2015年4月7日火曜日

仮設材

建築の世界では「仮設材」という物があります。(投資家豆知識のコーナー)。

建築現場では、大量の鉄骨とか運びこまれますよね。その中に仮設材というものがあるんです。
主なものはシートパイルや山留め材とか呼ばれるもの。そしてそれを支えるH鋼、地上にかぶせる覆工板、あるいは機械を使うために地面に引く敷き鉄板なんかもそうかな。(他にも色々あります。)

なぜ「仮設」材というかというと、建設中に使うのですが、建設が進む過程で(あるいは終了する段階で)要らなくなり、撤去されてあるものは再利用されあるものは最後にはスクラップになります。

例えば、地下の工事や、基礎を作る際、穴を掘ります。しかしただ掘っただけでは地面が崩れます。そこで仮設材が登場します。穴をほったら崩れないように鉄の壁を作り、壁同士が倒れてこないように山留材やH鋼で構造体を組み上げ、地上で作業するためにその骨組み構造の上に覆工板という丈夫な鉄の「地上」を作ります。ぬかるんだ地面の上には敷き鉄板を敷いて作業をしやすくします。

で、建物ができてくるとそういう「仮説の構造体」は邪魔になってきますからどんどん搬出されていくわけです。「埋め殺し」といって最終的に埋めたままにされるものを除いては除去されます。。
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韓国ではソウルにあるKTビル(僕も何度か通ったことのある、目立つビル)のまえで地盤沈下が発生して問題になっています。

KTは韓国最大の通信会社の一つ。近くには光化門駅、及び駅に直結して立っている韓国最大の本屋のビル、教保文庫ビルもあります。要するに都心です。大手町にある大手電話会社のビルとイメージしてもらえれば。

(じつは韓国ではいま、地盤沈下が問題に。古い水道管から水が漏れたり、昔の建築がずさんだった悪影響、あるいは高層ビルの建設に伴う予期せぬ地盤沈下など様々な原因があるようです。)

韓国では非破壊検査の技術が無く、いきなりどこが崩れるかわからない、という恐怖感も話題の増幅に拍車をかけているそうな。このまえ、ソウルと東京都が地盤沈下のノウハウ交換(と言う名の技術支援)について合意したのもその流れ。

さてKTビル周辺の地盤沈下の直接原因は地下道建設工事によることはわかっています。

ああ、地下道工事のゼネコンが能力低いのね、と思ったらどうやらそうとも言い切れないようです。
工事を担当しているゼネコンによれば「KTビルや教保文庫ビルを作った時に使われた(本来ならば撤去されていなければいけないはずの仮設材であるアースアンカーと言われるワイヤー状のもの)が地中にたくさん埋められたままになっており、それを除去する作業にともなって地盤沈下が複数回起こっている」
んだそうなw

仮設材ってのは普通リースだから引き上げてリース元に返すんだけど、アースワイヤーは再利用不可かな。


参考 アースアンカー概略。地面に円筒状の穴を空け、底に鋼線をツッコミ、最後に圧力をかけてモルタルを注入します。こうすることで鋼線を構造体として使えるわけです。イメージとしてはこんな感じ
まず、平な地面にシートパイルという平たい鉄の鋼材を地面に何本も打ち込んで壁を作ります。四角い壁を作ってからその内側の土を掘って地下を作りわけです。この時、なんにもしないと壁が崩れてしまいます。で、アースアンカーを使って壁が内側に崩れてこないようにすると。

土留壁は「仮設」です。本来の構造物ができればそれが土を支えますから土留壁はお役御免。取り除かれてリース元に返されます。アースアンカーもまともな業者なら引きぬいて処理します。

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おそらくボロボロになってしまって、返してもスクラップ扱い(買い取り、ヘタすると処分と輸送代で赤字)になると踏んで「(買い取りになるんだったら処分費用もったいないし)えーい埋めちゃえ」ケンチャナヨ、しちゃったんだろうなあ。まさか埋めたところに地下道ができるなんて考えず。。。

何十年もたってそこを掘ってたらアースアンカーが何本も嫌がらせのように地中に・・・。工事業者にとってはまさに予定外の「悪夢」でしょうw

見えないところには金をかけない、というか見えないところに暗部を隠しこむあの国らしいお話です。

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