2017年1月19日木曜日

疎明(そめい)

法律用語ですが「疎明」という言い方があります。「そめい」です。

人生で一度も使ったことのない人も多い言葉でしょう。あるいは「見たこと、聞いたこと無い」人も多いでしょう。僕だって大学の授業で聞かなければ一生縁のない言葉かもしれません。
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憲法により、現行犯でなければ,逮捕状がなければ逮捕されません。

しかし、ぎゃくに言えば刑訴法により「裁判所が逮捕状を出せば」逮捕されてしまうということでもあります。

人は有罪でないならばみだりには拘束されては行けないはずです。
ではまだ有罪でない人間を逮捕する逮捕状が出るにはどういう状態ならいいのか?
此処で出てくるのが「疎明」です。

逮捕状を出す裁判官は、容疑事実について「確信はしていなくても、どうやら確からしい」という推測を持てば逮捕状をだしていいとされているのです。
(もちろん、犯罪が軽微とか健康状態が云々など他の理由で棄却するケースもありえます)

こういうふうな状態にするのを(警察や検察が)「疎明」するといいます(少数学説はあります。念のため)。どうやら確からしい、そう裁判官に思うに至らせるのが「疎明」です。

この言葉、法律関係ではよく出てくるんです。
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おまけ
刑事法では「有罪となるには合理的な疑いを超える証明」が必要とされています。
疎明と証明。にているようでちがう言葉。

合理的疑いを超えるってのはなんだよ、ってのは色々あるんですが、2007年の10月の最高裁判決が色々おもしろいです。

法律の勉強をされている方は必ず読んでおくべき判決文です。

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前置きが長くなりました(ながっ)
韓国のサムスン電子副社長の逮捕状請求が棄却されました。

まだ詳しく報道は読んでないけど「疎明が充分に行われなかった」ということなんでしょう。
もともとムリな逮捕状請求だったか、時間が足りなかったか?

あるいはサムスン側の弁護士(もと最高裁のひととかヤメ検とか多数)が最後の一線でボスを守りきったか。(もともと弁護団が油断してたという話しもある。まさか逮捕状請求まではしてこないだろうと。サムスン総帥だぞと)

特別検察側は在宅起訴に持ち込みたいところでしょうが「痛い一敗」がついてしまいました。

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