SOXは典型的なヘッドアンドショルダーズに見えます
この視点から行けば「半導体は必ず売っておけ」。そして半導体が下がることで相場全体が再び崩れる可能性がある
と言う事に。このブログを読んだ人には半導体を売っておくことをお勧めします。
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株式投資日記のコーナー。コンセプトは、「下手でも勝てるところで勝負」です。基本的なでもすぐに利益につながる実践的な事を実際の値動きに合わせて書いています。 また「相場の卵」になるアイデアも。読めばあとできっと役に立つはずです。役に立たないことも書いていますが。愛する朝鮮半島の話題なども。
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東京市場2024年5月20日(月)
TOPIX2768+22 (+0.82%)NK225 39069+282(+0.73%)
日本国債3年利回り日足 3年と10年の利回りを比べてもらえばわかる通り、11月と今とで比較するとより政策金利に連動性が高いとされる3年国債の方が、10年国債よりも利回りの上昇が大きいことがわかる。 両方とも債券が売られた上で利回り格差が縮小するベアラットニングが 進行していることになる。 ベアフラットニングが進行すると中長期で景気にはあまり良くない影響があるとされ、気になるところではある。
ベアフラットニング より短期の方が金利上昇が大きい(債券価格は下落)
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20日の東京市場は静かによりついた後、 午前中に600円ほどあげる大きな値動きとなった。 しかし11時前からは利益確定の売りに押されて上昇幅を半分ほどに失う結果となった。
中東情勢を気にしたというなら朝から売られたはずでやはり無理はあるか。22日のエヌビディアの決算が気になると言う方がまだ納得できるけど、それなら朝あんなに高い理由はやっぱり説明できない。
相場が始まる前に、イランの大統領(イランの場合は宗教の最高指導者がいるためにナンバーツーと言うような扱いになるだろうか)がヘリコプター搭乗中に搭乗機が墜落したと言う報道があり緊張感高まった。 もしもこれがイランの敵国によるテロ攻撃だったとすると中東問題が一気に悪化する可能性があった。 しかしながらかなり早い段階で単独の事故だったと言う見方が広まり相場を動かす には至らず。
逆に、 特にアメリカなどに比べて株価がもたついているとの比較感から日本の先物を買う動きが出たと言う指摘もあった。 TOWAが 年初来高値をつけるなど人工知能期待(データサーバー期待)からHBMに絡んだ銘柄を買う動きなど 相場を押し上げた 。 一方でARMを傘下に持つ ソフトバンクグループが先幅を広げるなど利益確定の売りも出ていたと見られる。 任天堂など一旦決算で売られた後見直し買いで大きく値段を戻した株が再び売られたのも今日の特徴だろうか。
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北海道電力が8.0%の上昇。原子力関連株とされる日本製鋼所が5.7%の上昇。 日本政府が積極的に半導体工場を九州と北海道に誘致していることで大量の電気を使う思惑から北海道電力と九州電力の上昇が続いている。データセンター誘致が進むことも電力消費が増える期待に繋がる。
最先端半導体を輸出し、巨大なAIデータセンターを国内に誘致すると言うことは、すなわち「電気を輸出する」と言うこと。戦後すぐの日本は鉄鋼生産と石炭生産に力を入れる「傾斜生産方式」をとったわけだが、令和の傾斜生産は半導体とデータセンター。ならば鉄鋼生産を図るために石炭に力が入れられたように、データセンターや半導体工場を誘致するならいずれ電力網の整備や原子力発電所の再開が必要という連想ゲームが働いている。
関連した電気工事銘柄も強いし、このまま電力需要が続けば原子力発電所の再稼働も必要になってくると言う見込み。電線株の一部も買われた格好
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半導体はまちまち。
22日のエヌビディアの決算が気になるとの声が出ている。
売買代金トップはソシオネクストこれが6.6%の上昇となった。しかしながらレーザーテックは0.37%の上昇、エレクトロンは0.7%の上昇にとどまったし、ディスコは逆に0.6%の下落になっている。相場が1時600円高した割りには半導体全面高にはならなかった。 この辺はエヌビディアの決算を気にしてポジションを傾けにくい流れにはなったのだろう。
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売買代金が集まったのはメガバンク。 三菱UFJが0.6%の上昇、三井住友1.5%の上昇。みずほ銀行は3.1%の上昇となって高値を抜いてきた。東京海上が1%上昇するなど損保株も総じて高かった。
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その他本田が2.5%上昇、楽天が2.5%上昇、SMCが2.1%の上昇といったところが目立つ。
イラン大統領遭難(かなりの確率で死亡したと見られる) と言うこともあって原油関連株が上昇。資源関連株は総じて高い流れになっている。また先週末の 中国の上海コンテナ運賃指数等が大きく上昇したこともあって海運株が買われている。
INPEX4.2%上昇。住友金属鉱山が7.7%の大幅上昇。三井物産や三菱商事など海外に資源権益をもつ大手商社も高く引けている
このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年5月20日(月)
S&P500 5308+4(+0.09%)NYダウ39806ー196(ー0.49%)
NASDAQ16794+108(+0.65%)
アメリカ国債10年利回り日足 インフレをにらんでFRB理事がタカ派的な発言を行ったことが金利上昇傾向に繋がっている
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20日のアメリカ市場は機関投資家がベンチマークとするS&P500がほとんど変わらずの終値。 ニューヨークダウがマイナス 、ナスダック指数はプラスとなるまちまちの展開で取引を終えている。 ナスダックは高値 を更新。
JPモルガンCEOダイモンが 「今の価格で大量に自社株買いを行うつもりはない」 と発言した事が失望(ダイモンが今の株価を高いと考えていると受け止められたか)売りを呼んで下げた事がダウには影響した。 ダイモンはまた「自分の引退は5年先ではない(もっと短い)」と発言した事も先々への懸念 に繋がったとみられる。 JPモルガンはニューヨークダウ採用銘柄なのでダウには打撃は大きかった。
連想で他の大手銀行株にも売りが出た。これが指数を抑える原因になったと見られる。銀行株の影響が少ないナスダックがプラスになっているのもこの辺の流れ。
ダイモンは去年の地銀の連鎖倒産危機に当たってはイエレン財務長官やパウエルFRB議長と緊密な連携をとって事を収めた実績もある。彼がいよいよ表舞台を去るときが来たと。
その他、マクドナルドやホームデポ、コカコーラといった個人消費関連が下げている。インフレに弱いとされるユナイテッドヘルスグループやJohnson & Johnsonなどのディフェンシブ銘柄が下落したこともニューヨークダウには響いた。 一方でダウで言えばキャタピラーが1.8%の上昇、ボーイングが0.9%の上昇など景気循環株はしっかり。ダウ を下げしぶらせる結果になっている。
市場は 昨日のところは 、 物価上昇は強いが その分景気が強い。 と言う判断で銘柄入れ替えの売買を行った形になっている。
またバリュー株から成長株に資金を移す流れもあった。Microsoft等が高く、下でも書くけど半導体指数ソックスは大きな上昇。
なお昨日はジェファーソンやバーと二人のFed関係者が「4月までの指標は利下げのために十分なインフレ抑制を示していない」との趣旨の発言。 これが金利上昇に繋がった面がある。昨日の所の上記の個人消費やディフェンシブの下げ(これらは物価上昇には弱いとされる)、景気敏感株の上げにはこの発言も効いていたのだろう。 https://finance.yahoo.com/news/two-fed-governors-see-holding-rates-higher-for-longer-amid-slow-moving-inflation-150208347.html
LMEの銅価格が1トン=11000ドルを突破したことも「景気は良いけどインフレ懸念」に繋がった面がある
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22日に決算を控えたエヌビディアには決算期待もあって買い注文が流入。出来高もかなり膨らんで2.5%高。これがナスダックを押し上げている。 スーパーマイクロコンピュータやブロードコム、パロアルト、 マイクロンなどが上昇したこともナスダックにはプラス。
SOXは 丸坊主に近いろうそく足で取引を終えた。
クアルコムは microsoftの パソコンに通信半導体が搭載されたニュースが材料になっている。今までは主にスマホ向けのスナップドラゴンが主力の商品だったが、今後PCに通信 半導体が組み込まれて売れるのではないかと言う期待感が株価上昇につながった。
一方でいわゆるマグニフィセントセブンはまちまち。テスラが1.4%下落Amazonとメタがそれぞれ0.6%下落したことが指数の足を引っ張っている。ここのところ半導体株にも影響与えているデルテクノロジーズが下げていて心理的な影響はあったか。
その他昨日は仮想通貨関連株が高い日。 マラソンデジタルが14%の上昇。
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個人投資家はいわゆるミーム株と呼ばれる 値動きの激しい銘柄に資金を集めた。先週から激しい動きが続いているファラデーフューチャーインテリジェンスエレクトロニックは1.8ドルと言うとても低い値段もあって、74%の大きな上昇。昨日に関してはゲームストップが4.2%の上昇になるなど ミーム株は高い1日ではあった。
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新聞でも報道される通り、ニューカレドニアの報道でニッケル価格が高騰しているわけだが、 フリーポートマクモランが 1.1%の上昇。ニューモントが 1.6%の上昇。クリーブランド クリフが1.1%の上昇と現地の情勢を見ながら思惑で神経質な上下動が続いている。
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連日の上昇が続いているノババックスが13.7%上昇。ロビンフッドも業績発表依頼しっかりで3.7%の上昇で取引をした。
ヒムズ&ハーズ ヘルスはGLPー1受容体作動薬のリモートでの注射を可能とする減量薬プログラムを追加。これが株価急上昇につながっている。27%の上昇だった。
このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場 2024年5月21日(火)
TOPIX2759ー8 (ー0.30%)NK225 38946ー122(ー0.31%)
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東京市場は終わってみれば下げて取引を終了している。月曜日のアメリカ市場が半導体上昇となった流れを受けて日本でも朝方は半導体が買われたものの、「先週の写真相場のように高く始まると利益確定の売り」が頭を抑えた。
指数も下がり方、売られ方から保険会社の売りが出ているのではないか?と言う観測(各社が政策保有株の売却を前倒しで行うことなどを打ち出した直後だけに)、10年金利が1%近くまで上昇したことを嫌った動き、さらには エヌビディアの決算を控えていること。これらが利益確定が売りにつながったと見られる。金利上昇を嫌って不動産等が売られたり、半導体に絡む精密や高成長銘柄など高PER銘柄が金利上昇の悪影響を受けたと見られる。
政策保有株については、東京海上が6000億円、これを3年間で半分に、 6年間で0にすると発表。MS & ADも6750億円を有する政策保有株を6年間で0にすると発表。SOMPOも 2000億円の政策保有株を7年間で0にすると発表。この発表直後だけに、今の高いところで政策保有株を売ってきてるのではないか?と言う観測が強まる結果になった 。MS& ADの「6年間の前半にできるだけ前倒しで売却を進めたい」と言うコメントも売り観測に拍車をかけている
日経平均、TOPIXともに9時15分ぐらいから一直線に下げていて 、 おそらく先物をプログラムで売った大口がいるのだろう。 これも可能性として「保険会社の政策保有株の売却ではないか」 と言う観測を誘っている。(多数小口ならこんなにきれいに先物下がらないからね。少数大口がまとまった数をまず先物売りで出してきたと観測された。)
他方、金利上昇の影響をもろに受けたのが東証グロース250。カバーなどがまとまった出来高で下げている。
こちらの指数も日中足を見ればわかるように一直線の下げ。まとまった売り物が出たのではないかと観測されている。
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ここに来て半導体株の動きが、でバラバラになっているのが面白いところ。レーザーテックはほぼ変わらず(ただし高値を更新している)。ディスコが2.6%上昇アドバンテストが1.5%上昇。一方でソシオネクストは3.7%下落、TOWAは 大陰線で4%の下落。市場では、HBMと呼ばれる高帯域メモリー(具体的には何層もシリコンを積層して作られるメモリ。それをLogicチップと亀のようにくっつけて積み合わせて使う。シリコンに穴を開けて配線しいっぺんに多くのデータを転送できる) による恩恵の差が今日の値動きの差になって現れたのではないかと言う指摘がある。
ディスコの工作機械がHBMの恩恵を受けやすい一方で、レーザーテックは微細化技術の1部であり、必ずしも積層化の恩恵を受けやすいとは言えないと。ディスコは3月29日以来の高値更新となっている。
その他、高値近辺にあるのか、4月から一旦押した場所にいるのか。その差も出ている。
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電力供給銘柄は今日も動きが大きかった。北海道電力は4.2%の上昇。北海道に半導体工場やデータセンターを誘致する動きが電力需要の高まりを期待させている。電線株ではフジクラが4%の上昇で年初来高値を更新。
日本製鋼所は 結局は下げたものの1時は連日の年初来高値更新となった。こちらは原子力発電の再開期待と言うことになる。
日本製鋼所日足
重電では日立が2.5%の上昇。
電力インフラに強いとされる明電舎が4.4%上昇と大きく上げている
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自社株買いを好感した東京海上だったが、5397円まであった後に終値は5083円とかなり荒っぽい動き。年初来高値で大陰線を引いてしまっている。 結局2.3%の上昇にとどまった。なかなか荒っぽい動き。
MS & ADも終値で13.8%上昇となったものの、こちらも陰線。 しかも 年初来高値で出来高を伴っている。
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なお資源価格の上昇を受けて総合商社がしっかり。
資源関連では今日は日鉄鉱業が昨年11月最終週につけた高値を更新している。三井金属も4月15日以来の高値更新。
その他ブラックロックが大量保有報告書を出してきたJフロントが 思惑で買われている。
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NY雑感2024年5月21日(火)
S&P500 5321+13(+0.25%)NYダウ39872+66(+0.17%)
NASDAQ16832+37(+0.22%)
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21日のアメリカ市場は小幅ながら上昇して取引を終えている。 なんといってもエヌビディアの決算が控えていること、また21日は上場企業のうち1025社の決算が出てくる決算の集中日でもあることからやや見送り気分の強い相場となった。 さらに22日は FOMCの議事録要旨公開 もあり、参加者が今後の金利についてどんな発言をしていたのか気になるところ(特にタカ派参加者の発言)
ただ小幅な上昇ながらS&P 500とナスダックは高値を更新している。
21日は FRBのウォーラー理事が「利下げ転換を行うにはさらに数ヶ月分の物価指数の低下を見る必要がある」 と発言。 直近で3人目のFRB理事(NY連銀総裁とFRB理事は毎年FOMCの投票権があるため影響力が他の連邦銀行総裁より大きいとされる)の「早期利下げは見送り」発言だったが 市場は目新しくないとしてそこはそれほど重要視せず。
さらにウオーラーは 「クレジットカードの延滞率が高まり、返済を先送りするリボ払いの利用が増え、自動車ローンも延滞率が高まっている」と景気減速の兆しにも言及。午後には改めて「利下げが年内一度だけというのも合理的ではない」とタカ派一辺倒のスタンスからも一線を引いた。
市場はこの辺を都合良く切り取って解釈したことで長期金利はむしろ低下する格好になった。
ウォラーの「年内2回以上利下げ示唆」発言のあとFedWatchツールによる9月の市場参加者予想では前日に比べて「9月のFOMCを終えた時点で利下げしていないと予想する参加者」が38.2から35.9%へと再び低下。「利下げ見送り観測が週初でピークアウトした?」格好になっている。
参考 FedWatchツールによる9月時点でのFFレート予想
国債利回りも低下して株価を支える格好になった。
参考10年国債利回り日中足
また利回り低下にもかかわらず昨日のJPMのダイモン早期退任ショックからの自律反発で大手銀行株もしっかりだった。
決算を選んで利益確定売りが出ていた(朝方は1%位下げていた) エヌビディアが11時ごろにはプラスに転じて 結局0.6%上昇で終えたこと、電気自動車販売不振から冴えない動きが続いているTSLAがシャオペンの中国販売回復報道で上がったこと。前日CEO退任が早まると報道され自社株買いにも消極的と伝わって下げていたJPモルガンが自律反発した事などが相場を支えている。
ただ、時価総額が大きいいわゆるマグニフィセントセブンは microsoft 0.9%上昇(上場来高値更新になる)、Apple 0.7%上昇となったものの、メタは0.9%の下落。ややまちまちの動きとなった。
またパロアルトが3.7%の下落、AMDが1%の下落とAIに関する銘柄でもまちまちの動き となったことが相場全体の上昇を阻んでいる。 ブロードコムとマイクロンが1%下げるなどでSOX指数も結局小幅ながら下げ ている。相場全体としてもまちまち感、モヤモヤ感が漂う展開の一日だった。
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テスラは6%の上昇となっている。 上昇のきっかけは中国でシャオペンの販売台数が伸びたと言うニュース。 補助金の削減などで中国の電気自動車の販売は落ち込んでいたわけだが、ここに来てようやく底入れしたかも?ということで株価は上がっている。
テスラ日足
なおシャオペンのADRも5.9%と大きく上昇した。 シャオペンの株価は1時10ドルを超える超大幅上昇となったが、10.5ドルに達しようかと言うところで猛烈な売りを浴びた。終値は結局8.77ドルと株価はかなり大きく動いた。
シャオペン日中足
シャオペン日足 上昇はしたものの、戻り売りも大きく上ひげになっている
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人工知能に関しては再生エネルギーを販売するファーストソーラーが8%の上昇。日本でも北海道電力などが大きく上げているわけだが、ここに来てUBSとパイパーサンドラーがファーストソーラーの目標株価を上げたことがニュース。 パイパーサンドラーは195ドル目標219ドルに値上げ。UBSは252ドルを270ドルとこちらも値上げしてきた。アメリカではインフレ抑制法が制定されこれが再生エネルギーの利益率を今後上げるだろうと。
日本ではむしろアメリカに先駆けてAI主導の電力需要増加を読み込んだ相場が起きているわけだが、 UBSではこれからのAI主導の検索は従来の検索に比べて「10倍」もの電力を使用すると予想。さらに二酸化炭素排出などのコストからアルファベットやMicrosoftなどは再生可能電力を購入 すると。これがファーストソーラーの目標株価を値上げする根拠になっている。(需要に加えてインフレ抑制法の補助金が利益を押し上げると)
ファーストソーラー日足
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さてなんといっても22日はエヌビディアの 決算が待ち構える。 世界中が息を飲んで見守ることになる。
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東京市場2024年5月22日(水)
TOPIX2737ー22 (ー0.81%)NK225 38617ー329(ー0.85%)
日本国債10年利回り日足 10年国債の利回りはついに11年ぶりに1%を越えている。これが不動産株など金利負担が大きいとされる銘柄には重石になっている
日本国債3年利回り日足 より政策金利の影響を受けやすいとされる3年国債の利回りも上昇。国債利回りの上昇が「日銀が再び利上げを行いゼロ金利政策を解除するのではないか」という思惑で債券が売られ(利回りは上昇)している事になる。
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22日の東京市場は下落がやや大きめになった。 株先物には断続的に売り が出ていて「海外の商品顧問会社などが先物に売りを当てている」 との観測が出ている。(もちろん直接見たわけではないので手口的な観測になる)
背景には今日のエヌビディアの決算への警戒感、あるいは日本国債の長期利回りで11年ぶりに1%越えなど市場金利が上昇していることがある。(もちろんその裏には日銀が再び利上げをするのではないかと言う観測がある)
225指数で300円以上下げたところで75日移動平均線38,600円程度を意識する声が聞かれていた 。 特に金利上昇の影響受けやすいとされる不動産の株価が下がっていたところが目につく。また半導体製造とデータセンターの電力需要を囃して上がってきていた電力株が利益確定の売りに押されたのも今日の特徴。 さらにはエレクトロン、アドバン、スクリーンと言った半導体製造装置が売られたのはエヌビディアの決算で何かあったときのためと言うリスク削減の売りが出たと見られる。 半導体製造装置や半導体メーカーだけでなく信越化学など半導体部材メーカーも売られた。
下落率が225の方が大きくなった背景にはエヌビディア警戒でエレクトロンや信越化学、アドバンテストといった225寄与率が大きくなる銘柄がうられたこともあるが、 ファーストリテイリングが1人で70円以上下 げたことも影響している。
また市場ではアマゾンが 「さらに新しい新型チップ発売を待つため」に現在のNVDAの最高級モデルの発注を一時停止したとの報道 を気にする声もあった。AI向けの最先端ロジック半導体はあまりにも進化が早いために半導体の買い控えが 起こるのではないか? との指摘がされている。(もしも買い控えていることが事実ならば、今日のNVDAのガイダンスにも影を落とすと言う懸念がある。)
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北海道電力が売られて4.3%下落など、電力供給銘柄には利益確定の売りが出ている。東京電力も1.5%下落。原子力発電関連銘柄の日本製鋼所も安い。
また昨日から乱高下している住石ホールディングは大きく戻す場面があったものの 午後は一転して大きな下げ。かなり荒っぽい値動きとなっている。
半導体はHMB の音声を受けやすいとされるディスコが0.9%上昇、TOWA2.1%上昇したものの、その他はレーザーテック1.1%下落、ソシオネクスト0.4%下落、エレクトロン1.2%下落。 ルネサスが1.4%の下落、信越が2.3%の下落、HOYAが 1.5%下落するなど半導体関連は製造装置から半導体メーカーから、周辺部材メーカーまでかなり幅広く下げた結果になっている。明らかにエヌビディアを意識した動きだろう。
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個別では霞ヶ関キャピタルの6.1%安、ファーストリテイリングの1.8%、この辺が目立つ。 みずほ証券から5600円目標4950円目標に値下げされた中外製薬が3.7%と下落率が大きくなった。
業種では昨日まで資源価格の上昇を+に捉えて上がっていた大手商社株が反落。三井物産は1.4%の下落、三菱商事が2%の下落。
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一方でニデックは4%を超える上昇。電気自動車に注力するところからAI向けに変わっていくと言う報道を好感する声が聞かれた。
AI関連ではLaboroAIが 大幅高していて個人投資家の登記的な資金を集めている。
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資金の逃避もあって買われたのがメガバンク。金利上昇でリザヤが拡大するのではないかと言う期待から三菱フィナンシャルなどが高く、 地方銀行でも比較的経営基盤がしっかりしているとされる千葉銀行や福岡フィナンシャルが高い。
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NY2024年5月22日(水)
S&P500 5307ー14(ー0.27%)NYダウ39671ー201(ー0.51%)
NASDAQ16801ー31(ー0.18%)
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世界中が注目した22日のアメリカ市場は終わってみれば小幅な値動き。そしてエヌビディアは0.46%下落で 取引終えた。
で、NVDA決算とガイダンス。
4月28日までの四半期で、 売り上げ高が260億ドル。調整済みEPSが6.12ドルを計上。これはアナリスト予想の売上高245.9億ドル、調整済みPS予想の5.60ドルを大きく上回った。 さらに 今四半期についてアナリスト予想が 266.2億ドルに対して280億ドルの収入予想 を会社側が出してきた。
さらに1:10の株式分割も。この辺は将来のNYダウ採用をにらんでいると(NYダウは加重平均指数ではないので、価格が極端に高かったり安かったりすると採用されない)
このため時間外取引では1時4.5%ほど上昇し1000ドル目前まで上がる場面があった。 原稿執筆時は(朝の6時) 4%程度上昇の988ドル近辺で時間外取引は売買されている。
これを受けて225先物は130円ほど高いところで取引されている。1時は100円以上安い場面もあった。
エヌビディアは コンセンサスよりかなり良いガイダンス を出してきたわけだが、「ある程度織り込まれていた」と言う結果になっている。 コンセンサスをかなり上ブレした割には株価は上がっていないとも言えるかも。
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なおもう一つ注目されたFOMCの 議事録の公開だったが ほとんど 相場に影響与えず。無難に消化された形になっている。 ただし 一部の政策担当者は、金利上昇でインフレが十分に抑制されるかどうか懐疑的で、金利引き上げを検討する用意があると述べた。これはある程度サプライズだろう
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続く。
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NY2024年5月22日(水)つづき
人工知能に関して、 Microsoftがパーソナルコンピューターやあるいは個人向けの端末等にもAIツールを搭載 していくとビルドカンファレンスで述べたことをプラスに唱える動きがあった。
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エヌビディアの決算に隠れた形になっているが・・・
ヨガ向けのアパレルなどで知られるルルレモンが プロダクトチーフ(最高品質責任者)の辞任で急落。売買代金14位で7.2%の下落。レイモンドジェームスは「短期的にさらなる不安の壁を増大させる」と。 バークレイズも「より多くの顧客を惹きつけるための品揃えの変更に時間がかかる可能性を示す」と。
ルルレモンは コロナの中で大きく業績を伸ばしてきたが、今年は一転して37%下落となっていた。そこに来て経営陣の一部交代が出てきたことで不安感を増すとなっている。
さらに ターゲットは 業績不振が明らかになり朝の時間外取引から急落。通常取引も売買代金15位、8%下落で取引を終えた。今期のアナリスト予想も、さらに1年を通じた業績のアナリスト予想も下回ったことで下げ幅が広がっている。いまの不振はともかく、その回復も鈍くなっているのではないかと。
ホームデポが1.6%の下落。 PayPalが3%の下落。ブロックが6%の下落。
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半導体はオンセミコンが4.7%上昇。 アナログデバイスが10.8%の上昇。この2銘柄とマイクロチップ3.8%上昇、これがソックス指数を上げた。 台湾TSMCも1.6%の上昇とあらかじめエヌビディアの業績を期待した値動きとなっている。その他Microsoftにも チップが採用されたことで株価好調が続く加わるコムが今日も1%の上昇で高値を更新。テキサスインスツルメンツもデータセンター需要期待で1.7%の上昇で取引を得ている。
アナログデバイスは5月4日に終了した四半期の売り上げ高が21.6億ドル、調整EPSが1.4ドルだったと発表。これはアナリスト予想の21.1億ドルと1株予想1.2億ドルを上回った。大きかったのは「在庫調整が続いているとされる中でアナリスト予想の数字を回ってきた」こと。アナリストたちは産業向けあるいは車載向け半導体市況が底打ちしたのではないかと言う裏付きになると見ている模様。株価は高値を更新してきている。アナログデバイスは自動車向け売り上げが30%、産業用の電力管理やセンサー半導体などが売り上げの半分を占める。
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東京市場2024年5月23日(木)
TOPIX2754+17 (+0.64%)NK225 39103+486(+1.26%)
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23日の東京市場は大きく上昇している。なんといっても エヌビディアの決算が予想を上回っていること、ガイダンスもアナリスト予想を上回ったことを素直に好感した。 よくある「材料で尽くし」の売りも限られ、昨日までポジションを減らしていた向きが再びポジションを取り直す動きが出たと見られる。 NT倍率が拡大したのを見てもわかるように、半導体の影響が大きく出やすい日経平均が大きく上げた一方でTOPIXの上昇率はやや限られている。また下でも書くけど、225が大きく上昇している一方でグロース150は下落。ここのところの金利上昇によって高PER銘柄(半導体を除く)は必ずしも上がっていないことがわかる。
レーザーテックが買われるなど半導体装置や半導体関連株が上昇を牽引。 その他車載受け半導体銘柄(アナログデバイシズ)が決算が良かったこともあってルネサスも大きく買われた。
一方でディスコは終日買われていたし、TOWAも 値段を保つなど高性能のHBM(高帯域メモリの規格)分野に お金が入ってきている流れともなっている。 ディスコは値上がり率第4位7.9%の上昇となった。
さらにアナログデバイシズの上昇を受けて、車載分野に強いルネサスが 今日の特徴。その他半導体ではレーザーテック6.3%上昇、アドバンテスト5.3%上昇、オルガノ5.0%上昇など幅広く買われている。
また半導体とは言わないけれどニデックが4.5%の上昇。電気自動車のイメージが強い会社だが、今後はAIに向けた経営資源の振り分けを行うと言う報道で買われている。AIがらみではソフトバンクグループが4.3%の上昇。ARM社が買われている事や アナリストレポートをポジティブに捉える動きが出ていた。
業績の悪化を切って下げていたイビデンやロームなども今日はプラスで取引を終えている。
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帝人がプライムの値上がり率1位。 株主総会資料に アクティビスト(いわゆるものを言う株主) として知られるオアシスマネジメントの関連会社が主要株主として名前を連ねていたのが 急上昇の理由。帝人はもともとPBRが直近0.6倍台と低く、 オアシスジャパンが自社株買いや遊休資産の売却、有効利用などを要求してくるのではないかと言う思惑は株価を上昇させている。
今後は低PBR 銘柄に改めて注目が集まる可能性はあるだろう。
https://minkabu.jp/financial_item_ranking/pbr?order=asc
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昨日まで上場来高値が続いていた三越伊勢丹は10日ぶりの半額。小売りでは西松屋チェーンが売り上げ伸び率鈍化を嫌気して下げている。
また半導体で225が上昇したのとは対照的に、グロース250指数は2年ぶりの安値で取引を終えた。この辺は金利上昇を嫌った動きと見られる。フリーやカバーがさげている。
プライムでもACCESSが3.3%安するなど金利上昇を嫌って高PER銘柄が下げている。
ACCESS
業種では、ここのところの商品価格の上昇を受けて買われてきていた石油石炭、非鉄金属などが下落。さすがに上昇が続いただけに上昇一服となっている。
このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年5月23日(木)
S&P500 5267 ー39(ー0.74%)NYダウ39065ー605(ー1.53%)
NASDAQ16736ー65(ー0.39%)
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エヌビディアは決算を好感して9.3%の上昇。
しかしながらそれは相場全体を押し上げるには至らなかった。
インフレ懸念と金利上昇を 嫌ってハイテク株や消費関連株、インフレに弱いとされるディフェンシブが下げている。エヌビディアの決算も一部の半導体関連には材料が出尽くしたと言う動きになった。さらにはボーイングがマーケットにキャッシュフローの減少の可能性を警告。これがダウの下げを大きくしている。また、エヌビディアが好決算と株式分割を発表したことが改めてインテルとのニューヨークダウ採用銘柄入れ替え観測を大きくしたこともインテルの下げを通じてダウマイナスの影響はわずかながらあった。
ここのところ相次いだ金融政策当局者の「今の経済指標は金利引き下げに至るには高過ぎる」と言う発言が効いてきている。 水曜日に公開されたFOMCの議事録要旨の中で「複数の参加者」が利上げもあり得ると発言していたことも今になって重しになっている。
木曜日はS&P世界購買担当者景気指数(PMI) が54.4。先月の51.3からかなりの加速を見せ FRBの景気抑制的な金融政策にもかかわらず2年ぶりの強いペースで加速 していることがわかった。この報道を受けて早期の金利引き下げ期待が後退。加えて新規失業保険申請件数が予想以上に減少したことが「 ディマンドプルインフレ」が強まることを想起させた。強い経済と強い雇用がさらなるインフレにつながると。
ハト派的な姿勢を強めていたアトランタ連邦銀行のラファエルボースティックは「ここのところの数件のインフレ統計はインフレ率が緩やかながらも引き続き2%に向けて下がっている軌道に乗っていることを示している」と発言したものの、強い経済指標が続いたことであまり重要視されなかった。
これで長短の金利が上昇すると株価は下落。さらにニューヨークダウ 構成銘柄のボーイングが大きく下落したことでニューヨークダウの下落率も大きくなった。
一ヶ月前、「9月の段階では利下げなし」派は27.4%と少数派だった。また週初、利下げ無し派はピークアウトしたかに思われた。 が、今週に入ってから相次ぐ強い経済指標、昨日のPMI、要人の「この経済指標では利下げは検討できない」というタカ派発言が相まって「9月の段階では利下げなし」という市場参加者予想が半数近くまで急増しているのが分かる。 また、一週間前までゼロだった「利上げあり」の予想者がごくわずかながら現れてもいる
これが指数全体売りに繋がっている。
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金利の上昇をうけて「マグニフィセントセブン」はエヌビディア以外は下落。
アドバンスドマイクロデバイスは 同業者である エヌビディアの強いガイダンスを見て朝方は172ドルを超える3%以上の上昇で取引された。しかしながら、 しかしながらその株価は10時ごろにピークを迎えると売り物を浴びせられて 10時20分ごろにはマイナスに転落。 「 強すぎるエヌビディア」 と言う競合相手のためにAMDの売り上げが今後伸びるかどうかは未知数と。インテルが下落したのもこの流れ(競争激化懸念とインフレ懸念)だろう。
半導体は エヌビディアの大幅上昇にもかかわらずソックス指数が結局わずかながら下落。足を引っ張ったのはAMDの3.1%下落、インテルの4.2%下落、テキサス・インスツルメンツの2.6%下落、さらに昨日大きく上昇していたパワー半導体に絡んでアナログデバイスが2.3%の反落、モノリシックが1.9%の下落、あるいはApple向けに強いスカイワークスが2.4%の下落。グローバルファウンダリーズも8.6%のかなり大きな下落になっている。
さらにはスーパーマイクロコンピューターが3%の下落。 こちらも朝方はエヌビディアの決算を受けて6%以上上昇する場面があってからの売り物を浴びて3%下落、かなり激しい値動きになった。出来高も膨らんでいる。こちらは一旦材料でつくしと見て利益確定の売りが膨らんだ。 ただし サーバーを生産するDellは結局3.9%の上昇。この辺はもともとの株価位置もあるんだろう。明暗が分かれる結果になった。
マグニフィセントセブンでは テスラが3.5%の下落。 Appleが2.1%の下落、Microsoft 0.8%の下落、Amazon 1.1%の下落、メタが0.4%の下落。
その他フィンテックが下げ止まらず。スノーフレーク5.3%の下落、コインベース5.4%の下落、マイクロストラテジー6.2%の下落。 こちらは金利の上昇をもろに逆風として受けている。
なおザラ場1.2%安だったインテュイットが時間外で7.1%下落。AIを利用した金融商品の売り上げ年間予測を引き下げたことを嫌われている。フィンテックはかなり厳しい値動きが続いた。
利下げ期待後退で 長短の金利差が縮小(政策金利に連動性が高い短期金利の方が上昇するベアフラットニングが起きた)したことで 利ざやが減るのではないかと言う考え方から銀行株も下げている。
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ボーイングは「キャッシュフロー」の数字が今後大きく打撃を受ける可能性があるとマーケットに警告。一連の生産上の不具合、中国での追加の認証書類要求で中国側が納入を停止していることも併せて言及されこれが売りを呼ぶ形になっている。
ボーイングは7.55%下落。 これもニューヨークダウが下がる大きな要因になった。
ニューヨークダウ 構成銘柄では「 エヌビディアと銘柄交代が近い」「 金利上昇」を手がかりに インテルが4.2%の下落。さらにインフレ懸念から消費関連であるマクドナルドが3%の下落、ウォルトディズニーが2.3%の下落、アメリカンエクスプレスが1.9%の下落。物価上昇には弱いディフェンシブのジョンソンアンドジョンソンが2.5%の下落。これらがニューヨークダウの下げさせることになっている。 今日はニューヨークダウ 30銘柄がメルクの0.01%下落を含めすべてマイナスになると言うなかなか珍しい1日だった。
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PDDは4.4%高
Temuの好業績を好感して上げている。米国での業績好調がその支え。
このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場2024年5月24日(金)
TOPIX2742ー12 (ー0.44%)NK225 38646ー457(ー1.17%)
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24日の東京市場は225で見れば一時700円を超える下げ、終値も457円安とそこそこ下げ幅が大きくなっている。 ただ3日分の日中足を見てもらえばわかるように 「終わってみれば水曜日の終値に帰ってきただけ」 、 昨日の引けが1番高く、今日の寄り付きが1番安いと言う大騒ぎしてネズミ1匹と言うようなこの二日間だったとも言える。
アメリカ株はエヌビディアが1000ドルを超える値段になり大きな上昇となったものの、 今週FRBの当局者が重ねて懸念を示してきたように『インフレが抑制されない経済指標』が相次いで出た。このためアメリカの金利も短期金利を中心に上昇。これを嫌ったこととインフレ懸念で、個人消費やインフレに弱いとされるディフェンシブ銘柄、ハイテク銘柄が売られて下げた。
さらに日本の長期金利は11年ぶりの水準を更新。 もちろん年初来の高利回り水準でこれが半導体・グロース株が売られる理由にもなった。全体も売り圧力を受けている。
日本国債長期金利日足 古い人間は株の平均利回りと長期国債の差をさして「イールドスプレッド(本来は誤用)」と言う言い方をする。これが金利上昇で縮小したことで株式に従来に比較すれば割高感が出ることになる
日本株も 半導体を中心に売られ相場はかなり下げる場面があった。しかしながらエヌビディアの決算が良い、ガイダンス特にデータセンター向けのロジックチップが予想以上に伸びる、と言う点を踏まえて 電力供給銘柄が逆行高、 半導体には押し目を拾う動きも出たことで下げ幅を縮小して取引を終えている。
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大荒れになったのが半導体。 レーザーテックは4.5%安、ディスコが1.2%安、エレクトロンが2.8% 安、ソシオネクスト6.2%安。
TOWA3.4%安、 ソフトバンクグループ2.4%安、スクリーン3.3%安、日本マイクロニクス6.9%安、イビデン1.9%安などなど。パワー 半導体の1部を除いては軒並み足と言う結果になり、部材や関連銘柄など幅広く売られる結果になっている。これは昨日大幅上昇した反動もあるし、日米の金利が上昇したことを嫌った動きでもあるだろう。 今年ここまで値上がりが大きかっただけに利益確定しやすいと言う面もあった。
逆行高となったのがルネサステクノロジーと日立製作所、北海道電力、 日本製鋼所。。それぞれパワー半導体や電力インフラ、あるいは電力供給銘柄、 原子力銘柄である。エヌビディアが強気の決算(データセンター向け半導体のコンセンサスを回る出荷予想)を表明したことで、今後電気を大量に消費するデータセンターの構築が 市場のコンセンサスを超えてさらに進む(ストラテジストたちの予想を超えて電力の消費量が増えるのではないか)と言う見方が強まった。 これらのデータセンターを動かすためには(電力を供給していくためには)パワー半導体や送電システム、 電力ケーブル、あるいは 原子力発電所を含む大規模な発電所が必要だろうと言う連想が強く働いている。
重電では 三菱電機が0.8%上昇、川崎重工号が1.9%上昇、電線株のフジクラ4.9%上昇。 下げ相場に逆らって上がった今日の銘柄は電力、電力、電力。 相場が大きく下げる中でこの辺が逆行高を示したのは面白いところだろう。
フジクラ
SBI証券が公表している売買代金上位を見てみると、 普通の半導体銘柄は個人が大幅買い越していて、 パワー半導体関係は個人が売り越している ことがわかる。 逆に言えば機関投資家は普通の半導体が売ってきた、 パワー半導体を買ってきた、 というのがここから垣間見えるね。あくまでも今日に限った話ではあるけれど。
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半導体以外では ソニーが1.8%の下落、Nintendo 0.3%の下落などゲームに絡んだあたりが安いか。
逆に大幅安の中で第一三共が1.2%上昇するなど薬品株の1部に資金の逃避先となる動きが出た。
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個人投資家は相場の手詰まり感を反映して、 名村造船やカバー、Kudan,住石などを売買するものの高安まちまち
住石は需給がくずれ連日の下げが続く。
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NY2024年5月24日(金)
S&P500 5304+36(+0.70%)NYダウ39069+4(+0.01%)
NASDAQ16920+184(+1.10%)
ダウとナスダック、11時以降はかなり乖離した動きになった。 ディフェンシブ銘柄や景気循環株、個人消費関連株が手じまい売りで下げたダウ、 ハイテク株が支えたナスダック こんな 対照的な値動きになっている。になっている。 ポジション縮小の動きが1部とは言え出たのは、ニューヨーク市場が月曜日休みなのでリスクを減らしておきたいと言う考えだろう。
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アメリカ市場は全体としては上昇している。機関投資家がベンチマークとするS&P 500が0.7%上昇、ハイテク株や半導体の影響が大きいナスダックは1%を超える上昇となった。
にもかかわらず、 日中は150ドル余り上昇する場面があったニューヨークダウがほぼ変わらずで終わってしまったのは、 リスクオンの流れの中でJohnson & Johnsonやユナイテッドヘルスと行ったディフェンシブ銘柄からお金が流出したこと、セールスフォースの下落、個人商品に関連するホームデポや景気循環株であるキャタピラーなどが軟調だったため。
インテル、アップルといったハイテク株、銀行のjpモルガン、ここのところ売られていたボーイングのリバウンド などがあったが相殺されてしまった。
相場に影響与えたのはミシガン大学の5月の消費者信頼感指数の改定値。これが69.1に低下。速報値は上回ったものの前月比では低下したことで、 金利も低下傾向に。これで木曜日売られたハイテク株にお金が返ってくる形になった。 耐久剤受注も前月比 0.7%増加と予想は余ったものの、3月分に関して2.6 %増から0.8 %増に下方修正。これが金利低下につながっている。
10年金利日中足 ミシガン大学消費者信頼感指数が速報値より上方修正されたことを嫌って金利が一瞬上がる場面があったものの、3月分が下方修正などと伝わり落ち着いた動きになった。
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相場を牽引したのは半導体とデータセンター関連銘柄。
ソックス指数は1.85%と上昇率がかなり大きくなった。 史上最高値である5255ポイントまであと30ポイント余りに迫っている。 終値としては高値を更新。
アナリストから株式分割銘柄は分割後1年間の上昇率が24%、分割していない銘柄の平均の12%に比べると倍位パフォーマンスが良いと言うレポートが出たこともあって10分割したエヌビディアを買う動きが出ていた。(レポートによれば、株式分割は業績が好調の時に株価が大きく上昇するために行われるので、その後も上昇しやすいのだと言う) なおこのレポートの影響もあって500ドルに近くなっているメタや、400ドルを超えているMicrosoftに分割の動きが出るのではないかと言う期待感も聞かれている。
エヌビディアが2.57%と続伸。 同業者であるAMDが3.7%の上昇。
AMDは同じロジックチップメーカーながら株価チャートの形が違うのは、当然 今のところの人工知能向けチップの成長性のガイダンスの温度差と言うことになるだろう。
インテルも2.1%上昇し、データセンター向けのLogic半導体が上がっている。その他にも通信半導体のクアルコムが4.2%上昇、マーベルが2.2%の上昇。半導体メーカーの上昇につれて製造装置も高い。ASML2.3%高、AMAT1.3%高、テンコール1.8%高。
半導体メーカーの中でも、 最高値にある銘柄と 、 3月4月の高値を抜けない銘柄 がある。これは半導体製造装置でも同じ。いかにAIに恩恵を受けるかどうか、5月の相場はそんな差が出た相場でもあった。
半導体だけではなく、データセンター回りが買われ、 スーパーマイクロコンピューターが4.3%の上昇、Dellは一時6%上昇の後4%高。 アリスタネットワークも1.7%上昇と関連銘柄を循環物質する流れになった。 なお、Dellには ネットワーク分野でエリクソンと提携と言うニュースが出ている。
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なおAppleには 投資顧問会社のアリストテレスアトランティックが注目銘柄として取り上げるレポート。 ウェットブッシュのアナリストも今年出てくる新型iPhoneの需要期待で(新型は新しいチップを導入することでAI対応と言われている) 250ドル目標を275ドルに引き上げ。アウトパフォーム評価を維持している。これらが1.6パー%上昇につながった。
テスラには直接的なプラス材料が出たわけではないが、金利の下落を追い風と捉えて3.1%の上昇となっている。
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一方でワークデーはサブスクの収益予測下方修正で急落。バンクオブアメリカなどが否定的なレポートを出している。
逆にデッカーズが12%上昇で1000ドル越え。 成長ストーリーが現実化したことで投資家の買い注文を呼び込んでいる。
さすがに一時期の大きな値動きはなくなったがゲームストップが3.7%上昇。今日は上がる日だった。
そして個人投資家がお金を集中させた銘柄の1つがイノベーティブアイウェア。いわゆるペニー株(日本だと50円以下のボロ株といった感じが) で 文字通りスマートグラスにデジタル情報を映し出すシステムを作る会社。マネーゲームに近い動きが続く。
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このメルマガは経済についての新天地の考え方と、日々の市況については当日の結果をニュースとして書いたもので将来の特定の銘柄及び指数に関する商品の将来を予想または売買を推奨、指示するものではありません。当然に今後の値動きについて言及するものではなく、投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
現在、ダウ30銘柄に入っていない銘柄で、時価総額上位銘柄を見てみると、エヌビディアが949ドル、アルファベットが176ドル、メタが467ドル、ノボノルディスクが134ドル、テスラが180ドルといったところ。
対してニューヨークダウを採用銘柄を見てみると1番安いのが インテルの31ドルほど、1番高いのが ユナイテッドヘルスの521ドル。
ニューヨークダウは時価総額に連動する指数ではなく、値段に補正をかけて計算するスタイルになっている。そのためどうしても 値段の高い株が寄与率が高くなりやすい。エヌビディアが株式分割を行ったのは、値段を下げることでダウに採用されやすくなると言うことを狙っているものと思われる。時価総額で言えば類似銘柄のインテルとエヌビディアでは既に大きな逆転が起こっており、 近いうちにエヌビディア採用、インテル除外が考えられるのではないかとされている。その際に今の1000ドル近い値段では寄与率が大きくなりすぎる。それを理由に採用されにくくなると言うわけ。 エヌビディアが株式分割で値段を下げることで、ニューヨークダウ採用のハードルはかなり下がったと言う事は言えるだろうね。
なお、世界中でニューヨークダウに連動したETFが 上場されていたり、ニューヨークダウに連動するようにポートフォリオを組んでいる機関投資家もかなり多い。ニューヨークダウに採用されるとならばいわゆるインデックスプレイでインデックス 運用者の買いが 入る期待はあるだろう。もちろんもうこの辺についてはかなり盛り込まれているとは思うんだが。
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日本の国債の残りの期間を横軸にして「 イールドカーブ」 として示したもの
https://jp.investing.com/rates-bonds/japan-government-bonds?maturity_from=40&maturity_to=300
やはり目立つのは、10年国債の利回りが1%に達したこと。例えば1年前を見ると0.5%程度。イールドカーブコントロールによって10年国債 利回りを0.5%以下= 日銀に言わせれば0に近い数字にすると言う政策の効果がとても現れていたことがよくわかる。結果として10年より短い国債の利回りもイールドカーブコントロールで決められた10年国債の利回りを上回ることができなかった。(逆イールドは発生しなかった)
つまり日銀がマイナス金利政策を廃して、さらにゼロ金利政策を解除するためには「 整合性を取るためにもまずは10年国債のイールドカーブコントロールを解除しなければいけなかった」と言うことがここからでもよくわかる。逆に言えば慎重に慎重に「イールドカーブコントロールをわざわざ解除したと言う事はやはり遠くない将来的なゼロ金利解除まで頭に入れている」んだということがわかるだろう。
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昔話になるが、日銀の植田総裁が日銀の審議委員だった時、当時の日銀が ゼロ金利を解除したときにただ1人反対したことがある。環境が整っていないというのがその理由だった。実際にこの読みは正しく日銀は再びゼロ金利政策を執りさらにはマイナス金利を執るに至っている。
逆に言えば上田総裁も本来ゼロ金利政策というのがイレギュラーな政策であり、政策金利をプラスに持っていくのが正しい正常化の道だと考えているのだろう。
ゼロ金利解除の失敗の反省から、とにかく慎重に環境を整えているのがよくわかると思う。
賃上げさえ進めば条件は既に揃っているのでマイナス金利の解除に動くのではないか?これがやはりまっとうな発想だと考える
NY2024年2月29日(木)
3月もご購読いただきありがとうございます。
ニューヨークダウがソーサートップの可能性を示す中で、いかに読者の皆様の資産を守っていくかを示せるように頑張っていきますのでよろしくお願いします。
S&P500 5096+26(+0.52%)NYダウ38996+47 (+0.12%)
NASDAQ16091+144(+0.90%)
アメリカ国債10年利回り日足 PCEデフレーター(個人消費増加指数)の指数が前月より低下したことを受けて、金利は低下傾向。これが株価のプラスに追い風になっている。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足 ザラバの高値は抜けていないものの、終値としては高値を更新して取引を終えている。
NYダウ日足 ディフェンシブ銘柄や個人消費関連銘柄が冴えないためにダウは相対的に弱い。
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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アメリカ市場はややまちまちながら、 人工知能銘柄(ソフトウェアやクラウド、ロジック半導体)などに個人投資家の投機的な買い注文も集まりハイテク株が高かった。 ソックス指数は最高値を更新。 S&P 500、ナスダックともに記録的な高値となっている。
象徴的なのは サウンドハウンドAIで16%の上昇、C3AIも強気のガイダンスを反映して27%の上昇。 今のところ業績の裏付けがある株価ではないが、値動きの良さそのものが材料になっている。業績について厳しい見方があり売られていた銘柄の中でもユニティーソフトウェアが押し目買いで上昇したり、ダウ銘柄でもあるセールスフォースが2%以上上昇するなど AIを支えるバックボーン企業(データセンターやクラウド銘柄)に押し目を買う動きが出ている。
さらには AMDの8%を超える上昇が安心感 をもたらした。AI向けチップの生産増強報道が株価を下支えしている。連れてエヌビディアが2%の上昇、アームホールディングスが4%の上昇、インテルが2%上昇とロジック関連の上昇が心強い。
注目された1月の個人消費増加。 実績で2.4%の 前年比増加。12月の2.6%増加から低下したことでインフレが抑制傾向であるとされた。 これは事前の予想と一致する数字で特段プラスでは無いものの、最近の経済指標がインフレがリバウンドしているような数字が並んでいただけにマーケットには安堵感が流れた。 コアPCEも2.8%上昇で前月の2.9%上昇からやや低下を見せている。
一方でニューヨーク連邦銀行の総裁が「利下げは夏以降」と発言し、年最大でも3回しか利下げがないと言う趣旨と受け止められこれはマイナス材料だった 。マーケットは今年初め時点では「年間で6回の利下げがある」と考えていたわけだが、 複数回の利下げへの期待感は急速にしぼんでいて2回から3回程度しか今年は利下げできないと言う見方が強まっている。
昨日の 取引終了直後に出てきたスノーフレークのガイダンスは、通常取引で株価を18%下落させているわけだが、 業種全体の問題と言うよりはスノーフレイクの経営問題にとどまると言うアナリストの見方もあって相場全体には売り材料には今のところなっていなかった。 特にクラウドとソフトウエア銘柄は、今後はガイダンスが良好だったセールスフォースなど、他のクラウド銘柄のガイダンスやソフトウェアメーカーのガイダンスがどういう風に出てくるか企業業績に注目した相場になっていくものと思われる。
またビットコインは64,000ドル到達。2022年に大きな下げを記録して以降、ここに来ての記録的な上昇(勿論ETF承認が大きい)で市場最高値更新を伺っている。
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ARM日足
AMD日足 アセンディングトライアングルをきれいに上に抜けた。 半導体指数の救世主になるのか。
エヌビディア日足
インテル日足 AMDとインテルのチャートの差は、まさに追われる追う側の立場をくっきり示していると言っていいんだろうね。インテルの場合は追われると言うよりは追い抜かれたと言うべきか。
AIを支えるロジック関連銘柄がそろって高く、ナスダックを支えたといえる。SOXは2.5%の大幅上昇で史上最高値を更新して引けている(これだけ怪しい足が出てまだ高値を更新する驚きの値動きになっている。)
SOX日足 史上最高値をあっさり更新。
モノリシックパワーが変わらず近辺で値動きした以外は、総じて高かった。
また スーパーマイクロコンピューターが5.2%の上昇、マイクロストラテジーが5.9%の上昇、オクタが 22%急上昇するなど データセンターやクラウド周りが活況を呈した。 木曜の時点ではスノーフレークのガイダンスの悪さはあくまで個別の問題と割り切ったように見える。まだどうなってくるか読めない面はあるけれど。
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今年に入って急騰していたビットコイン関連株はさすがに利益確定の売りが大きく出た。ビットコインのマイニングを手がけるクリーンスパークが8.5%の下落。 マラソンパテントグループも16%の急落、 ラットも10%近い下落になっている。
これはマラソンデジタルが業績報告を出したことによって、失望がかさんだ影響。予想よりは悪かったというところだろうか
仮想通貨関連株でも コインベースは上昇していて必ずしも仮想通貨の関連が全部下がったわけではないんだが…
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セールスフォースやインテルの上昇にもかかわらずダウが冴えなかったのは、ボーイングの下落、ゴールドマンの下落、ウォルマートの下落、ユナイテッドヘルスの下落が足を引っ張ったから。それぞれバラバラな理由から下げているわけだが、ボーイングはやはり品質問題から来る投資家の懸念が収まらないこと。 景気の不安定 さから銀行株が売られる場面があること。インフレが収まりきってないと見てディフェン 支部名銘柄を買いづらい面があり、個人消費もインフレ懸念から株価を支え切れない面がある。
昨日も書いたスノーフレイクは通常取引に入って 20%近い下落で取引を継続。またバドライトの業績不振が続く親会社アンハイザーブッシュは4%の下落。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場2024年3月1日(金)
TOPIX2709+33 (+1.26%)NK225 39910+744 (+1.90%)
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足 ほぼ同じ波形の日中足からは、今日の上昇が先物主導だったことを示してもいる。 構成銘柄が違う2つの指数が現物主導で動いたなら当然形は変わってくるはずだからだ。
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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1日の東京市場は、 大谷選手が結婚したことでご祝儀相場となった。冗談はさておき、 現物相場は14時50分に39,990円に達しあと少しで40,000円の大台に乗るところ。先物はついに4万円に達した。(バブルの時に先物は40,000円がある)
機関投資家に月初の資金配分があったこと、NISA絡みの買いが入ったことで相場は大幅上昇となった。昨日のニューヨークでAMDが新高値を取り、ソックス指数も最高値を更新したことが 日本でも半導体を押し上げていて相場を後押ししている。 半導体だけでなく海運株や銀行株、不動産株や電鉄株が上昇。バリュー物色が相場全体を底上げしている。
今日はさくらインターネットや ACCESS などネットワーク関連も買われている。
バブル高値を更新すれば 目標達成感から売りが出るのではないかと言う見方は結構あった。それにもかかわらず どんどん買いが進むことで例えば コールオプションの売り手などはデルタヘッジの先物買を強いられたと見られる。過熱感は強いものの、アメリカ株に比べればまだ株価収益率は低いとの見方から日本株への資金流入が続いている。
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今日はとにかく半導体が動いた。
レーザーテックの2.1%高はかわいいもので、エレクトロンが4.1%上昇、アドバンテストが3%上昇、ディスコが3.8%上昇、スクリーンが3.7%上昇、野村マイクロが2.8%上昇。ここまでが売買代金10位に入る大商い。 さらにルネサスが5.5%上昇、TOWAが11.9%上昇、 ソニーが2.1%上昇、信越3.1%上昇、マイクロニクス5.4%上昇、HOYA2.3%上昇。
東京エレクトロン日足
アドバンテスト日足
ディスコ日足 ついに500円乗せ。 ここも半年間で2倍になっている。
売買代金上位に入ってこないような小さな銘柄でも、上昇率が2%を超えるのは当たり前という感じで半導体銘柄が上がっている。
今日は、 さくらインターネットが14%上昇、ルネサスが5.5%上昇、 アクセスが4%上昇、アンリツが3.2%上昇するなど、データセンターやネットワークに関わる銘柄も買われている。この辺も昨日のAMDの上昇の高影響と言えるだろう。
ACCESS日足
アンリツ日足
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半導体関連だけでなく、バリュー株全体にも大きな注文が入っている。
空売りの買い戻しも巻き込んで川崎汽船が8.3%の大幅上昇。売買代金が2325億円と この株にしては記録的に膨らんでいる。(初日ということでNISAに絡んだ お金も流入しているのかもしれないね)
その他三菱UFJが1.9%上昇、トヨタ1.6%上昇、三菱商事が2%の上昇、MS&ADが1.3%の上昇、日本製鉄1.9%の上昇、三菱重工1%の上昇。いわゆるオールドエコノミーではあるが「外国人の日本株 物色」 と言う側面を強く示しているような上昇になるだろう。
それこそ 1987年の新人類相場の時に相場の上昇を牽引した主力大型株にアメリカ人の買いが入っていると言っていい。「日本株って何があるんだっけ?」とインターネットで調べて買ってきたようなそんな上昇になっている。
その意味ではソフトバンクが1.3%上昇や、ソニーの2.1%上昇、ホンダの1.3%上昇、任天堂の1%上昇、リクルートの3.6%上昇、日立の2.1%上昇も同じ文脈で考えて良いのかもしれない。 とにかく 日本の主力株を買いに行こうと。
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一方で、さすがに三井E&Sには利益確定の売り。
H2Oリテイリングなど百貨店株が冴えず。飲食銘柄も安い銘柄が多かった。この辺はインバウンドで買われていた銘柄だがやや利益確定の売りが強まっている。
なお、コーセーが下がったのはCMで起用する大谷が結婚したからじゃないかと言う冗談が飛び交う。 逆にいつもの悪ふざけながら 大谷工業が2.6%の上昇1時5%ほど高い場面があった。こちらも仮想通貨ならぬ仮想大谷という冗談が飛びかう。
コーセーに着いては、 資生堂がリストラを発表した連想だろうね。どうしても中国市場の先行きが読みにくい。インバウンドにも影響はあるだろう。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場 NY2024年3月1日(金)
S&P500 5137+40(+0.80%)NYダウ39087+90 (+0.23%)
NASDAQ16274+183(+1.14%)
アメリカ国債10年利回り日足 昨日は政策当局者の「ハト派」発言が 相次いだことで金利が低下。これも株高要因になった
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足 ダウが冴えないのは金融株が冴えないのとボーイングとNIKEの業績に疑問符がついてる個別の影響も大きいだろう
NASDAQ日足 ナスダックも最高値を更新
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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1日のアメリカ株は大きく上昇して取引を終えた。ナスダックは2日連続の最高値更新。 ソックスも高値更新 になっている。月初ということで資金流入があったこと、金利低下が見られたこと。さらに・・・。
特にソックス指数が上昇したわけだが、これに巨大なインパクトを与えたのが DELLテクノロジーズ。
Dellは年間の売り上げ高と利益がウォール街の予想を大きく回ると ガイダンス 。AIの影響を受けて データセンターなどで使う高性能のサーバーが伸びると説明したことでAI関連の半導体が急伸 して ソックス指数が大きく高値を更新。 関連のソフトウェアやデータセンター周りの銘柄も強くナスダックを押し上げ た。
また昨日については ウォーラーがバランスシートの最終的な規模に関する決定は インフレーションとの戦いに影響与えない、として量的金融縮小について柔軟な姿勢を示す。リッチモンド連邦銀行のバーキンが 利下げを開始する時期を予測するのは 時期尚早だとしたものの、 1月のコアPCEが前月比で加速したことについて 季節性などがあって重大なシグナルとは見ていないとしたことも金利の低下方向につながることになった。 シカゴ連邦銀行のゴールズビー総裁も「1月のインフレデータはノイズだったと思う」と発言しディスインフレ傾向は継続しているとの市場の思惑を呼び込んだ。 3 人の鳩派発言で金利は低下しこれも株高の要因になった。
市場の過度の楽観姿勢を牽制するように、昼にはアトランタ連邦銀行のボスティックが「長期にわたる高い金利政策を維持する」と 利下げを行ったとしてもそのペースは緩慢であることを示唆したもののマーケットにはほとんど影響を与えなかった。
金利が低下したことで仮想通貨の価格も上昇。 関連銘柄の株価も大きく買われている。
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なんといってもDellの記録的な上昇。
終値では31.6%の上昇となった。
AI処理を行うための高性能サーバーは予想を大きく上回る93.3億ドルを第4四半期に売り上げた。 さらに今後についてもAI向けにサーバーの売り上げが伸びるとしたことで株価は上場以来最高の上昇率である30%を超える大幅高 となっている。
高性能サーバーを作るためには、当然半導体がいると言うことでロジック半導体メーカーや半導体製造装置に買い注文が入った。
エヌビディアが4%上昇。AMDは昨日の大幅上昇にもかかわらずさらに5.2%の大幅上昇。インテルも1.8%の上昇となった。メモリのマイクロンが5.0%の上昇。AI向け半導体に力を入れるマーベルは8.3%の上昇。 これだけ構成の半導体の株価が上がると、当然半導体製造装置の株価も上がる。ASML 4.1%の上昇、アプライドマテリアルズが4.3%の上昇、テンコール 5.1%の上昇、ラムリサーチ4.6%の上昇となった。
NVDA日足
AMD日足
マイクロン日足
なおエヌビディアは市場初めて時価総額が2兆ドルを超えた。ほんのちょっと前まで単なるパソコンの部品メーカーだと思っていた銘柄がこんな風になるとは。グラフィックカードを作っている会社なんていくつでもあった。なぜエヌビディアだけがこんな風になれたのかは後々大学の教科書になっていくのだろう。
半導体指数ソックスは、4.3%の上昇で、これは年間数回あるかないかと言う大きな上昇になる。歴史的な最高値更新となった。
SOX日足
またスーパーマイクロコンピューターが4.6%の上昇。ネットインフラ周りの銘柄に買い注文が来た。 ブロードコムは7.6%の上昇。当然これは通信関連にも需要が来るだろうと言う読み。セールスフォースドットコムが2.6%上昇、Microストラテジーが5.5%上昇、 クアルコムが3.3%の上昇、 ネットアップが18%の上昇。エヌビディアだけでなく、サーバーやネットワークのハードソフトともに買われる結果となった。 日本にも間違いなく良い影響を与えると思う。ネットワーク関連銘柄など。
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ただ、完全な 全面高と言う わけではなく、ここのところマーケットを牽引してきた 人工知能銘柄の1つサウンドハウンドAIが決算ガイダンスともに市場の期待を裏切り18.7%の株価急落。
また、 ニューヨークコミュニティバンコープが融資リスクの内部管理に重大な問題があったとして過去に買収した資産の27億ドルにのぼる減価を 行うとともにCEOをクビ 。これで 地方銀行の経営リスクが意識されて金融銘柄はさえなかった。 ニューヨークコミュニティーバンコープは26%の急落。ウェスタンアライアンス銀行、 バレエナショナルバンコープなど地方銀行の一角がさげている。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場 2024年3月4日(月)
TOPIX 2706ー3(ー0.12%)NK225 40109+198 (+0.50%)
TOPIX日足 いわゆる、出会い線でひけていて取引時間中の最高値更新にもかかわらずあまり引け味は良くない。
N225日足 こちらは、宵の明星になりかねない足。
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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4日の東京市場は史上初めて、ついに日経平均が40000円を超えた。
バブルの時とは大幅に銘柄が入れ替わっているし(なので指数は上がりやすい)逆に2000年の伝説の225入れ替え(値がさ株を大量にいっぺんに採用したためにインデックスプレーで225指数は2000円近く下げた)の影響で本来の225より2000円ほど下にいると言う連続性のなさは指摘されるもの、 やはり心理的には証券界の35年来の悲願達成と言っても良いと思う。
僕も大学出てから10年以上証券界にいたわけだけど、自分が生きている間は40000円なんて超えないと思ってた。ついにそれが達成されたというのは本当に感慨深い。
読者の皆さんと一緒に今日の日を祝えたら、と思います。
さておき、 ソックス指数が史上最高値を更新(NVDA4%高、AMD5.2%高、指数不採用だけどスーパーマイクロコンピュータ4.5%高、Dell31%高など)したことを受けて 半導体株が買われる。特に東京エレクトロンとはアドバンテストが225指数も持ち上げる立役者になった。 2銘柄で150円も指数をひき上 げている。225指数は上げ幅が400円を超える場面があった。 SQを前に40,000円の コールオプションを売っていた向きが損失限定のための買い戻しに入ったとも見られている。(いわゆるデルタヘッジの買いと言うやつになる)
ただ、海運株が売られるなどバリュー株には利益確定の売りが分厚く出た。 銀行株を中心に(銀行はバリュー株とも言えるが)景気敏感株に売りが出てきたのも今日の特徴。
値上がり値下がり銘柄で見ても1195銘柄が 値下がり。 僕も40年ぐらい株を見てるけど、 1000銘柄以上値下がりした日に225指数が 昨年来の高値を更新したことなんて今まで1度もないんじゃないか と思う位だ。それぐらい少しいびつな値上がりではあった。 ましてや、上場来高値なのだから。
さらに言うとTOPIXは、窓を開けて始まってほぼ変わらずで終わるいわゆる出会い戦になった。史上最高値で出来高を伴っている場面で出た出会い線だけにとても気味が悪いといえるだろう
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AIへの強気の見通しなどが出ていて、半導体株とAI関連株が買われている。
値上がり率上位の中にも値上がり率2位にさくらインターネットが20.4%上昇、 NTT法の改正報道もあって、NTTとIOWNで 業務提携を結ぶACCESSが値上がり率8位で8.5%高。SUMCOも4%上昇。
NTT法の改正はあらかじめ分かっていた事だが、改めて好感される形になった。
ACCESS日足
ついでにカタカナのサムコも1.8%高
IOWN関連はNTT法改正もあって外国人の注目を集められるかだろうね。
半導体はレーザーテック2.3%高、エレキも2.3%高、アドテスト3.6%高、ディスコ2.8%高。
レーザテック日足 AMDとチャート似てるんだよね
東京エレクトロン
アドバンテスト
ディスコ 宵の明星っぽいが。。。
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能登に工場があることから売られていたオリンパスだが、復旧が想定以上に順調と発表されたことで買われた。また中国懸念が続く一方でファクトリーオートメーションのファナック、安川電機、三菱電機が買 われていてこの辺は最悪時期は出したと言う見方が出ているんだろう。
ファナック日足 セクターローテション的な買いでもあるんだろう
安川日足
安川に比べると フナックは出遅れてるね。
一方、海運株は下げた。 中国経済の先行き見通しが相変わらず見通せないこと、上海SCFI指数など海上コンテナの値段がまた年明け以降下がり始めたことが改めて焼けされている。(それにもかかわらず先週まで高かった訳だが。。。)
日本郵船、川崎汽船等が非常に嫌な足を作っている。かぶせ線に近いような足。問題はこれが明日も続くかどうかということになっていくだろう。個人投資家が持ち株比率が高い業種だけに市場全体にも影響及ぼしかねない面があるのが気にかかる。 (海運株で追証が出ると、他の銘柄にも影響が大きいのだ。)
川崎汽船日足
225が伸びなかったのはファーストリテイリングが売られた影響もある。これは 取引終了後に月次の売り上げ発表があるため。 売り上げを見て時間外では1.7%ほど株価は落ちている。
その他ブリヂストンなどトヨタを含めて自動車関連株が売られているのも気になるところか。 このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月4日(月)
S&P500 5130ー6(ー0.12%)NYダウ 38989ー97 (ー0.25%)
NASDAQ16207ー67(ー0.41%)
アメリカ国債10年利回り日足
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足 不吉な足は沢山出ているんだけど、上がっているんだよね。
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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4日の米国市場は下落して終えている。
エヌビディアは高値を更新、875ドルまであった。インテルも4%高、マーベル2.2%高、TSM3.2%高と買われ、SOXは2%高い大幅高の場面があり史上最高値を更新!S&P500も取引時間中の最高値を更新する場面もあった。
しかしながら 、ニューヨークバンコープが「債券が投資不適格」の判定を受けて続急落。 EUがAppleに2900億円の制裁金(音楽アプリの独占問題)を課すとしたことでアップルが売られ、 昨今の世界的なEVの売れ行き不振(特に中国での急速な失速)を蒸し返してテスラが7%下げた 事で指数全体に重荷になった。
(Appleは新しいノートPCを発表したものの新技術に乏しく期待外れとの声もあった)
Appleへの制裁は、アンチステアリング条項と言うものに関するものだが、この辺はソニーや任天堂等にとっても他人事ではないだろう。少し注意して見ておきたい。(ユーザは自分のデバイスで使用するサービスをどこでどのように購入するか十分な情報を得た上で効果的な意思決定ができなければならないと言うポリシーだが、この辺の運用は各政府の恣意的なものがあり今後も問題になり続けるだろう)
Googleの親会社アルファベットが下げたのも、少なからず影響受けたと思われる。
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中国の乗用車協会がブルームバーグ経由で発表した暫定データでは、テスラは2月に上海工場から60,365台の出荷を記録した。これは前月比で16%減、去年に比べると19%減。2022年12月以来の最低の数字となった。これはなかなかショッキングな数字でテスラ株は7.1%の急落。 2月13日以来の安値になる。
この冬世界的に話題になったのは、降雪地帯で電気自動車が使い物にならなかった、と言うSNS等での投稿。どうしても暖房性能に劣るEVは今年の雪で不評を買っている。アメリカでトヨタなどのハイブリッド車がシェアを急速に伸ばしたのは季節的な要因も大きいとされる。
テスラ以外にも中国ではBYDが 2月の販売台数を前の月から37%減らしており、中国で電気自動車の市場が急速に伸び悩んでいる(もしかすると電気自動車の普及が始まって以降初めて)市場が縮小しているのではないかと言う懸念が強まっている。
激しく今更だけどね。これは売れ行きが伸びなんだこともあるし、中古車市場で電気自動車の値落ちがさらに激しくなっていることもあるだろう。電池がダメになった場合車の値段よりもお金がかかるなどと言う中古車問題が、今まで電気自動車を買っていた人間にハイブリッド車に戻ると言う選択をさせていると言う指摘もある。
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エヌビディアは高値を更新。スーパーマイクロコンピューターはS&P 500に採用されると言うニュースでさらに買われている。
この季節銘柄入れ替えがS&P 500であるわけだが、単純に非採用銘柄で最も時価総額が大きい銘柄から選んでいくと言う流れはいつもの こと。(これ去年も書いたけど、S&P 500に採用されてない銘柄で1番時価総額の大きい銘柄を2月のうちに買っていくと言うのは非常に有効な戦術であるのは今年も変わりなかった。 今年書くのをすっかり忘れてたけど絶対覚えておいてね)
ただ、ソックス指数は史上最高値を更新したし、1%上昇はしたんだけれど、 窓を開けてヒゲをつけた。チャート的には非常に不吉感を感じる足になってもいる。
エヌビディアにしても、高値を更新したものの ひげをつけるろうそく足になった。これも不気味な感じを増幅はさせているね。
金曜日に大幅高になっていたDellが2.2%の下落とさすがに利益確定の時も出た。仮想通貨は上昇しているものの、マラソンデジタルが5%下げるなど関連銘柄には警戒感もつよい。この辺もうちょっとよく見ていく必要があるだろう。 選挙してあげてきたサウンドハウンドAIやスノーフレイクなどAIがらみのソフト会社の株が下げたら気になるところ。ユニティーソフトウェアが6.6%下げるなど、業績が伴わないソフト会社は下落がきつい。
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今週は雇用統計があるし、パウエル議長の証言もある。ここのところ急速に高まる今年は 値下げが1階や2回にとどまるのではないか、極端なケースでは今年利下げしないのではないかと言う警戒感が マーケットにも出てきている。にもかかわらず株価が大きく下がらないのは、業績が上昇しているから。この辺の マーケットは 利下げの期待感を急速に失っていること、一方で企業業績は予想よりも良いこと。2つのファクターに注目していきたい。そのためにも雇用統計とパウエル発言はしっかり分析していきたいと思っています。
国内でもメジャーSQが金曜日。これだけコールが上がって、コールの売り方がデルタヘッジの買いを強いられただけに SQを境に相場が反転する可能性ももちろん頭に入れておきたい。水曜日は魔の水曜日になる可能性が十分にある
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NY2024年3月4日(月)つづき
パウエルの議会証言は水曜日と木曜日。 市場では利下げを急がない姿勢が強調されるとの見方が強まっている。
なおさっき書いたけどスーパーマイクロコンピューターはS&P 500の組み入れが決まったことで18.6%の上昇。この辺は毎年チャレンジする価値があるね
2月のうちに、S&P500に 組み入れがされていない銘柄で、時価総額が大きな銘柄を調べておく。まぁ結構めんどくさい作業だけど3月の第二週18%も上がる、と言うことになると来年やってみる価値は充分あると思う。1日で20%弱取れるのだから。
なお、アトランタ連邦銀行のボスティックが「今年の利下げは2回と予想」とタカ派的な発言。 もっとももっと厳しい見方をする人も増えてきているのでこれがタカ派とは言い切れないが。 市場はほとんど反応しなかった。ボースティックは、 最初利上げしたとしても連続の利下げは予想しないとも発言。利下げすることによってインフレ再燃をもたらすことがあり得るとも。
なお引けにかけては半導体も含めて利益確定の売りが増えたことには注目しておきたい。ソフトウェアを中心にコミュニケーションサービスが1.5%の下落。 下落率が大きくなっている。指数よりも相場は弱かった。
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東京市場2024年3月5日(火)
TOPIX2719+13 (+0.50%)NK225 40097ー11 (ー0.03%)
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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5日の東京市場はまちまちの展開で取引を終えた。
1部の半導体にはアメリカからマイナスのニュースが出ていたことで下落圧力がかかった。 アドバンテストや信越化学などが売られると日経平均が300円近く下げる場面もあった。
半導体には、 アメリカ政府が「さらに中国向け人工知能用途の半導体輸出の阻止に 動いている」 とのニュースが流れたことで売られる場面が見られた。 アップルがヨーロッパで巨額の罰金を課される見込みとなったこともApple関連株の売り につながっている。くどいけどこの辺は ソニーや任天堂も他人事ではない だろう。
しかしながら 大林が1時ストップ高す るなど建設株に買い注文が集まりメガバンクが買われる中で 割安株を物色するとする動きが強まりトピックスを中心に値段を戻す形になった。 トピックスも34年ぶりの高値更新が続く。 結果トピックスは0.5%の上昇で引けている。
これだけ上がってくると機関投資家は指数に負けないために主力の株を買わざるを得なくなる。 ファンドマネージャーの人事評価は、TOPIXなどの指数にどれだけ勝てるかであって、相対評価なのだ。 TOPIXに負けないために買うから上がる、上がるから買うと言う好循環のスパイラルが続く。
売買代金は5兆1000億円と相変わらず高い水準を保っており、資金の流入が株価を支えていることがわかる。 この売買代金が減っていく時は株価の天井かもね。
銘柄を見ても ファーストリテイリングやソフトバンク、トヨタ、TDKなど外国人が好む銘柄が買われていて、外国人投資家が中国などから日本株へ資金を移す動き が続いていることが伺える。
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IOWN(NTT法改正など 政府のバックアップも考えられている)の追い風に乗ってACCESSが年初来高値で引けた。
ACCESS日足
急速な上昇のおかげで、当面の利益を確保しようと言う売りも 分厚く午前中は大きく下げる場面もあったが、11時にはすかさず買いが入った。
プログラム買いによるもので、機関投資家が継続して買っているものと考えられる。
日中足 中小型株は、静かに買い集めることができないので買い集めたい人は上まで買う。上まで買い続けると高値をつかんでしまうので、たまには休んで下げさせ、また上まで買うと言う動きを見せることがあるんだね。 1直線の上昇がプログラム買いであることを示す。 上昇し始めるとアンダーの指し値買い注文が増えているのにも注目してほしい。
手を抜いて下げさせた後で、ずっとプログラムで上まで買っていくと言う流れが日中足から見て取れる。
取引終了時の板 プログラム買いが入るとアンダーの板が増える。 ポンと大きく売られたときに下のほうに買い指値を出しておかないと、 VWAP(平均約定株価)が 下がってしまい、それに負けてしまうからだ。
今日は 光デバイスの回路製造に使える機械を持っているサムコも買われている。 さらにフジクラが上場来高値を更新。古河電気工業や住友電気工業も高く、データセンター周りと言う材料もあってIOWN絡みの銘柄が高かった。
住友電工 四半期足 歴史的な高値に接近していて、これを抜いてくると抵抗線がなくなってしまう。
先行してシリコンの半導体銘柄が上がっているだけに、 出遅れている通信設備関連の銘柄を買おうと言う動きも出ているんだろう。
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建設や銀行が買われる流れで、割安な株を物色する動きが続く。JFEには 日興証券がポジティブなアナリストレポートを出したこともあって内外から機関投資家が買う動きが強まった。
全体的にはトヨタなど、指標的な割安感がある日本の主力株をもっと見直そうという感じだろうか。
割安株ではないけれどTDKが 買われている流れは同じような製造業でもアメリカの株に比べれば日本の株は割安にまだ置かれていると言うアメリカの機関投資家の考え方が見え隠れする。
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NY2024年3月5日(火)
S&P500 5078ー52(ー1.02%)NYダウ38585ー404 (ー1.04%)
NASDAQ15939ー267(ー1.65%)
アメリカ国債10年利回り日足 金利は大きく低下したんだが、株価には追い風にならず 。2月ISMサービスPMIは52.6と予想の53を下回ったことが債券の買い材料(利回りは低下)だったわけだが 、 金利低下のメリットより景気に対する不透明感により株が下げる結果になっている
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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5 日のアメリカ市場は利下げをめぐる不確実性への思惑と、それもあっていわゆる マグニフィセントセブン株が下げ ていることから大きめの下げになった。これも利下げの思惑に絡むわけだが、 ビットコインが高値をつけた後5時間余りで10%の急落に見舞われたことも 相場心理に悪影響を与えている。
まずは中国でiPhoneの販売が24%減少したと言う報道からAppleの下げが拡大。テスラはベルリンのギガファクトリーの生産停止問題などで出荷低下していること、さらに中国での価格競争が激化していると言う報道で売られた。
ビットコインは 史上最高値68,789ドルを上回ったものの直後に急落。 62,000ドルで下げると言うジェットコースターのような取引でこれも相場に悪影響を及ぼした。もちろんこれはすべて金利への思惑と言う面はあるだろう。
ビットコイン 日中足(円建て)
相場は今晩あるパウエル議長の議会証言に注目している。 このところのパウエル議長の言動からは利下げの 新長姿勢がうかがえるわけだが、具体的にどれぐらいのペースでの利下げを考えているか?これを見極めたいと言う動きがポジション縮小 につながっていると見られる。
火曜日について言えば、経済指標に軟化の兆しがみられたことで 金利は低下。 しかしながらこれは経済の減速 を伴うため 大型のTMT株を中心に売られたことがややきつい下げにつながったと思われる。
なお時間外で先物が少し持ち直しているのはクラウドストライクの決算が良かったことが大きいか 。 クラウドストライクは時間外で 21%の上昇。ここのところの決算でクラウド関連はあまり良くなかったのだが、クラウドストライクの決算が良かったことで「 AI関連の需要」 がようやくクラウドの実際の利益につながり始めていることが見えてきた事は明るい話題ではあるだろう。
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エヌビディアは0.8%の上昇、スーパーマイクロコンピューターは1.5%の上昇。ここだけ見れば半導体買われたんじゃないのと思うところだが…
大きかったのはアップルの2.8%の下落だろうか。上で書いたように中国でiPhoneの売り上げが急に落ちたこと、ヨーロッパでの独占禁止法に絡む巨額の罰金がアップルの売りを加速させている。
アップル日足 一時200ドル近かった株価は3ヶ月足らずで15%も下げた事になる。
これに引きずられるかのようにソックス指数も2%と大きな下げ。 月曜日の足が今のところ「宵の明星」 になってしまってかなり気持ち悪い。特に史上最高値をつけたところだからね
SOX日足 月曜日の上ひげの足がいわゆる宵の明星の形になっている。 トレンドLINEの上限でもあったんだね。
SOX週足 週足はかぶせ にかかるような話になっている
Appleから生産受託を受けている台湾のTSMCが2.4%の下落。Apple向けに出荷が多いスカイワークスが4.4%の下落。この辺日本市場でもApple関連株と言われる銘柄は、当然売り圧力を浴びることになるんだろう。
スマートフォンへの出荷現象見込みからクアルコムが3.1%の下落。ブロードコム も4.2%と強めの下げになった。その他ではASML 2.9%の下落、アナログデバイス2.5%の下落、オンセミコンダクターの3.6%の下落が目立つ。
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ソフトウェアの会社の下げが目立った。これは株式発行伴う資金調達が発表されたことも大きい。ソフトウェア会社は株価が上昇しているここぞばかりにエクイティファイナンスを行ってきて、これが相場にも冷水をかけた格好になった。 もちろん上場している目的と言うのはこういう風に市場からお金を集めることでもあるんだけどね。
マイクロストラテジーが21%の 下落。 ソーファイテクノロジー 15%の下落、 アルベマールは17%の下落となった 。3社いずれも転換社債を発行する計画を発表していてこれが下押し圧力となっている。アルベマールは17億5000万ドルもの巨額の資金調達を発表していてさすがにインパクトが大きかった。 これが他の銘柄にも「 同じように転換社債を発行してくるのではないか」 と言う懸念につながって相場を押し下げた面がある。
3者が同時にエクイティファイナンスを発表した裏には、当然証券会社側から同じような会社に同じような提案が猛烈になされていたことを想像せざるを得ないものだ。
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ビットコインの乱に伴って、ビットコイン関連銘柄も下げた。マラソンデジタルは13%の下落。 コインベース5.4%下落、ライオット9.1%の下落、ロビンフッドも4.2%の下落と巻き込まれる形。この辺は史上最高値に来ただけに乱高下が続くんだろう。
マラソンデジタル日足
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後はテスラと microsoftとAmazon、メタが下げた。
テスラは3.9%下落、一時180ドルを割り込んだ。 この日は中国でEVの価格競争が激化していると言う報道が泣きっ面に蜂と言う形で売りにつながった。さらに 2月の中国工場の出荷台数が前月比ー16%、前年比ー19%との報道も売りを加速させている
テスラ日足
Microsoftは2.9%の下落。 Amazonが1.9%の下落、メタが1.6%の下落。この辺は特に大きな材料が出たと言うよりは相場が下げることに対応して時価総額が大きい銘柄を売ろうと言う動きも強かったか。パウエルの議会証言で利下げへの消極姿勢が出てくることへの警戒感も強かったと思われる。
マイクロソフト日足
メタ日足
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数少ない良かった銘柄はターゲット。決算が想定外に良かったために12%の 急上昇。
ウェルズファーゴやJPモルガンなど一部の金融株は 金利が下がりにくいことを理由に買われているが、それほど大きな動きでもなかった。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場2024年3月6日(水)
TOPIX 2730+10(+0.39%)NK225 40090ー6(−0.02%)
TOPIX日足 何度も何度も 不気味な足が出るのだけど、それを無視してまた高い。売買代金が示すように、何も無視してお金が入ってくる。ここも1997年の新人類相場(それまでの常識を覆して オシレーターなどを無視してガンガン上がっていく主力中心の相場)との類似性を感じざるを得ない。
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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6日の東京市場は朝方はアメリカでソックス指数などが売られたことを嫌って下げたものの、アメリカの指数先物の夜間取引が堅調さを 取り戻したことから下げ渋り結局小幅ながらプラスになった。
朝のメルマガでも 書いた通り、クラウドストライクの決算が引き後に発表されてこれが予想外に良かったこと。このため 人工知能の進展がクラウドや半導体、通信などの成長株にプラスに働くと言う連想が働き相場を下支えすることになった。
さらには懸念されていた中国株について、ハンセンが寄り付いた直後から急激に値段を戻した。全人代が開催され 景気対策が追加されるのではないかと言う期待感がハンセンを引き上げ、これを見てアジア株全体が上昇する流れになった。
ハンセン日足
アドバンテストやスクリーンなど半導体の主力銘柄がしっかり。 3月末が近づいてきたことでバリューの大型株を買う動きもあってKDDIやあるいはトヨタやデンソーといった自動車の割安株を買う動きが強まった。
ただしソフトバンクやTDKと言った3月の初めまでずっと買われていた銘柄には利益確定の売りが出ていて銘柄入れ替えの動きも出ている模様。半導体にはそれなりに警戒感が強まっていると言う声も聞かれている。
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半導体は高安まちまち。レーザーテックやディスコが下げた一方でスクリーンやアドバンテストが上昇。エレクトロンは変わらずといったところ。
さくらインターネットはさすがに利食いに押されていて、 データセンター何でもいいから買っちゃおうと言う動きもちょっとおさまった。
ただし住友電工が上場来高値に30円と迫るなどデータセンターに絡んで電線株を買う動きが出たり出遅れの銘柄を払拭する動きもあった。
注目のIOWN銘柄はACCESSが連日の年初来高値更新、引けが高値と言うとても強い引け味になった。。サムコも5700円に載せて取引された。
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住友電工もそうだけど、3月末が近づいてきたということでPBRで 1.0を割り込んでいる銘柄を物色する動きも見られた。1部の投資家は3月まで大きく上げてきたハイテク株を 利益確定して、割安に放置されている低位大型主力株を買い付ける動きに出たと見られる。
トヨタ自動車や、三菱重工業、野村証券、三菱地所等が買われている。
コンプライアンス上、 割安銘柄銘柄を 具体的に名前を挙げて並べて買いましょうということができないのだが、各読者の方でPBRやPERが低い銘柄は確認してほしい。3月に向けて割安株を取引する流れは必ずやってくるとは思う。 できるだけ取引量が多い大型株を中心に探すのが良いだろう。
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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月6日(水)
S&P500 5104+26(+0.51%)NYダウ38661+75 (+0.20%)
NASDAQ16031+91(+0.58%)
アメリカ国債10年利回り日足 ADP 雇用統計を受けて金利が低下。これが株式相場を持ち上げている。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足 相変わらず警報は鳴り続けているが、とりあえず25日移動平均線でとどまっている。いつ何があってもおかしくない状態なのは変わらない
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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6日のアメリカ市場はあげている。 ただ、さすがに午後からは利食いの売りがでて伸び悩み、上ひげを引く格好になった。
取引開始前に出た 民間のADP雇用統計は「離職率の低下」を示唆。 アメリカでは経験則上、離職率の低下は9ヶ月先行して賃金の下落傾向を示すと言う。 要するに先行きの賃金の上昇傾向が止まり始めると新しい仕事への魅力が無くなり今の仕事を離れたくない、という心理が働くというもの。 離職率の低下が始まると9ヶ月すれば賃金の伸びが実際に収まると言うのが経験則。賃金の伸びが収まる=インフレ鎮火=利下げ可能という考え、 これが 市場の金利を引き下げ、相場全体を押し上げた。
水曜日はパウエル議長の 議会証言があると言うことで、今後の金融政策について(特に利下げと量的金融縮小の停止について)何を言うかをマーケットは注目していた。
パウエルは利下げを急ぐ必要は無いと言う従来の姿勢を強調。 年内に利下げが正当化される可能性が高いと述べこの辺は予想通りと言う反応になった。さらなる利下げ時期の後ろ倒し発言を警戒していたマーケットは安心感から買い直す動きに出たと言える。
また 注目されるのはパウエルが今から10年以上前に始まったバーゼルスリーの見直しにつながるような、銀行の資本規制について見直す姿勢を示したこと。 より銀行にとって自由度が高いいわば規制を緩める姿勢を示したことで 投資銀行にとってはプラスになるだろう。さらに言えばより 金融に対して抑制的な民主党よりも自由競争をよしとするトランプ共和党の勢いが強まっている今、銀行への規制は名ばかりのものになっていくのかもしれないね。いわゆるボルカールールが骨抜きにされる未来。 株価にとっては短期的にはプラスになるだろう。 (ただしおそらくリーマンショックのような行き過ぎによる金融破綻は起きやすくなるのだろう)
個別でも昨日の引き後に決算を発表した クラウドストライクが上昇。パランティアも10%近い上昇 になり相場全体を引き上げた。パランティアは人工知能を使った戦場タクティカルシステムについて1億7800万ドル陸軍からの契約を獲得したと発表。今後もさらなる契約が可能なのではないかと言う楽観的な見方から株価が上昇している。 もう一つマイクロストラテジーが20%の上昇。この3銘柄が心理的な強気を加速 させたのは間違いない。 この辺の人工知能に絡んだ銘柄の上昇が市場全体にプラスの影響与えたと言える
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ソックス指数は昨日の下落の段階では「宵の明星」をつけていて チャート上はとても不吉だった。 しかしながら資金の流入は根強く、チャートを無視して最高値を更新している。
参考SOX日足 水曜日は上がったものの、変則的な毛抜きになっているところには 注目したい。
特に昨日売られたアップルに 絡んだ銘柄に買い戻しが入った。台湾TSMCが5%近い上昇、アップル向けが強いスカイワークスが6.3%の上昇。その他でもエヌビディアやインテルといったロジックが強く、半導体製造装置も軒並み 2%から4%と高い上昇率となった。
日本ではあまり話題にならないところではブロードコムがで2.3%の上昇。この辺の強弱が半導体のカナリアかなぁと思う。
それにしてもソックス指数のこんな変な チャートはちょっと見たことがない。それだけ資金の流入が多かったということで問答無用なんだろう。 こんなちゃんと見たことないんだよね、リバーサルアイランドと見せかけて再度上昇。しかし今度はヒゲがついた。どうしろっちゅうねん。
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Appleはほとんど変わらず、テスラは1%下げるなど業績先行きには厳しい見方がある。乗れてる銘柄と惚れてない銘柄の差が大きい相場でもあった。 アルファベットも0.8%下落していて、人工知能の開発競争で負けているのではないか?と言う懸念が強い。 アルファベットについては2種類の株両方とも売買代金が減っているのが気になるね。人気度が落ちていると言うことだろう。
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人工知能がらみ、半導体がらみ以外では ファイザーが4.6%の上昇。 増資発表で急落していたアルベマールが8%を超える反発。
急上昇と急反落を繰り返す仮想通貨銘柄ではマラソンパテントグループが 6%を超える上昇。また中国のADRであるJD.comが18%の急上昇になっているのが目につくか。 アリババが3%を超える上昇になるなど中国銘柄は今日は強かった。
後はターゲットの好決算もあってコストコホールセールが1.6%の上昇。ターゲットも2.7%ほどの上昇になっている。
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なおニューヨーク コミュニティバンコープは昼前に増資を行うのではないかと言うニュースが流れると42%を超える急落。1時前に増資の真偽を確かめるためとして売買停止になってしまった。 売買停止時の株価は1.8ドルともはや破綻やむなしと言うほどの値段まで下げている。
ただその後、ドラマが待っていた。なんと スティーブン・ムニューシン元財務長官を含む個人投資家から10億ドルの資金調達に成功したのだ。これが市場で明らかになり取引が再開されると「 元財務長官のお墨付きを得た」と一瞬30%以上上昇。終値も7%上昇でひけて時間外でも3%近く上昇するとんでもない相場になっている。
とりあえずこれでニューヨークバンコープの倒産騒ぎは一段落ついたかな。 地方銀行が連鎖倒産すると言う恐れは少なくとも当面は先送りになっている。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月6日(水)つづき
パウエルの文言を拾っていくと、大きいのは 「政策金利はおそらく今がピーク」と述べたこと かな。これでわずかに残っていた まさか利上げがあるんじゃないだろうなと言う懸念は完全に消えた。
利下げについては、インフレが2.0%になるのを待つ必要は無い、としたことである程度物価の上昇率の低下傾向が見れれば利下げが始まると言うことを再確認したことも大きいだろう。
さらに言えばリセッションは予想していないとしたことも、 金融政策の行き過ぎによる景気後退懸念を和らげた。
さっきも書いたけど、バーゼル3最終案についてFRBが 大幅に修正する計画があることを表明した事は、完全にサプライズだった。大手銀行への資本規制が緩和されるとなれば、市場にとってはプラスになる(ポジションをより多く取れるようになるから)。ちょっとやり過ぎじゃないかなと思うけどね。パウエルは トランプ大統領の誕生を織り込んでいるとしか思えないそんな話でもあった。(トランプは民主党政権のいわゆるボルカールールなどの制限に対して以前から怖い不満を持っていた)
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東京市場 NY2024年3月7日(木)
TOPIX2718ー12(ー0.44%)NK225 39598ー492 (ー1.23%)
TOPIX日足 かぶせ線になっている。
N225日足 こっちは包み足
TOPIX日中足 日中足は酷似していて、両者ともに今日は先物主導で売られた事が分かる(両指数は構成銘柄が異なるので、現物主導の動きならここまで似ることは無いため)
N225日中足
日本国債10年利回り日足 金利上昇が売りの言い訳にされた。ただ今より金利が高い場面は過去いくらでもあったわけで、元々背中を押されたら株価が下がりやすい所まで上がってたって事だろうね。
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7日の東京市場は「波乱」の1日 となった。昨日の夜はSQを直前にして40,500円のプットの売り手が 損失を限定するために先物を買ういわゆるデルタヘッジの買い注文が出たと見られる。このために先物が40,500円つける面があった。東京市場に入って通常取引が始まっても根強い先高感から買い注文が入り半導体などが上昇した。 ところが、10時半ごろに中川順子日銀審査委員が「 賃金と物価の高循環が展望できる」「 経済や物価情勢は2%の物価目標の実現に向けて着実に進めている」と発言これが3月にもマイナス金利解除につながると言う見方 が広がった。イベントドリブン等と呼ばれる短期の先物取引業者が先物に売り仕掛けを行うと一気に崩れが崩れるように売りが売りを良く展開になった。
そもそも半導体は最初から「待ってました」って言う売りが出ていて、SQを前に「売れる内に売っておこう」という大口投資家がいたと考えられる
株価は朝方つけた40,472円から2時44分につけた39,518円まで 実に954円下げる展開。下げ幅としては今年最大の値幅となっている。チャートもいわゆる丸坊主の包み足になっていてかなり引け味が悪い。
225日足過去3ヶ月
売買代金は5兆9000億円かなりの高水準。 おそらくは明日のSQの前に裁定ポジションを 解消する売りが出たのだと思われる。
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あくまで一般論だが、大台を突破した後 反落することは多い。 この時強い相場であればすぐに大台を回復し上昇を再開することが多い。それほど強くなければこのまま下がっていく。まさに相場はリトマス試験紙というか分水嶺というか分かれ目に立ったと言えるだろう。
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ソックス指数が高値を更新したところで、みんながそれ買いついたところに機関投資家たちが大規模な売りをぶつけてきたとみられる。これに日銀の中川発言が加わり下が拡大する結果になった。
スクリーンホールディングスが6.1%の下落。 日中足のチャートを見れば直線の下落になっていてまさにプログラム売りが発動したことがよくわかる。
その他エレクトロン、アドバンテストが大幅安。 半導体は総崩れの様相を呈した。
円高進行を見て 輸出比率が高いマツダとかTDKを売る動きが活発化。ドル建ての運賃になっている海運株にも売り注文がかなり集まった。
逆に金利上昇を期待でメガバンクが上昇。大手損保も上がっている。メガバンクに関してはアメリカがバーゼル3 (1番新しい金融機関に対する規制)を緩める方向で規制案を考えているとパウエルが発言したことも強い追い風になっている。
ドル円日足
個別には増配と分割発表のカプコン、引き続き販売する薬の薬価引き上げ報道でツムラが連日の大幅上昇。 川重には日経大手の目標株価引き上げが出ていた。公明党が武器輸出に対して態度を軟化させていることは 追い風になるだろう。
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大阪チタニウムが昨年来安値を更新。やっぱり一昨年先行してあげた銘柄はどうしても先行して下げやすいと言う面はあるんだろうね。 チャートはディセンディングトライアングルと言われる形になってしまっている。
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半導体から金利メリット株、為替メリット株に流れが移るのか、(いよいよ米国の利下げが年内に始まる一方で円高に繋がるのか)
そして。 以前から書いていることだが 、外国人投資家は円建ての株を持つ場合総資産に対して円売りドル買いの 為替ヘッジを行っている場合が多い。一旦株価が下がり出すとヘッジに必要なドル買いポジションが減るのでドルを売る動きに出る可能性がある。こうなると円高ドル安が進みそれが株安及び、また ドルを売る動きが出て株安につながるスパイラルの恐れがある。ここの部分には最大限の注意を払っておきたい。
逆に為替の影響をプラスにできる銘柄や、 金利上昇に強い銘柄は注目されることになるだろう。もう今日は銀行上がっちゃったけどね。
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NY2024年3月7日(木)
S&P500 5757+52(+1.03%)NYダウ 38791+130 (+0.34%)
NASDAQ16273+241(+1.51%)
アメリカ国債10年利回り日足 要人発言を受けて金利は低下。これも株価を支えている
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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7日のアメリカ市場は S&P 500が新高値を記録 するなど大きく上げた。
ECBのラガルドが 「足下の経済は弱い」と発言。「悪いニュースは良いニュース」と言うやつで、ECBが6月に利下げするとの判断から欧米の金利が低下。株価には追い風になった 。クリーブランド連銀のメスター総裁が、「インフレが予想通りなら今年後半に利下げ」と発言した事もプラス材料。タカ派的な発言をしてきたメスターも再びハト派に戻りつつある。
米国の新規失業保険申請件数が21.7万人と先週の21.6万人をわずかに上回った事も「米国の利上げの補強材料」とプラスに受け止める向きが多かった。これを受けて市場は再びリスクオンとなっている。
売買代金トップを大幅な出来高を伴って独走する エヌビディアが4.4%上昇して900ドルをついに突破 。Appleは冴えなかったものの、マグニフィセントセブンが上昇し、
最近メキメキと人気を集めているブロードコムが売買代金7位に入って4%高。 ブロードコムはテスラに代わって新マグニフィセントセブンになるのではないかと言う話まで出てきた。 ブロードコムは一株利益が10.99ドルとアナリスト予想10.49ドルを大きく上回り、AI需要の大きさをまざまざと見せつけた。 アナリストもこの決算を受けて目標株価を引き上げるなど人気が集中している。
相場の上昇に対応するために、 ここのところさえなかったマグニフィセントセブンを買い直す動きが顕著に出た。さらにTSMCが5.4%上昇するなど 半導体銘柄がほぼ全面高 になって相場を牽引。 マイクロストラテジーなどデータセンター周り、通信インフラ周辺の上昇も続く。
とりあえず世界の相場はほっと一息といったところか。
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半導体 ソックス指数は3.3%の上昇 で高値を更新。 もうまるで誰も手がつけられない状態になっている。 毛抜き天井なにそれおいしいのと言うやつかな。チャートなんて何の意味もなく上がっていく。 世界からお金が集まってきてしまっている。
エヌビディアは、記録的な売買代金を集めて 4.4%の上昇。 注目すべきはやはり ブロードコムで売買代金7位 に入って4.2%の上昇。アルファベット の売買代金が減ってきていたり、テスラの上昇の勢いが減ってきたりする中で、ブロードコムこそ新しいマグニフィセントセブンにふさわしいと言う声も出てきている。
NVDA日足 初めて900を突破
ブロードコム日足
その他TSMCが5.4%の上昇、クアルコムが4.6%の上昇、マイクロンが3.6%の上昇、マーベルが4.5%の上昇、インテルが3.7%の上昇、ソックス指数採用銘柄では無いけどアームが2.8%の上昇、同じくソックス指数では無いけどゼネラルエレクトロニックが4.4%の上昇。 ここまで半導体に絡む製造業が(アーム製造業では無いけど) 売買代金30位に入る大商いになっている。
売買代金30位には スーパーマイクロコンピューターが3.1%の上昇、バランティアテクノロジーが1.1%の上昇、マイクロストラテジーが4.3%の上昇、パロアルトが2.7%の上昇、 セールスフォースは下げたものの売買代金28位に入るなどやはり AIに絡んだクラウドや通信インフラの銘柄が売買代金30位に入っている。それだけここの銘柄たちに人気が集中していると言って良いだろう。
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Appleほぼ変わらずだったものの、テスラが1.2%高、 メタが3.2%の上昇、Microsoftが1.7%の上昇、Amazonが1.9%の上昇。相場が上がる時は地下総額が大きな銘柄を買えというのが今日の流れ。最近ちょっと調子を落としているアルファベットも良い点2%の上昇で取引を得ている。
マイクロソフト日足
個別ではなんといっても痩せ薬を作っている上ノルディスクの上昇。9%の上昇となった。今年も痩せ薬の会社は絶好調だね。イーライリリーも結局変わらずになってしまったけど、売買代金は17位。相変わらずの人気が続く
ノボノルディスク
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東京市場2024年3月8日(金)
TOPIX2762+8 (+0.30%)NK225 39688+90 (+0.23%)
TOPIX日足
N225日足 昨日包み足、今日はらみ足 とても不吉な足が並ぶ。
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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東京市場は上昇して終えている。
日経225が40,000円を超えられなかった一方で、銀行株等が上昇したことでTOPIXは「終値としての昨年来高値」を上回るシーンがあった。
ただソックス指数が3%上昇した割には日本株の戻りは限定されている。年明け以降日本株の方が上昇率が大きかったことへの警戒感と、 日本の金利が正常化(マイナス金利解除)に向かう一方でアメリカの長短金利が低下していくだろうと言う「日米の金利差の縮小から円高が進むのではないか?」と言う思惑が株価の重石になっている。
1時は400円上昇したものの、40,000円の大台を前に戻り売りが 分厚く、 特に半導体が失速したことで上昇幅を急速に縮小してしまった。 下でも書くけどさくらインターネットが急落、特に引け間際にかけてマイナス影響が大きかったと思う。 。売買代金はSQがあったこともあって6兆4000円と記録的な売買になっている。
配当等の株主重視の姿勢を示している建設、 金利の正常化思惑から利益が増えるんじゃないかと言われている銀行株、 円高になれば有利になるとされる電気ガスは買われた。一方で円高懸念から 自動車等の輸送機械が下げた。個別では昨日アメリカでアーム株が上昇したことでソフトバンクがしっかり、ポケトークが上場すると言う噂でソースネクストが買われている。
特に注目すべきが 銀行株 で、みずほと三井住友が連日の昨年来高値更新。 ゆうちょ銀行等幅広く銀行株が買われる展開になっている。
建設株では大林は資本政策改善策から外人投資家の注目を浴びていてさらに買われている。
逆に自動車株特にマツダ、スバル、スズキなど 輸出比率が高い株が円高で下げ。
オリエンタルランドは京成電鉄が売却に動くと言う報道でSQの売買が膨らむところを狙って売られてきた。京成電鉄は「材料で尽くし」ということでやっぱり売られている。
相場を冷やしたのは さくらインターネットだろうか。2時前にまとまった売りを浴びるとそのまま21%安。 データセンターがらみの銘柄は個人の人気高く、連想からまとめて下げてしまう形になった。PBSやテックファームなど個人の人気が高いグロース銘柄も巻き込まれて下げた感じがする。
さくらインターネット日足
日中足
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続く
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東京市場2024年3月8日(金)
つづき
半導体が崩れたのはやはりアメリカがオランダや日本に対して対中国輸出規制の強化を打ち出してきていることが大きいか。 また仮にトランプが当選したとしても同じようにオランダと日本に対して中国への対抗措置を取るように求めてくるだろうと言う読みがあるんだろう。 スーパーチューズデーをきっかけにアメリカの半導体が上がっているにもかかわらず日本の半導体が弱いのは、人工知能の売り上げがあるから大中国輸出が伸び悩んでもある程度許せるアメリカの半導体企業と対中国の依存度が依然高い日本の半導体企業の差が出ていると言う気がする。これを補強するのが appleの 弱さ。やはり中国に依存しているAppleは株価が下がっているところがあってこれも 中国への規制問題のせいで日本の 半導体企業の株が冴えないことを立証しているような気がする。
またチャートが崩れているのも気にかかるところ。
レーザーテックのチャートはいわゆるヘッド&ショルダーズになっている。
エレクトロンは包み足のあとはらみ足
アドバンテストは包み足のあと並び黒
ディスコは包み足のあとはらみ足
ソシオネクストは上ひげを伴う包み足
不吉な足が並ぶ。こうなるとちょっとね。
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反対に銀行株は連日の高値
筑波銀行6.7%、八十二銀行6.3%高、北洋銀行4.3%高
この辺がいつまで続くか・
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NY2024年3月8日(金)
S&P500 5123ー33(ー0.65%)NYダウ38722ー68 (ー0.18%)
NASDAQ16085ー188(ー1.16%)
アメリカ国債10年利回り日足
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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8日のアメリカ株はソックス指数が先導する形で下げた。ダウなどの指数の数字よりも内容はかなり悪い。
ソックスは 史上最高値での包み足。 週足でも十時足になっていて「いやーこれは、」と言うチャートになっている。
参考ソックス日足
参考ソックス週足
史上最高値更新900ドル乗せを達成したエヌビディアが一転して5.5%安。さらに決算を発表のブロードコムだが期待に届いていなかったと言う厳しい見方も増えるとともに下げ足を強めて7%安、 同じくマーベルが決算を嫌って10%を超える急落。この3銘柄の下げが大きかった。
NVDA日足 絵に描いたような包み足が出た
ブロードコム日足
マーベル日足「行き違い線」になる。出来高も過去最大水準
つられる形でソックス採用銘柄は全銘柄が下落。 半導体製造装置もメモリーもマーベルなどAIに絡む銘柄も全てが大きな売注文を受けて下げ、相場に大きなマイナスインパクトを与えた。ダウ指数が受ける印象よりも相場の下げ きつい。半導体を見ていた人間にはダウが1000 ドルとか2000ドル下がったような暴落のような感覚を持ったと思う。ちょっと洒落にならない。
雇用統計は、解釈が分かれる結果となった。2月に27.5万人の 雇用増加が見られて予想を大きく上回ったものの、(予想は20万人) 12月と1月の雇用統計については合わせて16.7 10,000人の下方修正となった。さらに失業率が3.7%から3.9%に上昇。これは就職希望者が増えたということで労働者の供給増加はインフレを押さえ込む効果があると見られ市場は一旦プラスに解釈した。 Fed ウォッチなどを見ても、6月に利下げが開始されるだろうと言う予想が増えた。FF金利先物もダウなどの年内に合計1%の利下げと言う値を気になった。(単純に年内4回利下げする可能性があると言うこと)。これで一旦株価も上がったのだが…。
個別企業では、大きかったと思うのはコストコの業績が予想を下回ったこと。これで7%の下落。個人消費関連銘柄にも大きな悪影響を与えた。
もう1個はブロードコムの売り上げ。過去業績は良かったもののAI関連のチップの売り上げが100億ドルに届かなかったということで、当初は好意的に捉えるアナリストも多かったものの 目標株価を下げるアナリストも出てきて6%の下落になってしまった。 ブロードコム(とマーベル)の売り上げ解釈でエヌビディアが下落に転じてしまった面もあると思う。そしてそれが半導体銘柄全体に売りが広がる結果になった。 大天井からの下落がかなりきつい形になっている。
なお、ダウの下落がそれほどでは無いのは アップルがリバウンドしたことも大きいかな。 ナスダックは1.2%の下落にとどまっているけど、中身はかなり悪い。上昇のベクトルは今まで下がってた銘柄がリバウンドしたことによるものだから。新たな上昇エンジンがあったわけではない
なお 政府当局者の発言としてはSECの ゲイリーゲンスラー委員長がビットコインについて「この分野全体が不正行為と詐欺に満ちている」として仮想通貨に関して新たな警告を発した。
https://finance.yahoo.com/news/secs-gensler-says-crypto-rife-with-abuses-and-fraud-as-bitcoin-surges-to-new-all-time-record-201631634.html
投資家はビットコインが非常に投機的で不安定な資産であることを認識すべきだとも発言している。
ゲリーゲンスラーは、ビットコインについて上場投資信託の上場に強く反対してきたわけだが、いろいろな圧力に負けて今年上場を認めざるをを得なくなった経緯がある。 ここにきて再びビットコインに直撃弾を放った事は相場の環境が急速に崩れてきただけに注意しておくべきだろう。
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なんといってもここのところ圧倒的な売買代金が続く(昨日は2のアドバンスドマイクロデバイスの4倍売買代金ができた) エヌビディアが最高値を更新した後に5.5%の大きな下落で包み足を描いたこと。
さらにアドバンスドマイクロデバイスが2%安。
AMD日足
これらをもたらした形になったのが今日も売買代金6位に顔を出してこの株としてはかなりの 取引量になったブロードコムが、結果としては決算を消して7%の下落になったことが大きい。引きずられる形で売買代金4位のスーパーマイクロコンピューターが1.7%の下落。人工知能に力を入れているマーベルも決算を受けて11%の下落となったことで、半導体銘柄はAI銘柄を中心に総崩れとなった。
マーベルも決算の売り。 今期の収益と1株利益が予想を下回るとして売り注文がかさんだ。 結局は人工知能部門について過度に期待しすぎたということなのだがその反動の下と言えるだろう。 10ヵ月前に株価が19%上昇したことがあったが、これはAIに対する期待感だった。10ヵ月経ってこの期待感が過剰すぎたということを反省した下げ、それが昨日の10%を超える大幅下落だったと言えるかもしれない。
何せ基本は半導体全面安。 ソックスが大陰線になったことからも分かるように終日機関投資家が半導体株を売り続けた。
ASML5%安、AMAT3.3%安、ラムリサーチ3.8%安、マイクロチップ4.8%安、モノリシック4.6%安。
AIに限らず通信半導体もパワー半導体もメモリーも半導体なら何でも良いから売っとけって感じになってしまった。引け味は最悪に近い。
SOX以外でも アームホールディングスが6.6%と大きな下落になってしまっている。
ARM日足
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半導体以外では コストコが決算を拾って7.6%の下落。 痩せ薬のノボノルディスクが2.1%下落、イーライリリーが2.3%の下落。ここのところ痩せ薬関連は上昇が続いていただけに利益確定の売りに押される格好になった。
コストコ日足
PDDが 下げているのは米中対立の影響というところだろうか。
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東京市場2024年3月11日(月)
TOPIX2666ー59 (ー2.20%)NK225 38820ー868 (ー2.19%)
TOPIX日足 行き違い線
N225日足 はらみ足からの下離れ
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
債券の利回り上昇(価格は下落)傾向が続く
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東京市場は1時1100円を超える下げ幅となり、 取引終了にかけては押し目買いとショートカバーで戻したものの 、終値では868円安。 去年は1度もなかった800円以上の値下がりとなった。
残念ながら時が来てしまった感じだろうか。
ちなみに700円台の下げは去年2回あって10月4日に711円下げ8月2日には768円安があった。
10月4日は アメリカの長期金利が5%に 達するなどして世界的に株価が大きく下げた、また8月2日は フィッチがアメリカ国債の格付けを引き下げたことなどで世界的に株価が下がった日だった。
今回はそれを上回る 下落になっていて、いかにインパクトが大きい下だったかわかると思う。
なんでこんなに大きな下げになったかと言えば 複数の下落要因が重なったことにある。1つはアメリカで半導体の決算をきっかけに半導体株が大幅に下落したこと。これで日本の根笠の半導体関連株が軒並み大幅安になった。巻き込まれて個人投資家が好むような値動きの良かった銘柄が全て 売り込まれる結果になった。もう一つは日銀が3月にもマイナス金利政策を解除するとの見方が 重荷になったこと。金利の上昇によってリスク資産へのお金が現金等に逃避するのではないかと言う見方が売りをさらに呼び込み売りの連鎖につながっている。
売買代金は5兆2600億円に足していて、いかに売りが大きく出たかがわかる。値下がり銘柄は1397, ほぼ全面安の展開だった。上がった銘柄も神戸物産等の円高メリット銘柄や住友ファーマといったディフェンシブ銘柄に限られた。ほんと、1週間で完全に風向きが変わってしまった。
ドル円についても、最後は下げ渋ったものの、 150円を超えていたドルの強さの面影は全くなかった。
アメリカ人投資家は、日本株を買うにあたって円売りドル買いの 為替ヘッジを入れていると見られており 日本株が下がってしまうと、その分のドル 買い ヘッジを外すことになる。ヘッジを外せば円高になり、円高になれば株が下がると言うスパイラルが起きてしまっている。
参考ドル円日足
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下がったのは、半導体、アメリカ人が好むような日本の主力株、個人が好むようなさくらインターネットや三井E&Sなど 最近急上昇していた銘柄。この3つのグループだろうか。
売買代金50位の中で上昇したのは天堂とリクルートの2銘柄だけというのが今日いかに外国人や日本の機関投資家が主力株を売ってきたかと言う傍証になると思う。
半導体では、レーザーテックが2.5%の下落、エレク3.1%安、アドバンテスト4.8%安、ソフトバンクグループ6%安、ディスコ4.4%、スクリーン4.4%、ルネサス4.2%安、ソシオネクスト4.9%、 野村マイクロ2.2% 安、信越2.9%安、TOWA 7.5% や、 キヤノン4.2% 安、日本マイクロニクス6.3%安。 売買代金50位に入った半導体だけでこれだけの銘柄が大きく 下げた。
いわゆる主力株では、三菱UFJが3.9%の下落、三井住友3.7%の下げ、トヨタが3.1%の下げ、三菱重工3.9%の作業、川船2.9%の下げ、三菱商事2.3%の下げ、 日立が3.9%の下げ、日本製鉄が3.4%の下げ、NTT 1.6%の下げ、代金が1.4%の下げ、三井物産3.5%の下げ、ホンダが2.2%の下げ。
そして相場の場味を さらに悪化させたのが、個人投資家の資金を集めて急騰してきた銘柄たちがまとめて下がったこと。
三井E&S(旧三井造船)が ストップ安して19%の下落。さくらインターネットも ストップ安で18.4%の下落となった。これに引きずられる形でACCESSが一時 15%近い下落。最近人気していた日本コークスやあけぼのブレーキ、第一商品など 100円台低位株も売られている。
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金利上昇銘柄は買われなかったが、円高メリット銘柄には資金が登記して上昇した銘柄もあった。
神戸物産が3.0%の上昇。 サイゼリヤが1.7%の上昇、セリアが2.8%の上昇、スカイマークが0.9%の上昇となった。
後は、子会社上場を引き続き 材料としてソースネクストがストップ高。ツムラなど 株主還元策を打ち出している銘柄が1部で上がっている。
確かに、いろんな材料がいっぺんに出たことが急落の原因なんだろうが、それにしても去年起こらなかった下げ幅だった。雷の音はさらに大きくなっていく
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月11日(月)
S&P500 5117ー5(ー0.11%)NYダウ 38769+46(+0.12%)
NASDAQ16019ー65(ー0.41%)
アメリカ国債10年利回り日足 消費者のインフレ期待の下げ止まり もあって金利はやや上昇。CPIへの警戒感も強かった。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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11日のアメリカ市場はまちまちになった。
4日前のS&P 500が過去最高値を更新したときの強さは完全に見られなくなっている。
市場では12日発表の2月のCPIを控えて決め手に欠けたが、どちらかと言うと CPIが強い数字を出て金利の低下が一服することを恐れて半導体関連を売る動きが出てハイテク関連は下げている。 ボーイング737マックスの事故について刑事事件の操作が始まったと報道されて防衛関連を巻き込んで下げたことも指数を下落 させるベクトルになった。 ただ先行して下げていたアップルやテスラが戻したこと、ファイザーなどのディフェンシブ銘柄に資金移動の買いが入ったことで大引けにかけて持ち直している。 CPIがあるだけに、S&Pとダウを下まで売り叩くのもリスクがあると判断された面はあるんだろう。ただ ナスダックの下げは数字以上に弱いイメージを持たせている。
ニューヨーク 連邦銀行の消費者期待調査で、1年先のインフレ期待が1月の3.0%に対して 2月は3.04%とわずかながら上昇したことを 売り手がかりする流れがあったが、 債券が明日のCPI待ちで動かなかったことで大きく売りくずされる流れにはならなかった。
エヌビディアが上下の結果結局ー2%ちょうどで 取引を終了。 アドバンスドマイクロデバイシズやブロードコム等が下げた結果半導体ソックス指数は1.36% とそこそこ大きな下落。ARMも 3.6%の下落。これらが足を引っ張った。 またメタは4%下落、 アマゾンが1.9%下落と売られたものの、 一方で アルファベットが2%近い上昇、Microストラテジーが4%上昇するなど 3月に先に下げていた銘柄には押し目買い もあって +圏内 で取引を終える銘柄が多かった。
ダウ指数はアマゾンやIBMの下げに 加えて、ボーイングがまたもや 製造工程の欠陥を疑われるトラブルを起こし3%の下落、司法省が刑事事件で捜査に入ったことがコンプライアンスを気にする機関投資家の売りにつながっている。 これにも関わらずディズニーやナイキといった消費関連、ユナイテッドヘルスグループの上昇によって指数を持ち直した。ダウインクなど 景気循環株が持ち直したのもダウのプラスに貢献している。
現行執筆時注目の 日本の225CFDは結局230円ほど安い。 1時は400を超えて下げたのは月曜日の取引終了にかけてショートカバーで戻した分が禿げたのと、 半導体やアマゾンの下げが 225指数への影響力が大きい半導体株の下げの連想を誘ったのだと思われる。 しかしながら朝7時の段階では再び買い戻しが入ったと見られ 1番安いところからは200円ほど戻して取引されている形になっている。 さすがに 月曜は一時的とは言え1000円を超える値下がりだった後だけに上下が大きくなっている。
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今日もダントツの売買代金トップを続けるエヌビディアが2%下落。売買代金は 9兆円に達する 勢いで、1銘柄で日本市場の1.5倍位売買されるのだ。(ほんの10年前は単なるパソコンの部品を作る銘柄に過ぎなかったのにね。)
NVDA日足 包み足の跡の下落で場味はかなり悪い
売買代金三位に入ったAMD (アドバンストマイクロデバイス)が4.3%の解約、スーパーマイクロコンピューターが5.2%の下落、アマゾンが1.9%の下落、ブロードコム1.2%の下落、ボランティアテクノロジーズ2.7%の下落、 マイクロンテクノロジー3.2%の下落。ここまでが売買代金30位に入った人工知能関連の下げ。 指数の数字以上に人工知能関連が弱く、 これが日本株先物の弱さにつながっていると見られる。
AMD日足
スーパーマイクロコンピュータ日足
Amazon日足
ASMLが 3.2%下落、アプライドマテリアルズが2.0%下落、ラムリサーチが2.66%下落、半導体製造装置関連がまとめて安いのも、レーザーテックや東京エレクトロンなど半導体製造装置の寄与が大きい 225指数の下落の連想につながっていると言えるだろう。
ASML日足
ラムリサーチ日足
ソックス数は結局、 1.3%の下落で済んだものの、 朝の10時ごろには2%を大きく超えて下げる場面もあった。買い戻しで下げ幅を縮める 時間帯もあったものの結局エヌビディアの2%下落につれて下げ直した形になっている。
SOX日足 包み足からの下落
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ボーイングが 下げ止まらず。刑事事件の捜査開始と言う報道はかなり大きかった。主力の737マックスだけに、もしも製造や引き渡しにストップはかかるようだと企業の存続にまで影響与えかねない面がある。
ボーイング日足
反対暗号資産に関するロンドン証券市場の前向きな動きがビットコイン関連ETを上昇させて関連銘柄を大きく上下させている。
何せよ、今夜のCPIは相場を激しく上下させる可能性があり注意が必要だろう。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場2024年3月12日(火)
TOPIX2657ー9 (ー0.36%)NK22538797ー22 (ー0.06%)
TOPIX日足 ひとまず25日線が一旦支持線になっている。
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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12日の東京市場は波乱の 後に値段を戻してほぼ変わらずの水準で取引を終えている。 朝方はアメリカの半導体株の下落を受けて先物が550円近く下げる場面があった。
市場では、 前日TOPIXが2%下げたにもかかわらず日銀がETF買いを実施しなかったことから「金融緩和の出口戦略を図っている」 と言う見方が強くなった。
現物も半導体を中心に売られたものの、 二日間で1300円下げたことで 押し目買いが活発に入って値段を戻した。海外でも香港ハンセンが 中国政府の景気下支え期待などで急上昇、 アメリカ株も時間外の先物が強かったのを見て日本株に押し目の買い注文が入った。 ただし終値で変わらずで引けただけだし、1番安いところから見ても500円ほどの上昇。月曜日と合わせて高いところから1300下げた分の自律反発の域を出てはいない。
また今日は植田 日銀総裁が国会答弁を行ったが、その内容からは過度に急いでマイナス金利解除はおこなわない?との見方もあり 買い戻す動きにつながっている。
参考香港日足 日本株が下げたところで香港が上がったところから、 日本株から香港にお金を戻している動きを指摘する声 もあった。
香港と225 比較チャート 年初から香港が売られて、日本株が買われたのが鮮明に見えている。 また先週から、日本株が売られるのに逆行して香港が上がっている ところも興味深い。
香港日足
またドル円相場についても急速な円高が進んだ後だけに 押し目を買う動きが出てドルが反発。これも円高ドル安不安から日本株を売った動きのブレーキになった。縁はユーロに対しても弱く、今日は世界の為替で1人弱い格好になっている。
なおこの間、ドルが上がりながら225も上昇している。ドル高を好感して 225が上がったと言う解釈はできるわけだが、むしろ日本株が上がったことによってそれを為替ヘッジするためにドル買いが入ったと考える方が自然なんだろう。
225とドル円比較チャート 昨年末以降、225が上昇するのに合わして、ドル高円安が進んでいるのがわかるだろうか。そして225が下げに転じたところで円高が進んでいる。この辺はどっちが鶏でどっちが卵か?
参考ドル円
参考ユーロ円
何にせよ今日は2月のアメリカ消費者物価(CPI)の発表がある。これを前に売り方としても下をどんどん叩くのは避けたかったのだろうか。
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波乱の続いた主力株を避けて、 個人は東証グロース250 指数銘柄等の値動きが軽い銘柄にお金を集めた。日本独自の人工知能関連株等が上がっている。LaboroAIは 大活躍の動きだった。もはや笑うしかない。ABEJAもすごいね。
Laboro.AI
バリューコマースやグノシー、ミクシィ、 Aチームなどここのところの下げで売られた成長株にリバウンドが見られたのは明るい兆し。IOWNのACCESSもリバウンドして包み足になっている
ACCESS日足 包み足が出ている
曙ブレーキなど100円台のボロ株もリバウンドした銘柄が多かった。円谷やラウンドワン、 価格コム、インフォコムなども値動きの良さを手がかりに 個人が資金を集めている。。
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一方早期の マイナス金利の解除、あるいはゼロ金利解除まで一気に持っていくのではないかと言う思惑は後退し銀行株は下げている。年末に向けて国内年金資金が現金化を行っていると言う観測から(これは毎年の動き)銀行株はさらに売りが加速した。 三井物産が下げているのも同じく年金の売りだろうと言う見方が強い(後輩の会社の人の話)
三井物産日足 一時は5%下げた。
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もしもトランプが大統領になったら? ということで「もしトラ」なんて話題も多い。
大阪チタニウムは、今まで西側 企業がロシアのチタンを買わないからチタン価格が上がっていると言うことで株価が上昇した経緯があったが、 トランプが大統領になればロシアへの制裁は緩むのではないかと言う思惑もあってか下げ足を速めている
参考大阪チタニウム日足
レンジを切ってからの下げが早いね。
今日少し用事のため短めです
夜中帰ってきて気力があればもう少し書きます。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月12日(火)
S&P500 5175+57(+1.12%)NYダウ39005+235 (+0.61%)
NASDAQ16265+246(+1.54%)
アメリカ国債10年利回り日足 金利自体はCPIを受けて上昇する結果になっている。ただし6月の利下げが先送りされるとまではマーケットは判断せず。結果的に株価は上昇している。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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12日のアメリカ株は半導体株が買い直されて上昇。 S&P500は新記録を更新している 。注目されたCPIは予想を上回ったもののある程度は想定の範囲内。このため株式市場、債券市場ともに気迷いする場面があったものの、最終的には前日まで押していたこともあってリバウンド狙いの買い注文が勝った。
2月CPIは前年比で3.2% 増加、予想の3.1%を上回った。政策当局が重視しているとされるコアCPIも前年比で3.8%の増加、予想の3.7%を上回った。これで10年長期国債の利回りが4.15%近くまで上昇、これは相場へのマイナスインパクトがあった。 しかしながら市場では6月の利下げを先送りするほどのデータではないとの見方が広がると週の初めまで下げていた反動もあって徐々に ロングが優勢になっていく。下でも書いているけどオラクルの連想でやはりAI銘柄は業績が良くなっていくのではないか?と言う発想から相場も押し上げられる結果になった。
なお市場では来週開催されるエヌビディアのGTCカンファレンスを注目する声がある。ここで何らかの新しい製品群が発表されるのではないかと。
特に半導体の エヌビディアが7%の上昇、 AMDなど人工知能関連の半導体が上昇するとともに、これにつれてクラウドストライクなど半導体以外の人工知能銘柄も強く相場全体を押し上げる結果になった。半導体ソックス指数は2.09%の上昇、グロース銘柄を押し上げる結果になっている。 Microsoftやメタアマゾンが軒並み買われ、スーパーマイクロコンピューターが7.7%高。
個別では オラクルの決算が 良く、売買代金10位に入って11%高したことも相場全体への押し上げ効果があった。
ただ半導体でもマーベルが0.8%下げるなど、 企業業績には警戒心が強い。
なお、半導体やICT銘柄が買われたおかげでナスダックが高い一方でダウの上昇が限定的なのは、 ボーイングの株価が4.3%下落して185ドルを割り込んだあたりが影響している。 ボーイングを内部告発していた人間が自殺? したことが逆にあらぬ嫌疑を受けるような形になっている。 巻き込まれるような形で防衛関連はさえなかった。
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やはり目立ったのは、ダントツ売買代金 トップが続く エヌビディアの7.1%上昇、スーパーマイクロコンピューターの7.6%上昇、そして決算を好感して買われた オラクルの11.7%の上昇。
エヌビディア日足 大きな下落があった後のリバウンド。 新高値をつけるかつけないか?世界の株価へのとてつもなく大きな影響がある。 特にここ数日は目を離すことが全くできない。
こ れにつられてMicrosoftが2.6%上昇、 アルファベットが3.3%上昇、Amazonが2%上昇するなどビックセブンの一角が買われて指数を押し上げた。
オラクルは決算は売り上げはほぼ予想通りだったものの調整済みEPSが市場予想を上回った。しかもそれが人工知能によるものということで株価の上昇が大きくなっている。
オラクル日足
オラクルを見てエヌビディアとスーパーマイクロコンピューターが買われていったことが、他の人工知能銘柄を押し上げたと言っても過言ではない。
結果的に売られていたICT銘柄が上昇したことで、指数が大きく上昇した。
なおソックス指数が 2.09%上昇。
SOX日足
昼ごろに戻り売りを浴びて上昇率が小さくなる局面があったものの、 台湾TSMCの3.8%やAMDの2.2%高、マイクロンの3.1%高などにつれて取引き終了にかけて再び上昇率を広げている 。ただしブロードコムが0.1%のマイナス、マーベルが0.8%のマイナスと 業績が抑えなかったあたりが変われなかったのは今までと少し流れが違うところ。 S&P 500指数が最高値をとってきたのに対して、半導体指数は高値を取り返せていない。
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ダウが伸びなかったのはボーイングのせい。4.3%と下げ止まらない。
ボーイング日足
ボーイングには悪いニュースが積み上がるばかり。司法省の刑事事件での捜査に加えて、内部告発していた元社員が自殺?するなどスキャンダルなニュースが止まらない状態になっている。こうなって(刑事事件)くると機関投資家はコンプライアンスの問題で強制的に売却を余儀なくされる面も出てくるし、実際に 737の納入が制限されるようになってしまえば、もはや収益どころの話ではなくなってくる。
これに対応して、航空会社もエアバスに切り替えるなどの対応を余儀なくされる面が出てくるんだろう。日本にも737を中心にボーイングに部品を収めている会社は多いし、 スポンジチタンの納入会社もある。影響は避けられないだろう。
なおボーイングとは直接関係ないが、サウスウエストエアラインズが運行本数を減らす発表を行って14.8%の下落、アメリカンエアラインズがガイダンスを下方修正して4.7%の下落。ここに来てアメリカの航空需要が減少している事は注意しておきたい。
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月曜日あたりまで売られていた個人消費関連は、コストコが3.2%上昇するなどひとまず息を吹き替えした。ディフェンシブでもイーライリリーが2.8%上昇。
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すいませんメールの題名がうまく打てなくて、またエラーになってたら教えてください。
東京市場2024年3月13日(水)
TOPIX 2648ー8(ー0.33%)NK225 38695ー101 (ー0.26%)
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足 株式市場と違って債券市場は大手企業の賃上げ報道それほど大きく評価しなかった。実際に金利が上がらなかったことで株式市場の下げが限定された面がある。これで金利がまた0.8%を超えてくるようだと株式市場にも少なからぬ悪影響があるんだろう。
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13日の日本市場は結局3日続落になってしまった。 昨日のアメリカ市場で株価が上昇、特に半導体株がリバウンドしたことで朝方は大きく上昇して始まった。 しかし先週の金曜日からの大きな下落のせいで、戻ったところでは待ってましたとばかり戻り売りが出てしまった。
3月にマイナス金利解除(金融政策の正常化の動き)がたとえ具体化しなかったとしても、結局は早いうちに 金融政策の正常化が行われるのではないかと言う見方が広がり株価は下落に転じた。
特に トヨタなど大企業を中心にベースアップの満額回答が続く報道が流れていることで、 マイナス金利解除は遠くないと言う観測が優勢 になってきている。初任給40万円なんて言う報道もインパクトはあった
さらに言うと昨日もそうだったが
年度末が近づいていることで国内年金等が大きく値上がりして保有資産割合が増えた株を売り、それ以外の資産を買うリバランスの動き が続いていると見られる。
(特に上昇が大きかった大手商社株や海運株が下げているのはこのリバランスの動きと見られる) 3月10日から20日ぐらいにかけては、特に株式相場が大きく上昇した年は機関投資家が大きく上昇した主力株を売ってくる ことが多いのだ。
もっと言うと、先物を含めればピーク時から二日間で1300円以上急落しただけに「テクニカルな戻り」があった (死んだ猫でも高いところから落とせばはねる、デッドキャットバウンスなんて言う残酷な言い方をしたりする)、 これが今日の寄り付きだったとも言える。テクニカルな 戻りをこなしたことで再び株価が下げてしまった、こんなふうに言うこともできるだろう。
売買代金は4兆4000億円。もちろん大きな数字ではあるが、一時期の金額に比べると少し減った感じはする。積極的な相手は今はいない。値下がり銘柄数は1141, 久々に大きく増えてるね。
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トヨタ自動車0.9%の下落、川崎汽船3.7%の下落、ダイキン2.6%の下落、商船三井2.1%の下落、日本郵船2.5%の下落、伊藤忠1.2%の下落。トヨタや海運、大手商社、この辺は月曜日から分が悪い。
年金は年度末に現金化を1部で行ったり、あるいは上昇してきた株式資産を売って他の資産を買う 「 リバランスの動き」を 3月10日から20日ぐらいにかけてそこそこ大規模に行うのがいつもの習わし。
今年は特にトヨタや大手商社の値上がりが大きかったし、海運株も 依然として昨年来高値近辺にいることから換金売りの対象になっているものと見られる。
例えば川船の 日中足を見ても大規模な売りを伴ったプログラム売りの下落に見え、 年金の売りであることを示唆している。こんなに大きく売ってこれる大口さんはなかなかいないからね。
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円高メリット銘柄は円高一服で下落。ただ神戸物産が朝大幅安の後下げ幅を縮小するなど先行きの円高を予想下向きが押し目を買う動きもあった。ニトリも同様になっている。
神戸物産月足
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アメリカでは半導体がしっかりだったことから、 今日のところは日本では半導体はしっかりもしくはまちまちといったところ。 半導体が買われていなければ指数はもっと悲壮感が漂ったと思う。
レーザーテック0.3%の上昇、エレクトロンは2.4%の上昇、アドバンテスト0.3%の上昇、ディスコが0.1%の上昇、スクリーンが1.1%上昇。ただ野村マイクロが4.7%下落したり、 ソシオネクストが変わらずで終わるなど半導体なら何でもかわれると言うわけではない。
話題になっていたのが日興証券の半導体株のレーティング。ここまで相場が上がった後で、東京エレクトロンの投資判断を2から1に引き上げ。目標株価を25,000円から42,000引きあげてきた。 市場では思わず失笑が漏れている。 ここまでひどい後出しはなかなか見たことないね。
エレク日足
KOKUSAIELECTRONICも2800を4600に値上げ、 レーザーテック31,000円目標から35,000目標に値上げ。
こうなってくると、アナリスト本人の意思と言うよりは、 営業体に突き上げられて何でもいいから目標株価上げろと言われたんじゃないかと邪推さえしてしまう。
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電力株が高いのは、個人を中心に三月末の配当取りの動きが出てるんだろうね。配当に反応が良いのは増配の意向を示した極東証券からも分かる。極道じゃなかった極東証券はストップ高。
個人はふたたびさくらインターネットに群がってストップ高。ただしもはや完全にピンボール銘柄になっていて、手出し無用のギャンブルになっている。
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サムコは決算。決算は明らかに悪いのだが受注は回復。これをどう評価するかで今後のIOWN相場を占う。
ACCESSは15日引け後に決算でこれもIOWN相場を左右することになるだろう。
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旬のネタでは、カイロスの打ち上げ失敗でキャノン電子(出資企業)の株価が下がったのはうーんというところ。 当然保険もかけてあるだろうし株価がそこまで下がるのはちょっとなぁとは思う。
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NY2024年3月14日(木)
S&P500 5150ー14(ー0.29%)NYダウ38905ー135 (ー0.35%)
NASDAQ16128ー49(ー0.30%)
アメリカ国債10年利回り日足 金利は大きく上昇している。その割には指数全体は下がっていないのだが、金利の上昇の悪影響を受けるとされる 半導体株や、変動金利で借り入れが多いとされる中小型株の下げはきつかった。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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14日のアメリカ市場は下落して終えている。
主な3つの指数はある程度戻して被害は少ないように見えるのだが…
象徴的なのは エヌビディアとテスラで どちらも4%近く下げた。さらには炭鉱のカナリアと言われるラッセル2000 (時価総額1001番の銘柄から 3000番ほどの 銘柄でラッセル社が選んだ2000銘柄で構成される中小型株指数) は1.96%下落していて 「機関投資家を押し目買いを入れるのに手が回らなかった銘柄」は下げが止まっていない。
注目された2月の生産者物価指数が前月比で0.6%上昇。予想の0.3%を上回るとともに、 上昇度が再加速してしまった形になっていて株式市場には足かせとなった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-14/SAC843T1UM0W00
これを受けて10年の長期国債は 利回りが4.3%近くまで上昇(債券価格は下落) 30年超長期国債も4.44%まで 利回りが上昇している。
20日のFOMCでは 金利等の見通しを示す ドットプロットが公開されるわけだが これが全体として引き上げられるのではないかと言う懸念 がマーケットに出ている。 マーケットは先月までとは打って変わって強い価格指標と弱い景気指標を見て「 スタグフレーションの気配」 と指摘する声がある。下で書いたけど、住宅系のレナーが実績が予想を下回ったことが気にかかるところ。
今月上旬までは「夏には政策転換」というのが市場の大きな見方だったわけだが、 これがやや黄色信号といったところ。フェドウォッチツールによれば、先週までは6月まで今の金利が据え置きされて利下げがないと言う見方は25%にとどまっていたわけだが、 現在は39%ほどに上昇してしまっている。(それでも 今年中に 利下げが開始されるだろうと言う見方は根強いために株式市場が急落するとまでは至っていない)
Fedウオッチ 6月のFOMC終了時点のFFレート予想
またIEAによれば、 アメリカの石油備蓄は縮小する見込みだと警告したことからWTI原油が81ドルまで超えてきている。 石油株に追い風になったものの、インフレ懸念からこれも株価全体には向かい風になった。
個別ではおととしまでは一時一世風靡していたフィスカーが破産申請を検討していると言うウォールストリートジャーナルの報道で50%の下落。先週日系大手が買収するのではないか?と言う報道もあったのだがこの流れはなくなった模様。フィスカーのニュースもあってテスラを筆頭に電気自動車関連は総崩れの1日でもあった。
なお住宅大手レナーズのミラーCEOは ローン金利が7%近辺で推移しているところで消費には逆風になっていると発言。レナーズの株が7.6%下落するとともに、ホートンやトールブラザーズといった住宅関連の同業者も巻き添えで下げている。この辺は注意しておきたい。
日本株の先物は400円以上下げる場面があったわけだが朝の段階では250円安程度まで下落幅を縮小している。 日銀がマイナス金利解除で調整していると言う報道で下げ幅が拡大したものの、この辺はある程度盛り込まれていると見て一旦は下げ幅が縮小した形になっている。半導体ソックスの動向と合わせて、 この週末から来週にかけて大きな動きがある可能性が出てきた。
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金利の上昇もあって半導体ソックス指数は1.75%の下落、戻し切ることができなかった。木曜の半導体の下げはロジックとメモリーとパワー半導体が先導している。AIは意外に儲かってないのか?と言う見方と電気自動車へ対する失望の売り。
ただしこの数ヶ月鉄壁の守りとなってきたトレンドラインに近づいてはいる。 毎度のことながらここはマジノ線。破られれば総崩れになってしまう。 一方でみんなが意識(それこそ世界中が見つめている)している防衛ラインではある。
SOX指数は再び、世界の株価を大きく揺るがせるわかれ道に立った。
SOXの下げは、ロジックもさることながら、メモリーとパワー半導体もダメダメだった。 パワーの下落はフィスカーの倒産? 報道と 先日のテスラの目標株価下げが効いている。
SOX日足
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相場が冴えなかった中で注目されたのはバンクオブアメリカの調査。バンクオブアメリカによればメタやアマゾンやMicrosoftやGoogleは、今年の設備投資だけで1790億ドルを予定。これは去年から27%の増加だと言う。 つまり電気設備やその他の設備投資の受け皿となる企業には追い風となるだろうと。半導体などよりもいわゆるオールドエコノミーに注目したいと言う。
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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場 NY2024年3月15日(金)
TOPIX2670+9 (+0.35%)NK225 38707ー99 (ー0.26%)
TOPIX日足 相変わらず25日移動平均線が支えになっている。まだ25日線は上を向いていて、支持力が大きい。
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足 決定会合を控えてマイナス金利解除と金利の「スティープニング」(長短金利差を拡大)させる思惑から金利は上昇している
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15日の東京市場はTOPIXが上げて225が下げた。
と言うのも東京エレクトロン1銘柄で 180円225指数を引き下げた。エレクトロンがなければ225指数は80円プラスだった計算になる。 その他にもアドバンテストとレーザーテック、スクリーンホールディングスの3銘柄で 53円ほど指数を押し下げる結果になった。
今日は 半導体を見てる人なら下手すると1000円以上225指数が下がったような錯覚に陥ったと思う。 それぐらい半導体の一部の銘柄は大きく下げた。 大口の機関投資家がまとまった手じまい売りを入れてきたと見られる。
一方じゃあ なんで指数が下がってないかと言うと、 ここのところ年金が売ってきた商社や自動車株のようなバリュー株に買いが入ったから。 期末の配当通りを意識して配当利回りの良い株や、1株純資産が多い銘柄を狙って買いに入っている。 インペックスのような資源株が上昇したことも相場の支えになっている 。その流れで、金利上昇を嫌って売られていた不動産株にも割安感からの買いが入っている。
なお、昨日決算を嫌われて売られた IOWN銘柄のサムコは受注増を見直されて全戻し。今日引け後決算のACCESSは時間外では大幅高 になっている。
来週は日本では日銀の金融政策決定会合(記者会見は19日昼休み)。アメリカではFOMCが行われる(記者会見は日本時間21日未明)。それだけに安値を売り叩くのも怖い相場ではあったのだが…。 売買代金は半導体に馬鹿すか売りが出た影響もあって5兆7900億円と高水準。
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まずは下げた方から。
レーザーテックが4.3%安、エレクトロンが4.8%安、ディスコが4.5%安、アドバンテストが1.4%安、スクリーンが 2.9%安、野村マイクロ3.5%安。 半導体が今日はアメリカのソックス指数の大きな下げを受けて全面安に近い詐欺になった。レーザーテックやエレクトロンをやっている人間は225指数が1000円位下がったような錯覚に陥ったのは間違いないと思う。それぐらい強烈な売りだった。
レーザーテック日足 「三尊」が分かるだろうか?
エレクトロン日足
ディスコ日足
アドテスト日足
今日の特徴は、 主力の半導体製造装置だけではなく、野村マイクロなど周辺の銘柄まで幅広く売りが出たことだろうか。 ここまでブームだっただけにみんなちょっと冷めた目で見ているところがある。
朝書いたようにソックス指数はトレンドLINEまで下げてきている。このトレンドLINEを守りきれるかどうか225にも大きな影響与えるだろう。
巻き込まれる形で新興市場は個人が手じまい売りを出してきた。グロース250が三日続落になるなど、この辺りもかなり雰囲気が暗かった。
また半導体株ではないけれど、去年の相場をリードしたと言える海運株も売られている。この辺は引き続き年金資金のリバランスや現金化の動きが強いんだろう。出来高もそこそこ膨らんでいる。
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一方で、ここのところ年金資金と見られる大口の売りが主力の株に出ていたわけだが今日のところは海運以外は下げが一服した。逆に配当を取りに動くような向きもいて、バリュー株は全体としてはしっかりだった。三菱商事が3.5%の上昇、トヨタが1.2%の上昇、三井物産2.5%の上昇、本田1.7%の上昇。 またバリュー株でもあるわけだが、ここのところの原油上昇の動きを受けてインペックスが4.4%の上昇。
さらに金利上昇の行動を受けて不動産株には売り圧力が高まっていたわけだが今日のところは惜しめを拾う動き画面についた。三井不動産は2.6%の上昇となっている。
発電関連では、徳島の火力発電所を25年で提出するとしたジェーPowerが8%下落した一方で、 柏崎刈羽原子力発電所の稼働再開を手がかりに東京電力は機関投資家と個人の両方のお金を集めて大きく買われている。
一方で、金利上昇を背景に買われてきた三菱UFJが1.0%の下落になるなど大手銀行株は安い。先に買われてきただけに利益確定の売りが出やすい状態になっている。
個別では三井E&Sが 投機期的売買の殴り合いの後で 結局2.1%の下落。逆にさくらインターネットはリバウンドが入って3.5%の上昇。この辺はもはや理屈ではないピンボールのような動きになっている。
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上でも書いたけどIOWN銘柄に動き
決算が悪くて売られていた サムコだが 受注は増加していると言う評価から値段を戻した 。
今日の決算が引き取りに出てきた ACCESS、今期は会社四季報の予想より悪いと言う 指摘があるものの、前期が予想外に回復していて今後の成長に期待する向きが時間外で買いに出ている。 時間外では大幅高。 まぁこの辺は来週になってみないとどうなるのかわかんないけどね。
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雪印メグミルクは増配で大幅高。決算では鎌倉新書がストップ高。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月15日(金)
S&P500 5117ー33(ー0.65%)NYダウ38714ー190 (ー0.49%)
NASDAQ15973ー155(ー0.96%)
アメリカ国債10年利回り日足 CPI、PPIを受けて金利は上昇。これもハイテクやネット関連銘柄の下落に繋がっている
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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15日のアメリカ市場は金利が上昇したこととそれに伴ってハイテク株が下げたことで全体的に下落している。長期金利は4.3%まで上昇していてこれは2月下旬以来の水準。 CPI、PPI 共に下げ止まり の傾向を示していることで、 6月の利下げも難しくなってきたのでは ないか? と言う市場の心理が浮かび上がってくる。
さらには中国で売り上げを落としているアップルや、AIの期待にもかかわらずクラウドの売り上げの伸びが期待ほどではないのではないかと言う見方が広がるに従ってセールスフォースとアマゾンが下落していることが 株価の足かせになっている。下でも書くけど金曜日は「 adobeショック」 の面も強い。
一方でハイテク株を売った資金がいわゆる 景気循環と言われる銘柄やディフェンシブ銘柄の一角を買い付けたために 取引終了にかけては 下げ渋った形になっている。
ナスダックは3日続落、またダウ平均は3週間連続でマイナス。 この1年間の上昇の中では割に珍しい。トレンドが変わる可能性を示すとも言える。
マーケットにやや動揺をもたらしたのが Adobe の決算。AdobeはAIを利用した初心者にも簡単に操作ができる機能で昨年大きく上昇する場面があったわけだが 第二四半期の売り上げの予想が低迷。市場はかなりのショックを受けた。人工知能に対する期待感が剥落したと言って良い
参考 アドビ日足 13.6%安
この辺がMicrosoftやパロアルト、 上述のセールスフォースやAmazonやクラウドストライクの下げに繋がったともいえる。
クラウド周りの下落を受けて、半導体は軟調。 ずっと下落していた反動でマイクロンが2%上昇、AMDも2.1%上昇したものの全体としては冴えず。台湾TSMCが1.9%下落、ラブリサーチが1.7%下落、アップル関連のスカイワークスが1%の逆、ブロードコムが2.1%の下落。 ソックスは 朝方の1%ほど下げた局面からは下げ幅を縮小したものの結局は0.5%の下落。チャートを見てもらえばわかるようにトレンドラインの下限まで来て ギリギリ下げ止まった。今回もまた徳俵に足がかかったところ。これを 終わっていくのか、跳ね返して戻っていくのか?またまた 大きな分かれ目に立っている。
SOX日足
相場の本筋とはやや離れたところだが、不動産株が軒並み下落したのも話題。 これは不動産仲介業者の報酬方法に対する判決が出たことが悪影響与えている。 従来不動産の売り手はエージェント側が売買手数料を設定することになっていた。今後は自由競争によって売買手数料を決めることになり、売買手数料の引き下げにつながると見られている。アメリカには珍しい売り手有利の仕組みだっただけに今後はより自由競争が進むんだろうね。(さらに言えば不動産会社にとっては 過去の手数料について巨額の損害賠償を訴えられる可能性がまだ残っている)
https://www.wsj.com/real-estate/realtors-settlement-change-buy-sell-homes-da45eb23?mod=hp_lead_pos1
参考 ジロウグループ日足 急速の下落が 裁判が不動産会社側全面 敗北であることを示している。やや驚きはあったか。
不動産株が下げるのはふーんと言う話ではあるんだが、当然アメリカの銀行業界も不動産企業にお金を貸してるわけで、バタバタ倒れられるとそれはそれで後から問題になってくるだろう。 今のところはまだ全然問題になってないが将来的な問題点として頭には入れておきたい。
なお、アメリカ株の下落にもかかわらず金利差から円安ドル高が進んだこと、懸念されている日銀のマイナス金利解除 が報道されていることで「材料で尽くし」から日芸225の夜間先物は200円上昇している。この辺は25日移動平均線を試したけど終わらなかったことで一旦ショートカバーが優先になったもんだと考えている。
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すいません所用のため続き夜に書きます。
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東京市場2024年3月18日(月)
TOPIX2721+51 (+1.92%)NK225 39740+1032 (+2.67%)
TOPIX日足 25日線を支えに1段リバウンド
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足 心理的節目である0.8%を頭に、1度利回りが低下する形になった。(債券価格は上昇)
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東京市場は、先物をガンガン買う動きが続き「予想外の」1000円高となった。 日経平均は225銘柄のうち、値下がりした銘柄が17しかないと言うなかなか見ごたえがある上昇になっている。
日銀がマイナス金利解除などの政策決定をするとの観測が強まったものの、 過度の金利引き上げなどは行わないと言う見方から悪材料出尽くしと買いが優先になっている。 金利の上昇をにらんで金融大手(メガバンクや大手生損保)が買われる一方で、大きく不利になるほどは金利が上がらないと見られた不動産株に買い直しの動きが入るいいとこ取りの値動きとなった。
先物はプットが積み上がったことからこれをスクイーズする動きもあったとみられる。
ここの所半導体の下げが続いたことで 押し目買いやショートカバーを行うことになってしまったエレクトロンや、アドバンテストが指数を牽引。さらに 指数を引き上げたい人間たちがファーストリテイリングを買い上げて225の踏み上げが入る形になった。 中国の景気対策期待もあって村田製作所等の中国に軸足を置いている電子部品株も強い。
ただ、「まともな」 銘柄が買われたことで東京電力など電力株はさえず。 電力株は円安に弱い上に、インフレや金利上昇にも強くない。この辺は人気が交代したと言えるだろう。インペックスなど原油関連も抑えなかった。
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金曜日までとは攻守が交代。
レーザーテックが6%の上昇、エレクトロンが3.7%の上昇、ディスコが5.8%の上昇、アドバンテストが3.9%の上昇。ここまでが売買代金10位までに入って大幅な上昇。
その他半導体と名前がつけば何でも上がるようなイメージで、ソフトバンクグループが1.7%上昇、素子8.1%上昇、スクリーン4.3%上昇、ルネサス2.0%上昇、信越2.6%上昇、野村マイクロ2.9%上昇、TOWA 9.1%上昇などなど。
金曜日までショートが溜まっていたことで、一旦はショートカバーが入ったことになる。ただし大きく上昇したとは言え新高値をガンガン取ってきた動きでもない。あくまで急落した分の反発だったことには注意しておきたい。
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指数をかち上げたい向きはいたようで、 ファーストリテイリングが大商いで4.7%上昇。 今週に限っては、景気動向よりも先物値段動かしたい武器が大きな影響を与えるのかもしれないね。
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今日の値上がり率トップはACCESS。昨年NTTが株を取得したのをきっかけに「IOWN関連銘柄」としての注目が集まった
買われたは通年での黒字転換が理由。
機関投資家は時価総額で500億円から1000億円以上無いような銘柄や赤字の銘柄を投資しないように社内規定で定めている場合が多い。
IOWNと言うテーマ性(国がNTTに補助金を出す国策でもある)が有る上に黒字転換と時価総額が500億円に近づいてきたことで機関投資家からの買い注文が増えるのでは無いか?という思惑が上昇の背景にある。加えて、外資系が貸株でショートしている事も買い戻し思惑に繋がっている。
参考 ACCESS日足
参考 ACCESS月足
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USENーNEXTが 5.5%の上昇。 東海東京証券が目標株価を4800から5630円に引き上げたと言う報道が手がかり。
TBS等との業務提携によって競争力が高まったことを考慮していると言う。投資判断はアウトパフォームを継続。TBSとの提携でコンテンツの拡充が見込まれ会員数が増加するのではないかと。またコロナからの利用オープンによって店舗もビジネスの回復が続くと言う考え方に変更もないと言う。
アナリストレポートでは日興証券が今日も半導体銘柄の目標株価を引き上げてきたのが話題に。アドバンテストについて4400円から6300に目評株価を引き上げてきた。
レーティング報道では、 くら寿司が1.7%の上昇、 ZOZOが2.5%の上昇、 楽天もモルガンスタンレーが550円から1100円に大きく目標株価を上げていて、 中立をオーバーウェイトに格上げ。株価は 7.4%と大きく上昇している。
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一方で東京電力は大きく下げた。原発稼働のおもわくで 買われたわけだが結果的に資金の逃げ足は早かった形。
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NY雑感2024年3月18日(月)
S&P500 5149+32 (+0.63%)NYダウ38790+75 (+0.20%)
NASDAQ16103+130(+0.82%)
アメリカ国債10年利回り日足 米国金利は上昇。日銀のマイナス金利解消に伴って、邦銀がアメリカ国債売り日本国債買いを見せるのでは無いかという思惑が債券の売り(利回りは上昇)に繋がった。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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19日の株式市場は一見多くの銘柄が上がった。
年に一回のNVDAの技術者向けカンファレンスが行われた事、Appleがアルファベット傘下のグーグルの「GeminiAIエンジン」をiPhoneに採用する交渉を行っているとの報道でAI関連株が刺激を受けた。アルファベットは4.6%の上昇。メタが2.6%上昇するなど相場を牽引している。Appleも0.6%上昇。エヌビディアもカンファレンスへの期待感から0.7%上昇した。
アルファベット日足 上昇は大きかったが上ひげも大きい
メタ日足
そのほか中国に年初来から2月までの鉱工業生産が前年比+7P上昇と報道。グローバル経済にはプラスとの見方で原油株などが上昇。バンカメなどの銀行株、投資判断上げのあったペプシなどの消費関連が買われている。 最近下落が大きかったテスラも、主力の1つであるモデルYの値上げを発表。好感されて上昇している。
ただ、10年ものの米国国債利回りが 上昇を続けている中で、利益確定売りが相場の頭を押さえた。
市場では、 日銀がマイナス金利を解除するのなら、日本の銀行はアメリカ国債を売って日本国債を買う動きを見せるのではないかと言うやや飛躍した見方から長短の米国債が売られたと言う。 (この見方が正しいなら、もっと円高になるはずなんだが…) 今週はFOMCをまって社債の起債が相次ぐと言う見方も国際価格の下落(最近利回りは上昇) につながっている。
アメリカ国債10年日中足
取引が進むにつれて、債権市場で米国10年国債金利は一時4.35%まで上昇。金利上昇に弱いとされる中小型株指数のラッセル2000は結構な幅で下落。株式相場はものすごく強いとまではいえない一日だったとも言えるか。まだら模様だったともいえる。
特に寄り付き直後にそこそこ反発して始まった半導体指数SOXは終わってみればほとんど変わらず。中でもアナログデバイセズやモノリシックといった自動車向けや、Apple向けに強いスカイワークスといった非ロジック、非メモリー銘柄が足を引っ張った。
参考 半導体指数SOX日中足 始まりは4860近くまであったのだが。。。
参考SOX日足 丸坊主に近い足で陰線を引いた。結局トレンドラインでの反発は月曜の段階ではできなかった。 火曜日も土俵際での綱渡りが続く。
目立ったところでは、 S&P500採用初日のスーパーマイクロコンピュータが7%上昇スタートが終わってみれば6.4%下落、 マイクロストラテジーが15.7%下落、ボーイングは再び1.5%下落するなど個別に悪い銘柄も目についた。
市場の注目は何といっても水曜日のFOMC、とくにドットチャート(のなかでも今年末のFFレート見込み)に移っている。 内容次第ではかなり大きなボラティリティが発生するだろう。
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話は少し飛ぶが、 アメリカの主要メディアは、日銀は政策金利を0%から0.1%へ利上げ。 さらに上場ETFの買い入れを廃止し、 イールドカーブ コントロールも撤廃ないし事実上の撤廃に踏み込むのではないかと言う見方が大勢。 しかしながら一部のアナリストは政策変更は4月だと主張。 イールドカーブコントロールが撤廃されたとしても日銀は国際買い入れを通じて中長期の金利上昇を引き続き制限するのでは無いか?となかなか意見は分かれている。
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スーパーマイクロコンピューターは、SP500に 採用されてはじめての取引となった。ただ採用を見込んで買われてきた反動もあって6.4%の下落で取引を終えている。 株価は寄り付きから7%ほど上げて始まった。しかし直後から利益確定の売りをされると1点して下落。かなり上下動も激しい荒れた展開となった。もちろん指数に追加されると発表されてから 金曜日までに11%上昇していただけにさすがに無理がないところか。
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テスラは上で描いたようにモデルYの値上げを発表して6.2%上昇。中国の鉱工業生産の回復も追い風になった。
ペプシはアナリストの投資判断引き上げで4.0%の上昇。
エヌビディアはBlackwellと呼ばれる 新しいAIプラットフォームを発表したもののこの辺は株価にはものすごく大きなプラスインパクトと言うわけにはなっていない。
NVDA日足
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東京市場2024年3月19日(火)
TOPIX2750+28 (+1.06%)NK225 40003+263 (+0.66%)
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足 政策金利はマイナス金利が撤廃されYCCが廃止されたものの 依然として国債の買い入れが続くと言う発表もあって長期金利は一旦低下している。
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19日の東京市場は大きく上げて取引を終えている。
月曜日は大きく上昇しただけに反動で下落して始まった。 1年に1度の開発者向けカンファレンスでエヌビディアの発表があまり大した事なかったのではないかと言う見方から時間外でエヌビディアの株価下落。これも東京市場の足を引っ張った。
しかしながらお昼に出てきた日銀の「利上げ= マイナス金利の解除」 にかかわらず、 金利面で一旦出つくしと判断した外国為替市場で円安が進んだことから相場全体に買い注文が入った。225指数はギリギリ40,000円を回復。トピックスも34年ぶりの高値を更新している。売買代金は 5兆2000億円。 日銀の政策判断を待って取引したいと見ていたプレイヤーが、午後に大きく売買を膨らませたことが売買代金の増加につながっている。
なお、ざっくり日銀政策の変更について言うとー0.1%だったマイナス金利を解除。実に17年ぶりの利上げになる。さらに長期国債を無制限に買い入れることで長期金利をゼロ近辺に抑えるイールドカーブコントロールも廃止。現在ではトピックスが2%以上前場引け値で下落したときにETFを買うと言う世界の中央銀行が誰もやったことがなかった荒技も「停止」になっている。
ただしイールドカーブコントロールを廃止後も従来と同様に長期国債の会議を継続することを発表。長期金利が急上昇する場合では機動的に借り入れ額の増額を行ったり指値オペレーションを行うことも明記。現在の月6兆円の買い入れが続くことを明確に示し、これが緩和的な政策が当面は続くと言う直接的なメッセージにもなっている。
市場は大規模緩和策が解除されたとは言え、緩和的な金融環境が維持されると言う姿勢が示されたことで、株高や円売りになっている。
特に予想物価上昇率の観点からは2%にはまだ多少距離があると言う発言から、緩和的な動きはまだまだ続くと言う見方になっている。 (逆に言えばインフレ期待が今後上がってくるようなら日銀は躊躇なく緩和政策を止めるっていうことだろうね。 絶対に忘れてはいけない。 4月公表の経済物価情勢の展望、いわゆる展望リポートで示される物価見通しへの注目度が俄然高まる ことになりそうだ。)
何にせよ、アベノミクス、大規模緩和は役割を終了した。 1つの時代が終わった大きな大きな1日だったと言える。
なお注目は追加利上げと国債残高の圧縮(QT) がいつ行われるかというところにも移っていくわけだが、引け後の会見でも日銀総裁はどちらが先かは現在特にかくたることは考えていないとして 明らかにすることを避けている
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個人的には、必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる、と言う文言が削除されたことが印象的。これを見ればもうさらなる緩和措置は取られないと言うふうに受け止めていいんだろう。いわゆるタカ派的なスタンスが見て取れる。
この辺から年内10月や12月の会合での追加利上げを予測するエコノミストも増えている。年内にはゼロ金利も解除される方向なんだろうね。
なお大きくは報道されてないけど、今回のマイナス金利解除に中村委員と野口委員が反対したのは珍しいね。大体全会一致で 決まるものなんだけれども…
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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY雑感2024年3月19日(火)
S&P500 5178+29(+0.56%)NYダウ39110+320 (+0.83%)
NASDAQ16166+63(+0.39%)
アメリカ国債10年利回り日足 FOMCの結果発表を前にやや債券押し目買い優勢となった。これは株価にはプラスに働いている
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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アメリカ市場は終わってみればプラスで取引を終えている。 朝方はソックス指数が トレンドラインを割り込む形で下落。これを先導したのがいわゆる人工知能銘柄であるエヌビディアとAMDと、 ブロードコムと マーベル。 それぞれがマイナスになることで他の半導体銘柄にも売りが波及、それがナスダック、 S&P 500、ニューヨークダウにも広がっていった。 市場は明日のFOMCを 前にリスクを減らしたい気持ちもあって換金売りが出たものと見られる。
何度も書くけど、市場は二回に一回のFOMCで示されるドットプロットの年末時点でのFFレート見込みの引き上げを警戒している。前回12月のFOMCのドットプロットで示された今年の利下げ回数は「3回」が中央値だった。これが2回以下に下がるのではないか?となぜなら FOMCメンバーが金融政策決定に当たってもっとも参考にしているとされるCPIとPPI(とくにコア部分)が連続でインフレの長期化傾向が示されたからだ。利下げ開始が後ろ倒しになったりその間隔が長くなるのではないかと。
エヌビディアが朝売られた1つには、開発者会議で発表された「 ブラックウェルB200」と言う新しい人工知能向け半導体(従来製品より30倍高速 とエヌビディアは主張する)についてメタの広報担当者が「今年出荷されるとは思っていない」と批判的に発言したことがきっかけ。 これでエヌビディアは4%ほど下げていた。
しかしその流れが変わったのはNVDA側の強気コメント。エヌビディアは今開発者向けカンファレンスを行っていたところだったのだがその中で コレットクレスCFOがアナリストの質問に倒して
>>「 新しいGPUの 出荷量が急増するのは2025年以降」
と認めた上で
>>「 年内の市場投入を想定している」
とメタ側の主張を否定。
さらにジェンスンファンCEOが
>>(NVDAは)潜在的に2500億ドルを超えるデータセンター市場を追いかけている
と発言。
日本語に言い直せば大風呂敷を思いっきり広げてみたというところなのだろうが、マーケットはこれに反応。 データセンター需要を追いかけていると言う発言は、単なるチップメーカーにとどまらず周辺も含めた仕組みとしての商品群を売っていこうと言う意思なんだろうね。これらを受けてエヌビディアが一時2%プラスに転じることになった。 終わり値では結局1%上昇で弾けている。
(余談ながらアナリストは新しいブラックウェルの値段が1つ30,000ドルから40,000ドルと想定している。)
この辺は アナリストの間でも評価は分かれるところ。 シリコンバレーがこれまで目撃者中で最も野心的なプロジェクトだ、とエヌビディアを持ち上げるアナリストもかなり多くいれば、 逆に株価は既に大成功を織り込んでいるとして、もしもアナリストが考えるほど将来の利益が上昇しなかった場合は株価は下落する可能性があると警告するアナリストもいる。
結果的にトレンドラインを割り込むかに見えているソックス指数は何とかギリギリ踏みとどまって下ヒゲをわずかに書いた。 主要3指数は半導体銘柄が下げ渋ったことと、 消費関連銘柄のセクターローテーション、インフレが続いていることへの警戒感から冴えていなかったディフェンシブ銘柄にお金が入ったことで上昇している。 人工知能への期待感からアップルやMicrosoftが上がったことも大きかった。
S&P500はわずかながら史上最高値を更新している。
なお、ビットコインは火曜日にようやくリバウンド。これも株式市場参加者にプラスの効果を与えたと言える。
何にせよ20日はFOMC 後のパウエルの記者会見と今回は2回に1回行われる ドットプロットの公開がある。 参加者が今年何回利下げを行うと考えているのか、その中央値が最も注目されるだろう。この数字によって相場が大きく振れる可能性がある。
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とにかく市場を振り回したのはエヌビディアだった。
エヌビディア日足
月曜日の段階では「新しいブラックウェルはそれほどでもないんじゃないか」と言う見方もあったし、メタが言うように「今年中の市場投入は無理なんじゃないか」と言う悲観的な見方も多かった。
しかしながら CFOが2024年中に新しいブラックウェルを市場に投入すると明言したこと、CEOは「人工知能向けなどのデータセンター(エヌビディアは人工知能ファクトリーと呼称)の市場がさらに大きく伸びることを強調 し、新しいチップの具体的な性能を明らかにしたことでアナリストは NVDAへの評価を高めた模様。
もう一つ注目されたのは エヌビディアがデータセンターという言葉に変わって「 AI ファクトリー」 という言葉を多用したこと。 これはエヌビディアが単なるチップ提供者ではなく人工知能をつかさどる「工場」そのものを提供していこうと言う考え方もあるものと見られる。エヌビディアにとってはさらなる売り上げ増加をもたらす一方で、従来の競合他社にとっては新しい競合相手の登場であるとも言えるんだろうね。
火曜日に発せられた新しい言葉で、最も今後影響及ぼしそうな言葉がエヌビディアが生み出した
AI Factory
と言う新しい言葉だと思う。相場を作っていくのにはパワーワードが必要で、これがまさにパワーワードになり得る言葉かと。注目しておきたい。
なお、アドバンストマイクロデバイスは4.9%の下落。これはエヌビディアの新しいチップが予想以上に強力で AMDにとっては追撃が難しくなると言う見方が出たものと言える。 インテルも1.3%下落となった。 人工知能 チップに力を入れるマーベルも、エヌビディアの戦略(新しいチップの販売と、データセンター全体へプレゼンスを強化する)を見て売られる形になっている。 マーベルは3.2%と下げがきつかった。
半導体指数ソックスは大きく下落していたもののエヌビディアがリバウンドするに従って下げ幅を縮小。 結局0.9%の下落で何とか取引終えた。この辺は水曜日のFOMCを見極めたい動きもあるんだろう。
SOX トレンドラインギリギリで何とか踏みとどまっている。
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半導体以外では、iPhoneに人工知能の採用を検討中のアップルが1.3%の上昇。Microsoftも1%上昇と上げている。Amazonも0.8%の上昇だった。
イーライリリーが1.3%上昇するなどディフェンシブを見直す動きも出ていたし、ホームデポが2%上昇、 マクドナルドが1.5%上昇、個人消費関連が値段を戻している。
冴えないのがEVと仮想通貨関連。テスラは値上げで交換されたのは一時的で今日も1.4%下落。
仮想通貨関連ではマイクロストラテジーが5.6%の下落、コインベースグローバルが4%の下落。ビットコインは何とか下げ渋ったものの 2月まで上昇が大きかっただけに関連銘柄の換金売りが続いている。
その他スーパーマイクロコンピューターは1時12%下落して9%安で取引を終えた。急上昇したこのタイミングでエクイティファイナンスを発表したことが売り手がかり。 もちろん 急成長するためにお金を調達する、これが上場の目的でもあるわけだがこのタイミングでファイナンスしてくるか、と言うマーケットの怒りというか落胆が株価に現れている。
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もう1個。ドル円は150円90銭をつけた。この辺になると日銀が介入してくる可能性は出てくるんだろうね。為替介入や要人発言には気をつけておきたい。
NY2024年3月20日(水)
S&P500 5224+46(+0.89%)NYダウ39512+401 (+1.03%)
NASDAQ16369+202(+1.25%)
アメリカ国債10年利回り日足
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足 新高値を更新してしまっている
NYダウ日足 ラウンドトップ想定だとするとそれを否定にかかるような大きな上昇となった。
NASDAQ日足 ナスダックはまだラウンドトップ内にいる。
NYダウ日中足
NASDAQ日中足 ドットプロットを見て、相場が急上昇したのが分かるだろうか
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アメリカ株は上昇している。特に金利上昇に弱いとされる半導体株やグロース株が多いナスダック指数の上げが大きくなった。
FOMCでは 予想通り金利の変更はなかったわけだが、 最も注目されたのが 偶数回で発表されるドットチャート。 中でも年末のFFレート 予想だった。
参考 年末時点予想ドットプロット(ドットチャート)
見てわかるように、 2024年末の金利について12月に比べて4回以上利下げと予想したハト派は3人減ったものの中央値はほぼ変わらず「3回」のまま。 これがマーケットに安心感をもたらした。CPIやPPIなど 最近のインフレ指標が下げ止まりを示していただけにFOMC参加者がもっとタカ派姿勢を示して利下げに慎重姿勢を示すかと思われたのだが、 FOMC参加者は依然として「インフレは抑制傾向」(なので金利を下げていく)と考えていることが示されたと言って良い。
少なくとも今日の時点では。。。
なお2025年については利下げ予想の中央値がやや上がっているといえる。これは経済が予想よりも強いのでさらなる利下げの必要製はある程度薄れたと考えているんだろうね。
会議終了後の記者会見で、 パウエル議長は1月と2月の予想を上回っているインフレ率について 「全体的な状況は(12月と比べて)あまり変わっていない」「インフレ率は凸凹した道を歩みながら徐々に 下がっている」と発言。つまり1月と2月のインフレ下げ止まりはあくまでダウントレンドの中のあや戻しだと考えていることを表明 しマーケットの安心感につながっている。 パウエルはこの2ヶ月のデータに過剰反応するつもりはない、として下げ見通しを変更しなかった理由を説明。 ただし無視するつもりもない、としてマーケットに釘を刺す事は忘れなかった。
FedWatchのデータによればFOMC前の市場参加者の6月利下げ予想は55%だったのに対して、ドットプロット発表後は60%まで上昇。マーケットは6月に利下げを開始、隔月で利下げしていくんでは無いか?と考えているといえる。
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半導体指数ソックスは、ギリギリで踏みとどまった形。 こうなると火曜日の下ヒゲが効いてくる。
掲示板で まるで三苫の1ミリ だと書いている人がいたけど本当にそんな気がする。ラインをわったようで、わってないことになった。 とりあえず今のところ。 明日になってビデオ判定でやっぱりわっていた言われる可能性は残すが…。
SOX日足
朝方はほとんど変わらずで動いていたソックスだったが、ドットプロットを見て上昇に弾みがついた。
マイクロンの決算が良かったこともプラスの材料。エヌビディアの新チップによって競争が激しくなるAMDこそ0.9%の下落になったもののその他の銘柄は 買われている。ブロードコムの3%上昇、マイクロンの2.4%上昇、テンコールの2.2%上昇、モノリシックの2.6%上昇などが目についた。ほぼ半導体は全面高と言って良く、 テクニカルの面でトレンドLINEで踏み止まったことと、金利の低下傾向が変わらないということが示されたのがとても大きかったと思う。NBAは1.1%上昇して900ドルを回復。心理的な面も大きかっただろう。
政策金利の低下傾向は変わらないと示されたことで、テスラが2.5%の上昇。メタが1.9%上昇、アマゾンが1.3%上昇、Appleが1.5%上昇するなど大型ICT銘柄に買いが入った。
また、金利低下を見込んで「金利はつかない」暗号資産には強気の見方が広がった。仮想通貨関連株とされるコインベースが11.6%の上昇。
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PDDが一時10%上昇した後3.5%上昇。 第四四半期決算がアナリスト予想を大きく上回った。さすがに利益確定がでて上げ幅はかなり縮小してしまったが。いかに「Temu」が世界的に影響を広げているか?それを示した。 ここのところとにかく海外に出ているわけだがまさにこれが奏功した形。
中国のテック株は予想より悪くないんじゃないかと言う見方が広がり、ビリビリが3.8%上昇、テンセントが1.7%上昇、JDが 2%上昇、アリババが1.0%上昇するなど中華ADRが少なくない上昇を見せた一日でもあった。
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このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月20日(水)
S&P500 5224+46(+0.89%)NYダウ39512+401 (+1.03%)
NASDAQ16369+202(+1.25%)
続き
とにかく市場の1部は今年の利下げの回数が減らされると言う予想を行っていた。 これが外れた事が株価上昇の大きな原因。
一方で2025年 と2026年の予想中央値はそれぞれ25bp引き上げられた。(利下げが一回減る形)インフレ予想も2024年のPCEコアインフレ率を 2.6%に引き上げている。これがもっともっと大きく上昇しても不思議ではなかった株価の足かせにはなっている。
パウエル会見の注目点をいくつか。
インフレは依然として高い、労働需給は依然としてタイトと発言しながら 今年のどこかの時点で利下げを開始するのが適切と表明。必ずしも労働需給が緩まなくても利下げを始めることを明確にしている。(中央銀行は予想をできる理由があれば政策は変更しても良いと言うことになるね)
量的引き締めの緩和を早期に始めるのが適切、 とも 表明。 引き締めを止めるとは言わなかったものの、これ以上のマネーサプライの 減少を望んでいないことも表明している。この辺が10年国債が再び利回り低下につながった面が大きいだろう。
全体としては予想以上にハト派よりのパウエル会見ではあった
東京市場2024年3月21日(木)
TOPIX2796+45 (+1.64%)NK225 40815+812 (+2.03%)
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足 225指数の方が大きい上昇になっているのは、特に午後から 半導体銘柄に買い注文が入ったため。
日本国債10年利回り日足
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東京市場は「予想外の?」 大幅上昇。 史上最高値を更新して取引を終えている。
日銀の マイナス金利廃止を「経済の正常化」と受け止め 、かつ株式に悪影響与えるような速度の早い金融政策の引き締めではないと考えた向き(外国人投資家、主にアメリカ人)が日本株にお金を向けたこと、アメリカの FOMCでは 来年以降の利下げ速度の低下が示されたものの今年についてはあと3回利下げするのが妥当 と言う見通しが(今のところは)ドットプロットで出てきたことが株価急上昇の原因。
2つのイベントを前にポジションを縮小して向きが イベント通過で何事もなかった(むしろ考えられる最高の結果であったこと)ことで慌てて買いに入ったこと、
また 40,000円はそう簡単には超えてこないだろうと予想していたプレイヤーが40,000円以上の値段でコールを売り立てていたところ一気に踏み上げ、 コール売りの損失を限定するためのデルタヘッジの先物買いを巻き込んで 先物が主導してどんどん上昇する結果になった。投資家心理の隙をつかれた形とも言えるかもしれない。
合わせてエヌビディアがカンファレンスの中で、 今後のデータセンター(エヌビディアはAIファクトリーと言う呼び方を使った)が 市場の予想よりも大きく伸びると発言 したこと、 メモリー最大手の1つマイクロンの決算が良く、メモリー市況がどうやら底打ちしつつあること。同じくメモリーに怖い韓国サムスン電子の株価が強くなってきた ことも日本の半導体関連株の強い追い風になった。
マイクロンの株価
サムスン電子の株価(ウォン)
ソックス指数も昨日トレンドLINEをギリギリ踏みとどまって上昇していて、目先リバウンドに入ったのか?と思わせる動きをしたこともテクニカルな買い戻しを誘った。
SOX日足
東京エレクトロンやアドバンテストが 一段高して上げ幅を広げる結果になった。この間アメリカの株価指数先物も強くいかんともしがたい感じ。 結果的には今晩のアメリカの半導体上昇を先回りして日本の半導体を買った 形になっている。
エレク日足
アドテスト日足
以上の理由から半導体が物色されたことに加えて、金利はそこまで大きく上がっていかないと言う楽観論から不動産などに開注文が入った。 住友不動産が前場はマイナスだったものの5倍に再び押し目買いが入ると上昇に転じている。
住友不動産
銀行株も金利の上昇を蒸し返して上げ幅を広げていて、政策のいいとこ取りといっても良いのかもしれない。片方ではほどほどの利上げだから利益は上がると見て、片方では利上げが利益になると。
逆にリスクオンの動きの反動で利回り銘柄として捉えられる日本郵船や、ディフェンシブの性格もある電鉄株が下落。昨日まで上昇していたファナックなどの中国向け投資関連の一角も安い。
日本郵船日足
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とにかく値嵩の半導体株に内外機関投資家、個人投資家のややパニック的な買いが殺到した。
レーザーテックが3.2%の上昇、東京エレクトロンが5.4%の上昇、ディスコが2.8%の上昇、ARMを 参加に持つソフトバンクグループが5.0%の上昇、アドバンテストが2.1%の上昇。ここまでが売買代金10位に入った。さらに、ソシオネクスト1.4%上昇、スクリーン2.6%上昇、信越2.6%上昇、ルネサス3.1%上昇、ノムラマイクロ4.1%上昇、TOWA6.2%上昇など 製造装置に限らず幅広い半導体関連銘柄が買われている。
なお、半導体では無いけれどIOWN関連として注目を集めるACCESSが一時は1601円まで利益確定の売りに押された一方で後場には1800円目前まで上昇するなど荒っぽい展開になった。
引け値は結局1751円2%上昇で終えている。
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エヌビディアのCEOの「巨額のAIファクトリ(データセンターのこと)需要を追いかける」発言もあって関連銘柄は強い。
住友電工が連日の史上最高値更新。
マイクロニクス9.5%高、数年ぶり復配の東洋エンジが9.1%高。日本電子材料6.5%高、日本電設工業4.6%高、東京精密4.1%高、 鹿島建設3.2%高。
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スカパーは米軍との契約話で急上昇 。以前からCMで宇宙開発の会社である事をアピールしてきた気だが、まさにそれを具現化する話でマーケットも飛びつきやすかったんだろう。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月21日(木)
S&P500 5241+16(+0.32%)NYダウ39781+269 (+0.68%)
NASDAQ16401+32(+0.20%)
アメリカ国債10年利回り日足 金利は強めの経済指標を見て下げ渋っている。しかし株価は経済の強さの方をとって上昇している。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
ラウンドトップ上の抵抗線を突き抜けて高値を取った。
NYダウ日足
NASDAQ日足 ナスダックは出合い線に近い足でやや不気味
NYダウ日中足
NASDAQ日中足 高値を取ってきたものの、 アップルの下落などが足を引っ張って 上昇幅を大きく減らしている。
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米国株は上昇して引けた。
全体環境としては 前日のパウエル議長のハト派的な記者会見の内容と今年3回の利下げを見込むドットチャートからセンチメントは良好だった。
失業保険申請件数は210,000件。雇用は堅調だったが 利下げを後退させると言うほど強くはなく「適温」との評価。
午後からは AppleやAMD、テスラの下落が足を引っ張って上昇幅が縮小 したものの マイクロンの14%!上昇 に引っ張られてSOXが2.29%も上昇。SOXは1時は5%ほど上げる場面があり、 半導体は全面高に近い 上昇であった。
SOX日足
マイクロンの経営陣は人工知能の需要が半導体(新天地注。いわゆる高帯域メモリ。今はまだ利益率がとても高い)の成長を 押し上げると発言し ていて数字以上に高評価を受ける結果となった。 合わせてMicrosoftとブロードコムが揃って人工知能イベントを開催 する日程が重なったことで半導体銘柄はテーマ性のある銘柄として物色されている。
もともと人工知能関連の半導体需要の高まりにもかかわらず、メモリは携帯電話向けなどのNANDメモリーがふるわないなど 未だ底打ちの気配が見られなかったわけだが、 マイクロンの決算と今後のガイダンスが良かったことから メモリ全体でも半導体サイクルの底打ち を確認。 マイクロンは中でも利益率が高い人工知能データセンター向けの高性能のメモリが売れているとしていることも業績の数字以上に株価に刺激を与えている 。今後は 半導体全体の市況が上昇に向かうとの見方が広がったことで マイクロン自身が大きく上昇するとともに 高性能のメモリを作るための半導体製造装置なども買い注文が波及 することになった。 前日のエヌビディアのトップたちのデータセンター(AI Factory)への 強気発言もあって、ブロードコムやスーパーマイクロコンピュータといったデータセンター周りの銘柄に買い 注文が入った事も相場を支えた。
かなり強めの経済指標を受けて長期国債の利回りは上昇したものの、市場は経済の強さの方をとって株価が上昇したと言える。 午後からはAppleの下落や 買い疲れたと言う感覚から上昇幅は縮小。 ただ取引終了にかけては押し目買いが入るなどプラスを維持した。
相場に影を落としたのが アップルとテスラ 。 独占禁止法に絡んでアップルが司法省に訴えられて4.1%の下落。電気自動車の中古車価格の値下がり報道など逆風が続くテスラが1.6%の下落。この辺が足を引っ張って指数の伸びは特にナスダックで押さえ込まれる形になった。 個別ではアクセンチュアの9.3%下落が投資マインドに水を刺している。
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レディットが 新規上場。 今年上場する大手企業としてはトップを切った形になった。2021年以降、大型IPO市場は冷え込んでいるわけだが久々の大物という感じだろうか。 公開価格に比べて48%プラスの50.44で取引を終えまずまず大成功といったところだろうか。
ただし Redditもコロナバブルの2021年当時非公開の段階で100億ドルの評価があるとされていた。今回の上場ではこれを超えられていないわけで、 株式市場が大活況にもかかわらずいかにIPO市場が今冷え込んでしまっているかと言う話でもあるんだよね。Redditが再び往年の評価を受けるかどうかで今後IPO銘柄が増えるか増えないか占うことができるだろう。
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なんといっても市場に大きなインパクトを与えた マイクロンの14%上昇 。 第二四半期の予想を大幅に上回り今期の見通しを上回ったことで株価は給与上昇して取引終えている。 マイクロンの2Qは 2月に終了するのだが売り上げ高が前年の58%増加の58.2億ドル。調整後の1株利益は前年から122%増加、1株当たり42セントとなった。
マイクロの経営陣によれば
「 高帯域の最新鋭のディーラムチップ の購入が AIインフラストラクチャーの支出ブームの恩恵を受けた」
としていてついにAIの影響がマイクロンの業績に目に見えてプラスになってきたことを明らかにした。これが大きかった。
さらにはPCやスマートフォンなどほとんどすべての最終市場で需要が改善していると述べたことも株価を後押ししている。1番遅くまで需要が回復していなかったメモリー市場がついに底打ちししかも 1部の最先端の半導体が人工知能需要で大きく伸びていくことを確認したことが株価を 刺激している。
マイクロンのCEOは 「マイクロンをこの数年 人工知能市場から最も成長期待が得られる 受益者の1つだと考えている」 とも発言。これはマーケット参加者を大いに奮い立たせた。
参考 マイクロン日足 上場来高値を更新している。
人工知能銘柄ではブロードコムも上昇。 この1週間ブロードコムの下落がソックス指数にもかなり 悪影響を与えていただけに、ソックスが大きく切り返すきっかけにもなっている。
ブロードコム
この日行われたカンファレンスでかなり強気な発言も出た模様。 5.6%上昇しソックス指数とナスダックを牽引した。1時はそれこそ10%近く上昇する局面もあった。
1348ドルで取引を終えたブロードコムだが、TDコーエンは 中立からアウトパフォームに投資判断を上げ。目標株価も1400から1500ドルに引き上げている。 Jpモルガンも目標株価1700投資判断強気を変えなかったものの、オーバーウェイトの評価を強調している。
木曜日に行われたイベントで人工知能向けに最適化されるデータセンターに向けて、カスタム半導体やスイッチネットワーキングのためのチップを開発していくことを強調。さらに会社名は非公開ながら、TikTokの親会社バイトダンスから新しくチップ製造の委託を受けたと発表したことも 興奮を誘っている。(すでにブロードコムはアルファベットやメタを顧客にしている)アナリストはTikTokではなくアマゾンかもしくはAppleの可能性もあるとしているがこの辺はまだ正式には発表されないのだろう。
問題は、マイクロンもブロードコムも「AIから恩恵を受けて新しい顧客がつくよ」と言う趣旨の経営者の発言を数字以上に織り込んで買われたことかな。これが続くかどうかが今後の半導体相場の行方を握ることになる。数字以上に買われている。
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メモリの話は週末に何とか書きたいと思ってます。最近ちょっと体調がすぐれてないのでごめんなさい。できるだけ早く書きます
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東京市場2024年3月22日(金)
TOPIX2813+17 (+0.61%)NK225 40888+72 (+0.18%)
TOPIX日足 ひとまず「下げを拒否」とても珍しい形の高値更新が続く
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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東京市場は上昇して取引を終えている。 225よりもトピックスの方が上昇率が大きいのは、1つは配当取りの動きが活発化してきたこと。どうしても根笠のハイテク株よりもバリュー株の方が配当利回りが大きいため TOPIXのほうの上昇率が高くなりがち。 さらに今日は値嵩のハイテクや半導体株に利益確定の売りが出て伸び悩んだりマイナスになったりした銘柄があったことが225伸び悩まさせたと言える。 金曜日と会って後には手島入りが出る場面もあったのだが、やはり配当取りの買いが強くプラスで引けている。
金利上昇期待もあって銀行株の上昇が目立っているし、なおかつ円安が進んだことでトヨタや日産などの円安メリット自動車株も強い。円安と言うこともあってインバウンド銘柄を物色する動きも目立った。くら寿司なんかも昨年来高値更新になってるね。
一方でアメリカで マイクロンが買われた流れなどから エレクやレーザーテックが上昇、ともに上場来の高値をつけたものの、 利益確定の売りに押されてマイナスで取引を終えている。アップルがアメリカの司法省に訴えられるということで下落していて、Apple関連と言われる村田製作所等でも売りが来た 。その他免疫疾患の治療薬の臨床試験があまり芳しくなかったとされる 中外製薬には売り注文 が出ている。
また大型株に資金が集中したことで、個人投資家に人気のあった さくらインターネットなどが下落。連れて個人に人気の高い材料株が売られた のが目立った。
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トヨタ1.9%高、三菱UFJ1.9%高、東京電力1.8%高。
この三銘柄が今日を象徴すると思う 。 機関投資家も個人投資家も暦通りに積極的に配当を取りに来た。今週の前半までに期間投資家が益出しの売りを終了させたこともあるんだろう。
トヨタ日足 実質的上場来高値を更新
三菱UFJ
東京電力
一方でやや波乱だったのが半導体の銘柄。マイクロンの業績を見て おそらく恩恵が大きくなると見られたディスコが3.4%の上昇。しかしながらレーザーテックはマイナスにエレクはほぼ変わらずと 利益確定の売りも大きかった。アドバンテストに至っては3%下落している。半導体は去年から先行して上昇してきただけに、一旦利益確定の売りを出して配当取り銘柄や割安銘柄にお金を移す動きも出ていると言える。
ディスコ日足
レーザーテック日足 最高値更新も陰線でマイナス引け。出会い線に近い
個別では霞ヶ関キャピタルが売買代金を集めて5.6%の上昇。
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一方でさくらインターネットが値崩れし5.9%安。この辺は個人投資家が信用買いを行っていることもあって崩れるとほかの個人人気が高い仕手系材料株への向かい風が強くなる。
さくらインターネット日足 黒三兵になっている
三井E&S3.1%安、住石5.3%安、Kudan6.5%安、Labora.AI2.8安と総崩れになっている。
三井E&S日足
住石HD日足
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NY2024年3月22日(金)
S&P500 5234ー7(ー0.14%)NYダウ59475ー305 (ー0.77%)
NASDAQ16428+26(+0.16%)
アメリカ国債10年利回り日足 利回りが低下したのはルルレモンのガイダンスが悪かったことと、NIKEが6月以降の会計年度上半期の売り上げ減少を警告アナウンスした為。このため 金利低下による株買いは 景気減速懸念の押し戻されて限定的だった。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足 上放れ並び黒が出てる
NYダウ日足 たすき線になってる
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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米国株はまちまち。 SOX指数がわずかにプラスになった支えでナスダックが高値 を取ってきたのに対して、 NIKEなどが足を引っ張ったダウが下落 。機関投資家がベンチマークとするS&P500はややマイナスとなった。また「炭鉱のカナリア」中小型株指数ラッセル2000はマイナス1.27%と下げがきつい。 NIKEやルルレモンなど消費関連株が売られたことの影響で消費≒景気への疑念が売りに繋がったともいえる。 セクター別で 一般消費財が大きく売られた。 ただフェデックスの決算が良かったために資本財全体としてはしっかりで この辺は明暗が分かれた格好である。
ダウが40,000ドルに近づいたことで、心理的な高値警戒感が強まったことを指摘する声もあった。週末と言うこともあって一旦利益を確定しておこうと言う動きが出ている 。Nikeは幅広い消費者、lululemonはヨガ向けなどやや高額の所得を持つ消費者を相手にしている。 アメリカでは失業手当などコロナ禍のもとで低所得者層に厚くお金を配ったわけだがこれが底をつきかけているのは以前から言われていた。そのためNikeの見通しが暗めなの はある程度は理解できる。 しかしながら高額所得者層は依然として給料所得が多いとされていて未だ消費は落ちていないとされてきた。その高額所得者向けのはずのルルレモンの成長が昨年の20%成長から今年は10%台に 落ちてくると言うガイダンスはマーケットにはそれなりのインパクトを与えている。 今まで 強い消費を支えてきた高額所得層にもいよいよ先行きへの警戒感がじわじわと広がりつつあるんだなぁと。ルルレモンが急落したのはもちろん、特に中小型株など景気に 脆弱であるとされる銘柄に売りが来たのはある程度見過ごせない。
(消費者は消費を止めたわけでは無いが明らかに不要不急のものから支出を絞っていると言っていいんだろう)
地政学ニュースとしては、 モスクワで40人以上が死亡100人以上が負傷したとされるテロ事件 が地政学的な不透明感を増すことになった。 マーケットではこれが ウクライナの起こしたテロであり、ロシアの石油施設などに攻撃が広がるとインフレ懸念が加速すると言うやや不謹慎な見方も出た。 攻撃目標が人であるうちは経済への影響は限定的だが、 石油施設が守れなくなると経済への影響がはるかに大きいと。
なお、 ウクライナがテロ事件への関与を否定、イスラム国関連のテロ と見られることからマーケットはこのマイナスインパクトからは回復している。
一方で半導体指数ソックスがプラスになったように、マイクロンが半導体底打ちの気配を見せるガイダンスを出したことで人工知能関連への需要拡大の期待と業績期待も強い。これがダウを1時最高値更新に向かわせる原動力にもなった。相場はまだら模様だったと言っていい。
個人消費が弱さを見せたことで、反射的に国債の利回りは低下した。これが今度は株価を下支えする ベクトルになったことも相場の模様を生んでいる。押し目買い意欲はそこそこあったと言える
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ある意味では今日の相場の象徴だったのがlululemon。
ヨガ向けの コスチュームを作るなど 「所得が高い人向けの」アパレルブランド といっても良いだろう。この辺は世界中の人間を相手に商売している nikeとは異なるところ。コロナ以降の消費増加もあって 昨年の売り上げの伸びは20%超えた。ところが 今年については通期で 10%ほどの上昇しか見込めない とガイダンス 。 株価は高い成長率を織り込んで割高なバリエーション でできていたために、 成長率のいきなりの鈍化は投資家の強い失望を 生んだ。 ルルレモンは結局15.8%の下落。ルルレモン自体が下がったのも大きかったわけだが、特に消費関連株、あるいは消費に業績が連動しやすい中 小型株に売り注文が集まる結果につながっている。
アパレルでは「低所得者から高所得者まで幅広く売っている」 Nikeが6月に始まる2025会計年度上半期の売り上げ高減少を警告。
アメリカではいわゆる中間所得者層の消費が圧迫されていると言うことが示されたと言える。lululemonがハイエンドの消費者の 消費疲れ、ナイキがミドルクラス中間所得証のお金の枯渇。これを示しているんだろう。
参考 lululemon
参考Nike
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続く。続きちょっと遅くなります。
相場の本質とは関係ないところだが、大麻の合法的な製造業者であるティルレが 18%の上昇。ドイツ議会が大麻の部分合法化を承認したことが材料。最もドイツ議会が合法化を承認するのは以前からわかっていたような話なので、明らかに材料蒸し返しによる個人の仕掛け的な相場。こういうことが起こるっていうことはアメリカの市場がかなり賑やかというか投機的というか 加熱している証拠でもあるんだろうね。(わかっていた材料で上がる相場は強い。でもそれは強すぎると言う危険信号でもある)
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NY2024年3月22日(金)つづき
年3回の利下げと言う楽観的な見方が広がる中で、 ただ1人タカ派姿勢を隠さないのがボスティック アトランタ連邦銀行総裁。
金曜日に今年の利下げは 今まで予想していた2回ではなく、1回にとどまると言う見通しを示した。
インフレ率が目標の2%に向けて低下し続けていると言う見方について、 ボスティック自身は12月よりも確実に自信が縮小していると発言。 予想される利下げ開始日を延期することにすると述べた。ボスティックは今までは早ければ夏に利下げが開始される可能性があるとして6月にも利下げを開始、さらに追加でもう一回利下げをすると言う見通しを示していた。 それが今回は夏の利下げは無し、 様子を見て12月までに1回利下げができるかどうかと判断を後退させたわけ。
一方で2024年の経済成長を見通しを従来は1%と見ていたのを2%まで大きく引き上げている。 それは3.9%の失業率見通しに変化がないと見ていて、これではインフレが避けられないと考えているからだと。 なぜなら、 インフレが低下する場合には多くの品目で先行して値上がりが縮小していくはずなのに いまだに値下がりが見られる品目が少ない(値下がりしていない品目が多い)からだと。
ボースティックは利下げをしないことについて潜在成長率を上回る経済があって失業率が低いこと、なおかつインフレが緩やかには 低下していることを指摘し「それは私たちに(利下げをしないと言う)忍耐の余地を与えている」としてポジティブに発言している。
要するにマーケットは利下げが 正義のように捉えているわけだが、 ボステックは現在の金利でもインフレ率が緩やかに低下し失業率が低く経済が拡大している以上それでも良いじゃないかと。利下げだけが正義ではないと言いたいんだろうね。
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金曜日は大麻関連株が急上昇したのが話題になっている。これはカナダとドイツで同時に良い材料が出たため。
カナダでは大麻合法化で、大麻の製造農家は多額の税金を納めさせられることになっている。これについて政府の調査グループが物品税を削減するように国に勧告。
さらに ドイツでは個人使用のための 大麻所持を 合法化 するような 法律が成立した。これを受けてティルレイブランズが18%の上昇、キャノピーグロース68%の上昇、オーロラカンナビスが25%の上昇と大麻関連株が大きな上昇を見せている。
キャノピー日足
ただこれらの事象はある程度以前から想定されていた話。わかってた話を蒸し返してこれだけの上昇が見られるということは、 株式相場全体としても ギャンブルを好むお金が既に大量に入ってきているって言う証拠でもあるんだろうね。ややバブルチックなマネーゲームの流れを感じる相場ではある。
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Googleを傘下に持つアルファベットが2.1%の上昇。この日はウェットブッシュが目標株価を160ドルから175ドルに引き上げ。加えていわゆる「ベストアイデアリスト」銘柄に選んだことが話題になった。
アルファベット日足
ウェットブッシュによればGoogle検索に対するリスク(広告収入の減少の恐れなど、Microsoftなどの競合に対する不安感など)についてリスクが誇張されていると主張。 Microsoftだけでなくアルファベット自身も人工知能から恩恵を受けると信じていると指摘している。
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金曜日決算では悪いニュースが多かったわけだがフェデックスは決算が良かった。 困難が続くとCEOが指摘するものの売り上げ高が予想に届かない中でコスト削減策が 効果的だった。調整後EPSは3.86ドルとアナリスト予想の3.46ドルを大きく上回っている。この辺はフェデックス特有の理由なので、他の運送業に広がりにくいのが残念なところだろうか。
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マイクロストラテジーは4.7%の下落。10%を保有するオーナーのマイケルセイラーが3700株を売却したことが明らかに。さらにジャロッドバテン取締役も5100売却したことが明らかになった。 いわゆる「インサイダー」とされる経営陣が株を売却したことで高値警戒感につながっている。 マイクロストラテジーはビットコインの供給量の1%保有。ビットコインの上昇につれて株価は大きく上がってきた。これだけに利益確定の売りが出たと 言えるだろう。
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Nikeとlululemonの業績悪化を見てビザが2.4%の下落、マスターカードが1.4%の下落。消費の先行き不透明を反映している。またホームデポが1.2%下落、 ウォルマートが0.9%下げるなど小売銘柄に安いものも目立った。 バンコクアメリカが1.2% 下落するなど銀行株全般も安い。
マスターカード日足
バンカメ日足
東京市場2024年3月25日(月)
TOPIX27777ー35 (ー1.26%)NK225 40414ー35 (ー1.16%)
TOPIX日足 宵の明星になっている
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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東京市場は大きめの下落になった。金曜日十字足、 今日はギャップダウンとなったことでチャート的に宵の明星と言う形になったことを嫌う声も聞かれた。 週末はNYダウが下げていてもともと売られやすかったこと、
期末を控えて国内の機関投資家がやや動きにくいこと。年金資金が大きく上昇してきた株式資産をリバランスで売っていること、期末の受給の悪化に対する売りも出た。225の銘柄入れ替えによって全体に売りが出ることも予想されていてこれが 先物への売り仕掛けの原因になった面もある。 そこに円安の流れが一服したことから現物でも輸出関連株に売りが来たことが大きかった。 政策当局者が口先介入の動きを出しており、実際の為替介入への警戒感も強まっている。
売買代金は4兆3400億。 高い水準ではあるもののややエネルギーには欠けている。
先週大きく上昇した不動産株、地方銀行株、エレクトロやソニー、ファナックといった輸出関連株に利益確定の売りが出たのが目立つ。 午後からの下落は先物が主導 していて、225入れ替え等の売りを睨んで アメリカ系のヘッジファンドなどが売りを仕掛けてきた可能性も大きいだろうね。
相場全体を見れば配当取りを狙って内需や高配当株の一鶴には海が入っていたし、先高感を持っているプレイヤーは押し目を買う動きも見せた。メモリのマイクロンとロジックのエヌビディアが上昇したことで比較的関連性が高いとされるアドバンテストはプラスで取引を終えている。 (アドバンテストのテスターは高度な半導体を作るために欠かせないとされる。ロジックや、 低いレイテンシの メモリ製造には欠かせない) 一方でレーザーテックが下げるなど、半導体では高安かれているのが今日の特徴の1つだろう。 今日高かった半導体と安かった半導体、必ずチェックしておきたい。
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主力銘柄に売りが出たのも今日も特徴。レーザーテックが1.7%の下落、東京エレクトロンが1.5%の下落、トヨタが1.1%下落、三菱UFJが1.3%の下落、ソニーが2.9%の下落、
特に取引終了にかけては先物主導で下げがきつく、裁定解消売りを巻き込んで現物にも大きな売りが出た。 必ずしも個別銘柄も弱さと言うよりは板が薄い中を売られちゃった面もあるんだろうけれど。
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期末が近づくと、アナリストもどうしても会社訪問がしづらくなるのでレポートが少なくなるわけだが、いくつか話題になっていた。
SANKYO(6417)には みずほ証券が強気の見通しで、2200目標2100に上げてきた。業績が来期以降も続くと予測すると言う。ただし配当が多い株なので、期末に絡んでは上下大きいだろうと。
同じく瑞穂が、コムシスを2600から4300円。中立から買いに判断を引き上げている。 これはデータセンター向けだろうね。
後はデータセンターがらみでインターネットイニシアチブを3400円から3500円に引き上げ。この辺データセンターの周辺銘柄の見直しの動きが続いている事は頭に入れておく。
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一方で、藍沢証券8.2%上昇、北海道電力7.2%上昇、京浜急行5.3%上昇、西武ホールディングス5%上昇、アーモ4.7%上昇、。この辺利回りの予算に注目する動きもあった。
日テレが2.5%上昇するなどコンテンツに注目する動きは続く。スカパーが伊藤忠とアニメの新会社を設立すると発表して上場来高値を更新。スカパーはここに来て国防と言う切り口とアニメと言うコンテンツ事業と言う切り口を併せ持つ材料性の高い銘柄として人気が出てきたのが目立つ。この辺が周辺銘柄を引っ張っていけるのかどうか、新しい柱になれるかどうかも注目されるだろう。
美津濃が2.4%上昇。Nikeの下落に対して日本勢の上昇は特筆しておこうか
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
NY2024年3月25日(月)
S&P500 5218ー15(ー0.31%)NYダウ39313ー162 (ー0.41%)
NASDAQ16384ー44(ー0.27%)
アメリカ国債10年利回り日足
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足
NASDAQ日中足
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25日のアメリカ市場は下落した。原因は主に3つ。
□先週までアメリカ市場で上昇が続いてきて 心理的節目のニューヨークダウ4万ドル接近に伴う高値の警戒感やあるいは季節的にファンドの現金化の売りが出ていること
□ ヨーロッパがアップルに制裁を加える姿勢を見せていてビックテックが売られたこと、中国がインテルなどの半導体製品に規制をかけること。
□ ウクライナが無人ドローンでロシアの製油所攻撃しており既にロシアの原油生成能力が1割近く低下 していて、原油価格上昇≒ インフレ圧力につながるのではないかと言う思惑。
要するに史上最高値圏にあるところにいくつか不安材料がまとめて出てきたことが下落を呼んだと言える。ただしマイクロンの決算やフェデックスの決算など先週は良い決算もそこそこあり市場全体でも下がったところを買っていこうと言うプレイヤーもいて下落率は限定された。 特にナスダックは取引終了にかけて下げ幅を縮小している。
先週の、アトランタ連邦銀行のボースティック総裁の年内の利上げは1回にとどまると言う予想、 これはさすがに10年国債の利回りへある程度の影響を与えた。利回りが小幅とは言え上昇したところで相場全体にマイナスのインパクトを与えている。
ウクライナの (アメリカ政府が強硬に反対しているにもかかわらず) ドローンによるロシアの石油関連設備への攻撃は、原油価格の上昇につながっていて、エネルギーセクターは使われている。公益セクターが買われているのは、相場全体が売られる中でのディフェンシブ物色と言う面があるだろう。
また、ボースティックに続いて、クックFRB理事が「 時期尚早の売り上げはインフレを根付かせてしまう」と発言。 6月の 利下げに否定的と見られる発言だけにやや市場心理に悪影響を与えた。
市場は、3月末で流動性が若干低くなっているところに、
金曜日の2月のPCデフレーターを見たいと言う意見から全体的には下落。ただ同じくデフレーターを見るまでは簡単には売りたたきづらいと言う雰囲気もあって下落幅は限定されたとも言えるだろう。
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Appleが下落している。
Appleは、いわゆるApp Storeなのでソフト等の販売者を囲い込み、そこからApple税とさえ言われる 高い率の販売手数料を取ることで大きな収益を上げてきた。
ところがここに来て逆風が吹き始めている。 月曜日には新しいEUのデジタル市情報に基づいてEUがAppleを調査していることが明らかになっている 。企業が規則に違反すると、世界の収益の最大10%の罰金を課せられると言うとてつもない大きな法律 だけに、Appleとしては今後和解などを迫られるというのがマーケットの見方。 影響はアップルだけには留まらずメタとアルファベットにも及んだ
アップルが0.8%の下落、メタが1.3%の下落、アルファベットが0.4%の下落。 くどいようだがソニーや任天堂も他人事ではない。(昨日のソニーの下落はこれもかなり大きな影響があったんではないかと言う話も)
EUはAppleやGoogleが主要なアプリストア以外での代替手段について顧客に通知することを遵守しているかどうか精査する予定。
アルファベットについてはスマートフォンにおいてGoogleの検索を優先させる仕組みになっているのではないかと言う調査も入っている。 Appleについてはアップルが提供しているソフトウェアを簡単に削除したりデフォルト設定を変更できるようになっているかと言う面についても調査が入る。Appleがお金をもらってGoogle検索を最優先にしていることも賞賛の対象になるんだろう。 (簡単に検索の デフォルトを変えれるようになっているかと言うと、確かに疑問はある)
さらに言えば、 「メタが計画するターゲティング広告のためのユーザデータの読み込みを拒否するユーザには月額最大11ドルの利用料を取ろうとする動き」に対しても独占禁止の疑いがあるのではないかとされている。 サブスクリプション契約に対して広告料でビジネスを行うのが従来のIT業界だったが、 広告をスムーズに行うためにユーザデータの収集を行うこと、これを拒否するユーザにサブスク契約を強要することが独占禁止に当たるのではないか?と言うのは結構新しい視点で今後大きな問題になることは間違いない。
またアマゾンについても自社製製品やサービスを優先して表示しているのではないかと言う話が出ている。(この問題についてはまだ調査は入っていない模様)
参考Apple
参考メタ
参考アルファベット
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中国政府は、政府が使用する製品についてインテル製などの半導体を排除する動きに出ている。中国としてはインテルはもはや大事なメーカーではないと言う表明と、アメリカが1部の中国製半導体に非常に強い規制をかけ出していることへの反発なんだろう。
インテル日足 ある程度予測されたニュースとして、下げ幅を戻してはいるんだが
ただ、ソックス指数は結局マイナスで終わったものの、0.34%の下落にとどまった。取引時間中もほとんどの時間でプラスで推移していて相場全体への影響は限られている。
SOX日中足
SOX日足 三角持ち合いになっている
これは先週ものすごく決算が良かったマイクロンが月曜も6.3%上昇したことが大きな影響を与えている。 マイクロン以外の銘柄はエヌビディアが0.7%上昇したものの、その2銘柄以外のソックス採用銘柄は全部マイナスひけ。 ただインテルが1.7%下落、クアルコムが1.5%下落、テンコールが1.5%下落、オンセミコンダクターが1.5%下落したもののその他の銘柄は比較的小動きにとどまっていて、ある程度マイクロンの影響で押し目買いが入ったとも言えるんだろう。
マイクロン日足
高値を抜けたことで上値抵抗が薄い一日だった。
全体相場にやや手詰まり感があるところから、個人投資家は値動きの大きなボロ株にスペキュレーションを行っているのがまざまざと見える。先週大きく上昇した大麻関係銘柄は月曜日はそう崩れ。逆に月曜日はニコラなど経営が非常に不安定な電気自動車関連株にお金が集まっている。投機的な資金のため 資金の足は非常に速い。
このメルマガは新天地の考え方を書いたもので特定の銘柄及び指数に関する商品の売買を推奨または指示するものではありません。銘柄の値動きについては想定と違う場合もあります。投資される場合は読者の方独自の責任で行われるようお願いします。
東京市場2024年3月26日(火)
TOPIX 2780+3(+0.11%)NK225 40398ー16 (ー0.04%)
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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東京市場はまちまちとなった。アメリカ市場が下落した流れで先物を売ったり、ファーストリテイリングを売って指数を下げようと言う動きも出た。 年度末接近に伴う手じまい売り、 今年は株価が大きく上がっていることから3月末のリバランスの売り。あるいは4月第一営業日に年度替わりに機関投資家が利益確定の売り(初日から実現利益を持っていることで、ファンドマネージャーが心理的に楽になる)を出してくるのではないかと言う思惑から、売ってくる動きも出ている。
一方で配当を取ろうと言う狙いの買い注文も入っていて結果的には小さな値動きになった 。今日の値幅は248円にとどまっていて、 今年に入ってからの大きな値動きの中では非常に静かな1日だったと言える。売買代金は4兆3500億円 とそれなりに大きかったのだが、相場を大きく動かすエネルギーにはかけた。明日が配当県立付の最終売買日。この辺がどう動くかが相場の方向性にも影響与えるだろう。明後日以降配当再投資の動きも出るのだが 日経225銘柄入れ替えに伴う換金と 機関投資家のリバランスの売りも予想されていて、方向性は見つけづらい。
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今日のところは、半導体指数が開始したと言う話題性もあって東京エレクトロンやスクリーン、信越化学などが高い。
注目されるのはディスコが 売買代金3位に入って1.1%上昇したことだろうか。従来半導体製造装置と言えば 半導体露光装置に代表される前工程 が花形だった。しかしながら回路の微細化の限界が近づき、 半導体内部の速度もさることながら、 半導体と半導体のデータの高速化を重視する流れから、ディスコなどの後工程製造装置にも注目が集まりつつある。 いわゆる 半導体の積層化関連銘柄と言えるだろうか。 マイクロンの株価上昇でさらに注目が集まっている。
関連銘柄では 岡本工作機械が0.9%高。三次元積層ではキヤノンが 0.4%上昇、東京桜花が 1.7%上昇。TOWAが 0.5%上昇。
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すいません続く予定ですが遅くなります。
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NY2024年3月26日(火)
S&P500 5203ー14(ー0.28%)NYダウ39282ー31 (ー0.08%)
NASDAQ16315ー68(ー0.42%)
アメリカ国債10年利回り日足 耐久財受注が回復した数字が出たことで金利はやや上昇。ただし景気上昇を伴う金利上昇だっただけに株価的にはそれほど重視されなかった。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足
NYダウ日足 ダウは下落したことで、再びラウンドトップ上に帰りつつある。 機関投資家がベンチマークとするS&Pよりもダウの方が上昇が鈍いのは、Appleの影響力が大きいのとボーイングの影響が大きいことも大きく影響している。
NASDAQ日足 同じくS&P 500よりもナスダックの上昇が鈍いのはAppleとテスラの影響が大きいだろうね。
NYダウ日中足
取引終了にかけて値段が崩れているのは 3月末で、しかも今年は1月から相場が大きく上昇してきただけに株式資産を減らすリバランス売りが出たものと見られている。なぜなら1月から大きく上昇してきた銘柄ほど売られているからだ。
NASDAQ日中足
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アメリカ市場は小幅ながら下落している。
昨日までは、金融政策について利下げに制限的な発言が相次いだわけだが、今日は比較的ハト派と 見られるグールズビーFRB理事が 今年中に3回の利下げを 予想すると発言。安心感につながっている。(FRBの理事とニューヨーク連邦銀行の総裁は毎年投票権があるために影響力が大きい)
また、オッペンハイマーアセットマネジメントの人気ストラテジストジョン・ストルツファス氏が「 S&P 500の目標株価を5500に引き上げる」 と言うレポートを出したことも強気ムードにつながっている。指標でも耐久財受注が2月に1.4%増加(1月はー 6.9%と大きく崩れていた)したことが示されて、景気の底堅さを確認する格好になった。
ただし、カンファレンスボードの消費者信頼感指数の調査において所得や企業労働市場の状況に関する消費者の短期的な見通しを示すいわゆる期待指数は2月の76.3に続いて3月は73.8とさらに低下。歴史的にはこれが80を下回ると1年後の景気後退の可能性が高いとされていて注目は集めている。
この辺の数字を見て強弱感は対立したわけだが、UPSの 下落を見て景気への先行き懸念が出たこと、トランプメディアの上昇の陰りを見て個人投資家がやや弱気になったこと、 下で書いてるけどPCEデフレーターの数字を気にしてることが手じまいの売りにつながったか。 それとやはり3月末なので 大きく上昇してきた株式に対してリバランスの売りが出たことも観測されている。(と言うのも年初からパフォーマンスが良かった銘柄ほど売られているからだ)
指標面ではなんといってもPCEデフレーターと言われる消費支出価格指数が金曜日に発表される。これを前に大きなポジションを取りにくいと言うところが 値動きの少なさの理由でもある。
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主力銘柄に動きにくさがあることで、 スペキュレーターや個人投資家は値動きの大きな銘柄に資金を集める傾向にある。
トランプ大統領のソーシャルメディア会社が40%上昇するなど個人投資家の人気を集める。
RedditはIPO以来 30%の上昇。 この背景には個別化オプションが設定され、個人投資家が功労オプションの改定を踏み上げていることがある。まさに3年前に流行したミーム株上昇を「本家」レディットが実践する形。
材料を蒸し返す大麻関連株も ピルレイブランズが8%を超えて上昇するなど人気は続いている。キャノピーグロースも17%を超えてあげた。
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一方で、さすがに半導体関連は一服。ソックス採用銘柄ではないがアームの下げがきつい。 ただしもともと値動きは大きく、想定の範囲内ではあるんだろうね。
ただマイクロンの上昇は続いていて、1人勝ちと言うところだろうか。
ソックスは 下げて終えている。 リバランスの売りだろうね
SOX日足
なお、半導体ではないがハードディスクで有名なシーゲートには 目標株価を引き上げたレポートが出ていて7.4%の上昇になっている。
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ユナイテッドパーセルは取引開始からジリジリと売られると8%近い下落になった。投資家向け説明会を行ったのだがこれが大不評。 大口顧客が在庫縮小していることで輸送量もかなり減ったとみられる。
この顧客の行動パターンは日本の海運大手にも少なからぬ悪影響与える可能性があるね。
後は カナダグースホールディングスがリストラ発表で6.8%安。 世界的にはアパレルに逆風が吹いていることには注意しておきたい。ルルレモンに続いて2発目だからね。
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東京市場2024年3月27日(水)
TOPIX 2799+18(+0.66%)NK225 40762+364 (+0.90%)
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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3月の権利付き最終日となった27日の相場は、配当の権利を取る動きやそれを見越した先物買いが入って上昇した。ただし 取引終了や取引終了後には先物に利益確定の売りや売り仕掛けが出ている。
明日から2日間は過去最大級の配当が出た分、機関投資家は配当再投資の動きに出ると思われる。一方で225指数の入れ替えは値がさ株採用、安い株が除外。 このために 指数を入れ替えるために入れ替えとは関係ない株を1部打って資金を調達する必要に駆られる。また今年に入ってから大きく上昇しているだけに、機関投資家は株の資産配分を見直してリバランスの売りを行ってくる可能性がとても高い。さらに最近例年、4月の最初の営業日に ファンドなどの機関投資家が含み益を現実利益に変えてスタートを黒字で迎えたいと言う動きが顕著に見られる。これらの売り買いを考えて一旦指数を打っておきたいと考える短期投資家もいるのだろう・
つまり、
□ 過去最高クラスの配当が見込まれるため、明日から短期的に配当再投資が大きく見込まれる。
■ 月末の225入れ替えに伴うテクニカルな売りが予想される
■ 3月末は株価が大きく上昇 した分のリバランスの売りが出る可能性がある
■ 4月の最初の営業日は、期間投資家が利益確定の売りを出すのがここ数年続いている
このバランスを睨んだ取引が今週と来週の初めにかけて行われるだろう。
また、為替は1時152円台に迫った。しかしながらさすがにここまで円安が進むと今度は日銀の介入が警戒されていて株価の上下動の原因にもなっている。 一方で植田日銀総裁が 衆議院の 委員会で当面は緩和的な金融環境が継続すると発言。これが株を押し上げる要因にもなっている。売買代金は5兆2200億円まで膨らんだ。明らかに配当取りの動きが出たと言えるだろう。
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相場が大きく上昇したわけだが、結構高安は別れている。
半導体ではレーザーテックが1.2%上昇、東京エレクトロンが1.5%上昇。 しかしながらソシオネクストは2.8%売られたし、ソフトバンクグループはARMの値下がりもあって0.3%安。 信越化学も0.4%下落になっている。
昨日まではディスコが買われて、微細化技術の銘柄はやや軟調で 「 微細化銘柄から、積層化銘柄にお金が移った」 場面があったわけだが今日はその流れは止まっている。
ディスコは0.5%高、岡本工作機械は1.5%安。
個別では直近で上昇が大きかった株 の換金売りが目立ってもいる。三菱重工や川崎重工業など防衛関連株の売りは下げた。アメリカのクレーンを手がかりに相場になっていた三井E&Sの 下落がきつい。さくらインターネットも安い。
三井E&S日足
さくらインターネット日足
この辺は個人投資家の人気が高い銘柄で、それぞれを信用取引で買っている面がある。三井E&S などの下落率が高くなると当然信用取引の口座の維持率がかなり悪化していて、それが連鎖的に売りを及んだ面もあるんだろう。ACCESSのような グロース株も巻き込まれて売られた感じがあり。グロース市場250のマイクロ波や売れるネット広告などが一緒に巻き込まれて下げている。
ACCESS 年初来高値更新も午後に崩れている
他方で、個人投資家はIPO関連株にお金を集めていてソラコムはストップ高。
ソラコム
配当を取りに行く流れでは、 三井不動産や住友不動産などの不動産株が強い。不動産株は、上で書いたように日銀総裁が緩和的な局面が続くと発言したことをプラスに捉えた面もある。 土地の価格上昇報道も 追い風になった。
三井不動産
住友不動産
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小林製薬は、 発表される入院患者数がどんどん増えるに従って4%安と下落はきつい。 被害全体の数字と原因が確定しないと難しいのかもね。
今6時回ったところなんだけど、為替が少し動いたね。 ひょっとすると日銀介入か?と言う気も するんだがそこまでは大きく動いてないか。
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NY2024年3月27日(水)
S&P500 +44(+0.98%)NYダウ39760+477 (+0.51%)
NASDAQ16399+83(+0.51%)
アメリカ国債10年利回り日足 PCEデフレーターを前に火曜日の5年物の入札、 水曜日の7年の入札が 好調だったことで金利は低下している。これが株価を支えた面がある。
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足 終わり値としては 最高値を更新している
NYダウ日足
NASDAQ日足
NYダウ日中足 3月末特有のポジション調整売りなどを警戒したわけだが、水曜日までにある程度リバランスの売りが出ていたと見た向きが取引終了にかけて買い戻す動きに出たと見られる
NASDAQ日中足
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株価は午前中は非常に弱い動きもあったのだが、取引終了にかけてディフェンシブ物色や材料株物色、さらにはユナイテッドパーセルが値段を戻すなど押し目買いも入ったことで上昇して引けている。 アップルが2.1%上昇と値段を戻したことも上昇の要因。 テスラもしっかりだった。
機関投資家がベンチマークとするS&P 500は過去最高の5248ポイントの終値を記録した。今年は実に20回も最高値を更新していて3月のこの段階では異例の多さと言えるだろう。 市場では5ヶ月以上連続して上昇する場合S&P 500はさらに上昇することが多いと言う経験則がある。これをもとに上値を買ってきたと言う話も出ていた
地上では月曜日と火曜日にリバランスの売りが出たと見られていてコミュニケーションや情報技術に買いが 入った。また下でも書くけど薬品株が上昇するなど相対的に出遅れていたセクターにお金が入っている。不動産、 公益株なども強い。
金曜日のPCE デフレーターに対する警戒感は強いものの、依然としてマーケットは今年3回の利下げを見込んでいて、金利下落期待と堅調な経済と言う組み合わせを買う動きで取引終了にかけては値段を上げている。 恐怖指数VIXは 13を割り込むほど低下していて、市場には楽観的な見方が広がっていると言っていいだろう。前11セクターが プラスでこれはなかなか珍しい。
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メルクは5%近い上昇。
この日は ジョンソン&ジョンソンが1.4%上昇、プロクター&ギャンブルが1.3%上昇、ブリストルマイヤーズが1.3%上昇するなどインフレには弱いとされるディフェンシブ銘柄を押しめで買おうとする動きが出ていた。 そこにメルクの肺疾患治療薬が承認されたと言うニュースが流れ一気に大きな上昇になっている。
メルクの主力の抗がん剤であるキートルーダの特許切れが迫る中で 新たな大型薬の承認は希望の光となっている。この薬は対象とする肺動脈性肺高血圧症は脂肪率が非常に高いのだが、この薬を使うことによって症状悪化のリスクが84%軽減すると言う。
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東京市場2024年
TOPIX 2750ー48(ー1.73%)NK225 40168ー594 (ー1.46%)
なお、225の配当相当分は ざっくり250円弱。値下がりは350円位と言っていいだろう。
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足 明らかに3月期末のリバランスの売りが出ている。
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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28日の東京市場は下げている。 いわゆる年金が持っているような銘柄で、値上がりが大きかった銘柄が下がっていて、予想通り国内年金資金がリバランスの売りを出していると見られる。 14時ごろまでは値動きが静かになる場面があったのだが、14時以降に改めて売りが来ていて、明日の終値を目標にうってきている感じだろうか。 配当落ちの影響が大きいはずのトピックスよりも225の方が下落率が大きいのは、明日の225入れ替えに伴って新しい採用銘柄(値嵩)を買うための資金捻出の現物売りが非入れ替え銘柄に出ている影響もあるんだと思われる。
理論的には明日の大引けにめがけてリバランスの売りが出る(最近は前後に分散して出ることも多い)ことに加えて、明日の225 入れ替えでは値段の関係からザラ場は全体的に225銘柄を売る流れになると考えられこれも頭の重い原因。(実際に今日はこれに対応するために証券 自己売買部門があらかじめ空売りを持っていると思われる。証券 自己売買部門はあらかじめ空売りをかけといて 明日客の売りを大引けでクロスで受ける形になる)さらに、ここ数年4月1日 (最初の営業日)は機関投資家が実現液を出すために値上がりしている銘柄を売ってくることが多くこれも買いつきにくい心理的要因になっている。
信越化学やアドバンテストなど値上がりが大きかった銘柄が売られているほか、アーム株が下落した影響でソフトバンクグループが安い。一方で配当再投資や防衛株への期待感、物価上昇による地価上昇期待で不動産株が高い。富士フイルム、住友不動産、三菱重工などが出来高を伴ってあげている。
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権利落ちと言うこともあって、メガバンクや日本製鉄など配当期待で買われていたバリュー株を一旦売っておく流れが出た。
バリューではトヨタが1.2%の下落、三菱UFJが2.3%の下落、三井住友が2.5%が下落。この辺は配当落ちの影響が大きいんだろう。 伊藤忠が2.3%下げるなど大手商社株も安い。日本郵船1.9%下落など海運も株も 配当落ちで値段を下げている。
まちまちだが半導体は 若干下げているか。ディスコが0.2%の下落、アドバンテストが1.6%の下落、ソシオネクスト4.1%の下落。 ただ野村マイクロが13%の上昇、TOWAが 3.2%の上昇を見せるなど逆行高となっている。 一方的に売られたわけではない。
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一方で目立っているのが不動産、地価の上昇気配と日銀の緩和傾向の継続を見て上昇
防衛関連株も三菱重工が大きく上げるなど内外の物色が入っている。トランプ大統領が再選となれば、在日米軍の削減を含めた海外米軍の削減策がまな板に上がると見られ、これが国内の防衛需要を後押しすると見られる。 取引終了前に全体相場の下落につられて伸び悩んだものの、そこまでの三菱重工の上昇はなかなか迫力があった。
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相場の本筋からはやや離れるが、精肉店の柿安が連日 高値を更新するなど食料品関係や外食関係の銘柄の値上がりが目立つ。今までは原材料高や人件費の高騰で不利益を被っていて出遅れていたわけだが、 春闘で給料が上がっている現状を見て今後は値上げによる収益拡大を期待する声が上がっている
柿安のこのチャートはびっくりするね。
その他グロース銘柄では新規上場したばかりのソラコムが人気。 サンウェルズなどもしっかり。
ソラコム
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NY2024年3月28日(木)
S&P500 5254+5 (+0.11%)NYダウ39807+47 (+0.12%)
NASDAQ16379ー20(ー0.12%)
アメリカ国債10年利回り日足 PCEデフレータをにらんで小動きだった
アメリカ国債5年利回り日足
S&P500日足 わずかに史上最高値を更新
NYダウ日足 ダウも高値を更新しているが、AppleのせいもあってS&Pより「放物線」っぽい
NASDAQ日足 ナスダックが高値更新できないのはAppleとテスラの影響か。金利高に弱いせいもある。
NYダウ日中足 15時前にかけては金曜のPCEデフレータ好転とパウエル講演を意識した買いが入ったものの、週末の手じまい売りで最後はダレている。
NASDAQ日中足
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アメリカ株はまちまちの結果となった。ナスダックは下げていたし逆にS&P 500やダウはしっかりだったのだが、 最後、取引終了にかけてはアメリカもリバランスと見られる売りと手仕舞いが出たと見られ、やや売りがちだった。 原油価格が上昇した事はエネルギー株のプラス をもたらしたものの半導体株などには向かい風だったと見られる。
ただし数字上はS&P500もダウは続伸。 そろって最高値を更新して取引を終えている。どちらかと言うと経済は楽観的と言う見方から数字上はプラスで終えた。セントフライデーで三連休を控えて売りも買いもポジションを取りづらいところはあったと思う。注目のPCEデフレータも休みの金曜日に発表される。
なおウォラーFRB理事が「 最近のデータはインフレ改善を疑わせる」「 利下げには少なくともあと2ヶ月はインフレ改善を示すデータが必要」「 (今後の指標によっては、市場が予想している6月以降年内3度の) 利下げを先送りしたり減らしたりすることも不適切ではない」と 市場を牽制する場面があったものの影響力は限られた。FRBの中のタカ派は 「もしも 利下げを先送りした場合、マーケットが大きく反応することを恐れてあらかじめ牽制球を投げている」ものと思われる。 後から言えば、ナスダックがS&P500よりも弱かったのはこの辺が影響しているのかもとは思うが…。
他方で 目標株価下げを喰らったテスラが2.2%安 。独禁法調査の余波が続くAppleが1%下落、メタが1.7%下落。 利益確定の売りにスーパーマイクロコンピューターが1.3%の下落。 さらに空売りヘッジファンドが「割高であると言う説明レポートというポジショントークを出したMicroストラテジー」が11%下落す るなど銘柄によってはイメージ的には下落した1日だった。 この辺は見ている銘柄によっては結構体感の温度が違ったと思う。ジェネラルエレクトニックが2.5%下落するなどそこそこ地雷もあった。
じゃあなんで指数がプラスだったかと言うと、スリーエムやキャタピラなどの景気循環株の一角に見直し買いが入ったほか、 ディズニーなど個人消費関連の1部がしっかり。 不動産株やヘルスケアなどの出遅れ銘柄、シェブロンなどエネルギー株を買う動きが出たからと言えるだろうか。 言い換えるならばアメリカ市場全体としてはグロース系からバリュー株への資金移動があったと言う見方もできる。 相場全体としては方向性を欠く一日だった。
そのほかラッセル2000は 午前中に1%の上昇を記録する場面があった。出遅れている中小型株を買っていく動きは見えていた。ただし引けてみれば上昇幅は0.48%。ここも3月末のリバランスの影響を 受けていると見られる。 つまり大型株から小型株へ資金移動、大きく上がっていたグロースから出遅れていたバリュー、こんな動きが出たんだろう。
金曜日は休みだが、PCEデフレーターの発表とパウエル議長のスピーチがある。 3時から少し上昇したのはこの辺を並んでショートの買い戻しが入ったからとも。一方で週末の手じまい売りで最後は下げている。
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話題になったのはクリスデールキャピタルのレポート。 マイクロストラテジーをショートしビットコインをロングするロングショートポジションを明らかにした。
マイクロストラテジーはビットコインを大量に保有することで知られ、ビットコインの代替投資手段と見なされてきた。 ビットコインの上昇につれてマイクロストラテジーの株価も上がってきた。
クリス・デールキャピタルは空売りファンドとして知られるが、ビットコインの上昇に比べてマイクロストラテジーの株価の上昇が大きかったことから、事実上これはMicroストラテジーが保有するビットコインの価値の2倍にまで評価されていると。
このレポートを受けてマイクロストラテジーは最大で14%下落。取引終了でも11.18%の下落となった。
ただしコインベースが3.3%上昇するなどマイクロストラテジー独自の下落にとどまってはいる。
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主力株の動きが鈍いことで特に個人投資家は寝起きの激しいレディッド系の株にお金を集めている。その大元でもあるIPOしたばかりのレヴィットは14.6%の下落。トランプ大統領が大株主のトランプメディアは6.4%の下落。 ゲームストップは4.9%の下落。この辺激しい値動きが続く中で今日は揃って下落する1日となった。
一方でアイバイオが再び20%上昇するなどバイオ株の一鶴をマネーゲームとして取り上げる動きが続いている。 ただしアルタミラが11%下落するなど資金の逃げ足はかなり早い。(アメリカでは5ドル以下のボロ株(日本で言えば昔の50円額面を下回るようなボロ株)をペニー株と言うのだが、こういう全然利益が生まれていない場合 バイオベンチャーが大きく成功するのはアメリカでもよくあることで、どうしても個人投資家のスペキュレートが出てくるんだよね)
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その他個別ではエスティーローダーには投資判断引き上げのレポートが出ていて6.3%の上昇。スノーフレークはCEOが自腹で株を買ったと言う報道で1%の上昇。 逆にバランティアは投資判断の引き下げが出ていて6.1%の下落。 新規上場のレジットについては経営陣が株を売ったと言う報道が嫌気されて 14%の下落になっている。
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東京市場2024年2024年3月29日(金)
TOPIX 2768+17(+0.65%)NK225 40369+201 (+0.50%)
TOPIX日足
N225日足
TOPIX日中足 取引終了にかけての下落は 225の入れ替えやリバランスの影響と見られるが、事前に予測されたほどの影響は全くなかったと言える。
N225日中足
日本国債10年利回り日足
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今月もご愛読くださりありがとうございます。 来月も頑張っていきますのでよろしくお願いします。
年度末最終日の取引は買われている。 リバランスの売りや225入れ替えに伴う資金捻出のための222銘柄への売りが予測されたものの最後の20分余りで売られる場面があったものの、 影響は極めて限られる形になった。 一応後付けなら、 昨日大幅安した反動、配当再投資の動き、高配当銘柄は配当物で下がったので見直しがする動きがあったとは言える。 しかしそれはちょっと苦しい。
225入れ替えで売買が膨らんだことで5兆890億円の売買代金になった。 しかしもっとリバランスの売買が出たとすればそれこそ 6兆円近い あるいはそれ以上の売買代金になったはず。 5兆円にしかならない売買代金を見ても、リバランスの売りは今日はほとんど出なかったと考えるべきなんだろう。
理論上はもっとたくさんの売りが出ても良いはずだったのに売りの数量が限られた。 今後、リバランスが先送りになったのか、あるいは前後に分散されて売られたのか、リバランスそのものが柔軟に解釈されそれほど株数が売られなくなったのか、改めて検証する必要があると思う。 (ある意味では完全に読み間違えた)。これから3ヶ月ごとに出てくる話なので、考えなくてはいけないなと。
言い訳ついでに書くと、25年 位前までは「お化粧買い」 と言って家にかけて買い注文を 出してポジションの評価額を釣り上げ、自分の給料を良くしたりクビにならないようにしたりするのが横行していた。これも株価操作じゃないか?と言う指摘があって今ではほとんど見られなくなった。 リバランスについても、明らかにマーケットに影響与えすぎるだろうと言うことで もっと影響が少ないような処理がとられているのかもしれない。時代が変わっていく。と言う言い訳。
ただ、リバランスの痕跡はプライムとスタンダードとグロース指数に現れていると言う話もある。比較的今年上昇しているプライムに比べて出遅れていたスタンダードやグロースの比率を引き上げる動きが今日出ていたのではないかと言う指摘。プライムは0.65%上昇だったが、スタンダード市場は1.05%の上昇、 ロース市場指数が1.49%上昇している。
相場全体としては 繊維、不動産、建設が上がっている。 結局物価上昇の流れを受けて、この数年間安値に放置されていた銘柄たちが利益を生み出せるのではないか?と言う流れになっているとも言えるだろう。
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225の入れ替えもあって、 ディスコが売買代金1位になって3.6%の上昇。 いつもは売買代金1位の常連のレーザーテックが2.6%の下落 になったのが目についた。
レーザーテックとディスコの比較チャート1ヵ月分。
マイクロンの決算で、 チップの「通信幅」の大きなHBM(高帯域メモリ)に 注目が集まるわけだが、これを実現するTSV(Through-Silicon Vias)を使用した高密度配線と垂直方向のメモリ積層に 今後成長性期待やそれに伴う投資期待が高まるのではないか?そんな流れが新旧の売買代金トップ銘柄の入れ替えに現れたのかも。
もっとも今日は 225採用銘柄の入れ替えに伴う売買が多く出たことがディスコが売買代金1位になった理由だと思われる。 4月以降も売買代金1位の入れ替わりが続くのかどうかは大きな注目点になるだろう。 ディスコの売買代金一位が続くなら、 投資資金は半導体製造装置の中でも、回線の微細化(シュリンク)から高密度配線やメモリ積層にお金が移っていくと言う兆しでもあるからだ。
その他半導体ではソシオネクストが3.36%の上昇、アドバンテストが1.8%の上昇、スクリーンが2.4%の上昇と買われている。
また野村マイクロは12.3%の上昇。韓国エスケーの工場増設報道が大きな影響。 マイクロンの決算で明らかになったように、ようやくメモリー半導体の底入れが見えてきた。これに伴って メモリー工場の増設が続くのではないか?と言う見方も…。
積層化関連では 岡本工作機械が4.3%の 上昇となっている。あとはTOWAが6.9%上昇。キヤノンは結局変わらずになってしまったが小高い場面もあった。KOKUSAIも9%高
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小林製薬は3.8%の上昇。原因が記者会見で発表されたことで、一旦悪材料でつくしの値動きとなった。 ただしこの辺は先行きは不透明な動きが続くね。
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地価の上昇が続いていることで、金利上昇見込みにもかかわらず不動産株の上昇が続く。 もともとは不動産株は金利上昇で不利だろうと見られていて上昇が限られていた分、日銀が当分は緩和的な政策を続けると言うことを言い続けていることで、その分不動産価格上昇の恩恵を受けると判断された模様。
また、 同様の流れで建設株の上昇が目立つ。 今まで コスト上昇を嫌って割安に放置されてきた分、建物が高く売れるようになる不動産価格上昇の恩恵を今後フルに享受できるのではないか?と言う見方が出てきた。土木についても価格の上昇に合わせて政府が予算を拡大する動きを見せていて、今後は採算の好転が見込まれると。
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一方で海運株の下げが目立つ。アメリカで運送大手の ユナイテッドパーセルの決算が悪かったことから、当然日本の同業にも業績悪化の可能性があると言う見方が広がっている。
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