2017年3月14日火曜日

シガラミ、ザックス、テイン

車にはサスペンションという装置が必ずついています。
衝撃緩衝装置ともいいます。

車はサスペンション(サス)でタイヤを「動かす」ことで乗り心地を確保し、安定性を高め、スピードを出す事ができるのです。


これはわかりやすくするためにラジコンカーのフロントサスペンションの写真。
上下のサスペンションアームがタイヤ(とそれがくっつくハブ)とシャーシをくっつけています。
そしてこのサスペンションに「オイルダンパー」とコイルバネがついているのがわかるでしょうか?

オイルダンパー、コイルスプリングはこんな感じ
実車もラジコンもこんな構造になっています。

コイルバネはわかりやすい。押したら伸びてタイヤを戻す。では「オイルダンパー」はどういう構造になっているのか?
コイルスプリングは縮むと押し返します。
これに対してオイルダンパーは縮むときもオイルが抵抗になって縮むのを抑えようとしますし、伸びるときもオイルが抵抗になって伸びるのを抑えようとします。

コイルバネだけだと、サスペンションが上下動した後、車はバネの伸び縮みでボヨンボヨン跳ねてしまいます。しかしオイルダンパーが伸び側の作動を制限することで、揺れが収まるのです。
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さて、このダンパー、国産自動車メーカーは永らくショーワ等の国内メーカー製の部品を使ってきました。
一方で、ビルシュタイン、とかザックス、あるいはバイク乗りならオーリンズとかいうメーカーの名前を聞いたことがあるでしょうか?
これらのメーカーのダンパーは国産に比べると高い製品が多く、例えばスバルのスペシャルモデルなんかは「ビルシュタイン」採用、というのがウリ文句になっています。
それだけ高性能というわけ。

一方で多くの国産車がショーワやKYBを使ってきました。
そこには系列的シガラミとか、いっぺんに数を調達できる、共同開発に乗ってもらいやすい(地政学的に)などの利点もあったわけです。

しかし、数年前から流れが変わってきています。

「ザックス」を標準採用する動きです。
今、話題のトヨタのC-HR
これ、開発主査がニュルンベルクリンクで乗り込んだ、というように走りにも力をいれた車。
この車が採用したのがザックス。乗り心地を良くするため、コーナーリング性能をあげるため。

C-HRは車台をプリウスなどと同じものから造っているのですが、ザックスの分、プリウスよりも乗り心地良いんじゃないか?と評されているのです
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一方、同じトヨタ、86(スバルBRZも)が去年大きなマイナーチェンジを行いました。
この時某国産メーカーはダンパーを大幅改良して納入。
もともと評判は良い方でしたが、更に良くなった(乗り心地も良くなった)と高評価でした。
しかし、それでもスバルとトヨタが一番上のモデルに設定したのは「ザックス」。
以前まで販売店オプション設定だったダンパーを上級グレード等の標準装備としたのです。

国産メーカーには悪いけど「現状ではザックスのほうが上」という冷酷な宣言とも思いますね
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そんななか、昨日、テインがストップ高。
テインというのはOEMやアフターマーケットにおける自社ブランド製品を中心に高性能ダンパーなどを手がける会社。
やや「走り屋」とかネガティブなめで見られがちなアフターマーケットですが、テインの場合は他社のサスより防錆にコストをかけるなど、乗り心地や走りに加えて安全性とか高級感とかにもこだわって成長してきました。

自動車は電動化することによってコモデティ化が進むと思っていました。
部品さえかき集めれば誰でも作れると。

しかしながら考えを変えました。「作れる会社が限られる高級製品もある」
官能性をささえる部品は「作れる会社は限られる」

逆に言えば「足らない」会社は淘汰されていく。

テインのストップ高は、むしろ多くの日本製のサスメーカーへの注意喚起に思えてならん。

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