2016年1月26日火曜日

拘引と勾留の違い

法律ミニ知識。

どっか元地方議員が出廷を嫌がったため、裁判所が職権で拘引したようだ。

単位を落としそうになった新天地が言うのも何だが、この辺は刑事訴訟法の最初の方で習う。

刑事訴訟法は第8章から、刑事裁判における被告人の召喚、拘引、勾留について定めている。
本来、人は人権で拘束されない権利があるわけだが、このように法律で定めることで国家権力が身柄を抑えることが出来るんやね。もちろん公平公正な裁判を行うためにも被告人が「裁判を受けることが出来る」という面もある。

(例えば、国家権力が「あいつには裁判を受けさせない」と幽閉したとしても、裁判所はその人を裁判所に連れて来て裁判を受けさせてあげることが出来る、と言う意味もある)


刑事訴訟法
第58条
裁判所は、次の場合には、被告人を勾引することができる。

  1. 被告人が定まった住居を有しないとき。
  2. 被告人が、正当な理由がなく、召喚に応じないとき、又は応じないおそれがあるとき。
第59条
勾引した被告人は、裁判所に引致した時から24時間以内にこれを釈放しなければならない。但し、その時間内に勾留状が発せられたときは、この限りでない。

こんかい元地方議員さんがやられた「拘引」というのはこれ。裁判に出てこなかったので裁判官(裁判所)が怒って拘引して裁判に無理やり出させようと言うわけ。ただし拘引してから24時間以内に釈放しないとダメ。(乱用すると逮捕と同じような結果になってしまうから)

一方似た言葉に勾留というのがあります
第60条

  1. 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
    1. 被告人が定まった住居を有しないとき。
    2. 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
    3. 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
  2. 勾留の期間は、公訴の提起があった日から2箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、1箇月ごとにこれを更新することができる。但し、第89条第1号、第3号、第4号又は第6号にあたる場合を除いては、更新は、1回に限るものとする。
  3. 30万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和19年法律第4号)の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる事件については、被告人が定まった住居を有しない場合に限り、第1項の規定を適用する。
58条で示す「拘引」(24時間以内で釈放)よりも60条(勾留)のほうが要求される要件が多いのが分かりますね。明らかに疑うに足りる相当な理由があるばいいのみ「勾留」出来ます。
明らかに疑うに足りるってのはどの程度なのかってのは色々深い問題をはらんでるんですけどね。

裁判で、逮捕されていない人間が拘引まで至るケースは多分1%も無いでしょうね。
さらに勾留のほうが拘引よりも長い時間拘束出来るわけで、逮捕されていない人間をいきなり勾留するするケースは更にまれですかね。調べたこと無いけど。(例えば在宅起訴されて、裁判をぶっちして逃亡したとか、おもいっきり証拠隠滅を行ったとかそういう悪質なケースならありえるでしょうけれど・・・。)



いずれにせよ、刑事事件で裁判所から出頭命令が出てるのに無視すると、最悪こうなってしまうというわけです。

拘引と勾留の違い、覚えておきましょうね(*^^*)

覚えておいて役に立つケースはほぼ巡り合わないとは思いますが。。。
試験に出るとしたら司法試験か。いや簡単すぎて出ないなw

0 件のコメント: