2013年11月6日水曜日

広さを目指した。


ホンダが新型オデッセイを発表。いわゆる「震災後」のホンダの新車は神がかっているというか、震災や洪水という危機感をバネにそれまでよりもいい車を産んできている。その流れからの全く新しい車。これがどう評価されるのか?オデッセイという車名ながらコンセプトを結構大きく変えてきた。ちょっとうんちくを述べたい。コンセプトを変えるにあたってこれは、という技術も投入されている。



3回くらい書いたけど、オデッセイと言うミニバンは90年台に三菱自動車に買収される(本当の状況だった)という噂まで流れたホンダを救った名車だった。それまで、RVを持っていなかったホンダの製品戦略を見事に埋めた車だった。その後のミニバンブームを生み出した画期的な車だった。

いままで7人、8人乗車の車といえば運動性能や乗り心地を犠牲にした車が多かった中で、オデッセイは重心や車高を低く抑え、まるでセダンに近い乗用感覚や運転性能、スポーティなデザインを前に出して大ヒットとなった。月産4000台(これだって初動の大目に見た数字)で売りだしたところが年間12万台以上をコンスタントに売る主力車種になったのだ。
写真は初代オデッセイ(1994年発売)ミニバンながらそれまでの多人数乗車のクルマよりも低い車高(全高1645mm)とアコードの基本設計を流用した高い運動性能、スライドドアの非採用など当時としては思い切った車だった。



おまけの話としては、オデッセイは工場の天井の絡みから(アコードと同じ生産ラインに載せるための制約)、あれ以上の高さの車を量産するのが難しく、結果として「車高の低い」デザインになった面があったとか。瓢箪から駒ですな。スライドドアを採用しなかったのも同じ理由かららしい。
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その「低くて乗用車ライクな運動性能」(サスペンションもミニバンとしては比較的体積が必要となるタイプ)を売りにしてきたオデッセイだが、最新型ではガラリと変えてきた。象徴的なのがこの写真だろう。

 



新型オデッセイ、2013年10月発売。全高は最大で1715mmとアップし、更に床面の超薄型化で天地方向のスペースを拡大。スライドドアを採用し全長も拡大することでより世間一般で言う「ミニバン」に近づけてきた。さらにサスペンションもフロントはマクファーソン・ストラット、リヤは従前の(性能は優れるが、スペースが犠牲になる)ダブルウイッシュボーンサスを捨て、性能は落ちるけれど空間を広く使えるストラットサスペンションを使ってきた。サス自体は「安く仕上がる」効果もあるだろう。。燃料タンクも薄型化。つめる燃料は少なくなったが燃費改善で航続距離は維持している。

つまり世間一般の(見かけは)普通のミニバンに振ってきたのだ。
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もちろん、見た目は背の高い大きめなミニバン(おかしな日本語だな)だけど、この車の売りはサスの形を変えてでも実現した広いスペース。それを実現する極限まで「薄く」低くなった底面でしょう。ここまで低くなれば子どもやお年寄りのいる家庭でもかなり重宝するでしょう。子供なら中で立って着替えできるくらいの広さが有ります。またプライドを捨てて?採用したスライドドアもこの車を考えるユーザーには

そしてサスペンション形状変更で失った乗り心地や運動性能を補うべくホンダが使ってきたのがザックス社製の振幅感応ダンパー。簡単に言うと細かな振動にはゆるやかに上下し、ハンドルを切った時のように大きな力を継続して受けるとぐっと力を込めて踏ん張る、そんなダンパー。これで乗り心地と運動性能を確保してきている。


最近、ドイツ御三家に日本車が負けているのはシャーシーの基本性能もさることながら、ショックアブソーバーにお金をかけていなかったり、開発力が低いせいなんじゃないかとふと思ったりするのだ。日本では燃費という目に見えるものばかりを追い過ぎて、目には見えない(でも本質的には失ってはいけないはずの)乗り心地を忘れてしまったのでは???

日本のショック開発会社は主観的ながらザックスにかなり引き離されてしまったように感じる。
このままではジリ貧になるかと。「切り札」として投入されるような優秀ショックアブゾーバーを出してくるまではこのへんの業界は「セル」でいいような・・。逆に出てきたら買いかもしれんね。

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