2015年8月6日木曜日

無人機と戦争

もうすぐ終戦記念日。

さて、日本軍は太平洋戦争開幕時、空母を駆使した戦略で優勢に戦争を進めた。
これは訓練を重ねた優秀なパイロットを集中的に運用するという運用姿勢も功を奏した面がある。

(当時は空母と飛行機は艦隊に小数ずつ付随して使用されてた。しかし日本軍は空母と飛行機を一箇所に集めて主力にするという「機動艦隊」という画期的な戦術を思いつき真珠湾で大成功を収めた。主力にするからには、徹底的にパイロットの熟練度を上げるべく訓練を繰り返してエリートを集中配備した)

しかし、ミッドウェー海戦などで熟練パイロットを失うと、あとは学徒動員などのパイロットしか補充できず。アメリカ軍が国力に物を言わせて戦闘機や軽空母を量産したことや近接信管(直撃しなくても敵機を撃墜できる)による対空砲を発明したことで一方的に墜とされることになる。
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墜とされないために、飛行機は様々な進化を遂げてきた。墜とされると記帳なパイロットまで失ってしまう。

そしていまや「無人攻撃機」という選択肢を手に入れた。
写真は2007年からアメリカ軍などが配備した「リーパー(死神)」。
プレデターの後継機であるこの機体は、羽などを分解することでC130輸送機による輸送が可能であり、世界中に素早く展開できる。操縦自体は衛星回線を通じてアメリカ本土で行うことが可能。(つまり操縦者本人は敵に全く攻撃される心配がない)
アメリカ軍は300機以上を調達すると言われており、自衛隊も研究を進めている。
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無人機はまだ最新の戦闘機攻撃機ほどの俊敏性を備えてはいない。なので
無人戦闘機同士が戦うことはまだ無い(近い将来、空対空ミサイルを備える計画は有る。現在もヘリが攻撃できるスティンガーミサイルを搭載可能)
ヘルファイア対戦車ミサイルや誘導爆弾が主な武装、機銃は無い。ターボプロップエンジンの採用で、ジエット規程の速度はでないが、それなりの速度航続距離を誇る。

もっとも得意なのは、敵の戦闘機が無いところで、空から一方的にタコ殴りすることか。

「撃墜されてもパイロットは死なない」というメリットもある。危険な地域に出撃する際、命がけというリスクを考えずに出て行くこともできるんである。墜とされたって「ゲームオーバー」、リセットスイッチを押す感覚で再びでていける(価格的に、そんなに気楽ではないけど)
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パイロットは戦場の近くどころか、其の国にいる必要さえ無い。例えばアメリカが中東で展開する無人攻撃機は時差の有るアメリカで「夜勤」なんだろうな。お父さんこれから夜勤に言ってくるね!と基地に出勤し、さんざんミサイルを撃った(当然結果はカラーモニターで目にすることになる)あと「お疲れ様ー」といって帰る。


(まるでシミュレーターのようだがこれが操縦装置。飛行機を捜査する操縦士と補助とセンサーを担当するセンサー員の二名一組で飛行を担当する。)


シフト表には「月曜イラク。火曜日パキスタン、水曜休み、木曜シリア」とか書いてあったりして・・・。

戦場にはオンオフが少ない。休日はあっても前線から離れた地域に戻っていいよとかでそれなりの緊張状態が続く。
しかし無人機のパイロットはいきなり戦場を見せられ(人が死ぬ瞬間を常に見せられ)そのままいきなり日常に引き戻されることになる。人を殺した夜には家族団らん。又次の日には世界中の戦場に「頭だけ」赴くんである。時差を超えて。

マッハに近い速度で飛ぶ有人戦闘機は、誘導ミサイルや誘導弾をぶっ放したら、危険にさらされないよう振り向かずに現場を去る。一方で速度が遅いプロペラの無人機は、超高性能カメラでミサイルの着弾までを鮮明に見ることになる。走っていた車両、人の出入りする家屋が吹っ飛ぶさまを鮮明に見ることになる。

PTSDを発症する確率は、普通のパイロットよりもかなり大きいというのも納得できる話では有る。死の危険と隣り合わせの有人機パイロットのほうが、安全な無人機パイロットよりPTSDになりにくいというのは皮肉な結果だとも思う。
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戦場に行きたくないと言うのは身勝手だと言った人がいるという。
彼は戦場を見たことさえ無いだろう。

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