2016年7月15日金曜日

交通事故は誰にどこまで責任が?

2008年に首都高でタンクローリーがひっくり返って炎上し、首都高の5号線が結構長い間使えなくなった事故を覚えているでしょうか?燃料を20トンほど積んだタンクローリーがスピードを出し過ぎ、コーナーで曲がれなくて横転、火がついて高速道路が使えなくくらい燃えちゃったという事故です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
首都高側は、タンクローリーの運転手個人と、タンクローリーの運送会社、そして荷主である出光興産の三者に対して道路の復旧費用及び、通行止めの期間の通行料金を損害賠償請求していました。

この裁判、東京地裁でおこされたので、僕の従姉妹が担当するかもてんで、運送屋さんってどんな保険かけてるの?っていとこに聞かれた記憶があります。結局他の裁判官のところにいったみたいですが・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
判決は復旧費用と、復旧するまでの通行料金の損失を認めて、運転手本人と運送会社に賠償責任を認め、出光興産(=荷主)には責任を認めませんでした。荷主に対しては責任を限定した、と言えるでしょう。

まあ確かに、そこまで責任を認めていれば、「荷主としてはやってられないよ」という気はします。
一方で「荷主にもある程度責任を認めるべきだ」という発想も成立しうるわけです。

例えば、タンクローリーの場合、おそらく出光興産のガソリンだけを運んでいたんではないでしょうか??こうなってくると会社は別だけど荷主側と輸送主体ってのは「一体」じゃないの?という疑問も出てきます。被害者側から見れば荷主にだって一定以上責任あるよね、と。

架空の話ですが例えば石油元請け会社が、運送部門だけをスピンオフして事故を起こしたとしましょうか。この時運送部門(会社)だけに賠償責任があるとすると被害者側からすると「トリッパグレる」恐れが高まる。こういうケースと、単純な荷主なばあい、あるいはそのグレーゾーン、それぞれで結論が違ってもいいと思うんだよね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あるいは、きいたはなしですが「日通」なんかは建設機械を運ぶ部門を子会社別会社に移すんでは?と聞いたことがあります。特車関係で法律問題が発生する重機運送部門を本社内においていくのは「危険」と言う判断。万が一何かあっても「子会社のことなんで」と逃れられると。

こういうスピンアウトによる本当は運送主体だけど「依頼者」になってしまうようなケースをどう判断するのか。この辺までは詰めていないようです

ーーーーーーーーーーーーー
損害賠償からは話がそれるけど

例えば、建設省発注の道路工事とか、NEXCO発注の道路工事のために資材を運搬している車が交通死亡事故を起こしたとします。

いままでなら、ゼネコンはあくまで荷主であって、事故までは責任持てないよ、ってなところだったです。
しかし今では、可及的速やかにはッ駐車である建設省やNEXCOなどに事故を報告しないとかなり怒られるそうです。もちろん報告したら報告したで「管理責任どうなってるの!!」と怒られるそうな。

時代はそういう「厳しい方向に移りつつある」と言えるでしょうね。

運送主体である我々ももっと安全に気をつけなくてはいけないし、荷主側も今まで以上に「責任」というものに向き合っていく必要があるのかもしれません。

業務用デジカメの恐るべき高性能化とレタッチと言う作業。

デジカメはどんどん高性能化しています。一眼レフカメラなどは解像度で言えばすでに昔のフィルムを大幅に超えているモデルもあるんです。

大昔、写真館のカメラマンが持ってた大型のカメラ見たことありませんか?

 
このカメラは巨大なフィルムが入っていて、結婚式の写真みたいにものすっごく大きく印画しても耐えられる超高解像度な写真が取れるというものでした。
 
しかしながら、今のプロ用のデジカメはそんなカメラの解像度でさえも超える解像度を誇ります。2000万画素4000万画素みたいな冗談みたいな画素数が「最低限」担ってきました。
 
今や小さく印画した場合は人間の目では確認できないようなものも実は写しとっていたりするんだそうな。ポスターサイズに拡大すると「こんなものまで」っていうのが写り込みます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ネットの記事で話題になっていた稲垣さんの写真もこれに相当するでしょう。
 
 
稲垣さんの写真。目を拡大すると

カメラマンと、扇風機を手にしたスタッフが目に写り込んでいますw
写真集などなら間違いなくフォトショップで消すんでしょうが、そこまで思いが至らなかったんでしょうね。C-MOSの長足の発達はここまで来ました。すごいことなんだけど、カメラマンにとっては余分な仕事が増えるという割にあわない話ではありました
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おまけ
そう、瞳の中がこれだけ移るということは、普段のシミやそばかすも本当はものすごくうつりこんでいるということでもあリます。

広告に使われるような女優の写真は、何時間、何十時間にも渡るフォトショップの成果であることはここで言うまでもありませんね。
 
 

2016年7月14日木曜日

血の飽和と新しい血の台頭の待望

セレクトセールが活況のうちに終わりました。二億円超えが続出し、3億円に迫る馬も複数。

セレクトセールは日本の馬の生産最大手である社台グループが中心になって行う競り市です。sや大ファーム自慢の良血馬がどんどん売りに出されるため、非常に活況を呈しますし、高額の取引も多い。今年はモハメド殿下やクールモアスタッドなど世界的に有名なオーナーブリーダー(生産も行う馬主)が競りに参加し注目を集めました。

ホンの20数年前まで、競走馬の売買は「庭先取引」という形で行われました。牧場は「長年の付き合い」を重視しお得意様だけにいい馬を売る。いい馬と抱き合わせで他も買ってもらう。
あるいはいい馬は売らなくて自分で所有して走らせる。

逆に一見さんがいくら大金を積んでもけんもほろろ。相手にされないなんてことも往々にしてありました
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それを変えようとしたのが「セレクトセール」だったのです。これを始めた社台グループは、自分のところの最もいい馬こそセリに出し「お金さえ払えば誰でもいい馬を買える」という事を始めたのです。今考えればそんなの当たり前やん、と思いますが昔は当たり前ではなかった。

三冠馬ディープインパクトもセレクトセールで買われた馬。それより数年前ならこの馬を買うということはお金以前に「付き合い」が必要だったでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本題

ことしのセレクトセールではディープインパクト産駒が人気を集めました。何頭も二億円を超える価格がついたのは「異常」な気もしますが、社台ファームは世界中からG1を勝った牝馬を買い集めてきて子供を生産していますし、今年のダービーを見ても「ディープインパクト✕良血馬」が多く他の馬では対抗できない雰囲気さえありました。人気が集中するのも致し方ありますまい。

さらのこの20年で「種付け技術」も大きく向上しました。
昔は年間100頭も種付けできれば「多いなあ」と言う感じでしたが、いまは最大で200を超える種付けをこなす種馬もいます。(昔は三回くらい種付けしないと受胎しないこともあったが、いまは一回で受胎することが多い。またハイセイコーの父チャイナロック(性豪というニックネームあり)やサンデーサイレンスのように「何度も種付けしても大丈夫」「受胎率が高い」というのもそれは種馬としての大きな資質の一つとも言える。(逆にメジロマックイーンの父メジロアサマのように「受胎率が極めて低い」うまはいくら優秀な遺伝子を残せる馬でも種馬としては成功できないだろう)

結果、人気のあるサンデーサイレンスの血族、なかんずくディープインパクトの子ばかりが増えてしまう。短期的にはそれでいいんです。でも10年、20年先を見たら???
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
過去、1980年台にはノーザンダンサーが生産界を席巻しました。日本でも社台ファームが擁した「ノーザンテースト」が何年にもわたって種牡馬のトップに立っていました。社台ファームは「父ノーザンテースト」という牝馬をたくさん抱えることになります。これらの牝馬には当然ノーザンダンサー系のたね馬はつけにくい。近親交配が強くなるからです。

そこで社台ファームは稼いだお金で積極的に種牡馬を買うことにしました。そのうちの一頭がトニービンであり、サンデーサイレンスだったのです。
特にサンデーサイレンスは稀有な競走成績を持ちながら、血統的には種牡馬として成功しにくいと思われていました。しかし自分の目を信じて吉田善哉氏はサンデーを10億円超という破格の値段で買い付けます。彼はサンデーの仔が勝ちまくることを見ることなく亡くなりましたがその眼力の御蔭で日本の競走馬の質はとんでもなく上がったと言って良いでしょう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そう、日本の競馬生産界が次にスべきことは「優秀な種馬」ということになるんでしょうかね。あるいは今こそ海外から非サンデーサイレンスな優秀な牝馬を連れてくることかな。

そういう意味で先日ブログでも「非サンデーサイレンス」の新種牡馬を取り上げてみたわけです。
今のところ、ルーラーシップ産駒の良さが目につきますかね
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おまけ
偉大な種牡馬はたいてい「性豪」なんですが(ノーザンダンサーもそうでした)、極稀に全然種付けが好きじゃない馬が歴史、血統表に大きな影響を与えることがあります。

最も有名なのは「ザテトラーク」という馬でしょう。芦毛の馬は優性遺伝なのですが世界的に見てもかつやくしている芦毛の馬はたいていこのザテトラークという馬を血統表に持っていてここから芦毛をけいしょうしている事が多いのです。(芦毛の馬はすくなくとも両親のどちらか一方が芦毛でないと生まれない)。
それどころかザテトラークはサンデーサイレンスやノーザンダンサーの血統表にも登場します。

七戦して負けなしのスプリンターだったザテトラーク。

この馬は種付けが嫌いだったらしく、「本当は射精してないのにいかにも射精した振り」をする小狡いやつでw年間数頭しか子供を作ることが出来なかったのです。生涯でも100数十頭しか子供を産んでいません。ところがこの仔馬たちが走りました。中でもザテトラークの娘が産んだマムードという種馬が大きな影響を与えるのです。マムードはノーザンダンサーの血統表にも登場しますし、サンデーサイレンスはマムードのクロス(父方にも母方にも先祖にマムードがいる)を持っています。血統的に言えば、サンデーサイレンスの爆発的なスピードはマムード(あるいはその母父ザテトラーク)によってもたらされたとも言えるでしょう。

種付け嫌いだったザテトラーク。かれがもう少し種付けが好きだったら?あるいは更に種付けが嫌いで全然タネを残していなかったら?
世界の競馬シーンは今とは全く違ったものになっていたでしょうね。

2016年7月11日月曜日

新種牡馬「リーチザクラウン」いきなり活躍?新馬戦の台風の目に。

ダービーが終わって二歳馬のレースが始まりました。

昔は早い時期にデビューする馬は大成しないというジンクスもあって7月にデビューする有力馬は少なかったんですが最近は技術の進歩とかあって「早い時期にデビューできる馬は早い時期にデビューする」流れができつつあります。いまの時期に賞金をとっておいて、クラシックの直前はゆったりしたローテションを汲むという形のプランも立てられるというわけです。

さて、、この前のブログにも書きましたが、「非サンデーサイレンス」の新種牡馬が期待される一方で、やはりサンデーサイレンス系の種牡馬も新種牡馬として出てくるわけです。いまは「サンデーサイレンスの孫」たちがデビューを始めました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
サンデーサイレンス系ではディープインパクトの子供、ディープブリランテ(日本ダービー)がもっとも期待されているかなという感じですが、新種牡馬のスタートとしては「リーチザクラウン」(父スペシャルウィーク、母父シアトルスルー)が期待を大幅に上回るスタートを決めています。

競馬をかなりやりこんでいる人なら覚えているかもですが、リーチザクラウンは「未完の大器」。
デビュー時からその能力は間違いなくクラシック級と言われた馬です。

デビューは二着に敗れますが、このレースがいわゆる「伝説の新馬戦」。1着アンライバルド(皐月賞、種牡馬)。3着ブエナビスタ(桜花賞、オークス、ヴィクトリアマイル、天皇賞、ジャパンカップ。)

鋭い足を使って一気にぬけ出すアンライバルド。追いすがるリーチザクラウン。そして外からとんでもない足で「飛んでくる」ブエナビスタ。ただの新馬戦のはずがG1レース並の大激戦。素晴らしい高レベルの闘いになりました。そりゃまあ、それだけの馬が勝ちに行くとレベルの高いレースにはなるとはいえ。。

レースが終わった段階では、いやー凄いハイレベルな新馬戦だったね。まさに伝説の新馬戦!ってみんなが思ったんです。

ところが。。伝説はこれだけでは終わりませんでした。この新馬戦、8番人気で4着に敗れたスリーロールスは1年後に菊花賞を勝つことになります(*^^*)



実に3頭のJRAG1勝ち馬がでて、別に重賞を勝った馬が出た新馬戦なんてそうそうはありません。
余談ながら5着のエイシンビートロンも後に地方競馬ながら重賞を勝ちました。

新天地が印象に残っているのは
きさらぎ賞。逃げて三馬身半の差をつけて完勝しました。ああ、これは強いと。



しかしどうしても本番(G1)勝ちきれなかった

皐月賞を二番人気で13着大敗
ダービーは人気を落とすも5番人気でロジユニヴァースの二着に健闘。
菊花賞は堂々の一番人気になるものの5着

激しすぎる気性が邪魔する面もあり、陣営はマイル路線に切り替えてみます。

するとマイラーズカップG2で復活の優勝。
この時、皐月賞馬キャプテントゥーレ、朝日杯フューチュリティステークスの勝ち馬セイウンワンダーを下してますから決してフロックでもないでしょう


安田記念では一番人気に押されます。
が、またしてもG1の壁は厚く惨敗。その後は輝きが戻ることなく失意のまま現役を去ることになります
競走馬にとっては致命的とも言える「喘鳴症」(ノド鳴り、気道が狭くなる病気)を発症したことも不運でした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
関係者は彼を見捨てませんでした。

彼を救った?のはその血統面でした。
リーチザクラウンの祖母クラシッククラウンはガゼルHなどG1を二勝。クラシッククラウンの半兄は大種牡馬チーフズクラウン。4代母はNYの牝馬三冠馬で、さらに五代母まで遡ると近親には牝馬ながらケンタッキーダービーを制した名牝ウイニングカラーズ(ゴールデンカラーズの母、チアフルスマイルの祖母)。あるいは

この馬、今は「ニシノフラワー」とか古くは「ニシノライデン」で有名な西山さんの所有。(生産は社台ファーム)。いまでこそ西山牧場は規模を縮小しましたが、昔は社台に次ぐ第二位の馬主だったことも有る馬主、生産者です。(なお繋養先はアロースタッド。西山牧場はいまは種牡馬の繋養牧場を持っていない)
長年の経験から「種牡馬としての可能性は充分にある」と見込んだんでしょう。

リーチザクラウンの初年度の種付け料はたった20万円。格安の種付け料となりました。G1を勝っていないという実績、すでにサンデーサイレンス系のたね馬が飽和している現状では仕方ないのかもしれません。西山さんはリーチザクラウンの現役時代に1億円で所有権を譲り受けたといいます。そのご現役生活ではいいところがなかったので種馬になって稼いでもらうしかありません。

(参考。日本で一番種付け料が高いと言われるのがディープインパクトの3000万円。二番目がキングカメハメハで1000万円。ついでハーツクライ800万円と言われています。リーチザクラウンの父スペシャルウィークが150万円。かくも格差が激しい世界です)

20万円という格安の種付け料、それと西山さんの関連の馬でなんとか50数頭の種付け数を確保することが出来ました。
地方競馬に回った馬も居て、JRAの登録はやっと34頭。
この手の種馬はとにかく初年度産駒が勝負。最初の年ダメなら種馬失格の烙印を押されてしまいます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上述したとおり、必ずしも相手になる繁殖牝馬に恵まれていません。ディープインパクトみたいな期待いっぱいの種馬は相手の牝馬も優秀な牝馬が集まります。子供も走る可能性が上がる。

しかし20万円の種付け料の実績ない種馬には、優秀な牝馬も集まりにくい。多くが零細牧場の、一勝とか二勝の「普通の」牝馬が種付け相手になります。

ところが蓋を開けてみると。7月10日現在で早くも三頭が勝ち上がり。6頭が7戦して3勝。勝ち上がり率50%。繁殖牝馬のレベル等々考えれば「驚異的」といってもいい数字です。種付け料わずか20万円の種牡馬の子供が、です。
さらに大井でガロが新馬勝ち。ダートも芝も両方適正あるようです。

まあもちろん今が瞬間最大風速の可能性はありますが・・・。

間違いなく人気が上がると思います。というかもしこのペースで勝ち続けるなら、超人気種牡馬になる可能性はありますね。もともと、能力が低くて負けていたというより、気性面が邪魔して大勢を妨げていた馬。それでもダービー二着にきた馬ですからね。