2015年6月17日水曜日

藤沢調教師

一部で「藤沢調教師ってだれ?」という話があったので。


藤沢調教師は現在63才。すっかりベテランです。若い時から勝っていて、日本を代表する調教師です。海外の競馬シーンでは藤沢といえば彼のこと。

教員免許を持っていて、もともと先生になるつもりだったそうですが、「自分は教師に向いていない」と感じ、卒業後父親の知り合いの牧場でバイト。其の時は競走馬に一生関わるつもりは無かったそうだが、其の牧場主に「どうせなら本場イギリスで修行してみてはどうか?」と言われアスコットのゴードン厩舎に働きに出る。

4年の留学の後帰国するとJRAの菊池厩舎に就職。本場仕込みのトレーニングや馬の管理方法を身につけた藤沢は、ダービー馬カツトップエースの担当者として一躍知られることになる。

菊池厩舎が菊池調教師の病死で解散すると野平厩舎へ。

ここで三冠馬シンボリルドルフや岡部騎手と出会い、大樹ファームの関係者などと親交をむすぶ。

そして1987年に念願の調教師になると、岡部騎手を起用。大樹ファームの良血馬などを積極的に使い、あっという間に日本のトップ調教師となった。

代表的な管理馬はシンコウラブリィ、タイキシャトル、ゼンノロブロイ、ダンスインザムードなどなど。あげたらキリがない。
タイキシャトルは外国産馬として初めて日本の年度代表馬になるとともに、日本管理馬として初めてフランスの「最優秀古馬」に選ばれた。日本調教の馬が外国で顕彰されたのはこれが初めて。
JRA年間重賞勝利13勝は未だ破られず。
11回のJRA年間最多勝調教師の記録も持ちます。不利と言われる関東の調教師がこれをなしたことも驚きですね

「記録」ではないにしても。。。
2003年には勝率0.243(4回に一回勝つってw)。開業以来の生涯連対率3割超えw(気狂い沙汰です)。1996年には年間複勝率(≒3着以内に入る率)5割超え!生涯複勝率4割・・・・。
2002年と2004年には年間獲得賞金が20億円を超えています。2回超えている人なんて他にいないでしょ。。(調べてないけど、他に一回でも越えた人いるのかな)
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藤沢調教師が日本に持ち込んだやり方でもっとも影響が大きかったのは「無理に調教タイムを出さない」というやり方。

日本の競馬では例えばレースが日曜だとすると、その前の週の水曜とか木曜に目一杯の調教を行うのが普通でした。ここで体に負担を掛け、週末に休息させ所謂超回復で筋力が増大し、心肺機能が高まることで本番を最高の状態で迎えようと言うわけです。
ただ、いかに調教のタイムが良かったかを重視しすぎる傾向がありました。
強い負荷をかけるのは、その後体が超回復と言って、負荷を掛ける前よりも筋力や心配能力が強くなる作用のためです。しかし古い日本の競馬のやり方では超回復よりも「タイムを出す」事のほうが目的化しているような面がありました。タイムが出ないような調教ではダメだと・・・。目的が逆転してたんですね。
負荷をかけ過ぎると、怪我の原因になりますし競走馬の消耗の原因になってしまいます。更に負荷を掛けすぎれば、当然筋肉は痛むわけで、回復してもピークが「低く」なってしまう可能性がある。

藤沢調教師は、直前のこの追いきりで「あえてタイムを出さない」調教を取り入れました。
馬に極度に高い負荷を一度にかけるのではなく、普段からまんべんなく負荷をかける(まんべんなく超回復で筋力をつける)というわけです。(調教「タイム」を無理に出さないからと言ってトレーニング全体の負荷が低いというわけではなく、トップスピードを調教で要求しない代わりに運動量そのものは科学的に必要な十分な量を課すというわけです)

余談。藤沢調教師の考え方でオモシロイと思ったことはもうひとつ有ります。同じ競馬場、同じ距離を連続して使い過ぎないという話。
例えば2000mが得意な馬でも、2000mだけを連続してレースに出ると「馬が飽きちゃう」と言うんだそうです。たまに違うレースを使うことで馬も精神的にリフレッシュすると。
面白いなあと思ったお話。株もそんなところがあるかもね。
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馬に決して無理をさせないこの方法は数多くの名馬を産んできた一方、無理をさせないことでクラシック(ダービーや皐月賞)に藤沢調教師が勝てない一因ではないかという声もあります。
特に2歳の時期に無理に使わない方針がクラシックとはあんまり縁がない理由かもしれませんね。
ただ、クラシックは桜花賞をダンスインザムードで制していますし、色々巡りあわせかなあ?という面も・・・。(例えば、シンコウラブリィは牝馬の外国産馬でした。当時は外国産馬にはクラシック出走権がなく(馬産地保護の名目のため)、桜花賞もオークスも出れませんでした。もしもクラシックに出ていたら勝負できる能力があったのは疑いないところです)

もちろん、若駒に無理をしない分、古馬になってから息の長い活躍をする馬も多いのです。
スピルバーグが老成?したのも藤沢調教師が無理をさせずに我慢してきた賜物でしょう。

最近、若手の台頭も有り、昔ほど勝てない印象ですが、そろそろ再度の活躍期に入りそうな予感も有りますが。。。

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