2011年11月17日木曜日

政策と産業

散々、農業さんのことについて書いたので少し自分の勤めている運送業について書いておこう。

運送業と言うのは海外からの競争と言うのは事実上おき得ない。その面では非常に恵まれているだろう。業種にもよるが、円高に対する抵抗力はまあまあ高いといえよう。反面、原油高、ガソリン軽油高は経営を直撃するが。もちろん内需なので景気全般の影響も受ける。ただこの辺は一口に運送といっても運ぶものが違うので千差万別だ。

決定的に他の業種と違う影響物といえば「行政」だと。

運送業は昔は免許制で、免許を与える与えないで業者の数をコントロールしてきた。いまは「規制緩和」で誰でもが、小規模でも参入できるようになった。おそらく野放図に放っておいたら業者の数がどんどん増え、でも景気はよくないので小規模な事業者が増えることになるんだろう。
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で、「お上」の今の姿勢はこうだ。免許制じゃあないから「入口」で業者の数を制限することはできない。でも業者数はすでに多すぎる。じゃあどうするか。「問題」のある業者は取り潰してしまおう、と言うのである。ことトラック業界においては行政は業界を守ろうとか繁栄させようとか言うつもりは残念ながらあんまりなさそうだ(ここ重要)。投資家にとってはそれだけ魅力的ではない業種といえるでしょうね。

たとえば、今までは事故の死亡事故の第一当事者にならないと監査は来ませんでした。しかしいまはもらい事故のような死亡事故でも監査が来ます。うちらの業界の監査と言うのは税務署の監査と一緒でたたけば何かしらのほこりは出てしまいます、残念ながら。行政としては「ああ、もう運送業なんか辞めてやる」と経営者に思わせることで「退場者」を増やしたいと。意図的に監査のスピードアップ、そしてそれによる処分数の大幅増を狙っているというのが実感です。

たとえばアルコール検査の厳格化。正直、少なくとも僕らの周辺では、飲んだら乗らないというのはいまは常識です。でもそれ以上に検査に関しては非常に具体的に厳格化を求めてきています。機械が壊れていたのを放置したりするだけで当然行政処分だったり。この辺、証券業界の空売り規制と同じにおいがしますね。ちょっと作法を間違えば御取りつぶしにするぞ、という江戸幕府のようなにおいです。
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こっから下は書くかどうか迷ったのですが・・・。まあ書いておきましょう。
ちょっと前の日記で書きましたが、証券業界にいたときは売買審査や株式部、債券部などにいたことがあり、何度も金融検査当局の検査に立ち会いました。もちろんそういうところですから「何かあれば違反で取り締まってやろう」と言う目で見ています。でも少なくとも数年前までの検査においては「業界に対する愛」といいますか証券業界を健全に発展させてあげよう、と思っている人も多かったといまは感じます。(いまはしらないですけれど)。実務がわからなければ僕らに聞いてきて「なるほど、そういうことなんですね」と理解してくれたりもしました。

一方、トラック業界の行政さんに「愛があるか?」というと残念ながらあんまり無いようです。いまの運送行政はとにかく「会社の数を減らせ」と言うことに尽きるようです。どんなによい会社でもいったん事故を起こせばあらゆる制裁が待っています。また、行政にたてつくと処分が恣意的におもくなったという話も聞きます。(この辺は金融では「公正」かなあ。丁々発止をしても運送ほど恣意的な運用は無いような気がする)。。。。。

まあ運送業に投資する暇な人はいないでしょうが、もしも投資するときは何よりも当局の「姿勢」に注目するのが良いでしょうね。このファクターは想像以上に大きい。たとえ上場している大手でも
。この業界にかかわる行政書士や労務士、トラック協会の人はその辺敏感ですからこの当たりから情報を仕入れることができれば投資の大きな助けになるでしょう。

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