2016年10月8日土曜日

何度も書くけど、写真だけど「写真」じゃないんだ。

フォトグラフを「写真」と撮訳した人間、天才だと思います。真実を写す。なるほど。でもね。。。
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こんな写真が話題になりました。
 
豊洲新市場の地下の写真。「柱が曲がったように」見えます。これを報道2001が「柱が傾いている」と報道しました。写真が趣味な人間なら「何バカなこと行ってるねん。収差で曲がって映ってるだけ」と思うでしょう。
 
テレビですから本職のカメラマンがいるわけです。カメラマンなら収差なんて知り尽くしているはず。そこからもツッコミ入らなかったのか???
 
百歩譲って「いやいや、収差だとは思うけど。まずは目で確かめないとな」と取材しようと思うでしょう。観測してはじめてそのデータは使えるのです。ユーチューブで見た画像だけでテレビで報道するなんて。「あり得ない」。
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まず、2001のスタッフが収差であることが分かりきった話を「歪曲」して報道したことが何より驚き。それを止めれないチェック体制も。それで報道なのかとw
コストカットは質の低下につながる。フジテレビは、市場の地下よりもまず自分の足元を見つめ直すときかもね。外注してるから?それともフジテレビの報道に知識を持った人がすでにいなくなった???
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何度も書きますが、高性能なカメラレンズは大きくて重い、高い。
 
映像を写すレンズは複数のレンズを組み合わせて作られますが、それには様々な
収差が発生します。色が滲んだり(光の周波数は色によって違うため)形が歪んだり。それをレンズで補うにはスーパーコンピューターを駆使した複雑な光学設計と精密な制作過程が必要だったのです。
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え?じゃあ携帯電話のカメラはどうしてるんだよ?あんな小さくて軽くて値段も安いだろうが?
 
幾つか秘密があるんです。
 
一つは普通のデジカメなどに比べてイメージサークル(銀塩写真で言えばフィルムに当たる)が極めて小さいこと。これが小さいためにレンズも小さく出来るんです。
 
一つはもちろん設計製作の進化。
 
そして最も大きいファクターの一つが「電子修正をかけるから」
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実はいまの小型カメラのレンズの光学設計はかなり楽になっています。
ある程度色が滲んだり、形が歪んで写ってもいいのです。
 
ある種の小型デジタルカメラでは、「修正された」JPEG映像だけでなく、修正される前の生データをパソコン上などでみることが出来るカメラがあります。見たらびっくりするでしょう。
まるで魚眼レンズ並みに歪んだ画像が映ってますから。それを電子的に「見られる程度までまっすぐに戻して」僕らは「写真」として見ているんです。
 
カメラ側には予め「これだけ歪みます」というデータが入っています。歪んで映ったデータをカメラ側で「まっすぐ」に戻して液晶や出力データに「まっすぐになった映像」を出力するのです。
 
もっともそれにも限度はありますが、極めつけの精密さが必要でもない限り、それでいいのです。
本当はどんなカメラの写真も精密にみれば歪んでいるんです。気がついてないだけで。それが大きいか小さいかはカメラのレンズやシステムがどれだけ歪みを許容するか、と言う話です。
歪みゼロを追求すればやっぱり重くなったり大きくなったり、高くなったり色の設計に影響が出たり、カメラのレスポンスが悪くなったり何かしら失うものがあるわけです。
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だから升目や柱などを写すと修正しきれないこともあります。(特に画像の周辺部で)。いくら高性能の演算装置がついたデジカメとは言え、あまりにも複雑な修正計算式は作るのも大変だし、その計算を一々カメラでやってたら「かったるいレスポンス」のカメラになってしまう。
いかに「収差の修正を適当なところで切り上げるか」これも現代の小型デジカメ(携帯やタブレットのカメラ含む)の設計者の腕の見せ所かもしれません。
 
今回の写真はそういう「どうしても曲がって写ってしまうカメラで撮られた曲がった写真」
です。そんなこと僕だってすぐに思い至るお話。
 
そもそもここまで曲がってたら、写真写した本人たちが気がつくでしょうがw目で見てるんだから。 
 
 
繰り返します
 
写真は「真実をうつしてない」   こともある。カメラレンズによる「錯覚」です。
 
 
それくらいの知識というか良識を持って仕事してもらいたいもんです。
笑われるから。

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