1970年代後半、物価上昇が落ち着きを見せ始め景気が悪くなってきたことで、FRBは政府の圧力に負けて金融緩和的な政策を取った。ところが物価上昇が落ち着いてきたと言うのは間違いで、金融緩和政策によって1980年代初め粘着性の悪質な物価上昇が起きた。これを退治するためにボルカーFRB議長はかなりドラスティックな金利引き上げを余儀なくされ、これを沈めるのに相当な痛みを伴った。これを研究しているパウエルは「やりきるまでやる」と言うボルカーの著書のタイトルを掲げここまでマーケットの要求をはねのけて高金利を続けてきた。さらにトランプが物価上昇効果のある関税政策をとったためにパウエルは金利引き下げを当面見送る姿勢を明らかにしている。(株などのリスク資産が下落しても仕方がないと言う姿勢と見れる)。これに対してトランプは1970年代のホワイトハウスと同じように、FRBにたいして金利引き下げや緩和政策を要求。あからさまにパウエル更迭の動きも見せている。これが今週の動き。ホワイトハウスの「良心」(もともとヘッジファンド経営者でマーケットサイドの人間)ベッセント財務長官はホワイトハウスにパウエルを更迭しないように働きかけているが、トランプは更迭したくてしょうがない。トランプの中では金利を引き下げれば景気はよくなるというプラス面しか見えていない。個人的にはパウエルがもし更迭されるなら、あるいは嫌気をさして辞任するならマーケットは激しく動揺すると考える。
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