2016年12月19日月曜日

ケチャップ、ドバドバ出るか。競馬のお話

朝日杯フューチャリティステークスはサトノアレスが勝利。

サトノアレスの母親のサトノアマゾネスは現役時三戦して一勝しただけで引退。普通、ただの馬なら良くてそのまま乗馬になるところだがサトノアマゾネスには大きな血統的バックボーンがあった。
アマゾネスの叔父に当たるロイヤル・アカデミーはブリーダーズカップマイルを勝って種牡馬としても大成功を収めていたし、叔母に当たるターリングアは自ら重賞を5勝、そしてその産駒から後の北米首位種牡馬、泣く子も黙るストームキャットを出したんである。(余談だが、父ディープインパクト、母の父ストームキャットという組み合わせは相性がいい(ニックス)として知られる。父がディープインパクトで母系にノーザンダンサーを持ち、近親にストームキャットがいるサトノアレスは遺伝子的にもかなり良い組み合わせの可能性がありますね)

藤沢調教師の助言と血統背景からおそらく相当のお金をだしてサトノアマゾネスを手に入れた里見さん。サトノアマゾネスの現役時代自体は「大赤字」な結果に終わったわけだが、その血を次世代につなげる決断をしたことで、長年馬主を続け、高額な馬と高額な種付けに投資してきた事が報われたことになる。将来的な繁殖牝馬としての価値まで見ていた投資として初めてペイしたといえるかもしれん。
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サトノなんとか、で知られる馬主、里見さんはパチンコのサミーの実質的創業者。現在のセガサミーの会長も務める。

資産を築いた里見さんは結構前から競馬にお金をつぎ込んできた。
ただ高いお金を出して馬を買うだけではなく、勝った牝馬を繁殖に回してその子供を走らせるなど長く、かつ太く競馬界に貢献してきた個人馬主の鏡とも言える。

毎年競り市では高額な馬を何頭も競り落としてきた。
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もはや競馬界の七不思議と言っても良かったのが「里見さんの馬はG1レースを勝てない」だった。ダービーでに年連続僅差の二着など馬主としてかなりいい馬を揃えながら何故かG1レース制覇に縁がなかった。

そんな里見さんだが、人生の最終盤にかかるところで「ケチャップドバドバ状態」に入ろうとしている。

ミランに所属する本田圭佑選手が「サッカーのゴールはケチャップみたいなもの。(詰まっているとなかなか出ないが)一旦出だすとドバドバ出る」と発言して話題になったことがある。

いまの里見さんはそういう状態かもしれん。

秋に入って菊花賞をサトノダイヤモンドが完勝。圧勝と言っても良いかもしれない。これが長い競馬人生初のG1勝利。
更に12月に入ると香港でサトノクラウンがG1勝利。このレースでは現在2400m芝なら現役世界最強の一角、ハイランドリールを破ったものだから価値がある。

そして日曜日にサトノアレスが朝日杯を勝った。20年も馬主をやっていて全く勝てなかったG1レース。それが三ヶ月の間に3勝!まさにケチャップドバドバ状態に入ったように見える。

年末は満を持してサトノダイヤモンドが有馬記念に出てきます。G1、4勝目をあげる可能性は結構あるでしょう
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さて、勝てない勝てない、といえばサトノアレスの調教師藤沢調教師もおなじ。
過去、G1レースを24勝!しながら牡馬の三冠レースを勝ったことがありません。牝馬のクラシックもダンスインザムードで桜花賞を勝ったのみ、かな。。。

間違いなく日本を代表する調教師が20年も調教師を続けてまだ牡馬クラシックを勝っていないのです。馬最優先を掲げる藤沢調教師は、馬を優先するあまり、ろうどうかんきょうの問題から厩務員と裁判沙汰になるほど。。。そしてムリをしてレースを使わないためにクラシックに間に合わなかったり(結果としてそういう馬が大成して大きなレースを勝ってきたのですが)。。

しかし近年は勝ち星(リーディングトレーナー)にこだわって勝ちに行くなど心境の変化もあると伝えられます。
あまり使ってこなかった朝日杯(1600mでクラシックレースに直結しにくい面もある)を勝って来たのも心境の変化か。先週の阪神2歳牝馬もソウルスターリングで取りました。
この変化には「ものすごく馬を強くする馬優先」一辺倒から「早い時期、短い距離も勝つことで種牡馬としての価値を高めることもやる」ふうに方針を変えたような気がします。


余談
例えば、NHKとダービーを制したキングカメハメハ。この厳しいローテーション、しかもダービーレコードまで出したキングカメハメハは、このムリがたたったか、早期に引退を強いられた。
今でもキングカメハメハとディープインパクトが戦ったらどうだったか?と仮想する人も多いだろう。
しかしキングカメハメハはNHKマイルを勝ったことで、自らがスピードと距離克服できる能力、さらに3歳の時期から早く仕上がるというDNAを宣伝することが出来た。種牡馬になってすぐに良血のお嫁さんを集まることが出来、産駒も大活躍を見せた。
キングカメハメハにとっては、レースで勝ち取る賞金より種馬としての評価、種付け料のほうが大きいんである。多少無理をしてでも自分の能力を見せたローテンションは間違いとは言い切れない。

で、馬優先主義の藤沢調教師も、すごい馬のすごい能力を若いうちから見せることで種馬(種牝馬)としての評価を高める、そしてクラシックを狙いに来るようになったようにも思えます。


2歳のG1レースを同一年度に制した調教師は長い日本の競馬の中でも初めて。
間違いなく来年のクラシックは藤沢厩舎を中心に回っていきます。

「クラシックに縁がない」藤沢厩舎という悪いジンクスを跳ね返すことが出来るか。

ここでもケチャップドバドバが起こるのかどうか
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サトノアレス、このお母さんは1勝に終わったと書きました。
しかしこの馬(母馬)を里見さんに勧めてその馬を管理したのが藤沢調教師。
たった1勝に終わりましたが、その馬の良さを見抜いて繁殖に上げることも推奨したのも藤沢調教師。(もちろん、父親がデインヒルなのはもちろん、近親にストームキャットやロイヤル・アカデミー・(two)がいる血統背景がおおきいんでしょうが)

長年のつながりで里見氏は藤沢調教師にサトノアレスを預けたんでしょう。
この馬がダービーを勝てば、その裏の何十年にもわたるドラマが大きく語られることになるんでしょうね。


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