2015年11月18日水曜日

薬の特許

日本の特許制度では「特許が認められる期間」は(特許が承認されたとして)出願日から20年です。

しかし、薬の場合は例外が有るんです。
というのも、薬の場合は薬事法に基づいて、製造と販売の承認を国から受け、しかるのちに薬を売って商売することができます。

例えば、特許をとった薬が、製造販売の承認を受けるのに3年かかったとします。
この時、特許の期間が普通のモノと同じように20年しか無いとします。
するとこの薬が特許に守られて販売できるのは17年しか無いことに。
あるいは承認に5年かかったとすると15年しか特許が守られていないのと同じことになってしまいます。

多額のお金をかけて薬を開発しても、守られる期間が短いとそれだけ「損する」事になります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこで特許法は薬に関して例外を設けています。

製造承認にかかった時間について、「特許を(20年から)延長することが出来る。ただし最大5年まで」ってなふうになってるんです。

参考
特許法
第六十七条  特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。
 特許権の存続期間は、その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であつて当該処分の目的、手続等からみて当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間があつたときは、五年を限度として、延長登録の出願により延長することができる。
 
特許法施行令
第三条 特許法第六十七条第二項の政令で定める処分は、次のとおりとす
る。以下長過ぎるので省略
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昨日話題になったのは一度販売承認を受けたあと、同じ薬について「用法と用量」を変えて使用する承認を受け直した場合のケース。

例えば、Aという薬、承認に2年かかったとします。これなら2年特許期間を伸ばす。
ここまではオッケー
さらに、用法や用量を変えてこんな風にも使います、という承認をその1年後に受けたとしましょう。
この1年の文の承認期間を特許の延長期間に追加するのがよいかどうかというのが裁判の争点。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最高裁判所は「用法用量が薬事法上の承認の審査事項で重要」であること。
更に用法用量をおおきく変えて、別の治療方法が可能になった事。

これらを理由に特許期間の延長を認めるべきだと判決した。

最高裁の判決なんでこれが判例として今後の行政の指針になります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新薬を作る会社には朗報、ジェネリックの会社にはちょっとマイナス。
国にとっては医療費は増えるんで一番頭がいたいかもね。

0 件のコメント: