2018年5月21日月曜日

バジャーのライセンスであるH-6が今も現役で重要な地位を占めるわけ。中国の飽和攻撃の一翼

中国がH-6という爆撃機を飛ばしています。
西沙諸島もなかなか熱いですね。

H-6。存在自体かなり昔っからある機体ですが、もともとは旧ソビエトで作られた「バジャー」(NATOのコードネーム。NATOはロシアの爆撃機にBで始まるコードネームを付けた。バジャーとは「穴熊」という意味がある)。ツポレフ局が制作しTu-16という機番になります。



そのオリジナルの設計は古く、なんと第二次世界大戦終了直後。1952年には初飛行、ソ連では1960年過ぎには生産が打ち切られました。
そんなロートルですが中国はこれを元にH-6Aとして1960年代後半にライセンス生産を開始。現在でも改良型を維持しているのです。
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なにせ「朝鮮戦争」よりも前に初飛行した機体。1990年台に中国で製造された改良型とは言え、なんでそんな飛行機が現役でいられるか?

勿論、もともとの設計が良かったことはあるでしょう。大型の丈夫な機体に沢山の武器を積みこんで滞空するという考え方。もともと核爆弾をつんで海を超えてアメリカやヨーロッパに落としてくることを考えた機体。長い航続距離を持っています。積載量も大きい。

また旧式化したエンジン自体は現代の改良されたエンジンを装着すればアップデート可能。
そして大きいのはこの飛行機がつむ「武器」の変化です。

最も最初の1950年台の就役当時は単純に自由落下する爆弾を積んでいました。戦場に出向いて上から落とす必要があったのです。護衛の戦闘機に守られ、自分自身も「逃げる」必要がありました。そういう意味で最新の戦略爆撃機には大きく劣ります。

しかし今では空中発射型の巡航ミサイルが登場。敵の勢力圏とか領空の外(最大200キロ程度)から敵を攻撃できるのです。動きはとろいけど、かなり精密に超ロングシュートを打てる、そんなイメージw
H-6(バジャー)は大きな機体ですからその巡航ミサイルを搭載することができました。さらに大きな機体の中に巡航ミサイルを発射し制御するコンピューターなども積むことができました。

爆撃機というよりは巡航ミサイルの空中発射基地として「生まれ変わることができた」のです。
最新鋭のステルス爆撃機のように「見つからない」わけではありません。しかし機体は安価で整備もしやすい。ということは「数」を維持できるのです。また「枯れた」技術で作られており中国と他の国の関係が悪化したとしても生産や修理に問題がない。

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アメリカ軍など西側の艦隊はイージス艦で鉄壁の防御を誇っています。
しかしどうでしょう。イージス艦が防御できるミサイルの数より沢山のミサイルを一度に艦隊に打ち込んだら?

これを飽和攻撃と言います。ある意味では高度な技術を必要としないですが非常に有効な戦略。
当然敵側はそうはさせないとミサイル発射基地を先制攻撃してくるでしょう。
その時ミサイルを積んだ飛行機がすでに沢山空を飛んでいたら?敵はこれを全部撃墜するのはかなり至難です。こうしてH-6は中国の飽和攻撃陣の一翼として当分の間おおきなパートを占め続けるのです。

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