2013年10月3日木曜日

いつかはゆかし、。。。

一億円は貯められる、月五万円の積立で・・・。

ってなネット広告を目にした人も多いと思う。結構派手に宣伝してたから。そこにお上(証券取引等監視委員会)の手が入った。「容疑」はこのいつかはゆかし、を展開する「アブラハム・プライベートバンク」という会社は日本国内では「投資助言業」の登録しかないのに、実質的には「投資ファンドの運用商品」を無資格で販売した、というもの(販売には少なくとも第二種金融商品取引業の資格がいる)。金融庁に勧告がなされて業務停止処分、最悪は登録取り消しまで行くかもしれない。

もと証券会社員で、自称(こら)行政書士の新天地としては「面白い」ケースだ。というかこれで背筋が寒くなっている「プライベートファンド」もどきは多いと思う。。。

(そもそも、僕もSECにメールを送ったことがあるのだが「月5万円で一億円貯められる」という勧誘は法律で禁止される「確定利回りをうたった勧誘」に抵触するんじゃない?という点はおいておくとして・・・。)


前も書いたけど、金商法の改正で「投資助言業」という枠組みができた。この登録では「投資の助言」はできるが、客から手数料をもらって商品を販売することはできない。客に例えばAという投信商品を紹介することはできる。しかし客がそのAという商品を買ったとしてそれに付随して手数料をもらうことはできない。それをしたければ「第二種金融取引業」などの登録が必要になる。

投資助言業なら比較的簡単に登録できるが(新天地に頼めばざっくり50万円で登録します。別途供託金500万、あと会社の登記その他は別費用)、第二種金融取引業となるとなかなか登録は難しい。当局の検査も厳しくなるし会社の体制も当然要求度が高くなる、コンプライアンスも大変。
なのでアブラハムは国内では投資助言業をやることにしたんだろう。ここまではまあよくある話だ。
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アブラハムのややこしい点は(で、まあ僕のような行政書士でも考えつくことだが)客に販売する商品を運用し、実質的に売りつける別の会社(協力会社?)をタックスヘイブンに持ち、事実上お客にその商品を買わせるように誘導したということ。(会社Bとしましょうか)。

会社Bはもちろん日本で宣伝して販売する資格もなく、当局の監視も受けにくい別会社。日本の税金もかからん。これがこのスキームのミソ。完全にタックスヘイブンに運用会社を作って当局の監視を逃れたとして、その会社Bが国内で営業しようとすればB自信が国内でいろんな資格の取得(金融商品販売業など)が必要になる。すれば当局の監視も厳しくなるしコストも掛かる(後ろ暗いこともできない)。それじゃあ美味しくない。(し悪いこともできにくい)

なら運用、販売の会社は外(タックスヘイブン)に出して、お客集めは「あくまで投資助言業」業者であるアブラハムという会社を作り、助言の名のもとにB社の商品に誘導する、と。(顧客が契約したいと言ってきて「外国で」契約するにはB社は国内での資格は不要なのかな)。

アブラハムは「こんな商品があるよ」と助言契約のもとに商品を紹介(助言)するだけ。だから助言業だけでいいよねという論法。(たとえB社の商品しか紹介しないとしてもだ)

実質的に商品を運用、販売する会社(B社)は「アブラハムの紹介で勝手にやってきたお客から契約を持ちかけられたんですよ」という論法で日本国内でお客を集める行為をしてないから、日本国内で商品販売にかかる登録は必要ないよね、という論法。(海外で契約するブンには日本の当局も影響はないよね)


ここで当局が突き止めたのは(これは大したもんだ)客がB社と契約を結ぶと客からB社に手数料が支払われる。そして同時にB社からはアブラハムに(アブラハムの親会社経由で)キックバックが支払われていた、と。つまり事実証商品が販売されるとアブラハム側に「手数料」が払われるようになっていたと認定したんですな。そうだとすれば実質的にアブラハムが客から手数料をとって金融商品を販売してたのと一緒でしょ、と(すればアブラハムは本来必要な第二種金融商品取引業の登録なしで無資格で販売をしていたことになる)
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正直、この枠組は僕も思いついて先輩にこんな形はどうですか?と提案したことがある。(こら!!)でもさすがにいろんなすれすれの広告戦略、あるいは苦情を見て摘発することにしたんだろう。あまりにも派手にやり過ぎた。

広告に竹中何とかさんを起用するど信用度が高く見せる方法。顧問などに一流会社の重役経営者を迎えるはくつけ。電◯を使ったといわれるネット戦略やはたまた経営者の奥さんが有名経済新聞の社員らしいとかいう噂。そしてほんしゃんだかどこだか知らないけど、悪知恵つけた黒幕はどっか別にいるんじゃねーのとか、突っ込みどころは満載ですが。。

そもそも「一億円は貯められる」という広告の誇大性はどうなんの?とか本当にまともに商品運用してたの?とかつつけばいろいろ出てきそうな雰囲気ですがあまりつつくと何故か東西線おホームから転落死するかもしれませんのでやめておきますかw
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ギャン信者として、ギャンの「金言」を載せておきます。

「金融取引はニューヨーク商品取引所の会員証券会社以外とはやってはいけない」

日本で言うなら東証の会員証券会社以外から投信買ってはいけない、かな(最近は銀行でもうってるけどさ)。

証券会社が高いコストを支払ってでも東証の会員であろうとする意味はつまりそういうことでもあるのです。

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