2015年4月8日水曜日

ルージュバック「関東復権」の象徴か。

今週は桜花賞。今年は無敗の馬が三頭いるように、それぞれ「別路線」で戦ってきた馬が本番で顔合わせします。まだ「力関係」がわからないところがあるんですね。

それでも一番人気は関東馬のルージュバックで間違いないでしょう。
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日本の中央競馬は、関東(美浦)と関西(栗東)にJRAが持ってる厩舎があり、馬はそこに所属します。関東の厩舎にいる馬は関東馬、関西の厩舎にいる馬は関西馬と言われます。馬主は自分お馬をどこの厩舎に預けるか決めるわけですが、成績のよい厩舎は人気が高く競争率が高くなるし成績が低い厩舎は入りやすい。色々あります。

JRAが発足以来、ずっと「関東」の馬のほうが強かったんです。やっぱり経済力のある馬主は関東に多いし、そういう人はいい馬を買って、自分の住んでるところに近い関東の厩舎に預けたがるから。それが1986年くらいまで続きました。
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関西の馬主はケチだから、大きなレースよりも勝てるレースを選ぶ、だから強くなれないんだ、そんなことをいう人もいました例えば関西にタマモクロスと言う馬がいました
秋になって急に力をつけたこの馬は、12月最初の週に鳴尾記念というレースを快勝します。かなりの強い勝ちっぷりで、有馬記念にも推薦で選ばれるだろうし、出れば勝ち負け出来そう、という評判でした。しかしタマモクロスは早々に有馬記念をパスして、年明けの金杯(西)に出走を決めあっさり勝ってしまいます。それを見た関東のある競馬記者は「だから関西はダメなんだよ。大レースより金だから」そんな記事を書いたのです。

しかしそれが関東サイドが吐いた勘違いだったことにすぐに気がつくことになります。

タマモクロスは春の天皇賞の最重要ステップレースの阪神大賞典も圧勝すると勢いで春の天皇賞を快勝。宝塚記念では一番人気を関東の大将格ニッポーテイオーに譲ったもののレースでは全く寄せ付けず。秋の天皇賞では中央競馬で無敗を続けていたオグリキャップに一番人気を明け渡すもレースではオグリをちぎり捨てます。オグリキャップがJRA移籍後初めて喫した敗北でした。
ジャパンカップはペイザバトラーに敗れるも二着、引退レースとなった有馬記念はオグリに敗れこちらも二着。しかしその快進撃はその後30年続く関西馬有利の嚆矢となったのです。
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なぜ関西の馬は急に強くなったのか?一つには当時初めて栗東に作られた坂路とウッドチップコース、調教用のプールの存在を挙げるひとが多かったです。実際、坂路については象徴的な馬が二頭続けて現れるのです。トーカイテイオーとミホノブルボンです。

もともと怪我した馬のリハビリ施設として作られた坂路調教で鍛えられた二頭が続けて無敗のダービー馬になったことで、栗東の坂路は大賑わいに。そして、下級条件でも、坂路で鍛えられた馬が続々勝ち上がります。そんな下級条件の関西馬たちは「関東のレース」を選んで出張し始めるのです。馬券を買う方は「関西馬、特に坂路調教馬を買えば当たる」そんな風潮さえ出てきました。こうなると馬主だって少しでも勝てる関西に預けたがります。関西馬にとっては好循環で西高東低が出来上がるのです。
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関東だって手をこまねいていたわけではありません。
坂路だって作ったし、藤沢調教師のように海外の知見を持ち込んで成功した人も現れました。しかし関西有利を押し返すにはまだまだ時間がかかったのです。

ここ数年でしょうか?関西の実力調教師の引退や、関東にも新進気鋭の調教師が何人か現れだし、関東が勢いを取り替えしています。その象徴がルージュバックかもしれませんね。

ルージュバックは母親が最優秀北米古馬牝馬に選ばれたこともある良血馬。過去3戦では男馬に勝った勝負根性もあります。輸送もきさらぎ賞で経験済み。桜花賞は一番人気でしょうね。
関東に過去の栄光を取り戻す嚆矢になれるでしょうか

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おまけ。
今でこそ断然人気のルージュバック。抜群の牝系の血統背景にもかかわらず、一口馬主さんには全然人気なかったそうです。デビュー前まで「売れ残っ」てたとか(満口埋まるのは遅かったそうな)。兄弟が全くダメだったこともあるんでしょうけどね。

ちなみに一口6万円で400口、募集総額は2400万円ですから、やっぱりそんなに高くない。(馬の本来の値段って一口馬主募集価格の半分くらいが妥当すれば1200万円くらいの評価か。
母馬はせりで150万ドル以上の値がついてますから、生産者はルージュバックを売った時点では泣く泣く大赤字でしょう。(これからは「ルージュバックの兄弟」として子供が売れるから、やっと元は取れるかなと)

クラブのページによればすでにルージュバックは一口あたりの賞金分配額で13万6000円稼いでいるそうです。無事ならこれからその数倍、ヘタすれば10数倍は稼ぐでしょうから(父母ともにどちらかと言えば晩成なので怪我だけ心配かな)一口馬主さんには残り物には福があるといったところでしょうか。

馬はよくわからんもんです。

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