2015年5月26日火曜日

電動ターボ、実用化へ

ターボというものが有ります

自動車エンジン空気を吸い込んで燃料をまぜ、爆発させて運動エネルギーを得ます。
この時、たくさんの空気を送り込んでやることができれば、同じ排気量でもよりたくさんのパワーを出すことができます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
爆発してできた空気はどうなるか?排気としてエンジンの外に出されます。

この廃棄を使ってプロペラ(羽1としますか)を回し、更にそのプロペラと、別のプロペラ(羽2)を軸でつなぎます。こうすると羽2はエンジンの回転とともに勢い良く回ります。

その羽2の回転によってエンジンにたくさんの空気を送り込むようにした仕組み。これがターボです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もともとターボというのは同じ排気量でも更にパワーを出せるという「パワー重視」で使われていたのです。最初の頃のターボは燃費も悪く、ドライバビリティ(扱いやすさ)も悪かったのです。

回転数が一定に上がるまでは「ターボが効かない」のである回転数になるといきなりパワーが出る「ドッカンターボ」と言われたり、ギアチェンジ(アップ)でエンジンの回転数が落ちると、アクセルにレスポンスしない(ターボラグ)などの問題が有りました。

しかし、20年ほど前にボルボあたりが「低速から一定のトルクを出し続ける」ターボエンジンの開発に成功します。ターボラグが少なく、むしろターボのないエンジンよりも扱いやすい現代的なターボエンジンを出してきたのです。


図はホンダの新しい1.5リッターターボ。(と従来のNAエンジン)X軸がエンジンの回転数、Y軸がトルクと馬力です。NEWステップワゴンと書かれたグラフが最新のダウンサイジングターボです。
1.5リッターターボの方はわずか1000回転ほどで最大トルクに達し、しかも5000回転までずっとフラットに最大トルクを出すエンジンであることがわかります。
これに対して旧来のNAエンジンはトルクに「山」があります。しかもターボエンジンのほうが低速からトルクがあるので、ガンガンエンジンを回さなくとも加速できる事が読み取れます。
こういう点からも「同じパワーを出すなら」低回転からトルクが稼げるダウンサイジングターボのほうが実用燃費もよく、しかも実用化速に優れる事がわかります。
1.5リッターターボエンジンは2.5リッター並みのトルクが有るというのはこういうところですね



同じパワーでも排気量が小さくて住む現代的なターボエンジンは、その分燃費が良くなるのです。物理的に言うと、排気として捨てられていたエネルギーを回収して運動エネルギーとして再生しているとも言えます。

これが欧州車などで見られる「ダウンサイジングターボ」トヨタやホンダは慌てて新しいダウンサイジングターボを出してきています。日産はスカイライン向けにベンツからエンジンを購入してます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、いくらターボラグを無くしたと行っても、完全にゼロではありません。
空気を送り込むプロペラを自由にコントロール出来たら。あるいはエンジン回転にリニアに反応したら。

まずはスーパーチャージャーというものが考えだされました
プロペラを、排気を使って回すのではなく、エンジン回転に直接プロペラをベルトでつないで回そう
と言うもの、これだとプロペラはエンジン回転と比例して回るのでターボラグは格段に減ります。低速トルクが大きく出しやすいのも利点でしょう
一方で機械部品を使うことによるロスと重量やコストがターボに劣ることが欠点で現在日本車でスーパーチャージャーを使っているのは日産のノートのみ(我が家の愛車でも有ります)
高速域まで考えるとターボ優位という考え方もあるんですかね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして。
そもそも自由に吸気をコントロールしたいのなら、電気モーターでプロペラを回してしまえばいいじゃん、という考え方が有ります。

これが電動ターボです。
排気に依存するターボ、エンジンの回転に依存するスーパーチャージャーと違って、電動ターボはエンジンとは独立してモーターでプロペラを回すので、エンジン回転ゼロのところから加給できます。回転数ゼロからパワーを増幅できるのです。

さらにエンジンの回転とは無関係に加給の量を増減できるのでトルクカーブをいじったり、あるいはスイッチひとつで燃費重視とかハイパワーモードとか切り替えもできる。電子制御でエンジンを好きなようにいじれる範囲が広がるわけです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
問題は「モーター」を搭載することによるコスト増、重量増、モーターを回すならその分燃費が悪くなるだろという話。コスト増重量増は問題有りますが、モーターを回すのはエネチャージとかハイブリッド車と同じく、減速時にバッテリーに充電する方法で解決する目処がたちました。

ブレーキを踏むと、発電機が回って運動エネルギーを電池に回収し、その電気で電動ターボを回そうというわけです。
ハイブリッド車はモーターがエンジンを補助して直接駆動力になりますが、この力を駆動ではなくエンジンの加給に回したという考えもできるでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フランスのヴァレオが開発した電動ターボは今年出てくるアウディに搭載が採用されたとか。

「ハイブリッド」「ダウンサイジングターボ」「環境ディーゼル」に続いて「電動ターボ」が出てくることで内燃機関の進化というか競争はまだ続く模様です。

0 件のコメント: