2017年1月7日土曜日

改めて、有機EL(OLED)の投資的な視点からのポイント

ソニーが有機EL、OLEDテレビに再参入すると発表しました。

液晶対プラズマは液晶の勝利でした。液晶は今度は有機ELの挑戦を受けます。
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さて豆知識。日本では有機ELと言う表現を使います。ただし、これ国際的には超少数派。
OLEDと表記することが多いです。
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なんで今更液晶を捨てて有機ELに走るのか?

1液晶に比べて薄い。
液晶はバックライトと言って何かしらを光らせて、それを液晶で遮って色や明るみを表現しています。バックライトと液晶面が必要なため「分厚い」のです。
それに対して有機ELはそれ自体が色を持って発光させれるため、液晶に比べてうすく作れます。

2液晶と違って曲面でも作れる。
その構造上、液晶ディスプレイは平面でしか作れません。
しかし自発光デバイスである有機ELはフレキシブルな面でディスプレイを作ることが出来ます。

3液晶と違って「黒」を表現できる
液晶は、まず全面的にバックライトを光らせ、それを液晶で「遮って」色や明るさを表現しています。その為「完全な黒」を表現することが難しく。あるいは「シャドウの中のシャドウ」といった暗い中での階調再現が不得意です。どれだけ液晶で遮ってもバックライトの明かりで「明るくなってしまう」と思っていただければわかるかな。
一番暗いところと明るいところの差を表して「コントラスト比」と言う言い方をするのですが、普通一番いい液晶でも1:1000くらいかな。
これに対して自発光デバイスである有機ELでは「光らない」という事ができます。コントラスト比が無限に近く広げられる(理論上は)のです。黒の表現、という点においては液晶は致命的に駄目なんですよね。それでも10年前に比べれば雲泥の差ですが。

4液晶よりもハイスピード
液晶は分子の方向を変えることで色や明るさを表現します。
そのため、どうしても応答速度に限界があるのです。
高速な画像において残像が出たり不自然に見えたりする時があるのはそのせい。
一方で有機ELは電流を変えれば輝度が瞬時に変化します。応答速度に優れるためにスポーツ等の激しい動きのある動画を自然に表示できます。

5視野角が無限
液晶は光の前に液晶という「点」をおいて表示します。そのためどうしても視野角が生じます。斜め横などから見るときれいに見えないというのはそういう構造上の欠点によるもの(バックライトと液晶を密着すればするほど視野角は広くはなる)
一方有機ELはそれ自体が色を持って発行するのでほぼ180度どこから見ても同じように見えます。

6構造が単純
バックライトと液晶が必要な液晶ディスプレイに比べると有機ELは発光体そのものだけで済むのでその分構造が単純であるともいえます。将来的には液晶よりも安く作れるという人もいるようです。(新天地の姉談)
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一方
コストがまだ高い。技術的に韓国LG社しかパネルの量産に成功してない(2017年1月現在)
明るいところでは液晶より劣る。面積あたりの解像度では液晶のほうが上。寿命は液晶の半分程度か。パネルの駆動技術に高い技術が必要のよう(現在、僕程度のマニアの目から見てもまともにすごいと思わせるのはパナソニックのフラッグシップ機だけ。ただし、ソニーの新型機はまだ見てません。そもそもLG自身は自分所のパネルをまともに扱えていないようですね)
またピーク輝度は液晶ほど伸ばすことが出来ません。これは有機ELの最大の欠点といえるかも。輝度が伸びないので少し暗めの部屋での使用が最も実力が発揮出来る所、と言えるでしょう


おまけ
パナソニックの有機EL機は一見の価値あり。もしも誰かテレビを一台ただでくれるというならこれを選びます。なんで同じパネルを使っているのに差が出るかというと、業界で言われているのは「プラズマディスプレイ」のテレビを作っていた時のノウハウを注ぎ込んだから、だそうな。

語弊を承知で言えば、例えばLGの有機ELテレビは、画面の端の方に行くと階調再現が落ちる。
おそらく他の回路部分から何らかのノイズを受けて、信号をうまく再現できないとか。
そういう弊害がパナソニックの新型テレビ(日本未発売)では見事に消されている。
プラズマディスプレイを2013年まで造っていたそのノウハウを活用した、と言われています。
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さて、一つ大きなうねりになるであろうポイントが「蒸着」と「印刷」という2つの生産方式です。

今現在唯一の大型パネル生産者である韓国LGは「蒸着方式」で有機ELパネルを生産しています。これは大きな真空装置の中で有機ELを基盤に蒸着させるというコストがかかる方式です。

一方日本のJOLEDや中国のメーカーなどは印刷方式という新しい方式で生産しようとしています。この方式だと真空装置がいらないので比較的低コストでパネルを作ることが出来る(かも知れない)
JOLEDなどは2017年中にパネルの出荷を始めたいようですがこれがうまく行ってコストを下げることが出来るかどうか???
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さて

新天地が一つだけだいじなことを書いておきます
JOLED(あるいは内外のパネルメーカーのどれか)が印刷方式での生産に成功したとしましょう。
有機ELパネルの値段はどんどん下がります。

いままでさんざん有機ELパネル関連株!とか言って買われてきた会社も「値下げ圧力を受けておもったより儲からねえ」という曲面に入って行くことも有り得る話です。

さらに

悲惨なのは「蒸着方式」で売上を伸ばしてきた会社です
少なくとも「真空装置」を造ってきた会社には注文が途絶えるでしょう。
更に蒸着方式で必要なマスク、気化させる装置、それらがいらなくなります。

もしも貴方の持ってる「有機EL関連株」がこれらに特化した会社だったら???
突然売上や利益が減る可能性があります。
印刷方式がうまくいくのかどうかよく見ながら相場を張ったほうがいいでしょうね。

もちろん、印刷方式がうまくいくようなら、関連会社の株は一段上る可能性があります。

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