2012年12月20日木曜日

「ミラーレス」の本領

物欲のコーナーにソニーのミラーレスカメラ用のレンズSonnar T* E 24mm F1.8 ZAの記事を乗せたら、意外にアクセスが有ったのでこっちにも。

ゾナーというのは「太陽」というドイツ語から名前がついたらしい、ドイツカールツアイス社が考案した光学系を持つレンズに付けられる名前です。カメラマニアなら誰でも知ってるこの名前。どれくらいすごいかというと、戦中や戦後の一時期は世界中のカメラメーカーがこのレンズの光学系を真似してレンズを作ったくらい。レンズ設計者ならまず一番初めに勉強するくらいの設計です。ボケが綺麗とかいろんな利点がある素晴らしい設計なのです。

(余談ですが最初のゾナーが設計されたのは1929年。パソコンどころか電卓も無い時代。そのレンズの基本設計、アイデアが世界中でいまだ使われているというのはすごいの一言。膨大な計算を人力でこなして設計されたのです。スーパーコンピューターが存在する現在でもいまだ健在というこの凄さ)
(余談2。ゾナーは日本のメーカーもこぞって真似しました。いわば「コピー」です。そのためゾナーを設計した人は終生日本人を避けていたという逸話があるそうです)

しかしながら、ゾナータイプの設計は焦点距離に比して「バックフォーカス」が短いという欠点があります。どういうことかというと、レンズ最後部から露光部(昔で言うとフイルム部)までの距離が短いのです。そのため、機構上レンズと露光部の間にミラーボックスが必要となる一眼レフカメラでは望遠レンズ~超望遠レンズでしか使えない。レンジファインダーカメラが消えていき、一眼レフカメラがカメラの主流となってからは広角レンズとしては使いにくい設計になってしまったのです。(もちろん、一部の少数派である非一眼レフカメラにはゾナータイプの広角レンズが有りましたが。京セラの傑作コンパクトカメラコンタックスT2などが有名ですね)

しかし再び転機がやってきました。そう、ミラーレスカメラの登場です。

ミラーレスカメラというのはミラーがない分軽量小型である、というメリットが知られていますが、ミラーがない分、受光部とレンズが接近したレンズ設計が行えるというメリットもあります。このレンズはミラーレス用ならではのレンズといえるでしょう。一眼レフカメラに対するメリットの一つと言えます。

ソニーのNEX-7という高性能ミラーレス機の登場に合わせて作られたSonnar T* E 24mm F1.8 ZA。ゾナータイプの広角レンズならではの美しい描写です。このレンズを使うだけのためにNEX-7(あるいはNEX-6)を買っても良いと断言します。あるいはNEXシリーズをすでに持っている人なら大枚はたいて買う価値のあるレンズです。現状では(2013年には何本か高性能レンズが追加で発売されるそうですが)NEXシリーズの高画素数を完全に活かしきる数少ないレンズです。しかもレンズフード込みの大きさはともかく、性能の割りには重くはないのでこれを一本NEXにつけて海外旅行行くってな使い方もいいですねえ。



ツアイスというネームバリューや作りの良さで見栄っ張りにはもちろん、カメラが好きな人を満足させる映りの実力を備えます。独特の個性、味がありながら、風景からポートレートまで使いやすい魔法のレンズ。だれが使っても癖がないのに、最高の映りをみせるときにはまさに息が詰まる様な画を吐き出します。
月並みに例えるなら、名工が鍛え上げた名刀のようなレンズです。しかも扱いが難しいくせ玉ではない。

これほど評判の高いレンズでありながら販売本数は多くありません。ソニー側の生産が間に合っていないのです。アホか・・・。運良く見つけたら即ゲットが常識。そんなレンズです、

0 件のコメント: