2015年6月14日日曜日

ルマンに挑むニッサンニスモのFFレーシングカー。見えてきた狙いと欠点

ルマン24時間耐久レース、本番中。優勝争いはポルシェ対アウディのようだが、いろんな意味で話題ナンバーワンは日産が投入したGTR。GTRといってもフロントエンジンフロントドライブのいわゆるFF。いままでの常識では、レースで速い車を作るためには後輪駆動、あるいは今のルマンのレギュレーションでは後輪を内燃機関で駆動し、前輪を電気モータで駆動。一番の重量物である内燃機関はミッドシップと言って後輪車軸のすぐ前に持ってくるのが常識だった。
加速をするためにタイヤを回転させると反トルク、反作用で重心は後ろに移る。つまり加速すると後ろのタイヤに加重が移るので後輪駆動のほうが加速時にグリップしやすい。
更に重量物がタイヤに近い方がグリップしやすいしそれが前輪軸と後輪軸の間にあることで旋回時にバランスがとれて曲がりやすい。

という利点があるためにいままでフロントエンジンフロントドライブのレーシングカーは、何でもアリのカテゴリーでは存在しなかった。わざわざ不利をかかえると言うことだからだ。

にもかかわらず、日産がFFレーシングカーを投入してきた。
その車の走りや取材、日産側の発表などでこの車の狙い=利点と欠点が浮かび上がってきている。

日産側が明らかにしたこのマシンの狙いは空気抵抗の削減であるようだ。
どういうことかというと空気抵抗を少なくするにはいわゆるティアドロップ、水滴型にするのが理想らしい。
しかしミッドシップにエンジンを搭載するとどうしても車体後部の体積が大きくなり、車トータルとして大きくなる。リヤのグリップを稼ぐためのウイングや様々な付属物で空気抵抗の削減に限界がある。
これに対し日産はフロントにエンジンと駆動装置などを集中することで車体後部の体積を大きく削減。より空気抵抗が少ない断面を作ることにした。これがFFを採用した理由、コンセプト。これが功を奏しているのは、ラップタイムがまだ遅い一方で直線での最高速度は他のマシンよりも少し速いことで証明されています。
タイヤのグリップはある程度の速度以上になれば空力を活かしたダウンフォースを使って十分に得られているようです。しかも他のマシンよりもウイングなどが小さくいかにも空気抵抗がすうなそう。
それでも空力的ダウンフォースは十分と言うことでしょう。

一方でやはり空力的ダウンフォースが少ない中低速からの加速時に物理的グリップは不足しがちでこのために中低速コーナーでのタイムが不利。更にダウンフォースグリップを得るために車体をできるだけ前後左右に姿勢変化させないようにするセッティング。
つまりサスペンションを固くしてピッチングやロールを防ぐようになっています。
逆に言えば乗り心地は悪い。ドライバーの肉体的負担は他のマシンよりも大きい。

と言うところまで分かって来ました。
ここまできたら、改善方向は見えてきたか。
物理的グリップが足りない部分は後輪を電気モーターで駆動する四輪駆動化でおぎなう。
サスペンションはルールの範囲内でアクティブサスペンション化するような方向で。
可変サスペンションで出来るだけ車体を前後左右動かさない仕組みにするんです。

今年はあくまでデータ収集。
もしかすると来年以降に勝ち負けできるかも、と思わせるのであう。

思い切った独創的発想だけに結果が出るといいですね

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