わりつつあること。さらにガイダンスでは季節性、シクリカルな回復の兆候が示されたこと。これが株価の大きな上昇につながっている。 (Texas Instrumentsの株価が5%動く事は非常に稀なのだ)配当利回りも2.9%以上あることから期間投資家が買いやすい水準だったことも上昇の理由とされる。 テキサスインストルメンツにとどまらずモノリシックが上がったように関連銘柄にも追い風にはなるだろう。

ラティスセミコンダクターなんかも上がってるね。

問題は昨日の時点で日本株にはある程度売り込んだかなぁと言うところが。さらに日本だとパワー半導体も最先端のロジック半導体も区別がついてない投資が多いからね笑

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メタは別格として、決算が悪い会社も結構多かった。ぱっと見ただけでもドミニオンフレートラインとかノーフォークサザンといった有名輸送企業、国防企業でもあるテレダインが予想を下回る決算。

テレダインは11%の下落、ドミニオンフレートラインが11%の下落。後はインフーズエナジーが5.5%下落と言ったところ。

昔運送業にいた身としては これだけ原油が上がって人件費が上がるとアメリカでも運送業は辛いんだろうね。(日本で600万円 ぐらいもらえるような長距離トラックの運転手だと、アメリカだと楽に1000万円を超える収入になるらしい。 そりゃ運送会社はなかなか厳しいよね)

このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。


東京市場2024年4月25日(木)

TOPIX2663ー47 (ー1.74%)NK225 37628ー831(ー2.16%)


TOPIX日足 移動平均から下方に乖離したことから戻し、今度は移動平均に近づいたことで下がってしまった。


N225日足


TOPIX日中足 昨日とは逆に、おそらく商品投資顧問が断続的に先物を売ってきたんだと思う。昨日買った分を投げたのか、しかけて下げてきたのか。 指数の動きがほぼ同じだったことから先物主導だったことがわかる。現物市場の出来高がそれほど膨らんでいないことから、現物が売られたと言うよりは先物が売られたことによる影響力が強いんだろう。


N225日中足


日本国債10年利回り日足 明日の金融政策決定会合の結果発表前に利回りは高い水準でもみ合いになった


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東京市場は前日とは 相場が一変して大きな下落になった。まさに行ってこい。

昔ギリシャのイカロスは、高く飛びすぎて落ちたって言う話があるけれど、日経平均は昨日高く飛び上がりすぎたんだろうか。

水曜日はそこまでの下落に対する大幅反発で値段を戻したわけだが、今日はアメリカの取引終了後に収益を発表したメタプラットフォームズが収益の伸びの鈍化を明らかに。

日本でも注目された銘柄の決算についてネガティブな反応がいくつか出ていてこれが相場全体を下げた結果になっている。特にキヤノンやファナックについて株価の下げが目についた。

メタ(facebookの運営会社)については見かけ上は利益としてはわずかに伸び悩んだだけな訳だが、 マグニフィセントセブンはもともとが「高い成長力を見込んで(将来の利益を)買われて株価が形成されている。伸び率がわずかに縮小するだけで数年先の利益は大きく減ってしまう。そのためにメタの下落率が大きくなり 時間外取引で株価は下落率が10%を大きく超えた。巻 き込まれる形でナスダック先物などが下げた。 

メタはメタバースや人工知能実現のため多額の半導体を含んだ設備投資を行うと見られているがそれによっても利益が期待ほど伸びないことで、『半導体への投資にもマイナスになるのではないか?』と言う懸念が日本の半導体関連銘柄に強く出た結果になった。

特に水曜日は 半導体関連が大きくリバウンドしただけにその反動の売りも大きく出た。

ただし今日に限っては売買代金は4兆円を割れて3兆9700億円といったところ 。昨日大幅高したのが行き過ぎだったのと、アメリカのPCEデフレーター、日本の明日の日銀の金融政策決定会合後の結果発表等 を気にして買い注文が手控えられた面も大きいだろう。その分下落が大きくなった。 必ずしも投げ売りが多く出たということでもない。

テクニカルには「移動平均に近づくほど上がったからもういいでしょうってことで下げた」って言う面もあるけどね

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ファナックが3.4%の下落。1時は4400円を割り込んで5%近い下げになった。ただ出来高を伴って陽線になっていて「 売られまくった」 と言うわけでもない

ファナック日足


最終利益は19.4%減少ということで大きく売られた。さらに1部の商品についてヨーロッパの比較に適合していない形の試験が行われたとする報告もマイナス材料。

またキヤノンも売られた

キヤノン日足


こちらは8.4%と下落がきつい。市場予想を大きく下回る1ー3月の業績が嫌われた。 アナリスト予想は連結営業利益が940億円だったところ、800億円にとどまった。

これを解説すると 半導体製造装置については予定通り。しかしながらレンズ交換式カメラがこけた。 コロナからの数年間半導体不足で一眼レフカメラミラーレスカメラは 各社とも出荷台数が落ち込んでいて 「台数は出ないけれど全然値下がりが起きない」状態だった。つまり台数は少なくとも、 販売されるカメラの台数が需要を下回っていたために値下がりが起きず、利益率はかなり出ていたんだね。 ところが半導体不足が解消して逆に製品が出荷され出すと今度はお客さんの間では物余り感が出てしまってカメラやレンズの実売価格が下がってきてしまった。 各社は慌てて出荷台数を絞り逆に販売促進費用(現金還付等) をかける羽目になり利益が下がってしまった。 半導体製造装置は売り上げも利益も堅調なので「半導体が悪かったわけではない」のがせめてもの救いだろうか。業績についてはデジカメの在庫が適正化されるかがポイントになってくる。 半導体製造装置が経済的に必要性によって買われる製品なのに対して、 民生向けのデジタルカメラは「贅沢品」だけに 欧米でインフレが進むと在庫が適正化されない可能性はあるので案外「インフレに非常に連動する業績」なのかもしれない。 この辺はカメラやゴルフクラブは同じような運命を背負った商品なのかもしれないね。

この辺は何十年も前に「 カメラが欲しい」 と言う本の中で赤瀬川源平が 書いている通り。くどいけど読んだことがない人は一度読んで欲しい。

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昨日とは一変して半導体製造装置が総崩れになった。 新しい材料が出たわけでは無いけれど、

メタのガイダンスが「必ずしも今、 直ちにAI産業が儲かっているわけではない」と言う現実を見せてしまった。そうなると半導体投資や半導体購入に腰が引ける人間が出てくるんじゃないかと言う発想。これが売りにつながった。

レーザーテック3.5%の下落、エレクトロン3.5%の下落、ディスコ2.8%の下落。アドバンテスト1.7%の下落、スクリーン3.9%の下落。

半導体メーカーでもTOWA 2.3%の下落、ソシオネクスト3.2%の下落。 関連産業では洗浄用純粋のメーカーである野村マイクロが昨日のストップ高から1点して5.5%の下落。ウェハーメーカーの信越化学が2.7%の下落。

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電力株ガス株の下げもきつかった。 先週までは「ブーム」的な値上がりが続いていたわけだが今週に入ってからの下落でポジションを閉じる動きが続いている。東京ガスは9.6%の下落。 東京電力3.1%の下落、 北海道電力は4.0%の下落。陰線が3本並ぶ3羽ガラスのような形になってしまった。

北海道電力日足

 


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アメリカ市場では社債向け半導体の株が上がったわけだけど、日本では車関連の部品を作っている銘柄が決算などで上がっているのが目に付く。

コネクターを作っている日本航空電子が7.7%の上昇、 同じくコネクターのイリソ電子も2.9%上昇。車載向けにクリスタルが売れる大進空が4.3%の上昇、ニデックが1.3%上昇と切り返し。 ルネサスは0.5%の上昇と半導体銘柄としては逆光高。ロームも底堅かった。

その他今日は資金の握場所としては薬品株等が強かったが、この辺はトレンドを作ると言うほどまでも行っていないところか。

ローム日足 終値はマイナスだったが、陽の陽はらみで終えている


週足は包み足


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明日は昼休みに日銀決定会合がある。 日銀の政策決定会合は年に8回行われるわけだが、今回は年に4回行われる「展望リポート」(経済・ 物価情勢の展望 基本的見解)の発表回でもある。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/m_ref/mref230728a.pdf

展望リポートの中身次第では、近い将来における日銀の金融政策の考え方がドラスティックに変わる可能性がある。昼休みにかけてはポジションをとにかく慎重に。

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S&P500 5048ー23(ー0.48%)NYダウ38085ー375(ー0.98%)

NASDAQ15611ー100(ー0.64%)

アメリカ国債10年利回り日足 PCEデフレーターやGDPを見てスタグフレーションと判断した最近市場は国債を売る動きに入れて利回りは上昇している。株価にはマイナスインパクトとなった。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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米国市場はメタの決算を受けたこと、 PCEデフレーターが悪化し、さらにGDPも下目線。これで株価は落ちた。 のだが。。

アメリカ人は楽観的なので、下がったところでで押し目買い。 ナスダックは2%下げる局面があるなどかなり悲観的なところから 株価は0.6%下落まで戻した。そして引き後の決算。注目のMicrosoftとアルファベット。

6時現在、 Microsoftは ザラバで2.5%下がった後、 時間外で4.7%上昇。 アルファベットはザラバ1.9%下落した後 時間外で15%上昇。 この2銘柄が上がったおかげでナスダック先物が大きく戻していて、これが225先物にも かなり強い影響を与えている

こうなると指標は何だったんだって言うことになるね笑 ナスダックも225も先物が急上昇。225は250円近く戻して取引を終えている。もう今日書くこと何にもないじゃん…

225先物 夜間の値幅が上下で700円出ているある意味では波乱の展開となっている。

 


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あくまでも一般論だが、 右往左往したら負けが膨らんでしまう。 方向性を決めて高くなったら売る・安くなったら買うと言うふうにしていくしかないんだろうな。そしてポジションは小さく。値動きがはあまりにも大きすぎる時にはバットを短く持っていくしかない。

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アルファベットは創立依頼初めて配当を実施することを発表。700億ドルに及ぶ自社株買いも発表した。配当は1株あたりわずか20セントなんだが…。 またデータセンターに数10億ドルを費やしていくことも発表している。 なお時間外で1時間ほどで増加した時価総額は軽く2500億ドルを超え、3000億ドルに迫ると言ったところ。1時間でトヨタ1銘柄を超える時価総額が簡単に増えてしまう笑

市場予想が売り上げ高785.9億ドルだったところ、実績は805.4億ドル。ポジティブサプライズとなった。市場は広告収入を602億ドルと読んでいたわけだが、Googleによれば617億ドルと上ぶれしている。 この数回決算のたびにアナリスト予想を下回ってきたアルファベットの売り上げ高が久しぶりにアナリスト予想を上回った形。 生成AIについても、 クラウドサービスの売り上げ増加に つながっていることが確認されたことがポジティブと言えるだろう。

Microsoftについてもザラバの下げを時間外で取り返す形になった。

とりあえず速報で送ります。

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NY2024年4月25日(木)つづき

S&P500 5048ー23(ー0.48%)NYダウ38085ー375(ー0.98%)

NASDAQ15611ー100(ー0.64%)

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備忘録

PCEコアデフレータ(前期比年率)前回2.0%、予想3.5%、今回3.7%

新規失業保険申請件数、前回21.2万件、予想21.4万件、今回20.7万件

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ザラバはインフレ懸念、さらに景気にも不安が残るスタグフレーションを嫌った動きではあった。GDPが前年同期比年率で1.6 %増(前期は3.4%だったので大幅な減速)。予想は2.4 %増だっただけに大きく下振れ。 PCEデフレーターのコア部分は最も注目される指標ではあるのだが前年同期比で3.7%の増加とインフレが再加速した形になった。これでは連邦準備委員会は年内の利下げが難しくなってくる。一方で金利の高止まりが続けば景気底割れも見えてきてしまう。 まさにパラドックスを抱えた状態となっている。 ストラテジストの間ではスタグフレーションという言葉も見られた。これで寄り付き直後は株価は大きく下げたのだが…。

決算もIBM、キャタピラ、サービスナウなど メタに限らず結構悪いのが多かった。キャタピラーの下げはこの52週間なかったほどの率になっている。

キャタピラー日足 7%の下落。 1時は10%ほど下げていた


また決算で下げていたエヌビディアやブロードコムといった半導体はしっかりだった。日本では半導体は売られていたわけだが、アメリカではメタが決算が悪かったとは言え、そのメタ自身が半導体を含むデータセンターへの設備投資を積極的に行っていることが明らかになったとしてデータセンター周りの半導体が買われている。

エヌビディア


ブロードコム


スーパーマイクロ コンピューター


テスラ


ただしインテルは時間外で 下落。これをインテルだけの問題と捉えるのかどうか。

https://finance.yahoo.com/quote/INTC?.tsrc=fin-srch

26日には PCE物価指数も発表される。この数字が低ければ再びインフレ抑制期待が高まるだけに下値を売り叩くのも怖かった。さらに決算を控えている大型ICT銘柄を 売りで叩くのも怖かったと言う面があったんだろう。ザラ場中は値段を戻していた。そしてその後はさっき書いた通り。

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政策決定会合と言うイベントを 今日の昼休みに控えていること。気がつけばもう4月も終わりでゴールデンウィークに入っていくこと。この辺を考えながらのトレードになるだろうね。慎重に慎重に。慎重すぎてダメと言う事は絶対にない。たとえ儲け損ねたとしても逆を行ったら…。とにかく確信がない投資行動をしてはダメな局面が続く。絶対に自信があるところだけに勝負に行きたい。

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東京市場2024年4月26日(金)

TOPIX2686+22 (+0.86%)NK225 37934+306(+0.81%)

TOPIX日足


N225日足




TOPIX日中足  今日の日中足は2つの指数の値動きが全く一緒に見える。おそらくイベントドリブンのヘッジファンドや商品投資顧問などの短期的な資金が先物を中心に大きな売買を見せたんだと思われる。


N225日中足


日本国債10年利回り日足  国債買取の減額等が出るのではないかと言う懸念から金利は0.9%を超えてきたわけだが、予想外に減額は無し。0.9%付近まで金利が低下する形になっている。


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東京市場は大きく反発している。ここのところ乱高下が続くわけだが、木曜日830円下げた反動もあったと思われる。

アルファベットの決算が良かった事は半導体などにはプラスの効果をもたらした。ただ決算を見てから225は変わらず位まで下げる場面もあったので必ずしもアルファベットが日経22を上げたとも言い切れないところもある。

今日は「 移動平均線に近づく日」 の順番だった

日経225日足


注目の日銀会合の結果が発表され 政策の現状維持が打ち出された。 現在の緩和的な金融環境が少なくとも数ヶ月は続くと見た海外勢が先物に買い戻しを入れたり新規の回を入れたりして1時は470円ほど上げる場面もあった。 

特に 長期国債の買い入れの現状維持はやや意外感 があり株が買われる結果につながったと見られる。(市場は金利は末だろうが国債の買い入れの減額を決めてくるのではないかと見ていた) 最も注目されたいわゆる 展望リポートも「当面、緩和的な金融環境が継続する」との表現。 ニュースなどに反応する イベントドリブンのヘッジファンドもこの文言に反応して買ってきた と見られる。

乱高下する中でやれやれという感じの売りが出て、午後も230円高まで上げ幅を縮小する場面はあった。この辺は強弱間の対立も出ている。 1日の値動きも大きいし、1日の間に上下の回数も増えてきている。ワンサイドの値動きではなかった。

物価や賃金の上昇で不動産の値上がりが目立つ中で当面金融緩和が続くと言う見方から不動産が高い。(不動産業と言うのは金利との戦いの業種でもある。金利が安ければその分収入も多くなる。さらに現状では不動産の価格が建物を中心に上がっていて 建物を有する不動産会社には有利に働いている)

円安が日銀の政策決定によってさらに進んだことで、自動車株には買い注文も 入った。 ただ逆にここまで円安が進むことでさらに市場介入の可能性は高まったのではないかと言う警戒感も。このためトヨタなどが重くなる動きにもなっている。

緩和政策が続くことで円安が進み、日本国内でもインフレ圧力が高まると言う見方が強い。これは不動産などには追い風ではあるのだが 緩和を継続すれば逆にインフレが個人消費などを冷やすと言う意見もある。 適温の経済成長のためにも6月や7月では利上げがあるのではないかと…

売買代金は4兆9600億円と 増えている。昨日様子見で出来高が減った反動、今日は材料が出たことによって上まで買いに来たボリューム、この2つが合わさったものだと考えている。

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政策決定会合の結果がハト派路線 と受け止められたことから不動産株が強い。 もともと決算が良かった野村不動産ホールディングスが 7.2%の上昇。 三井不動産が3.6%の上昇、 三菱地所が1.8%の上昇、 東急不動産が2.3%の上昇、 住友不動産が1.9%の上昇、 東京建物が1%の上昇。

野村不動産日足


大手不動産会社は、特に都内や大阪で土地建物を多く保有しているために 緩和的な政策が続くことで不動産価格の値上がりが期待できること、緩和的な政策が続くことで金利負担が当分少なくて済むこと。これらが株価を押し上げる要因になっている。

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半導体銘柄はまちまちだった。レーザーテックが2.1%上昇した一方でディスコは2.2%の下落。ソシオネクストが7.8%上昇したものの、決算 がされなかった信越は買収 に伴うのれん代の発生の懸念もあって6.3%と大きく下落している。この辺はメタとアルファベット両極端の決算が出たことで必ずしも半導体がバラ色ではないと言う警戒感が出ているのだろう。今まで大きく上昇してきただけに換金売りをしやすいと言う面もある。

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トヨタは0.3%の上昇にとどまった。円安進行で 午後の寄り付きに1%以上上げる場面もあったのだが、戻り売りも分厚かった。ドル円相場についてはもちろん円安は歓迎されるのだが進めば進むほど為替介入の恐れも強くなる。この辺は自動車株にとっては痛しかゆしなんだろう。

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北海道電力は決算後で時間外で下落。


チャートはちょっと崩れてしまってるね。

北海道電力 週足 毛抜きになってしまっている。


ソシオネクストも時間外で9.9%の下落。かなり失望を買ってしまったか。1時は3810円をつける場面もあった。


さらにアドバンテストは時間外で8.3%の下落。


オリエンタルランドも時間外で2%近く下落している。


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NY2024年4月26日(金)

S&P500 5099+51(+1.02%)NYダウ38239+153(+0.40%)

NASDAQ15927+316(+2.03%)

アメリカ国債10年利回り日足 インフレ指標は強く出たものの、予想の範囲内と言うことで債券は押し目買い。金利が低下した事も株価を押し上げた。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 移動平均に近づいて取引を終えている


NYダウ日足  ダウの方が上昇が鈍いのはインテルやボーイング、IBMなど「かつての花形の不調」が指数に反映されているからといえる。その意味でダウ平均は「古い指標」になってしまっている。 昨日はディフェンシブの下落もあった。またぞろ銘柄入れ替え議論が強まるんだろうね。指数に投資するパッシブ投資の拡大は「指数に組み入れる銘柄が株価が上がる銘柄で無いと指数間の競争に負けてしまう、と言うよく分からない事態も引き起こしている。


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足


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アメリカ市場は上昇して取引を終えている。

特にナスダックは2%以上上昇し、週間での上昇幅は去年の秋以来の最高水準になっている。

ナスダック週足  先週が2年間でも最大級の下げ幅、 今週が最大級の上げ幅 になっているのがわかるだろうか。 週足で見ると 25日移動平均線がサポートした形になっている。まだ下げトレンドとは言えないんだよね。


相場を牽引したのはアルファベットとMicrosoft。アルファベットが9.9% Microsoftが2%以上上昇して相場を押し上げた。 この2銘柄のうち 業績が良かったのがいわゆるクラウドの部分。これがAIの需要によって押し上げられたと判断した相場参加者がAIがらみの銘柄を買ってきたことも相場を押し上げた。 メタの決算が悪かったことについては、メタの個別事情なのではないか?と言うやや都合の良い解釈がなされている。 その他個別ではスナップが27%の上昇。この辺もICT銘柄に強気の心理をもたらした。

これに先立って、パウエル議長も最も重要視するとされている 3月の個人消費支出価格指数のコア部分は去年に比べて2.8%上昇。予想の2.7%を上回った ものの、前日に強い経済指標の数字が出ていたこともあって金曜日は相場を下落させるには至らなかった。

相場参加者の間では、GDP速報値の中でもインフレ圧力を示す指標が出ていたことから、この日の消費支出の上昇は織り込み済みだった、と言う解釈が聞かれている。

ただPCEコア指数の強い数字を見た参加者は今年の利下げ回数は1回だろうと言うふうに予想を低下させる傾向にある。 (そもそも今年の最初の段階では7回利下げがあるのではないかと言うふうに思われていたのだ。相場参加者の間では利下げ開始時期の大幅後倒しが行われていると想定されている)それでも株価が下がらないのは、昨日のMicrosoftやアルファベットのように「AIによって新たな経済成長が続いているのではないか?と」言う期待感があるためと言える。

参考 CME カウントダウンFOMC  12月FOMC終了時点でのFFレート予想 (なおFOMCは二日間にわたって行われ年内あと6回。5月1日、6月12日、7月31日、9月18日、11月7日、12月18日に結果が発表される予定。コロナ発生など重大な事象が発生した場合は臨時開催あるいは開催日時の変更があることがあります)



相場の行方は、アルファベット効果、Microsoft効果が1日だけで終わるのか来週以降も続くのか。この辺に移っていくんだろう。半導体企業の決算そのものは必ずしも良くなかった。それでも未来の回復を込んで買われた。 どっちが正しいんだろうと言う答え合わせになる。

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ソックス指数の大きなリバウンドを見せている。 下でも書くけど アルファベットやMicrosoftのクラウド部門の好調が半導体需要が高まるのではないかと言う期待感に つながっている。

エヌビディアが 100%を超える大幅上昇となり、ブロードコムやマーベルといったAI関連が大きく上昇。 連れてASMLやテンコールと言った 半導体製造装置も買われている。Texas Instrumentsの高決算を背景に、モノリシックなどパワー半導体も買われている。

勿論これは microsoftやアルファベットが巨額の半導体投資を続ける姿勢を決算で示したため。期待感が前のめりという感じはするけれども。この辺実績が 伴わないうちに理想買いを再び再開したと言う感じだろうか。分水嶺までの戻りと言えると思う。

エヌビディア日足


ブロードコム日足


マーベル日足


モノリシック日足


SOXはネックラインまでの戻りを見せた。


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とにかくMicrosoftとアルファベット。アルファベットは最大12%高まであった。結局上昇率は9.97%まで縮小したもののそれでもこれだけの大型株が動くのがアメリカ市場のダイナミック差だと言えると思う。何十兆円と言う時価総額増減は日本では考えられない話。

アルファベット日足 窓を開けての大幅高、ただし陰線を引いた



上でも書いたけど、指数全体に波及効果が大きかったのはMicrosoftとアルファベットのクラウド部門が好調だったことも大きい。クラウド部門の使用の増加は、AIによるものと考えられるからだ。そして両者のクラウド部門は半導体を大量に消費する部門でもある。つまりAIの拡大に伴って半導体の使用量が増えると言う従来の思考回路が生き返った形になった。

また、昨日のアルファベットの決算でも明らかになったのは、サードパーティークッキーの制限によって数年前から落ち込んでいたネット広告が、少なくともアルファベットに限っては 回復を見せていること。もちろん検索があると言う技術的な優位性はあるのだが、きちんと技術的対応を行えば広告の効率も戻り、出向が期待できると言うことなんだろう。

さらにこれを補強したのがスナップの好決算。 アクティブユーザは4億2200万人と会社側の見込みをそれほど上回っていないものの、 第一四半期について従来は11億ドルと見込んでいた売上高が12億ドルに伸びた。これは前年同期比で21%の上昇。過去2年間において最高の成長率となっている。 ここにおいてもサードパーティークッキーの規制のおかげで落ち込んでいた広告 収入が大きく回復しであることを示していると言えるんだろう。

スナップ日足


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NY2024年4月29日(月)

S&P500 5116 +16(+0.32%)NYダウ38386+146(+0.38%)

NASDAQ15983+55(+0.35%)

アメリカ国債10年利回り日足 国債に押し目買いが入って、利回りが一旦低下したことも株価を支えている。ただしこの影響で銀行株は冴えなかった。


アメリカ国債5年利回り日足


S&P500日足 ちょうど50日移動平均線まで戻った形になっている。


NYダウ日足


NASDAQ日足


NYダウ日中足


NASDAQ日中足 あすのFOMC結果発表前に手じまい売りが出る場面もあったのだが、ポジション調整の買い戻しもはいって最後はプラス圏で引けている


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5月1日に連邦準備委員会の政策決定発表を控えたアメリカ市場はマグニフィセントセブンなどの決算を期待して小幅ながら上昇して取引を得た。 テスラが電撃的に中国における完全自動運転の実施を中国政府と話し合ったこと(政府から実施の許可を得たとされる) から一時15%以上株価が上昇、一時は200ドルに乗せようかと言う場面もあった。これに牽引される形でICT銘柄や半導体銘柄の1部に買い注文が入った。 さらにはAppleについて、今年中に出てくるiPhoneに「1部」人工知能機能が組み込まれることをアナリストは高評価。投資判断の引き上げが確認されたことで株価が上昇している。

既に発表されたSP 500の企業決算のうち、80%の銘柄が市場予想の1株利益を超えてきていて、業績が悪くないと言う期待感が相場を支えている。

ただ、アメリカ財務省が今の四半期の借り入れ見込みを410億ドル増額して2430億ドルとしたことで国債の需給が緩むと言う見方から金利がやや上昇。今後も借り入れが増えるならば金利が上昇する様子があると言うことで株価の 足かせにもなっている。

1日の金融政策の決定では、 政策金利の据え置きは1000%決定していると見られるが、今後の金融政策についてどういう風な考え方を示すのかが最大の注目点になっていく。焦点は再び緩和政策に戻っていくのか、それがいつになるのかと言うことになる。 今週は4月の雇用統計が出てくるために、FOMC後も 金利が動く可能性は充分あるだろう。

今週は何といってもAmazonとAppleの決算がある。先週のアルファベットの決算で市場がかなり楽観的になっている中でどれぐらいの決算が出てくるのかが注目。他にもAdvanced Micro Devices、コカコーラ、イーライリリー、マクドナルド、のノルディスク、スターバックス、そしてスーパーマイクロコンピュータといった相場を動かす可能性がある大物の決算が続く。

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電撃的に中国を訪問したイーロンマスクは、「 完全自動運転」(テスラが「自称」するもの、FSDと呼ばれる) 技術を中国で導入する許可を得て帰国。これを発表した後テスラ株は大きく上昇した。

これをみて ウェットブッシュのアナリストがダンアイブスが面白いコメントを出している

この契約を手に入れたテスラを買うのは、今後1週間2週間の需要ではなく、将来的な需要の回復を買うようなものだ。 中国がマスクにかけたのは、NBAのプレーオフで(レギュラーシーズンでは二位だったが充分優勝の可能性があるNYニックスの) ブランソンにかけるようなものだ。 として充分の価値があると強気姿勢を見せている。

中国はこれまで、自動車の配車サービス等について 中国政府が得られないビックデータを一般企業特に外国の企業が手に入れることを恐ろしく嫌ってきた。配車サービスのソフト配布を制限するなどはまさにこの類だった。 テスラが自動運転を導入すれば、中国中の交通データがテスラに集まる事は間違いない。本来ならばこれを許す事は考えづらいと思われてきたのだがテスラはこれを実現した。 (他の会社が中国政府からの許可を実現する事はまだまだ難しいだろう) 中国における競争で優位に立ったのは間違いない。もちろん一瞬にして覆されるのが中国政府なんだろうが。

参考テスラ日足


参考テスラ週足 (月曜の足は含んでない)


なお、EVではミューレンが 81%上昇。カリフォルニア州がミューレンの電気トラックに 1台につき45,000ドルの現金引換券を付与すると発表。これがサプライズになっている。

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決算を控えたAppleは、期待感から2.5%の上昇。

バーンスタインソシエテジェネラルが、 人工知能導入の次期iPhoneの買い替え効果を期待して中立判断をアウトパフォームに引き上げ。 バーンスタインは2018年以来Appleを中立(これだけの大物銘柄を中立にすると言う事は事実上売り判断と言っていいと思う)して以来頑なと言えるほどAppleには否定的な見解を示してきたわけだが、実に6年ぶりに強気判断に変えてきた。これが話題となってApple株は大きく挙げている。

Apple日足


スーパーマイクロコンピューターが3.9%と大きく上昇。アマゾンも0.7%上昇している。 アドバンスドマイクロデバイスも1.8%の上昇と買われた。

逆に既に決算を終えているメタが2.5%下落、Microsoftが1%の下落、 アルファベットも3.4%下落している。決算が良かったアルファベットが反動で下げていると、決算は悪かったネタが続落していること。この辺は面白い値動きになるだろうか。

半導体はまちまちと言っていい。 ソックス指数自体は0.6%を上昇となっていて相場全体を押し上げる形にはなった。ほぼ月曜日の高値で弾けている。ただし朝方は先週の上昇の反動で4700ポイントを割り込む場面があった。相場全体としては、人工知能のチップセクター以外はそれほど素晴らしいわけでもない、ただしパワー 半導体など今まで業績が悪かったあたりが回復しつつあるそんな感じ。

SOX日足


SOX月足 まだギリギリ包み足になっている


全体としては上昇したものの、ソックスの中でも高安まちまち。バーンスタインがAppleの投資判断引き上げ(とiPhoneの買い換え需要見込み)につられて Apple向けに強いスカイワークスが3.4%上昇。連想から通信半導体のクアルコムも高い。

パワー半導体なども手がける オンセミコンが4%の上昇。 パワー半導体は先週から循環物色された形になっている。

オンセミコン日足

 


しかし業績が冴えないインテルが引き続き1.6%下落になったほか、 同じく受注が悪くて半導体の足を引っ張っているASMLは 1%ちょうどの下落。マーベルとブロードコムはそれぞれ反落している。

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仮想通貨下落もあってコインベースが7.7%下落と仮想通貨関連株が下げた日。

UVERテクノロジーが2.4%下落、ユナイテッドヘルスが1.3%下落、決算が悪かったソフィが 10.5%の下落、バンクオブアメリカが0.7%下落するなど銀行株は先週までの上昇の反動で冴えない1日だった。

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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。


東京市場2024年4月30日(火)

今月もご愛読ありがとうございました 。来月もまだまだ荒っぽい相場が続くと思いますが、皆様の利益につながるように頑張っていきますのでよろしくお願いします。こういう時こそ守りを固め確実に利益をとっていきたいですね。

TOPIX2743+56 (+2.11%)NK225 38405+470(+1.24%)

TOPIX日足


N225日足


TOPIX日中足


N225日中足


日本国債10年利回り日足


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月末30日の東京市場は470円と大きく上昇して取引を終えている。 ただし1時700円近く上昇した場面があったり逆に250円まで上昇幅を縮める場面があるなどかなりボラティリティーが高い相場になった。 月末特有のリバランスの売買もあったと見られ、売買代金は5兆6000億円と膨らんだ。 明日アメリカではFOMCがあるものの、FFレートの変更は無いと見るのがほぼ100%、 とりあえずは先週末のアメリカの上昇を追随する形で上を買いに行った。 33 業種のうち、31業種が値上がり。ほぼ全面高と言っていい 。TOPIXの方が225よりも上昇率が高いように業績を背景に海運株などのバリュー株や出遅れの医薬品やゴム製品等が買われている。中国の景気対策などを期待して機械株が上昇したのも特徴の1つ。 機械ではなくてもマザーマシンを手がける三菱電機が決算を見て大幅上昇したのも特徴の1つだろう。

またエリオットが買ってきたと言う報道で住友商事が上場来高値を更新。大手商社は軒並み上場来高値更新となった。

一方で、大幅赤字拡大となった住友化学が売り直されたり、市場予想に届かなかったオリエンタルランドが年初来安値を更新。円安デメリット銘柄ではニトリが改めて下げている。業績にはかなり敏感な地合がつづく。 ウィルスナビアやQPSなど 3月4月に個人投資家の人気を集めた新興銘柄も下落が目立っている。

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タムロンは大幅高。 ご存知 ソニーの系列会社。 一般的にはミラーレスカメラのレンズなどで知られる。。 しかしながらその技術力を生かして車載用のカメラや スマホのレンズ、その他 様々な小型の映像記録装置のレンズも手がける。

ソニーは半導体の中でも映像記録組織であるC-MOSに 多額の研究開発と設備投資を行い、それを売りさばくために胃カメラから車載用のカメラ、監視カメラまで幅広く販売先を広げる努力をしてきた。便乗すると言うと言葉は悪いが、その努力が実る形でレンズの売り上げも伸びてきたと言うわけ。 ソニーのC-MOS事業と 非常に密接な関係があると言っていいんだろうね。1000円ストップ高。

タムロン日足


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5月1日に双日と三井物産、 2日に 三菱商事と住友商事と丸紅、8日に 伊藤忠商事と決算が続くわけだが、今日は 「ものを言う株主」(アクティビスト)としてしられる エリオットが住友商事の株を保有しているのではないかと言う報道が出て住友商事が6.3%の大幅上昇。 つられる形で 三菱商事が2.6%上昇、伊藤忠が3.4%上昇、三井物産が1.6%上昇、丸紅4.3%上昇。軒並み上場来高値を更新する形となった。5大商社が 揃って上場来高値を更新するのは久しぶりのことになるね。自分が現役だった2000年の頃はすべての商社が潰れるんじゃないかと言う位株価下がったわけだがあれから24年、本当に商社は立て直したと思う。

住友商事日足


三菱商事日足


伊藤忠商事日足


丸紅日足


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三菱電機が15%の上昇。 決算をポジティブに捉えた。中国の 景気減速などであまり決算は良くないと思われていたが、今期最終は2期連続最高益更新となる見込み。 家庭用及び産業用の空調機器の需要増加に加えてファクトリーオートメーションの 採算性の向上、政府の防衛費拡大による防衛宇宙システム部門の事業規模拡大が寄与する。今期の最終利益は3150億円を見込むと言う。 もちろん大幅な上場来高値更新となっている。

チャートは、 ラウンドボトムから、プラットフォームを作り、その後上場来高値 を取っていったと言う形からの上昇だった。このチャートとにかく覚えてもらいたい。とても応用が効いて何度でも何度でも儲けさしてもらえる形だからだ。

三菱電気月足  なお、過去の値動きの解説であって、将来の予想をするものではありません。


ソーサーボトムとは。

https://info.monex.co.jp/technical-analysis/indicators/020.html



後出しでは無いんだよね。 Xではこんなことを書いた記憶がある。

(こういうことをメルマガに具体的に書けるように、投資助言の資格を取りたいですね。そのためにもお客さんが欲しいと言う泣き事)


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