2015年12月5日土曜日

韓国。斜張橋のケーブルが燃える火事

何回か書きましたが、韓国のソウルには首都を東西に分ける大きな川が流れています。

漢江(はんがん)です。この川を渡るためにたくさんの大きな橋がかかっています。
イメージ的には荒川を倍に広くした川が山手線の地域のどまんなかに流れているような感じでしょうか。韓国の経済成長を「漢江の奇跡」と呼ぶのはこの川から来ています。

金浦空港からソウルの中心部に行くときは、この川の東側に平行に走る道路を通って行くのですが左手に20近い大きな橋を見ることが出来ます。韓国に来た外国人はまずその橋を見て韓国の経済成長を実感するでしょう。
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さて、今月3日、そのうちの一本、西海大橋が原因不明の火災に襲われます
全長7.3km、一部は斜張橋(まっすぐケーブルを張った橋)になっており、韓国国内では4番目に長い橋片側三車線の巨大な橋です。

斜張橋の概念図。斜張橋は吊橋に比べると強度計算が難しいとかの欠点があるのですがいまはコンピューターや建築技術の発展でそれらは解消されて来ています。吊橋のほうがより長い橋を作れる一方、吊橋には橋の両側にメインケーブルを支えるアンカー(吊橋の絵の両側の塗りつぶした部分)が必要になります。斜張橋はこれが不要な分、設置の自由度が増すそうです。




何らかの原因で一番上のケーブルの被覆部分に着火。それがケーブル内部の潤滑剤に燃え移りケーブルを構成する素線の一部が溶けて断線(鉄って高熱で溶けるんです。911でビルが崩れ落ちたんと一緒)。そのためほかの素線も耐え切れなくなって切れケーブル一本全体が断線したと見られます。


消火作業に当たった消防士一人が殉職し数人が怪我という惨事になりました。

当局は当初、ヘリによる消火を行おうとしたものの強風で断念。
消防士が向かった所、火災による落下物で殉職者が出てしまったようです。
 
 
写真はハンギョレ新聞から。斜張橋のケーブルが切れているのが確認できます。
 
こうなるとケーブルをはり直さなくてはいけません。いくら急げ急げの韓国でも最短で3週間は掛かると見られます。韓国の首都をつなぐ大動脈だけに周辺道路は終日大渋滞。川の反対側に渡るだけでいつもより30分以上余計にかかっているそうな。
 
当局は「落雷」と発表したものの「ケーブル内部の摩擦熱」が原因じゃないかという専門家の推測も出てきました。そうなると設計ミスというか施工上の問題。同じ工法で作った他の橋にも問題出てきます。原因究明がまたれます
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ケーブル一本切れただけでしょ?と素人は思いますが、ケーブルが切れた際に、他のケーブルにもあたって二本損傷したと言われています。専門家は、上部のケーブルほど負荷がかかっており、もしもこの切れたケーブルのすぐ下のケーブルが二本(もしくはそれ以上)切れてたら橋が崩落する大惨事の可能性があったとも指摘しています。(今回切れたのは72本のケーブルのうち一番上側の72番ケーブル、損傷したのは真ん中の方の56,57番ケーブル。
 
なんでも「(一番負担が掛かる上から順番に)ケーブルが二本切れても大丈夫」というのが設計基準らしいです。しかし3本以上切れたら絶対大丈夫とはいえない。
 
今回は一本が完全に切れ56,57は外観は切れてないけどおそらく強度を失った状態。
「大丈夫とはいえない」状態になっています。
 
専門家は、火災が起こった次点で通行止めにしなかったのはかなり問題があったとも指摘しています。この辺は日本も参考にスべきでしょうね。
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さらには工事を行う前に、本当に強度が保たれてるのか慎重に強度計算してから工事を行えとも。なかなか厄介な話みたいです。
ケンチャナヨ(大丈夫)な国ですからすぐに取り掛かるでしょうけどw
 

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